英語は度胸とニューヨーク流! -24ページ目

③ゼロ時間へ(クリスティの心理学)


英語も度胸、愛嬌、センス!

今回は、ポワロでもミスマープルでもないノンシリーズ。
とはいっても他の作品で数回以上出てきてるバトル警視が謎解きをします。


原題は Towards Zero
ゼロ地点=つまり殺人の起こる地点に向かっての話です。


今では他の作家が、いつ殺人が起こるのか…とやきもきさせるような文学性の高い作品をたくさん書いていますが、40年代はまだまだ本格推理全盛で、のっけから殺人があってそのトリックを解くのが主流。

アガサにとっても試験的な作品でした。


そして見事に成功したと僕は思います。


のっけからまだ見えぬ犯人の殺人計画のシーン。

そしてバトル警視の私生活へと移り、その場面も謎解きの伏線。
計画された殺人以外にもいろいろな事件がありますが、それらすべてが男女の三角関係のドラマで

薄くコーティングされています。


全体を見ると心理学的な要素より、精神医学的な要素の方が強いこの作品。
しかし今回特に説明したいのが、心理的なエネルギーの話です。


冒頭で、ある青年が自殺を図って助けられます。彼はこのあと最後の方まで出てこないんですが、

その状況変化がドラマティックで、真の主役は彼だったんだなと気づかされるのです。
そして犯人が陥落するシーンもそうです。
万全の計画を立てていた自信が崩されたとき、ただ落胆するのではなく、精神的に崩壊してしまいます。


この2点に共通するのが心理的なエネルギーです。


よく負のエネルギーとか聞きますが、物理的には正も負も、数値的に同じであればただ方向が違うだけです。
そしてこのプラスとマイナスは、しばしば同じ数値でバランスをとろうします。つまりゼロにしようとするのです。


英語も度胸、愛嬌、センス! ←クリックすると動画になります


たとえば今回の挿絵のような2つの坂。谷間がゼロと思ってください。
そこにボールを転がした場合、下ってゆくのがマイナス、上ってゆくのがプラスです。
摩擦や重さなど邪魔をする条件を考えないと、ボールは谷に落ちてまた同じだけ上るというのが理屈です。
あとは斜面の角度でスピードやエネルギーが変わります。急な坂から落ちれば、谷からまた上がる速度も高さも上がります。これは加速度のせいです。


この加速度は、物理的なことだけでなく、心理的にも大きく作用しています。
先にあげた男は、実際に崖から身を投げるまで精神的に追い詰められます。
実は自殺というのは、ただ不幸というだけではなかなか達成できません。通常の精神バランスを1歩、

越えるのです。いわば本当に脳の病気だったり、最終的には精神疾患だったりすることが多いのです。

自殺も寿命といわれるゆえんもこれです。


ここで助けられてしまった彼が、今度はうまくやるからな、と言うと、看護婦にこう言われます。
「それはだめね、もう自殺はできないわ。やれたためしがありませんもの」


これは自殺未遂に終わった人たちのデータからも9割以上正しいことです。心理的にもどん底。

そこまで行かないと、自殺を達成するエネルギーが出てきません。彼の場合は、その高かった心理的な山が、助かったことである程度ならされてしまい、加速度がなくなってしまった状態です。しかし、どん底を体験したエネルギーは消えたわけではありません。物語終版の活躍はそのエネルギーが方向転換してプラスへ向かい、その分普通ではできないことをやってのけるのです。

一方。殺人を計画していた犯人の方は、計画を立てたことで心理的に高揚しています。
先進的な文明社会では自分を殺すのと他人を殺すのは同じことで、殺すと言うこと自体、精神のバランスをすでに欠いています。この犯人もかなり傾斜のきつい高い山を心理的に築き上げていますが、そこから押されてしまうと、すごいスピードで落ちることになるのです。


こうしてみると、現実的にもいろいろな例が思い浮かびます。
事故で急に身障者になってしまった人が、健常体の人よりすごいことを成し遂げたり、すごい貧乏を経験した人が、社会的、経済的な成功を収めたり、プラスの方向(これは何も上とか下とかいうことだけではなく)へ向かう話がたくさんあります。つまり慟哭を経験した者が持つ心理エネルギーの大きさが働くのではないでしょうか。


僕の知り合いのおじいさんにシベリア抑留を体験して生き延びた方がいます。今ではぼけてはいますが、

身体的には健康です。こうした丈夫さは生活嗜好もあるでしょうが、やはりつらいところを切り抜けた強さを

感じます。ということは先にあげた心理エネルギーや物理エネルギーだけではなく、体力にもそれは当て

はまるということかもしれません。


ここでひとつ紹介したい心理学用語が、フラストレーション耐性(=Frustration Toleranceです。
心理的な障害を生ずることなく,ストレスに耐えうる能力またはその限界のことで、これは僕の知り合いの

おじいさんだけではなく、この作品中、少なくとも2人にあてはまる言葉です。


さて加速度の話に戻ると、極端な例ばかりではもちろんありませんが、逆に言えば、大きな不幸も感じない

代わりに、特にすごいことも成し遂げないのは、この心理的な加速度が足りないせいともいえるでしょう。


これは氷を作る実験でもたとえられます。
氷を早く作りたいときは、なるべく熱いお湯を使います。お湯が冷めていく加速度が、ゼロを通過して凍って

ゆく時の加速度を与えるのです。


この物理や数学で習う放物線は、日常生活や心理的にも大変有効です。
幸せそうにしてる人が冷水を浴びせられた時のショックで怒るエネルギーは、

すでに不幸な状態にある人が受けるショックより大きく、荒れ狂うこともあります。


僕がよく皆さんに留学を勧めるのも、ひとつはこのエネルギー取得のためです。
現地で受けるショックは意外と大きく、その分つぶれる可能性もある代わりに、大きく飛躍するチャンスだと

