ある出来事があって,あなたが不快を感じたとします.
あなたが不快を感じた理由は,あなたの中に『反応の種』があるからです.
なぜそう言えるかというと,その出来事に対して
すべての人があなたの同じ反応をするかというと
ほぼ,そういうことはなくて,違った反応をする人もいるものです.
こういう話をすると,「私が悪いの?」と思う方が結構いますが,そうではありません.
「いい」「悪い」の話ではありません.
「〇〇のせい」という責任論の話ではなく
人それぞれに反応の種がある
という「単なる事実」の話です.
例えば,こんな場面をイメージしてみて下さい.
あなたがご主人との待ち合わせに遅れ,「ごめ~ん」と謝ったとしましょう.
そのとき,ご主人から「なんで遅れたの?」と言われたとします.
さて,あなたはどう感じますか?
このご主人の言葉を,『理由を聞かれてるだけ』と気に留めない人もいれば
『責められた』と感じる人もいるでしょうし
『怒られた』と感じる人もいるでしょう.
もしかしたら,あなたの心の中に,ご主人に対して
「この人はすぐ人を責める」というイメージがあるのかもしれません.
「この人はすぐに怒る」というイメージがあるのかもしれません.
もしかしたら,「なんで遅れたの?」という言葉のトーン,大きさ,強弱,スピードなどが
過去に,あなたが「責められた」と感じた誰かのものと同じとか
あなたが「怒られた」と感じた誰かのものと同じだと(あなたの潜在意識が)感じて
私は「責められた」とか「怒られた」といった反応を起こしたのかもしれません.
もしかしたら,「なんで遅れたの?」という言葉のトーン,大きさ,強弱,スピードなどが,あなたが子供の頃
あなたの身近の誰かが「責められている」場面や
あなたの身近の誰かが「怒られている」場面で
あなたが耳にしていたトーン,大きさ,強弱,スピードなどと同じだったため
このパターン⇒責められる出来事 とか
このパターン⇒怒られる出来事 とあなたの脳が判断して
私は「責められた」とか「怒られた」といった反応を起こしたのかもしれません.
いずれにしても,あなたの中に種があるということ.
ということは,立場が逆になっても同じことが言えるということ.
あなたの言葉に相手が不快を感じたとしたら
それを不快と感じる種が,その人の中にあったということです.
もちろん,不快を感じさせてやろうという意図がある行動は別ですが.
で,何が言いたいのかというと
不快を感じる出来事に対して,「あ,私の『何か』が反応している」と気付くだけでも
その出来事と自分の感情を切り離せて,少し冷静になれて
大きく振り回されずに済むということです.
さらに言えば,自分の何が反応しているのかがわかると
出来事と自分の認知(捉え方,解釈)を切り離しやすくなり
出来事をニュートラルに捉えられるようになるので
被害者加害者の世界から抜け出しやすくなりますよ.
例えば僕は,「大切にされない」という捉えグセがあるのですが
不快な出来事を感じたとき,「あ,コレは自分の中の『大切にされない』が反応しているな」などと自分を観察できると
「相手にその意図はあったの?」と自問自答することで
「相手は自分の考えを言っただけ」とか「相手は気付かなかっただけかも」とか「僕の当り前は相手の当り前じゃないのかも」などと
様々な角度から可能性を検証できるので
自分が被害者でいることから抜け出しやすくなります.
じゃあ,自分の『何が』反応しているのかを見つけるにはどうすればいいのか?
「あれでしょ?」と予想がついている方が多いと思いますが
たぶん当たってます(笑)
長くなったので,次回に続きます.
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