TK 好奇心研究所 -2ページ目

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29Jul
- 塾の夏期講習が始まる
  先週から塾の夏期講習が始まりました。今期は4人の生徒を週1コマずつ担当しているので週3日の4コマがレギュラー授業のサイクルです。自分の年齢を考えると無理のないリーズナブルな稼働状況だと思います。今年はそのうち2名が講習期間中にそれぞれ10コマずつ授業を追加したので、先週は4日稼働で1日3コマの日を含む9コマの授業がありました。一気に倍増です。それでも塾は空調が効いているので快適ですし、授業は暑さが和らぐ夕方からなので徒歩10分の通勤も苦になりません。授業を10コマ追加した生徒のうち1人は高3の受験生です。英語はあまり得意ではないのでこの夏に底上げしたいという意欲が感じられます。もう一人は高2生なのですが、こちらも得意ではない英語の基礎固めが課題です。夏期講習中に追加授業を入れるかどうかは塾の教務科スタッフが保護者面談にもとづいて決定します。私たち講師はその結果を受けて粛々と授業を進めるわけですが、コマ数が増えればその分出来ることが増えるので特に遅れ気味の生徒については助かります。たとえば、高2の生徒に関しては、英文を読むときに構文をあまり意識せずに単語を拾って読めたつもりになる傾向があります。これでは正しく英文の意味を読み取ることはできませんが、それでも直近の外部模試では結構良い結果を残しているのです。しかし、今後難度の高い問題を解くようになると当然太刀打ちできなくなります。これまで何人もそういう生徒を見てきました。それだけに今回コマ数を増やしてもらえたことで、この問題を何とか打開したいというのが私の目標です。やることは案外単純で「英文を左から（頭から）読んでいく」習慣を身につけることです。以前からこの生徒には何度も言っていることなのですが、少し複雑な文になるとどうもそれができなくなるようなのです。People may think the way they do things or the way they view the world is "natural" and "correct".先週の授業でもこの英文を「人々は彼らがものごとを行う方法や世界を見る方法を考えるのかが「自然」で「正しい」のかもしれない」と和訳していました。"the way they do thing" といった関係副詞を使ったフレーズはきちんと押さえられているのに、この文全体の構造が見えていないのです。この和訳では"is" の主語が「考えるのが」となっていますが本文にそんなことは書いてありません。この文でも「左から」読んでいくのがスタートです。まず "People may think” （人々は考えるかもしれない）とあります。これを押さえれば「何を」考えるのかという疑問が湧きます。ここでは接続 "that" が省略されていますが当然何らかの主語＋述語が続くはずです。この場合、"is" の主語はその前にある"the way they do things or the way they view the world” ですが、この部分は彼女が訳している通りです。したがって「自分たちが）ものごとを行う方法や世界を見る方法が当然で正しい」と「人々は考えるかもしれない」というのが構文に沿った正しい理解です。ただ、今回の和訳によって「見える化」された彼女の理解プロセスに問題があったとしても、この英文の大意から完全に外れているわけではありません。それが外部模試でも良い結果を出せたことにつながっているのでしょう。しかし、こういう読み方をしている限りは "たまたまの" 結果だと言わざるを得ません。コマ数が増えた今回の夏期講習では、こうした読み方のクセを繰り返し自覚する機会が短い間に何度も出てくることでしょう。次の授業でも"We may think" を合言葉に左から右へ流れる英文に沿って意味を掴む練習をひたすら繰り返すつもりです。
26Jul
- 忘れた頃に届いた文庫本
  映画『PERFECT DAYS』を観たのは今年の1月中旬でした。主人公が古本屋で見ていた文庫本がちょっと気になって、タイトルを頼りに図書館に予約を入れておいた本がようやく今日届きました。文字通り忘れた頃にやってきました。11の物語 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon（アマゾン）作者はパトリシア・ハイスミス。初めて聞く名前です。ところが、序文を書いているのは『第3の男』で知られるイギリスの作家グレアム・グリーンです。その彼が「ミス・ハイスミスの犯罪小説は、何度読み返しても飽きることがない。このように言える作家はきわめて少ない」と最大の賛辞を送っています。今さらながら、というか、いつのものことながら、自分の不明を恥じることになりました。図書館で半年待ちになったのも頷けます。題名にある「11の物語」のタイトルは以下の通りです。かたつむり観察者恋盗人すっぽんモビールに艦隊が入港したときクレイヴァリング教授の新発見愛の叫びアフトン夫人の優雅な生活ヒロインもうひとつの橋野蛮人たちからっぽの巣箱これらの短編がグリーンの言う「犯罪小説」であるとしたらどんな展開になるのだろうと思うと今からわくわくします。