思うからです。つぶれても日本に帰って来れますし、その挫折感がまたエネルギーになることもあります。

とにかくぬるま湯状態に変化をもたせることはいいことだと思うんですが…。


物語から脱線してしまいましたが、
この作品では、うわべだけの心理学を用いた場合の悲惨な例を、バトル警視の娘が行く名門学校の校長が

実践していて、今の心理学ブームを皮肉ってもいます。
犯人と決め付けられた娘の心理状態は、蛇ににらまれた蛙、反論することもできず、精神的にマヒ状態に

陥ることになります(先ほどのフラストレーション耐性)。


他にこの作品の中で目に付くのは、やはり潜在意識的な連想です。
バトル警視がなんか変だと感じたものは、過去にポワロがやったことを覚えていて、その際の状況を思い出したからです。また、犯人逮捕となったときに思い出したのも、その前に語られた私生活の中で起こった事件を覚えていて、その相似性で犯人かどうかの確信を得ることになります。残念ながら、またもやほんとの手柄は、背の高い好青年にさらわれてしまう彼ですが、そのどっしりとした探偵ぶりは大変魅力的です。



今回のポイントは…

物理と同じように心理的にも加速度があり、どん底に見えれば見えるだけ、その分すごいエネルギーを

秘めている、そして方向転換でそのエネルギーをプラスにも使えるということ、それに尽きると思います。



最後にこの作品で1番印象に残った言葉。それは冒頭の看護婦さんからです。


自殺する権利はないといった彼女に、彼は、
「つまりぼくがいつか偶然通りかかった場所で、暴れ馬をとりおさえて、かわいい子供を助けることになるかもしれないとでも言うんだろう?」
彼女はうまく言葉にできず、もどかしそうに言います。
「ただね、どこかで生きているだけなのかもしれない。別に何をするっていうんじゃなく、あるときある場所にいると

いうことだけ。あなたがどこかの町を歩いているというだけのことが、何かとても大切なことになってくるんですわ。きっと自分でもそれとは気づかないうちに」


このバタフライイフェクトの先触れとも言える言葉が、最後に胸にしみます。


心理的要素はあまり表には出ないものの内容は濃く、ミステリーとしてもロマンスとしても楽しめる1冊です。
数あるアガサの名作の中でもこの作品は、ファンの間で常にトップ10に入る作品。この機会にぜひトライして

いただけたらうれしいです。



用語の説明


エネルギー=エナジー= energy
これは物体の持つ力の総量を言う言葉で、たとえば「エネルギーが有り余ってるね」という時。
モメンタムmomentum

「すごいエネルギーに押しつぶされた」といった瞬間的な力には、実はこの言葉を用います。
日本語のように何にでもエナジーを使わないようにね。 
加速度=アクセラレーションacceleration
速度の増加をいい、動詞は accelerate 加速させる、促進する、時期を早める
車のアクセルもこれが語源ですね。 
フラストレーションfrustration
心理学用語で欲求不満は有名ですが、挫折や失望など一般の意味もあります
ストレスstress
圧迫、圧力。これは上のフラストレーションとよく混同され、日本語では何でもストレスにしてしまいますが、

半分以上の例が英語ではフラストレーションという言葉に置き換わります。
また動詞も大事です。緊張させる、圧迫する、アクセントをおく、などの他動詞です。

バタフライイフェクトbutterfly effect
蝶の羽根のひとひらが世界のどこかでハリケーンを起こす、という例からのカオス理論。
大変小さな物理的な動きによる、後の大きな影響をいいます。




英語は度胸と愛嬌!

20 Questions

英語も度胸、愛嬌、センス!  

アメリカではよく、都会ではアパートに住み、田舎に家を持つ人が多く、週末もシティで過ごすのは、なんとなくルーザーな感じがします。アパート賃貸だけのわしとしては、週末はそういう友達に招待してもらうしかありませんでした。

夏なら海辺の別荘を持った上司や友人から誘われ、自分でも、そういった物件をひと夏契約でシェアすることで、ちょっとリッチ気分。昼間は花などの手入れやプールで泳いだり掃除したり。夜は、レストランはなくてもクラブで踊ったり、人の家のパーティーも盛んで、退屈しません。その後は日焼けと社交のためか、疲れきってベッドに入ります。


問題は冬です。社交シーズンでもなく、氷点下の中でひたすらあったかい家にこもる日々。
スキー場近くに家を持つ友人や、田舎に家を持つ友人もいますが、誘われてもあまり行きたくありません。夜が退屈だからです。普段はインターネットやテレビやジムや仕事や(←4番目にくるか)外食で忙しくしていられるのに、田舎ではネットにつながるか、彼らの好きな映画を大画面で見ることになります。


そこではじまるのがゲーム。
ポーカーやヤッツィー、ブリッジやマージャンなどギャンブル仲間なら問題なし。他の場合はスクラッブルやボグルといったワードゲームやモノポリなどのボードゲーム。ジェスチャーゲームなどは人数が多かったり、道具などない時でも関係なく、結構盛り上がることもあります。

中でも1番シンプルなのが今回紹介するトウェンティクエスションです。
1人の出題者が、映画のタイトルなり、人の名前なり、何でもいいので答えを考えます。
他の人はいろいろ質問して、核心にせまっていく遊びです。


英語を勉強している人にとっては、質問の仕方などいろいろ工夫できますし、何よりその回答についての情報を、英語で整理できるので、友達同士で試してみてください。今回は僕が自作自演でやってみます。

ルールは
20問以内に解答すること。
出題者は答えを紙に書いて保存。
質問にはYES or No だけでしか答えないこと。
3問早く解答できた人が勝ちとか、正解した人が問題を出すとか決めておくのもいいかも。


① Is it alive ? 
No.

② Can you touch it?
No

③ Is it something you can see or watch?
Yes

④ Is it a name of a movie?
No ( At least I don't know such movies)

⑤ Do you have to be somewhere to see it ?
Yes

⑥ Where is inside the building ?
Yes

⑦ Is it somethig you can play with, too ?
Not exactly.

