五感
目がみえる耳が聞こえる匂いを感じられる食べ物を味わえるものに触れられるこれが、どれほど素敵で幸せなことか、と44歳のいま、強く思ういずれはすべてが使えなくなるそれはもう、生き物ならば等しく決まっているならばいつかくるその日までそれらを大切に大切に使っていきたいこれまでついつい酷使しがちだったけれどこれまで以上に優しく労わってあげたいと思うなんとなく惰性で続けてきたことや勝ち負けにこだわって苦しくなることを一つひとつ止めていくその中で無意識のうちに当たり前だと思っていた五感に感謝することがどんどんどんどん増えていく過去は戻せないし未来はまだ分からないからいま、このときのじぶんがどう生きていきたいか、どうありたいかそれだけでもいいと私は思うじぶんが心地よい生き方を選んでいい人生、いつ終わりがくるかよっぽどでなければ分からないそれでも少しずつ、少しずつ死へ向かって生きているいや、生きているから死へ向かっているのかどちらでもいいいま、わたしはとてもしあわせだ