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以前から見たいと思っていた映画、「ガープの世界」。
1982年の映画なのだがやっとこの映画と対面した。

 

一人のガープという男の一生が濃く描かれている。
にこにこ笑った裸の赤ちゃんが青空に高く舞うシーンから物語は始まる。
BGMはビートルズの「When I'm 64」。軽妙なビートルズの曲に乗って「ガープ劇場」の始まりだ。

 

好きになった彼女から「私は作家がいいわ」と言われ
学生レスリングをしていたガープは一転作家志望へ。
本を書こうとしていてブラインド越しに見たものは、今までの自分の過去。

 

さだまさしの歌の歌詞にもあったっけ。「誰もが小説の主人公」。
誰もが人生が一遍の小説になりうる。

 

ガープのお母さんはユニークな逞しい元看護師さん。
ここが、「ガープ小説」の見所、読みどころ。

 

ウーマンリブの先駆けのようなこのお母さんが、ガープを出産するエピソードやら、
息子ガープより先に自伝を出してベストセラーになる件(くだり)は、どちらが主人公なのか分からなくなるほど。

 

ガープは作家志望という点を除いては平凡な男だ。
普通に家庭を築き、普通の夫、父親。
家庭に波風が起こるところも、普通に起こり得ること。

 

では、なぜにこの普通のガープという男の人生に惹かれるのかと思うと、
ロビン・ウイリアムズという誰からも愛されるような役者が演じ、
じたばたしながらも、人生を生きて行く一人の男に何か親しみを感じ、共感させられるところなのだと思う。

 

過去に起こった小さな“事件”。
人生の中それはひょんなこととして再び現れる。

 

これって、きっと誰にでもあることじゃないだろうか。

 

ガープと妻のセリフ。
ガ「いつも過去を思い出しているんだ」
妻「あなたは過去に生きるの?」
ガ「過去を思い出しながら今を生きるんだ」

 

そのようなニュアンスだったと思う。

 

そこに、この「ガープの世界」という映画が凝縮されているような気がする。

 

何度も過去を思い出し、私で言えば過去に見た映画を思い出し、
反芻し、いろいろ感慨にふけってまた現在(いま)を生きていく。

 

ちょっと大げさ(笑)かもしれないけど、これって必要なことなのかもしれない。

 

とっても味わい深い映画。

 

私にとって特別な1本の映画となりました。

 

作品ノート
アーヴィングのベストセラーを名匠G・R・ヒルが映画化。子供だけが欲しいという思いから傷病兵と一方的にセックスする看護婦。やがて生まれた子供はガープと名づけられた。これは、少年から青年、青年から大人へと成長していくガープと、彼を見守りつつ逞しく生きる母を中心に、奇妙な人々が織り成す人間模様を描いた異常なホームドラマ。ガープは作家となり、母もまた自伝的小説を著しウーマンリヴの象徴的存在になるが、その事に端を発した騒動によって物語はあっけなく終息していく。「明日に向って撃て!」や「スティング」の、ではない、「スローターハウス5」のヒルらしさが全開した快作。ガープのR・ウィリアムズ、母親のG・クローズ共にイイ味だが、性転換した元フットボーラーに扮したJ・リスゴーの強烈なキャラクターが深く脳裏に焼き付く。(allcinema ONLINEより)