⑧ Are those you see moving ?
Yes

⑨ Does it reqire electricity ?
Yes

⑩ Is it some kind of a game?
No

⑪ Do you see any human in there ?
what do you mean ?

Do you watch or look at human in what you see ?
.....No

⑫ Is it related with water ?
No, I don't think it is.
⑬ but, is it a name of a place ?
Yes

⑭ Do they sell things over there ?
Yes

⑮ Is it a shop ?
No

⑯ Is it a museum or gallery?
which one?

Museum?
No

⑰ Is it some kind of an amusement park ?
Yes, some of them are

⑱ The place has to be dark?
Yes

⑲ The answer is the Haunted mansion?
No (lol)

⑳ You see lots of stars there.
The answer is ....

Yes ! You got it !


もうわかりましたよね?
途中出題者が答えに迷ったり、質問を絞るように言ったりします。
大勢でやると、誰かが早とちりして解答そのものを言おうとするので、質問数を無駄にしたりしますから、これほどカンタンではありません。
また答えがわかったときに、あのときの質問に対する答えが正しくない、などと反論が出ることもありますが、あくまでもでも出題者の良識にまかせて納得することです。
最初の5つぐらいの質問はたいてい同じになってしまうことが多いので、映画の題名とか、動物とか、最近の話題の人、などあらかじめテーマを決めておくと、毎回同じ質問を繰り返さないですみます。
テーマにもよりますが、「~のような人」といった抽象的な答えではなく、はっきりした名詞や固有名詞を出題します。日本語でももちろん出来ますが、英語だと勉強にもなるし、余計難しくなって面白いと思うんですがどうでしょう。これ用のゲーム機も販売されていて、あなたの考えた答えを機械が質問しながら当ててくれます。
今回の答えは planetarium プラネタリウムでした。発音はプラネリアム、にアクセントがきます。
英語も度胸、愛嬌、センス!  英語は度胸と愛嬌!


part 16. (続)ウダクダシュダは未練がましい?(類義語シリーズ④)

英語も度胸、愛嬌、センス!


タラやレバって好きですか?


タラは冬の鍋によし、タラコはおにぎり、白子はチョイ焼き。
レバはビタミンB豊富で、女の子にもいい…
って、今回はそれとは違う英語のタラレバ。


あれが~だったら、とか、もし~してれば…と思うことよくありますよね。
もう過ぎたこと、くよくよしても始まらない、なんてのは英語でも日本語でも同じ。
でも言いたくなっちゃうのがタラレバ。英語でいう if ですが、
これに後悔の念をこめていう表現が、ウダクダシュダです。

正確には would have, could have, should have.


Oh, stop that wouldacouldashoulda, already !
(も~ういいかげんにそのウダクダシュダ、やめなさいよ!)
なんて、言われます。人によって順番は変わりますが。


will, can, shall の過去完了、ではありますが、これは独立した表現として覚えましょう。

未来のことを言うのにも使うことがあります。
過去完了という形式では、会話の中で使われる頻度が1番多い表現ではないでしょうか。
ハンバーガのピクルスのように、if とセットで使われることが多いのも特徴です。


ただの過去形とどう違うの?という疑問もあるでしょうが、
推測や希望が入ってるところが大きく違います。


① Would have だっただろうに…


私はいい人間です。でも彼がひどいことをしたんで、
ついこっちもカッとなってやな事を言ってしまいました。


私だってもっといい人でいられたのに。
I would have been much nicer.
もし彼がもう少し優しければ…。
if he was a bit more caring...

I would have been much nicer, if he was a bit more caring...


もし彼女がもう少し物分かりがよければ
If she was a bit more understanding,
オレだって、あんなことしなかったのに
I wouln't have done such a thing.

If she was a bit more understanding, I wouln't have done such a thing.


じゃあ、代わりに何をしてくれたって言うの?
What would you have done for me instead ?


なんか口論は尽きませんが…



② Could have ~できたのに、~のはずだった


オレは彼女の誕生日にステディリングを買ってやろうと思った。
でも無理したんで高いレストランには連れて行ってやれなくなった。


もしあのリングが予算内だったら
If the ring was within my budget,
彼女をお洒落なレストランに連れて行ってやれたのに。
I could have taken her to a fancy restaurant.


If the ring was within my budget, I could have taken her to a fancy restaurant.


なんで彼女はみんなの前であんなこと言えるんだ。
How could she have said that in front of everybody.


おっと、彼にも言い分があったようです。



③ should have べきだった、~すればよかった


けんかした2人はとりあえず言いたかったことだけは言おうとします。


あなたがそういうことを先に説明してくれればよかったのに
You should have explained it to me at first.


君の方こそ、オレの言うことを聞いてくれればよかったじゃないか
Shouldn't you have listened to me first ?


そうすれば、私たち/オレたち、きっと今頃もっと幸せだったのに
Then we should have been much happier now.


ついに2人同時に同じ事を言ってしまいました。


最後の should の使い方は would でも代用可能の should です。


2人の仲もなんとか元のさやに収まりそうですが、
3つの表現、普通・否定・疑問文、しっかり頭にもおさまったでしょうか?


普段はこれほど感情的ではなく使うことが多いので、ニュアンスの違いだけ
覚えておいてくださいね~



ついでに must have ~ might have ~もやっときましょう。


④ must have だったに違いない


もう今頃は空港に到着してたにちがいない。
I must have been arriving at the airport by now.


そいつはきっと難しかっただろうね。
It must have been difficult .


かわりにバスに乗ってたにきまってるし。
because you must have taken the bus instead.


上の文は、バスに乗らなきゃならなかった、という解釈もできます。
must 本来の~しなければならなかった、という使い方も可能ですが、
一般的には~に違いない、として完了形は使われます。


また、must not have ~という否定で、~じゃないに違いない、という
日本語ではちょとややこしい2重否定もできます。
もちろん、~してはいけなかった、もありです。


ただ、must使わなくてもすむことが多いので、シンプルなものを選びます。


⑤ might have  ひょっとして~だったかもしれない


It might have been the car hitting my dog.

