イメージ 1

「母べえ」(録画鑑賞)

 

昭和15年からの物語。
昭和の家庭の姿を描いた映画は無条件に好きです(笑)
昭和以前のも好きです。

 

昔の家庭の姿=自分の子供の頃を思い出す
だからかもしれません。

 

平屋建ての一軒家。昔の東京の風景。茶の間には父(滋)、母(佳代)、二人の娘。ちゃぶ台を囲んでの晩御飯。日本の家族の原風景。家族をそれぞれ下に“べえ”をつけて呼び合ってます。
畳の部屋の隅にところ狭しと積まれた書物。
貧しくとも教養のある家庭。いいなぁとうっとりと見とれてましたら、
父べえ、特高に連れられて行ってしまうではありませんか!!。

 

父べえは、ドイツ文学者。著作物が反戦を唱えたと、治安維持法違反に触れ検挙されてしまいます。

 

父べえを待つ残された家族。
父べえの教え子の山崎は家族から山ちゃんとの愛称で呼ばれ、家族に親身に接していきます。
インテリで、真面目、心優しい山ちゃん。
何とか佳代を拘置所の滋との面会にこぎつけたり、いつも家族の傍にいてあげます。

 

牢屋に居る父べえはみるみる変わり果てていきます。髪はぼうぼう。
お風呂に入れないので、体じゅうは湿しんだらけ。夏は灼熱の刑務所。冬は凍てつく寒さ。
まともな食べ物は与えられない。
そんな中でも、決して弱音を吐かず、自分の信念を押し通そうとする滋。

 

佳代もまた、夫への愛情を持ち続け、娘たちもお父さんの帰りを待ちわびる日々。
つつましく寄り添う親子の姿。
子供たちは母べえが大好きでいつも寄りかかっておしゃべりします。


 

佳代が恩師に書物を借りに行くシーンがあります。
特高がずかずかと上がり込んできた様子を恩師に話します。
「一体何であんなひどい目に遭わないといけないのでしょうか」
返ってきた返事が
「野上君は法を犯したのです。治安維持法は悪法です。悪法といえども無法には勝る。
法治国家の国民としては守らなければならぬ。そうでなければこの国の秩序はめちゃくちゃになってしまう。」
佳代の偉さは、愛する夫を支持し続けたということです。
「あなた、先生もそうおっしゃていたから、どうぞ考えを変えて」などとは決していいません。

 

警察官の自分の父親とも縁を切るほどの、凛とした姿勢。

 

普通の女性だったらきっとくじけてしまうでしょう。
それほどまで信頼し合った夫婦の姿がありました。

 

そんな佳代を見て、山ちゃんの募る想い。
実らぬ恋と知りつつ、おくびにも出さず慕い続ける山ちゃん。

 

インテリな山ちゃんの控え目な姿が胸に響いてきます。
浅野忠信がいつもと違った雰囲気を醸し出していました。


 

しかし、当時の法というもののヒドさ。
思想の違いであそこまでヒドイ扱いがあったということ。
あまりにもむごすぎです。
まぁ、戦争そのものが むごすぎる行いですものね。

 

山田監督が描く家族の姿は、いつも懐かしさと、絆の深さを感じさせられます。
何かあった時、より一層結びつく家族の姿。

 

家族回帰。
ふとそんな言葉がよぎりました。
殺伐とした世の中だからこそ、家族は寄り添って暮らしたい。。


 

*******

 

話は飛んでしまうのですが、地球上も皆家族だと思えば、戦争は無くなるのになぁと。
外敵でも現れたら、地球上は平和になれる?
話が飛び過ぎました。すみません。。

 

*******

 

*黒澤明作品のスクリプターとして知られる野上照代さんの自伝的小説だそうです。

 

監督: 山田洋次
プロデューサー: 深澤宏
矢島孝
原作: 野上照代
脚本: 山田洋次
平松恵美子
音楽: 冨田勲
ソプラノ: 佐藤しのぶ

 

出演: 吉永小百合   野上佳代
    浅野忠信     山崎徹
    檀れい       野上久子
    志田未来     野上初子
    佐藤未来     野上照美
    坂東三津五郎   野上滋
    中村梅之助    藤岡久太郎
               笹野高史