原題の"Eleven" をアマゾンで検索すると kindle版が何と「734円」です。思わずポチっとしてしまいました。Eleven: A Virago Modern Classic (Virago Modern Classics Book 184) (English Edition)Amazon（アマゾン）ちなみに、上述のグレアム・グリーンによる序文（foreword）の書き出しは、"Miss Highsmith is a crime novelist whose books one can reread many times. There are very few of whom one can say that." となっていました。猛暑が続く夏に、この作品を和英両方でじっくりと味わえるのは贅沢の極みです。
21Jul
- 早朝ラン
  短い梅雨が明けていよいよ猛暑の季節の到来です。いつも私がランニングに出る時間帯は午前中なのですが、午前9時の気温がすでに30℃ではとても走る気になれません。そこで今日は久々に6時過ぎに走りに行きました。26℃だと吹く風が心地よく感じられます。昨晩降った雨のおかげかもしれません。太陽はまだ低く、二階建て家屋でも日除けになってくれます。そんなわけで住宅地を走る出だしの2kmくらいは順調でしたが、その後日陰のないコースを走っているうちに暑さで次第に息が上がってきて5kmが気力の限界でした。自宅に戻って浴びる水シャワーが何とも爽快な今日の「ご褒美」でした。
20Jul
- blue screen of death
  空港や病院など Windows上で業務システムを運営している世界中のサービス業を襲ったコンピュータ障害を伝える The Guardian の記事のなかで "blue screen of death"（BSOD）という表現を見ました。PCの電源を入れても Windows が立ち上がらず、代わりに青い背景色のスクリーンにエラーメッセージが表示されて「真っ青」になった経験は私にもあります。それが世界中で起きたのですから "largest outage in history（歴史始まって以来の最大の機能停止）" という形容も頷けます。障害の原因は Windows 上で動くセキュリティソフト CrowdStrike のアップデートがWindows に不具合を引き起こしたようですが、メディア報道では "Mircrosoft IT outage" と叩かれてしまうのも IT業界の "巨人" たる所以なのでしょう。コンピュータネットワーク障害というとサイバー攻撃やウイルス感染がまず思い浮かびますが、ひとつのアプリのアップデートがOS（Windows）に悪さをする「オウンゴール」のような障害もあり得ることに驚きました。
19Jul
- 初めて見る新1万円札
  今日の午後、いつもの銀行ATMに現金を下ろしに行きました。払い出し口が開いて現金を掴んだとき何となく違和感を覚えたのですが、見ると新1万円札でした。前回下ろしたのは6月末。したがって、7月3日に発行された新紙幣がいつごろこのATMに入ったのかは分かりませんが、2枚の新1万円札は「連番」だったので、日銀→本店→（支店）→ATMと運ばれた新規ロットのなかの2枚に違いありません。新1万円札の表面には渋沢栄一氏が、裏面には東京駅丸の内駅舎が、それぞれ描かれています。国立印刷局のHPを見ると、新紙幣にはいろいろな新技術が採用されていることが分ります。
07Jul
- brick by brick
  英国では総選挙の結果14年ぶりに労働党が政権を奪取しました。それに伴い党首のスターマー氏が首相官邸（No 10）入りをするニュースを伝える The Guardian のヘッダーに "brick by brick" という表現がありました。レンガ建築の多いイギリスらしいフレーズだと感じました。"rebuild Britain 'brick by brick'：（レンガをひとつひとつ積み上げるように）少しずつ英国を再建していく” という表現には新首相の堅実そうな人柄が伺えます。英国のみならず、韓国の総選挙では最大野党が地すべり的勝利をおさめたり、イランの大統領選挙では改革派が勝利したりと、世界の各地で政治的な大きな変化が起きています。その一方で、先ほど開票が始まった東京都知事選挙ではNHKが早々と小池現都知事に当確を出しました。円安同様、政治の世界でも日本だけが世界の潮流から取り残されている感じがします。「嘘つき」に政権を取らせたのは間違いなく "ステルス" 自民党を始めとする既得権益を死守したい「組織票」なのでしょう。猛暑で投票率が伸び悩んだことが惜しまれてなりません。
06Jul
- 明日は七夕
  この時期、私の住むマンションではエントランスに七夕飾りが設置されます。人工の笹竹はマンションの備品で、理事会の役員さんが用意してくれる短冊に住民の誰もがそれぞれの願いを書いて吊るすことができます。これまでは一本だった笹竹が今年は二本に増えていました。一本だけでは短冊を吊るす笹が足りなくなってしまったのかもしれません。夕方に降っていた激しい雨も止み、明日の七夕は晴天に恵まれそうです。暑い一日になると思いますが、都民の皆さんには一人でも多く東京都知事選の投票に足を運んでいただき、七夕決戦に奇跡を起こしてほしいと埼玉県民として切に願います。