もしかして僕の犬をひいたのはあの車だったかもしれない


You might not have noticed her but I did.

君は彼女に気づかなかったかも知れないが僕は気づいたよ



助動詞+完了形、使えるようになったでしょうか?
つたない説明ですいませんでした~。


追伸:

わしの英語ブログでも、原文と訳を載せることが多いんですが、日本語訳はあくまでも

自然な日本語を心がけています。でも出来れば直訳的なほうがわかりやすいという方がいましたら、

ぜひご意見お願いします。

たとえば、I was confused by what he said. 日本語なら「彼の言ったこと困惑した」ですが、

直訳ですと、「私は彼の言ったこと困惑させられた」となります。

みなさんはわしの訳で困惑してませんか?


英語は度胸と愛嬌!

Part 15. (改)ウダシュダクダは未練がましい?(類義語シリーズ③)



英語も度胸、愛嬌、センス!



生活の中でも仕事でも、やらなきゃならないことって多いですよね。
でも、この間放映したNHKの地球ドラマチックでは、
70年代に戻って生活する家族の実験があり、今よりもっと不便だったんだな~
と、改めて実感。なのになぜ、~しなきゃ、と思うことが減らないんでしょう。


……その疑問は置いといて、
今回は皆さんが好きな「~しなければならない、~するべき」の表現。


きっと他のいろいろな方の指導でもたくさんやってることでしょうが、
いまいち把握できてない人はここでまた、意味をさらってみてください。


よく比較される義務的な強さでいえば
have to > must > ought to > should でしょう。


① have to


must
とよく比べられますが、自分から見ても、他人からみても
法律やルールなどにのっとっても、~しなければならないのはこちら。


疑問文や否定文の作り方は
Do I have to obey the rule ?
Well, you don't have to, but you'd better do it.

規則には従わなきゃいけないの?
いけないって言うんじゃないけど、そうした方がいいよ。



② must


とても強い表現なので have to で置き換えることも多いです。

決定的な違いは、自分の観点から見て~しなければ、と納得できることです。


疑問文や否定文の作り方は
Must you go now ?
Yes, I must not be late otherwise my children will be lost.

すぐ行かなきゃダメなの?
そう、遅れることはできないわ。じゃないと子供たちが迷子になっちゃう。


~に違いない、というニュアンスもありますね。


You must be joking !

まーた冗談ばっか言ってぇ~


I must look awful !


「きっとひどい格好に見えるに違いない」なのか、
「ひどい格好をしなければならない」かで悩むことでしょうが、
相手との会話の関係で判断するか、have to など他の助動詞を
代わりに使って誤解を生まないようにするのも手です。
強さの順番にこだわる必要はありません。



③ ought to


should とほぼ同じ使い方ですが、
have tomust の違いにもあるように、
客観的に見ても~するべきなのはこちらです。


疑問文や否定文の作り方は
Ought I bring the other kind of maps ?
I ought not to give you any advice since I've never been there.

他の種類の地図も持っていくべきでしょうか?
私がそんなアドバイスするべきじゃないでしょう。行ったこともないんですから。


ought not toto は米語では省く事も多いです。
また、~のはずがない(cannnot)の意味になることもあります。


No, you ought not. to have any problem to find it.

いいえ、見つけるのはそれほど難しくはないはずです。



④ should


~するべきで1番使われるので問題ないでしょう。
should は他にもいろいろ違うニュアンスで使うことが多いので、
この際きちんと把握しておき、誤解を避けるるようにしましょう。
詳しくはこの
GOO辞書 should の使い方 で。


疑問文や否定文の作り方は
Shouldn't you be in your office now?
Not at all. I shouldn't spoil my new boss from his first day !

もうオフィスにいなきゃいけないんじゃない?
ぜんぜん。初日から新任のボスを甘やかすことないわよ。



⑤ cannot help ~ ing (または it, that)


付け足しとしてこの~せざるを得ない、も少し。


I can't help working overtime because there's noone else here.

残業しないわけにはいかないよ、だって他に誰もいないんだから。


他人や法の義務とは関係なくても使いますね。
自発的にそうなってしまう場合です。


I couldn't help laughing by his joke.
彼のジョークでつい笑ってしまった。


⑥ had better

~したほうがいい


勧めている、というより少し警告っぽいニュアンスがあるので

should に近いかもしれません。(ご指摘いただいたAIさん、Thanks !)


'd better というように省略が多いので、会話ではほとんど

Better do it now のように、I had が落ちることも多いです。

また、警告という意味では、さもないと、という後の文が続くこともしばしば。

これは、orotherwiseで続けられます


I'd better go now or I will be late.

もう行った方がいいね、さもないと遅れてしまう


疑問文や否定文にはよく注意して

You'd better not provoke her.

彼女を刺激しない方がいいよ。


Had I better watch my weight a little?

少し体重を気にした方がいいだろうか?


Hadn't we better listen to him more carefully ?

彼の言うことをもう少しよく聴くべきだろう?

(=聴かなくてもいいのかい?)


⑦ might as well

~した方がいい

had better と同じように使うことができます。

(ご指摘いただいたAIさん、Thanks again !)


You might as well do as I say. (as ~ as 構文と少し違います)

わしの言ったとおりした方がいいよ



同様に~する、という使い方もできます。

自分が主語の場合は省略することも多いです。


Might as well have whisky and soda.

私もウイスキーソーダをいただこう


I should quit smoking. ~ Might as well !

タバコやめるぞ。 ~ ぼくも同様に(やめよう)



表題は次のブログにまわされています。続いて読んでくださいね~



英語は度胸と愛嬌!

英語で読むタオのプーさん 第2章 

英語も度胸、愛嬌、センス!


