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吉田修一の「逃亡小説集」(株式会社KADOKAWA:2019年10月4日初版発行)を読みました。
逃げろ、この世界のすべてから
映画「楽園」原作の「犯罪小説集」に続き、数多の賞を受賞する著者がライフワークとして挑む、傑作小説集第2弾
職を失い、年老いた母を抱えて途方に暮れる男。
道ならぬ恋に落ちた、教師と元教え子。
一世を風靡しながら、転落した元アイドル。
そして、極北の地で突如消息を絶った郵便配達員。
彼らが逃げた先に、安住の地はあるのか。 人生の断面を切り取る4つの物語。
もくじ
逃げろ九州男児
逃げろ純愛
逃げろお嬢さん
逃げろミスター・ポストマン
初出は「小説野性時代」、2018年から2019年にかけて掲載されたもの。
「アンジュと頭獅王」は、感動した。吉田修一は成長したと思った。しかし、この「逃亡小説集」は、がっかりした。新聞に載っていたような、通俗的な事件をネタにしている。「犯罪小説集」は、それなりによかったと思うが、それに比して、なんか内容が薄っぺらで、残念極まりない。思い返してみれば、吉田の出世作「悪人」も、逃亡小説だったように思う。
吉田修一:
作家。長崎県生まれ。97年に「最後の息子」で文學界新人賞を受賞しデビュー。2002年には「パレード」で第15回山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞を受賞。、07年「悪人」で第61回毎日出版文化賞と第34回大佛次郎賞を受賞。10年「横道世之介」で第23回柴田錬三郎賞を受賞。19年「国宝」で第69回芸術選奨文部科学大臣賞と第14回中央公論文芸賞を受賞。作品は英語、仏語、中国語、韓国語などにも翻訳されている。映像化多数。
朝日新聞:2019年11月9日
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