レコードを売る
「終活」という言葉は好きではありませんが、この歳で不要なものを処分したくなるのは心のどこかにそんな意識が潜んでいるからかもしれません。長年クローゼットの中で聴かれることもなく眠り続けていたレコードをようやく手放しました。ずい分前にステレオセットを処分したときにもレコードを売却したことがありますが、今回はその "生き残り" の50枚です。それだけの量になると結構重いもので、電車に乗って浦和パルコの4階にある ディスクユニオン まで手提げ袋で持っていくのは一苦労でした。もともとは北浦和駅の西口にあった店が昨年4月に今の場所に引っ越したので、もっと早く売る決心が出来ていれば近場で済んだのにと思ったりもしました。この50枚は私が若い頃に聴きこんでいた「ニューミュージック」や「ジャズ/フュージョン」がメインです。どれも CD 化されており再生装置も無い今、持っている意味がないレコードですが、最期に一枚一枚埃を拭き取りながら色褪せたジャケットを見返していると自分の音楽人生がここから始まったんだなと改めて感じました。中古レコードなので、古本同様、それこそ二束三文の値段だろうと思っていました。50枚で10,000円に届けばと思っていたところ、なんと 48,940円 という買取価格が提示されて驚きました。もちろん一番多かったのは 20円 という査定でしたが、200円、300円、600円、700円といった金額に交じって 1,000円 を超えるものが 9枚 もありました。すべて、はっぴいえんど/風待ろまん、シュガーベイブ/ソングズ、大貫妙子/ミニヨン、小坂忠/ほうろう、などの "シティ・ポップ" ですが、その中でも圧巻は 細野晴臣/HOSONO HOUSEの 14,600円 でした。'73年1ST とあるので初版盤だったのかもしれませんが、細野さんのアルバムはどれも4,000円 を超えていました。枚数的に1番多かった「ユーミン」は ひこうき雲 の 700円 が最高でしたし、ジャズ/フュージョンでは ハーヴィー・メイソン/ファンク・イン・ア・メイスン・ジャー の 300円 が最高でした。それくらいが当初の予想でしたので嬉しい誤算となりました。今回 HOSONO HOUSE を売らずにおけば将来更に査定額が上がったかもしれません。しかし、レコードを持っていることに価値が見出せない私が持つよりも、HOSONO HOUSE を欲しいと思う人が手にした方が多分幸せなんだろうと思います。もちろん私が手放したのはレコードであって音楽ではありません。1972年末のはっぴえんど解散後、通称「アメリカ村」にあった細野さんの自宅で録音された記念すべき1stソロアルバムは今も私の愛聴盤です。