第2章 Uncarved Block


ここではタオのイメージを「彫られてない木(uncarved block)」で説明しています。

素のままでいるそのシンプルさに、よさがあり、何かを成し遂げるがあるということ。
それがプーのシンプルさに表れているものです。


ちょっと関係ない話ですが、インテリアデザインでも、加工されてないそのままの木材を見ると、

このままテーブルの天板や棚板に使ったら、味があっていいだろうな~なんて思います。




プーとピグレットとラビットが森で道に迷ってしまいました。
こっちだと思う方向へ行くと、また元の砂場(sand-pit)に戻ってしまいます。


" Well, " said Rabbit, after a long silence in which nobody thanked him for the nice walk they were having,
"we'd better get on, I suppose. Which way shall we try?"


" How would it be, said Pooh slowly,
" if as soon as we're out of sight of this Pit,

we try to find it again ? "


" What's the good of that ?" said Rabbit.


" Well, " said Pooh.

" we keep looking for Home and not finding it,

so I thought that if we looked for this Pit,

we'd be sure not to find it,  

which would be a Good Thing, because

then we might find something that we weren't looking for,
which might be just what we were looking for, really. "


" I don't see much sense in that, " said Rabbit.....

" If we walked away from this Pit, and then walked back to it,

of course I should find it. "


" Well, I thought perhaps you wouldn't. " said Pooh.

" I just thought. "


" Try, " said Piglet saddenly. " We'll wait here for you. "



「さあ、」長い沈黙の後でラビットが言った。
みんなが続けさせられているこの楽しい散歩には、誰も感謝しなかったので。
「そろそろ出かけようか。どっちへ行こうか?」

「じゃあこんなのはどうかな…」プーが言う。
「この砂場が見えなくなったら、またここを目指すってのは?」

「それが何になるんだい?」ラビットがきく。

「えっと…」とプー。「家を探し続けても見つからないなら、
こう思ったんだ、この砂場を目指しても砂場はたぶん見つからない。
それってきっといいことだよね。
だってそれならきっと探してなかったものが見つかるってことだし、
それこそ、ぼくたちがほんとに探してるものかもしれない。」

「あんまり理にかなってないね」ラビットが言う。
「この砂場から離れて、またもとに戻ろうとすれば、もちろんぼくが見つけるに決まってるよ」

「たぶん、見つからないと思ったんだよ」と、プー。「思っただけ」

「やってみてよ」突然ピグレットが言った。「ぼくたちここで待ってるから」



案の定ラビットは帰ってこず、プーとピグレットは2人で家を目指します。
ラビットがうるさく言ってる間は聞こえなかった、家にある蜂蜜ポットの声が聞こえたからです。


ここではプーのシンプルさ vs ラビットの賢さ
内なる声を聞こうとするプーと、頭で考えすぎるラビットのゆるいバトル。
はっきり言いたくないプーの「 I thought 」が印象的です。
奥ゆかしさ(modesty)を善しとした昔のイギリス気質がよく出ています。


作者はもちろん、タオの考え方である素のままの力を言いたいのですが、
同時に、理詰めでいってうまくいかない人たちを批判しているようです。


ラビットは賢くあろうとする。フクロウは賢く見せたいとする、
そしてロバのイーヨーは不平を言う。
そういったことのために知識(knowledge)を使うと言っています。
特にイーヨーは幸せと智恵(wisdom)を分離し、現実には何も達成できないタイプだと言います。



岸に立って川の中の自分を見るイーヨー。
「哀れなもんだ(pathetic)」そう言って向こう岸へ行き、また戻る。


" As I thought, " he said.
" No better from this side. But nobody minds. Nobody cares. Pathetic, that' what it is. "



「思ったとおりだ」彼は言う
「こっち側よりいいって事もない。だけど誰も気にしない。誰も気づかない。哀れそのものだ」



自分はよく知ってて、他人は知らないことに満足するだけ。
でもそれで幸せな気持ちにはならない。それがイーヨー。
あくまでも悲観的で、うつむき、後ろ向き。
そうしておけば、いやなことに当たってもそれほどショックじゃない。
こうした姿勢、今でもよくありますよね。


役立てることのない知識で頭をいっぱいにして、
その複雑さや傲慢さといったものが邪魔をするのは、
人生は楽しいものだ、という気持ち。そうする力です。


素直なピグレットは言います。
" Pooh hasn't much brain, but he never comes to any harm.
He does silly things, and they turn out right. "



「プーはあんまり頭よくないけど、害にもならない。
おバカなこともやるのにうまくいくんだ」



次回は博識のフクロウさんの話です。



用語のポイント

modesty  けんそん、控えめ、簡素 (ad. modest, adv. modestly)
knowledge   知識、知っていること
wisdom   智慧、英知
pathetic  哀れ、哀れを誘うような
harm    害する(動詞・名詞)傷つける

clever   賢い、器用、才気ある、抜け目ない
smart(賢い), bright(利発な), intelligent(知的な)との使い分けに注意


表現のポイント

see sense   道理にかなうと思う、意義を見出す

I will make her see sense. 彼女に道理を言って聞かせるよ。

I suppose ~と思う(少し推測)

I am supposed to do my homework by Monday.

月曜までに宿題を終えることになっている

What's the good of that   それが何の役に立つ?
perhaps......would  たぶん~だろう
perhaps......should  きっと~だろう

Perhaps...... ひょっとして~かもしれない


今回書いててふと気づいたのは、最近のマージャン。

なんでこんな点数も役(ルール)も知らない人たちに負けるんだろうって。

運だから、勝たないまでも、負けるのは避けられると思ってた。

きっと確率を計算しすぎて、場の流れに乗ってないせい…




英語は度胸と愛嬌!

Haiku in English

フォト俳句というのを知ってますか?


