レビュー:日本の夫婦 パートナーとやっていく幸せと葛藤
こちらの本を読みました。アメリカでベストセラーになった「愛」についての本と、逆にローカルな日本の夫婦関係についての本。日本の夫婦: パートナーとやっていく幸せと葛藤Amazon(アマゾン)${EVENT_LABEL_01_TEXT}オール・アバウト・ラブ: 愛をめぐる13の試論Amazon(アマゾン)${EVENT_LABEL_01_TEXT}日本の夫婦は、9つの論考から構成されており、夫婦の幸福感やコミュニケーション、婚外交渉、三角関係や離婚の要因などについて検証されています。目次はこちらからも。日本の夫婦 - 株式会社 金子書房 日本の夫婦詳細をご覧いただけます。www.kanekoshobo.co.jp結婚してすぐに読むべき本だったかもしれません笑夫婦関係が悪化する要因や逆にうまくいく要因、その背後にある原家族との関係や社会システムとの関わりが解説されていて、自分の夫との関係性を見直すきっかけになりました。特に自己分化度の話は夫婦関係としても実感するものがあります。発行されたのが2014年なので、その後色々トレンドが変わっている部分もありますが、概ね現代にも当てはまると思います。夫婦関係やコミュニケーション・婚外交渉結婚にメリットを感じる人は年々減少し、結婚しての利点として多く挙げられるのは「子供や家庭をもてること」。結婚したいと思う人は減っている。加えて恋人を欲しいと思わない若者も一定程度存在し、自己の確立が低く、個人主義的傾向が強い人がそう思う傾向があるとされています(ダイレクトな言い方よ)また、これまでお見合い等で学歴や年齢、職業等が重視されていましたが、恋愛が増えたことによりコミュニケーションの重要性が高まり、対人関係能力と結婚する確立は相関することが示されます。でも最近はアプリで逆に年齢や職業、学歴の重要性が再度向上している気もしますけどね。夫婦間のコミュニケーションが非対称性についても紹介されています。妻はじっくり話を聞いてもらったり話したりすることを望む一方で、夫は都合が悪くなると席を立ったり黙ったり、無視したり命令したり威圧したりという否定的なスタイルが多いこともわかっています。それに妻は抗議することもないとのこと!これはジェンター規範が大きく影響していると分析されています(夫が上、妻が下。)ちなみにこれは妻の収入に相関するらしく、妻が無収入→低収入→同程度の順で夫の共感的態度得点が上がることが示されています。しかも家事量も相関しているらしい。夫の家事能力と共感的態度は金で買えるといえるでしょう笑育児と介護との関係性についても紹介されています。当たり前の話ですが、夫の家事参加が多いほど二人目誕生につながりやすい。男女共に、ケアしケアされ生きていくことの重要性について述べられています。前のブログで書いたケアの本とつながる。ケアしケアされ、生きていく (ちくまプリマー新書 438)Amazon(アマゾン)${EVENT_LABEL_01_TEXT}ユングが人生の正午と呼ぶ40歳台。第二の青春期であるとされている中年期は様々な危機に直面しますが、その中での婚外交渉(不倫)について解説されています。男性の半数近くが願望があるという不倫。女性もそこそこ多い。私なんかは育児に仕事に忙しいので、そんなこと考える間もないしそもそもエネルギーもないのですが、40歳台になると余裕も出てくるからそういう人が増えるのだろうか…笑婚外交渉が起こる要因ごとに解説されており、その中でも最後に紹介されているのが原家族の問題で、そこで自己分化度という概念(p51)について紹介されています。知性と感情の適切な切り分けができるかどうかという指標のようですが、人は自分と近い自己分化度の人と結婚するし、親の自己分化度も引き継ぐそうで。そこで自己分化度が低いと、家族や子供や婚外交渉の相手を巻き込んだ三角関係を構成したりしてしまうとのこと。ここで阿闍世コンプレックスという概念も導入され、私は過去にまさにこのコンプレックスがあったなと実感しました。名前があったとは。そのほかにも、実際の臨床の例から紹介される三角関係の病理や、関係性ステータスとそれが及ぼす影響などについて、そして不妊治療が夫婦関係にもたらす影響などなど、とても興味深い論考集でした。自分自身の未完の課題私自身、夫に対して親密さのパラドクスを抱えているというか、親密だからこそついきつい言い方をしたり、この本でいうところの威圧、回避のような態度をとってしまったりするので、すこし原家族との関係性や、自分の中での未完の課題について考えてみたいと思いました。第二子が生まれる前にこの課題解決したいと思っています。夫を馬鹿にしているとかそういうことはないんですが、口調が基本きつめだったり、詰問する感じだったり、知らないことについてそれを是とできない、弁証法的に解決できないという課題…母親が言い訳を聞いてくれない人だったから、その態度を引き継いでいるのか、自分が正しいと思ってしまう、そしてそれを押し付けてしまうことについて向き合いたいと思ってます。結婚して少しずつは改善してきたと思うのですが、というか32歳で遅すぎるかもしれませんが…ちょっと硬めの本なのですが、一般の方向けに書かれているので解説もわかりやすく、言葉遣いも難しくないので、夫婦関係について考えたい方、自分の実家との関係性を見直したい方、いまから結婚する方みんなにおすすめできる本です。日本の夫婦: パートナーとやっていく幸せと葛藤Amazon(アマゾン)${EVENT_LABEL_01_TEXT}同じ作者のこちらの本も次読んでみたい。日本の親子: 不安・怒りからあらたな関係の創造へAmazon(アマゾン)${EVENT_LABEL_01_TEXT}