03Jul
- 弱者優先の兆し
  昨日（2024/7/2）の東京新聞（夕刊）5面にエッセイストの酒井順子さんが『弱者優先の兆し感じる』という記事を寄稿されていました。私も日頃同じようなことを感じていた内容だったので正直驚きました。今の住居に越してきて1年ほど経った頃、旧中山道の信号機のない横断歩道で歩行者が待っていてもなかなか停まってくれない車について、英国のBelisha Beaconを引き合いにブログ記事を書いたことがありました。2016年4月のことです。ところがある時、おそらく1年くらい前のことだったと思うのですが、横断歩道で車が停まってくれることが最近増えたな、と感じた瞬間がありました。そして今では、同じ横断歩道で歩行者や自転車が待っていると、ほぼ間違いなく車が停まって私たちを先に通してくれるのです。この7～8年の中で起きた大きな変化です。酒井さんは上記のエッセイのなかで、家から最寄りの駅まで行く途中、交通量がまあまあ多いけれど信号は無い道を渡るとき「ここ1年ほどで、"譲ってくれる車" は明らかに増えました」と書いています。つまり、上に書いたような変化は私の狭い経験範囲のなかだけの話ではなかったのです。酒井さんはそこからさらに敷衍して次のように記します。　そのような現象が目立つようなってきたのは、日本において、弱い者や小さい者、はたまた少数派もまた同じ人間、という意識が浸透してきたのと時を同じくしている気がしてなりません。強い者や大きい人は、そうでない人よりも偉いわけではないという感覚が広まったことによって、歩行者のために車が停まったり、強い者が弱い者に道を譲ったりするようになってきたのではないか。折しも今週は、7月7日に投開票を控える東京都知事選に向けた選挙戦の second half に当たります。56人もの候補者が林立していますが、大きくは現在の小池都政の継続を是とするか否とするかという二択なのだと思います。それは、神宮外苑再開発における大手デベロッパー優遇に象徴される「強者」側に立つのか、あるいは小池都知事が送付を止めた関東大震災の朝鮮人犠牲者追悼式典への "追悼文" の送付再開に象徴される「弱者」側に立つのか、という構図とも言えるのかもしれません。会社員時代から私がその見識に一目を置いてきた郷原信郎弁護士は「小池百合子氏落選運動」を展開しています。小池都知事の学歴詐称問題の本質は「平気で嘘をつくことだ」と喝破する郷原さんの言説は説得力に富むものです。埼玉県民である私には当然のことながら都知事選挙の投票権はありません。ただ、首都東京のリーダーに誰がなるのかは日本人として無関心ではいられません。良いリーダーのもとで、より多くの東京都民の幸福度が増せば、間違いなく日本全体としても良い方向に向かっていくでしょう。酒井順子さんが、そして私が、歩行者優先の変化を通して感じた「弱者優先」の兆しが本物であれば、都知事選の七夕決戦の結果にも何らかの影響があるのかもしれません。酒井さんの記事の最後にはこうあります。　この手のことは統計にはあらわれないし、ニュース番組にも取り上げられることはないのだと思います。が、車が一時停止してくれる度に、世の中が少しずつ良い方向に変化しているようで、うれしい気持ちになる私。
30Jun
- 映画『関心領域』を観る
  昨晩MOVIXさいたまで『関心領域』を観てきました。以前から気になっていた映画ですが「そのうちに」と思っていたらいつの間にか上映がレイトショーのみになっていたのです。土曜日ということもあってか30名近い観客がいたのには驚きました。この映画はイギリスの作家マーティン・エイミスの "The Zone of Interest” が原作となっていますが、原作に忠実な作りではないものの、一本の映画としては見ごたえのある作品でした。"The Zone of Interest" は、戦時中ナチスによってアウシュヴィッツ収容所の一帯を指す語として用いられたドイツ語の "Interessengebiet" を英訳したものだといいます。収容所所長のルドルフ・ヘス一家が暮らす大邸宅は ”職住近接” のお手本のように収容所に隣接しており、まさに"the zone of interest" のど真ん中にあります。当然のことながら、その日常生活のなかには、収容所の煙突から立ちのぼる煙や昼夜をたがわず聞こえてくる叫び声や銃声、そして通奏低音のように流れる焼却炉の稼働音などが入り込んできます。そんな環境下にあっても何事もないかのように暮らす彼ら、とりわけルドルフ・ヘスの妻ヘートウ”ィヒにとって、それらの事象は「関心領域」外の出来事です。唯一、泊まりに来た彼女の母親だけはその生活に耐え切れませんでした。ちなみに、ヘートウ”ィヒを演じているのは落下の解剖学の主演女優ザンドラ・ヒュラーでした。不気味な不協和音とともに黒灰色のスクリーンがしばらく続く冒頭から、全編を通して「音」がこの映画の重要な要素になっています。収容所内で起きていることも「音」でしか描写されていません。