写真に合わせて俳句を読んだもの(またはその逆)で、
普通の文で紹介するより味わいがあって楽しめます。
見る人がいろいろ想像して、創造する余地が生まれるからかも。


俳句は英語でも書かれている様式ですが、
5,7,5文字の日本の感覚とは違っています。
シラブルごとや4行詩など、いろいろなスタイルがありすぎて、
自分には、なじめないスタイルが多いです。


切れが悪い、ゴロが悪い、まとまりがない…
英語圏の詩人には違う印象なんだと思いますが、
各グループで、ルールが一環してないようにみえます。


共通してるのは、短い文の中で、気持ちや印象を表現する。
ひとつの単語に言外の意味や季節や情報をこめる。
すべてを語らないところによさがあり、広がりがあります。


そこで独自のEnglish Haiku & Senryuを募集しますパー


ベイシックルールは季語と3行詩。
川柳なら3行詩だけでいいかもしれませんがオチも忘れずに。
自分でもあやしいと思うときは、日本語の説明もつけてください。
コメントでもメッセでもいいです。
後で紹介させていただくかもしれませんが、どうぞよろしく!


写真なども添えたい人はぜひ、英語でなんとぐるっぽで 発表してね!
今まで詩など挑戦したことない人でも、結構楽しめると思いますよ。


では外国人の例を


Snow in my shoe   
Abandoned
Sparrow's nest


by Jack Kerouac


置いといた靴にスズメが巣を作り
それも今は放置されて雪が積もっている


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Whitecaps on the bay:
A broken signboard banging
In the April wind.


by Richard Wright


湾岸に白い帽子
こわれた看板がガタガタ打ちつける
4月の風


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わしの作品


Saying oops !
Kumquats, popping out of the bag
race into under the fridge


おっと、袋から金柑が飛び出して
一目散に冷蔵庫の下へ



英語も度胸、愛嬌、センス!



英語は度胸と愛嬌!



Part 14. 日本は恥の文化?(類義語シリーズ②)


英語も度胸、愛嬌、センス!

日本人はもしかしたら世界1恥ずかしがり屋かもしれません。
ところが英語には恥ずかしがる表現がたくさんあります。
イギリスは精神性が日本と似ていたからかもしれません。


そこで今回は「恥ずかしい」をテーマに。


恥ずかしいには3つのタイプがあります。


①シャイなこと
②恥だと思うこと
③決まり悪い思い(いわゆる赤っ恥というやつ)


すべて形容詞、または受け身で表すことが出来ます。
他動詞が多いので、恥をかかせる(他動詞)、恥ずかしい思いをする(受け身)、
というように使うことがポイントです。



①恥ずかしい、シャイになる、赤面する、どぎまぎさせる(他動)


shy(ad, vi), shyly(adv), shyness(n) 恥じらう
blush(vi), blushful(ad), blushingly(adv) 恥らって赤くなる
abash(vt), abashed(ad), abashedly(adv), abashment(n) 狼狽して赤くなる


I am very shy.  

ワタシはとても恥ずかしがりです。


The kid shied away from her.  

その子は(恥ずかしくて)彼女から後ずさりした。


She blushed with a pleasure.   

彼女は喜びでほんのり赤くなった。


I am sorry if I am abashing you by my joke.  

ぼくの冗談でどぎまぎさせてゴメン。



ついでに反対語も覚えときましょう。

恥ずかしがり Shy

→ 社交的 Outgoing




②~を恥に思う、~に恥をかかせる(他動)


shame(n), shameful(ad), shameless(ad) 恥
disgrace(vt), disgraceful(ad), disgracefully(adv) 恥辱


disgraceは名詞の他に他動詞です。
特に be ashamed of のイディオムに注意。


What a shame !   

なんという恥だ!


→ソフトな言い方をすれば

残念だね~、という意味も

shame には残念、という意味も

It's a shame (それは残念な)


Shame on you !  

恥を知りなさい!


I am ashamed of what I've done.  

自分のしたことがはずかしい。
(直訳→ 私は、自分がしたことを恥じている)


You disgraced our family (name) !

お前は一家の名に泥を塗った。
(直訳→ お前は家族の名前に恥をかかせた)

Mr. Ozawa bared the disgrace of being arrested.
小沢氏は逮捕されるという恥辱に耐えた。


では Be ashamed of ~反対は? 

→ 誇りに思う Be proud of ~



③どぎまぎする、狼狽する、決まり悪い思いをする
(実際にはこれが1番日常的に聞く表現です。)


embarrass(vt), embarrassment(n) 狼狽
embarrassed(ad), embarrassedly(adv) 狼狽させられて
embarrassing(ad), embarrassingly(adv) 狼狽させるような


embarrassは他動詞です。~させる、と、受け身での~するに注意。
特にembarrasedembarraassing の使い分けに注意しましょう。


My mother's behavior in school really embarrassed me. 
学校での母の行動には、本当に恥ずかしい思いをした。


My face turned to red with embarrassment.
私の顔は狼狽で赤くなった。


Don't be so embarrassed even you got no money.
お金がないからといって、恥ずかしがることはないよ。


He ran away embarrassedly.
彼は恥ずかしそうに逃げていった。(恥ずかしくさせられて)


It's really embarrassing that I was overheard by her.
彼女に聞かれたとは、なんて決まり悪いことだ(私を狼狽させるような)


You are embarrassingly shameless.  
君は(こっちが)どぎまぎするほど、恥知らずな奴だ。



いかがでしょうか?
日本語で恥ずかしい、といってもこんなにあります。

特に恥じること、と、恥じらうことにはズレがありますから、
まず日本語の意味をしっかり分けて考えるのがポイント。


ではここでクイズ

次の状況ではどんな「恥ずかしい」を使いますか?


1)うそがバレた時


2)スカートめくられた時


3)彼に告白する時


答えは下記ぐるっぽでね。

こんな時、英語でなんという?

参加者募集中です。↑クリックしてね!



恥を知ることは大事ですが、恥らいはなるべく克服して、
英語上達に役立つといいですね。



英語は度胸と愛嬌!

WBSの英語特集から

英語も度胸、愛嬌、センス!



