売れ残りの子を買うことは尊い行為か | タンタンとパパの子犬の社会化ブログ

タンタンとパパの子犬の社会化ブログ

最新のドッグトレーニングと犬猫に関する情報
動物保護のお話など

 

近頃思うのですが、

ペットショップで売れ残っている子が『引き取り屋』に渡されてしまったり、

パピーミルで身体がボロボロになるまで出産させられることをかわいそうに思って、

買い取ってしまうことってどうなんでしょう...

 

 

確かにその個体一頭にとっての世界は地獄から天国に変わるほどの差があるでしょう。

 

しかし、そうやってペットショップの利益に貢献してしまっては、

いつまでたってもこのペット産業の構造が改善されません。

 

私たちはパピーミルによる子犬子猫の大量生産から、

ペットショップによる商品としての大量販売、

無責任な飼い主たちによる飼育放棄から殺処分、

または売れ残った犬猫の引き取り屋への放出、

パピーミルへ戻されて台親としての出産地獄、

という非道なスパイラルを断ち切らなければならないのだと思います。

 

 

しかし悪徳ペットショップほど優しい人たちの心を逆手にとって、売れ残った子たちに対する同情心をゆさぶります。

 

近頃聞いたのはショップ店員に「この子もう生後6ヶ月ですしうちの支店で売れなかったらヤバイとこ連れて行かれちゃうんですよね...」などと囁かれたそうです。

 

 

本当はペットショップから買い取ることは避け、

「お金を払って引き取り屋へ渡すくらいなら無料で保護しますから」

愛護団体が交渉してショップから引き取って里親を探すことが、

まだ好ましいとは思うのですが...

 

私が知っている愛護団体の方に「そういう活動は行っていないのですか?」と聞くと、

引き取り屋に渡すようなことをしない良心的なブリーダーさんなどは、

「うちで暮らすより新しい家庭で可愛がってもらえる方が幸せだろうから...」と、

託してくれるのだけど、非倫理的なことを行っているショップほど内情をリークされることを恐れて、愛護団体との関係を持とうとしないとのことでした。

 

それでも足繁く通って心を開いてもらえるよう説得はしているそうです。

 

 

かわいそうだから自分がなんとか助けたいという気持ちは重々分かるのですが、

『買う』という行為で救うことは、『売る』という行為を助長することになります。

 

目の前のその子は救えても、

自分の前には現れない流通過程で

死んでいく年間2万6千頭の子犬子猫、

産める限り何頭もの子供を産まされ、

無麻酔で帝王切開を繰り返されるたくさんの母犬、

そして引き取り屋で飼い殺しにされる犬猫を増やしていることを、

もういちど考えてみなければいけないのではないでしょうか...