英語で読むタオのプーさん 第2章  | 英語は度胸とニューヨーク流!

英語で読むタオのプーさん 第2章 

英語も度胸、愛嬌、センス!


第2章 Uncarved Block


ここではタオのイメージを「彫られてない木(uncarved block)」で説明しています。

素のままでいるそのシンプルさに、よさがあり、何かを成し遂げるがあるということ。
それがプーのシンプルさに表れているものです。


ちょっと関係ない話ですが、インテリアデザインでも、加工されてないそのままの木材を見ると、

このままテーブルの天板や棚板に使ったら、味があっていいだろうな~なんて思います。




プーとピグレットとラビットが森で道に迷ってしまいました。
こっちだと思う方向へ行くと、また元の砂場(sand-pit)に戻ってしまいます。


" Well, " said Rabbit, after a long silence in which nobody thanked him for the nice walk they were having,
"we'd better get on, I suppose. Which way shall we try?"


" How would it be, said Pooh slowly,
" if as soon as we're out of sight of this Pit,

we try to find it again ? "


" What's the good of that ?" said Rabbit.


" Well, " said Pooh.

" we keep looking for Home and not finding it,

so I thought that if we looked for this Pit,

we'd be sure not to find it,  

which would be a Good Thing, because

then we might find something that we weren't looking for,
which might be just what we were looking for, really. "


" I don't see much sense in that, " said Rabbit.....

" If we walked away from this Pit, and then walked back to it,

of course I should find it. "


" Well, I thought perhaps you wouldn't. " said Pooh.

" I just thought. "


" Try, " said Piglet saddenly. " We'll wait here for you. "



「さあ、」長い沈黙の後でラビットが言った。
みんなが続けさせられているこの楽しい散歩には、誰も感謝しなかったので。
「そろそろ出かけようか。どっちへ行こうか?」

「じゃあこんなのはどうかな…」プーが言う。
「この砂場が見えなくなったら、またここを目指すってのは?」

「それが何になるんだい?」ラビットがきく。

「えっと…」とプー。「家を探し続けても見つからないなら、
こう思ったんだ、この砂場を目指しても砂場はたぶん見つからない。
それってきっといいことだよね。
だってそれならきっと探してなかったものが見つかるってことだし、
それこそ、ぼくたちがほんとに探してるものかもしれない。」

「あんまり理にかなってないね」ラビットが言う。
「この砂場から離れて、またもとに戻ろうとすれば、もちろんぼくが見つけるに決まってるよ」

「たぶん、見つからないと思ったんだよ」と、プー。「思っただけ」

「やってみてよ」突然ピグレットが言った。「ぼくたちここで待ってるから」



案の定ラビットは帰ってこず、プーとピグレットは2人で家を目指します。
ラビットがうるさく言ってる間は聞こえなかった、家にある蜂蜜ポットの声が聞こえたからです。


ここではプーのシンプルさ vs ラビットの賢さ
内なる声を聞こうとするプーと、頭で考えすぎるラビットのゆるいバトル。
はっきり言いたくないプーの「 I thought 」が印象的です。
奥ゆかしさ(modesty)を善しとした昔のイギリス気質がよく出ています。


作者はもちろん、タオの考え方である素のままの力を言いたいのですが、
同時に、理詰めでいってうまくいかない人たちを批判しているようです。


ラビットは賢くあろうとする。フクロウは賢く見せたいとする、
そしてロバのイーヨーは不平を言う。
そういったことのために知識(knowledge)を使うと言っています。
特にイーヨーは幸せと智恵(wisdom)を分離し、現実には何も達成できないタイプだと言います。



岸に立って川の中の自分を見るイーヨー。
「哀れなもんだ(pathetic)」そう言って向こう岸へ行き、また戻る。


" As I thought, " he said.
" No better from this side. But nobody minds. Nobody cares. Pathetic, that' what it is. "



「思ったとおりだ」彼は言う
「こっち側よりいいって事もない。だけど誰も気にしない。誰も気づかない。哀れそのものだ」



自分はよく知ってて、他人は知らないことに満足するだけ。
でもそれで幸せな気持ちにはならない。それがイーヨー。
あくまでも悲観的で、うつむき、後ろ向き。
そうしておけば、いやなことに当たってもそれほどショックじゃない。
こうした姿勢、今でもよくありますよね。


役立てることのない知識で頭をいっぱいにして、
その複雑さや傲慢さといったものが邪魔をするのは、
人生は楽しいものだ、という気持ち。そうする力です。


素直なピグレットは言います。
" Pooh hasn't much brain, but he never comes to any harm.
He does silly things, and they turn out right. "



「プーはあんまり頭よくないけど、害にもならない。
おバカなこともやるのにうまくいくんだ」



次回は博識のフクロウさんの話です。



用語のポイント

modesty  けんそん、控えめ、簡素 (ad. modest, adv. modestly)
knowledge   知識、知っていること
wisdom   智慧、英知
pathetic  哀れ、哀れを誘うような
harm    害する(動詞・名詞)傷つける

clever   賢い、器用、才気ある、抜け目ない
smart(賢い), bright(利発な), intelligent(知的な)との使い分けに注意


表現のポイント

see sense   道理にかなうと思う、意義を見出す

I will make her see sense. 彼女に道理を言って聞かせるよ。

I suppose ~と思う(少し推測)

I am supposed to do my homework by Monday.

月曜までに宿題を終えることになっている

What's the good of that   それが何の役に立つ?
perhaps......would  たぶん~だろう
perhaps......should  きっと~だろう

Perhaps...... ひょっとして~かもしれない


今回書いててふと気づいたのは、最近のマージャン。

なんでこんな点数も役(ルール)も知らない人たちに負けるんだろうって。

運だから、勝たないまでも、負けるのは避けられると思ってた。

きっと確率を計算しすぎて、場の流れに乗ってないせい…




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