昨夜のワーサテを観た方も多いと思います。
空前の英語ニーズとブーム、そしてネットでの英語学習「I kow 」が紹介されていました。


アメブロ上のブログやグルッポなど、すでに何度も紹介記事を読み、自分でも無料体験したことがあります。
この春から月額1000円になってしまいますが、必要な単語や表現が、コース別に音声付きで、いつでも好きなときに学べる方法なので、これからも利用者が増えそうです。


この特集で印象に残ったのは、これを運営するセレゴジャパンの社長、グリーンバーグ氏のコメント。本人も日本語を含む数ヶ国語を自由に操る達人です。
「日本人は完ぺき主義。文法とネイティブの発音にこだわりすぎる」ので、なかなか通じる英語が身につかないということでした。ワーサテコメンテーターのフェルドマンさんも同じ考え。(プラス、海外留学すべき、はいつものセリフ)


短い文を組み立て、それをつなぐテク=文法は必要ですが、あとは英語のフレーズごと習ってしまった方が使える英語になります。
自分ではじめから文を作ってみると、同じ意味に見える数ある単語の中から、感覚で選んでしまい、使ってみる。するとどこかで無理な連結が起こりやすいもの。


新幹線のスマートな前部車体に、途中だけ山手線の車両がついていたり、後ろだけロマンスカーの展望台になってたりするかもしれません。
たとえ走りはしても、スムーズではなく、見る人には違和感。
通じはするものの、ちょっと首をかしげさせてしまう英語になるかもしれません。


ここでグルッポでの例を紹介します。(○○さん、失礼!)


I want to make some more progress for my English !!


日本語で文章を考えると「進歩」にprogress を使いたくなります。
「進歩する」でも make (a) progress
「進歩する」のは何においてか、というのが英語の表現
「自分の英語」の進歩、も日本語。「自分の英語学習の進捗」が英語表現


→ I want to make some more progress in my English learning (or study) !!


一見ヘンな点はないようでしたが、連結がうまくいかなかったり、最後部車両がなくなっていました。
日本語から翻訳しようとすると、まず日本語能力を問われると言うことがわかるでしょうか?
ですからフレーズごと覚える数を増やす方が実はカンタンです。


この方は、すぐに以下の文のように直しています。
どこかで聞いたのを思い出したんですね。


I want to improve my English .


これならもう誤解のしようがありません。

うるさい人は skill が必要では?というかもしれませんが、十分通じてますし、skill というほどオーバーな英語能力ではないかもしれませんからね。



フレーズごと覚えたら、初心者は単語を置き換える応用。
この場合、なるべく名詞だけ置き換える練習にしましょう。
動詞や形容詞はトリッキーです。


さて、発音にいたっては、自分なりに発音記号を読み取ったり、音声ソフトの真似が出来ていれば十分。
相手がそれに合わせて理解してくれるはずです。

世界百カ国以上もの人が話すのですからそれなりに癖や訛りがあって当然です。

ネイティブの発音にこだわるのは、実は同じ日本人に対する見栄以上の何ものでもありません。
たとえ完璧な発音をマスターした人でも、ネイティブから見ればネイティブには聞こえないのです。
外見も違うし、話す内容やその持って行き方も違うからです。


何よりもその土地で使う表現ができず、何の癖も文化的背景もない、いわゆるユニバーサル英語になっているからです。もちろん、これを目指すべきでしょうが、ネイティブ英語ではありません。ネイティブ英語とはもっと泥臭かったり、癖の強いものです。


言ってみれば、発音とは外見のようなもの。
外見はインド人でもイギリスに生まれた時からいれば、英語に不自由はしないネイティブです。
日本人はこの「外見」にこだわり、日本人同士で「きれい」「へた」を批評しあってるだけです。


先ほどのインド人の話ですが、イギリスで生まれても、やはり両親の発音や、バイリンガルの影響でRの発音などには特徴が出ます。「あなたはインドからですね」とよく言われるでしょうが、「いいえ、私はイギリス人です。ここで生まれました」と、堂々というでしょう。


こう考えると日本人の「ネイティブ発音」の理想形は、極端に言えば、美しいイメージの白人の発音を真似ようとしているだけかもしれません。発音は外見と言った意味、わかっていただけたでしょうか…?


こうしたことを書くとまた、受験英語にこだわる人や、ネイティブに限りなく近づきたいと思っている人たちから反感を買うかもしれませんが、英語を難しく考えないでほしいということです。

ぼくも人生の半分以上英語で生活してるので、ある程度このアドバイスに自信があります。


法律家や弁護士たちは、自分たちの仕事が増えるように、どんどん法律をむずかしく表現していきますが、受験用の英語を作る人たちもそうです。学ばせようとする前に、試験で落とそうとしています。


英語で、試験などの問題は Quiz. クイズと言います。
日本語のナゾナゾ感覚で解けば面白いのですが、これをまるで Problem のように額にしわ寄せて解く人が多すぎます。


昨夜のワーサテでは、他に機械製造業のおじさん社員や、観光旅館のおばさんも紹介されていました。

彼らは今英語が必要で、文法とかネイティブな発音などと言って、自力で英文を作る余裕などありません。

英語で描かれた図面を読み取ったり、予約日時のメールを裁いたりしなければならないからです。

とにかく、図面や場面や状況ごとに、使われている英語をひとかたまりで覚えていくだけです。

ミスをすれば即、損害をこうむることになるからです。


相手を理解したり、気持ちを伝える手段の基本は、動物も同じ。相手の真似をして共通理解を深めることです。

あなたがほんとに外国人とのコミュニケーションを目標にしているのなら、日本人っぽくてもいい、まず人の真似から入りましょう!自分らしさを出すのはその後です。


アートや職人の世界でも、有名な作家の真似をたくさんしていき、やっと自分の個性が見つかるものです。


そして、わからないことはどんどん質問しちゃいましょう。芸術や職人の世界と違って、日本では、質問する人より、教えたがる人の方がたくさんいますから。



英語は度胸と愛嬌!





英語で読むタオのプーさん 第1章

英語も度胸、愛嬌、センス!

第1章はビネガーテイスター


のっけからあまりプーたちの出番はなく、
中国の絵画、「酢を味見する人々」の話。
3人の学者が樽の中の酢を味わうシーンです。


作者は、樽の中の酢を、人生のエッセンスと捉え、
この3人を中国の3大思想である儒教、仏教、道教の祖たちになぞらえて、
それぞれの違いからタオ=ダオ(道教)を説明しています。


PCの方は、段落かえてあるところで切って読むのがコツですよ。


To K'ung Fu-tse, life seemed rather sour. ...
The government on earth was out of harmony
with way of heaven, the government of universe.


To Buddha, life on earth was bitter,
filled with attachments and desires that led to suffering.
The world was seen as a setter of traps....


But why is Lao-tse smiling?
From Taoist point of view, sourness and bitterness
come from the interfering and unappreciative mind.
Life itself, when understood and utilized for what it is,
is sweet.



孔子にとって人生とはむしろ酸っぱいもの。
この世は天界で定めた儀式=宇宙の法則との調和から外れている。
規律や儀式を重んじる儒教らしいコメント。


ブッダにとって人生とは苦い。
煩悩や欲望といったものに満ちていて、苦しみへと誘う。
この世はさまざまな罠が仕掛けられているようなもの。
煩悩を断ち切ってこそ涅槃へいけると信じる仏教。


では、なぜ老子は微笑んでいるのか。
タオイストから見ると、そうした酸っぱさや苦さは
雑事にとらわれ、観察力のない心から来ている。
人生そのものを理解し、うまく活用できるならば、甘みがある。



" Sweet? You mean like honey? " asked Pooh.
" Well, maybe not that sweet."



この章の要約ともいえる行が


" ..a particular way of appreciating, learning from,
and working with whatever happens in everyday life. "


毎日の中で起こるさまざまな出来事。
それに感謝し、そこから学び、それを生かしてゆく自分なりのやり方。
これがタオだと言っています。



ぼくもいろいろな人や物事に色をつけて考えがちです。
本来は何の色もついてないのに、自分で勝手に決めた色で
怒ったり、悩んだり、迷ったり、傷ついたりします。
そうした時に思い出したい考え方だなと思います。


次回はラビットさんやロバのイーヨーも登場してきます。


用語のポイント
government 統制や規律。政府というのはご存知の通り。
attachment(s) くっついてるもの。今回は愛着や執着といった煩悩  
interfering    妨害や衝突。今回は頭の中の雑念。
unappreciative 感謝のない、きちんと評価できない、観察力がない
utilize(d)     役立たせる、最大限利用する
particular     独特の、特異な
work(ing) うまくいく、作動させる


長文の訳し方のポイント

長くなってきた文の訳し方は、はじめからどんどん訳すこと。

ずいぶん後ろの文を読んで、~したところの…みたいに前に戻ると見失います。

わからない単語は英語をカタカナで置き換えてとりあえず読んでしまう。


上記最後の要約の文は、「感謝して、学んで、ワークするパティキュラーなウェイ、

毎日の生活で起こるすべてのことの」で、なんとなく英語的に理解できるでしょう。

翻訳家を目指さない場合、こうした読み方が英語脳につながります。

日本語の本でも1語1語かみしめながら読んでいくわけではない事を思い出して。


タオのプーさんの和訳をすでに読んでる方は、ぼくの説明が違って感じるかもしれませんが、ご了承ください。

またいろいろご指摘いただければ幸いです。



英語は度胸と愛嬌!




ヴァレンタイン~朝の幸せ

今日はバレンタインズデー




朝起きたら、もう家の方は出かけたあとで静かです。


朝早い会議かなんかでしょう。







わしはすぐ、彼女のクローゼットを見にいきました。


実は昨夜のうちにカードとチョコを入れといたんです。







なくなってる…


やったー成功!って何が。







んで、いつものようにコーヒーを煎れにキチンへ。


そこで見つけたんです、すごいもんを。







ブルマンNo.1!










英語も度胸、愛嬌、センス!




こんな樽入りではないけど…







ブレンドじゃなくほんとのブルマン?







ほんとは綺麗なラッピングになってたんだけど、


そのフワフワモシャモシャは忘れ去り、


カードには一応頭を下げて、


横浜の珈琲屋の紙袋に頬ずり…するばかり。







ありがとー○○ちゃん!(←涙出てる)




こないだ飲んだ某珈琲館でのブルマンNo.1への文句


覚えてたんだ。わしは三国1の幸せもんです。


(…と、帰国子女にあるまじきたとえ)







さっそく湯を沸かして、準備。


以前、元仮面ライダーの藤岡弘さんがやってたように


精魂こめて煎れなくては。







マメを挽くのも慎重に。


大きさ均一になるように…


いい香りがプゥンとしてきます。







いつものやかんじゃ、実は口が大きすぎだから、


今日は急須に湯を入れ替えて注ぎます。


ポットあっためて、90度くらいで煎れよう。







今日は蒸らしも少なくして、


ゆっくりくるくる回しながら…


うん、なかなかきれいな洲ができた。







いつものマグでは申し訳ないので、


取って置きのデミタスで。







ではいただきます。ズズー…







ひゃー、珈琲の味じゃない。


これはなんと表現すればいいか


○×△□(以下省略)







気分最高。口すっきり。







至福のひとときの3杯が終わると


ボーっと余韻に浸ります。




これはもう合法的なヤクです。


ヤク中だったんだ、わしは。







なのに今日は珍しく外で打ち合わせ。


さくさく支度して出なければ。


バイク動くとといいんだが…。







あせる    あし    DASH!







ということで、


帰りは雨が降ってきて、ぎりぎりセーフ。







Kさんの奥さんからもらったチョコと、




プレゼント用の花のアレンジを首から下げて


帰ってきてから、もう1杯、







…飲もうかなと思ったんですが、


夜一緒に飲もうとガマンしました。







わしがあげたゴディバのジャンドゥーヤと


きっと相性いいはず…。