その一方で、清掃員たちの作業風景を通して現在のアウシュヴィッツ収容所の内部施設を映し出すシーンがあります。廊下の大きな窓ガラス越しに見える、うず高く積み上げられた膨大な靴の山が衝撃的でした。ナチスによるホロコーストというとアイヒマン裁判を思い出します。この裁判を傍聴したハンナ・アーレントは「悪（evil）」は "banal（凡庸な）" 人々の、あえて言うなら "善意" によって実現される、と指摘しましたが、本映画に登場するルドルフ・ヘスは凡庸どころか、大量のユダヤ人を「効率的に"処理"」することにかけて大いに才能を発揮しました。そしてその働きが上層部に評価され、昇進することによって愛する妻が望む優雅な生活を得ることができました。しかしそれはヘスや彼の時代だけに限られた特別な出来事ではないのでしょう。現代でも、たとえば、ガザに対する大量殺戮を行ったイスラエルにもそのような人物がおそらくいたのだろうと思います。見て見ぬ振りをする（pretend the situation doesn't exist）事例は私たちの周りに幾らでも存在していますが、改めてそのことを考えさせられる映画でした。
28Jun
- by a factor of
  今日の授業で、宿題の長文問題にあった一文が「どうしてそういう和訳になるのか分からない」という質問が生徒からありました。問題に使われている英文テキストは、NASA が投入した太陽探査機 Parker Solar Probe に関するもので、同探査機が太陽熱に耐える構造を説明するパラグラフの最後に出てくる "the coating on the surface of the plates can reduce the solar illumination by a factor of two" の意味が取れなかったため解説の全訳を確認すると「プレートの表面のコーディングが日光の照射を2分の1に減らしてくれる」となっているのが分からないというのです。生徒にとって "factor" は「要因、要素」という意味も知っている馴染みある単語だっただけに、その範囲で理解しようとして力尽きてしまった感じです。実は、私もこの表現は初めて見るフレーズでした。ただ、全体の意味が取れなかったとき何か違う意味があるのかもしれないと辞書を引くひと手間が生徒との年季の差です。ジーニアス英和辞典を見ると「by a factor of A：A倍に（で）《Aは数詞》」とあります。したがって、「太陽の遮光を "2倍” 減らす」ということから、解説にある「日光の照射を2分の1に減らしてくれる」という和訳が出てくるわけです。OALD にも 3番目の意味として ”The amount by whichsth increases or　decreases（増減量）" が載っておりThe real wage of the average worker has increased by a factor of over ten in the last 70 years.平均的労働者の実質賃金はこの70年間で10倍以上も増加した。という例文が付記されていました。ちなみに factor には "a number that divides into another number exactly" という数学用語としての意味もあるようです。"1, 2, 3, 4, 6 and 12 are the factors of 12." 、つまり「約数」ということです。したがって、最大公約数は〔the greatest common factor【略】GCF〕となります。「割り切れる」を "divide into another number exactly" と表現するのも面白いです。
27Jun
- 洗手と音楽
  ここ数日に比べると多少暑さが和らいだ今日、久しぶりに走りました。さいたま新都心の公園まで片道4kmほどです。さすがに汗が噴き出したのでトイレの洗面所に顔を洗いに行くとこんな掲示がありました。感染症予防のための手洗いを促すポスターです。日本語、英語、中国語で書かれていますが、三つ目の「洗手」を見たとき、ふと「音楽」のことが頭に浮かびました。というのも、「音楽」という漢字について「音を楽しむ」という解説を聞くたびに感じていた違和感を思い出したのです。「手を洗う」を中国語では「洗手」と表記していますが、中国語の語順は英語と同じ「動詞→目的語」です。したがって「音を楽しむ」を表す漢字であれば「楽音」となるのではと思う私にとって、この「洗手」は「やっぱりそうだよな」と思えるものだったのです。「広辞苑7訂版」で「音楽」をひくと「音による芸術。拍子・節・音色・和声などに基づき種々の形式に曲を組み立て、奏すること。器楽と声楽がある。楽」と書かれています。また、白川静さんの「新訂字訓」によれば、楽という漢字は、もともとも柄のある鈴の形から来ており、舞楽のときにこれを振って、その楽音をもって神を楽しませるのに使用した」とあります。こうしてみると、「音楽」の「楽」自体に音楽本来の意味が含まれているようにも思えます。「器楽」が「楽器の楽」、「声楽」が「声の楽」となるように「音楽」は「音の楽」もしくは「音と楽」という関係と捉えるの自然なような気がします。そもそも私たちが現在使っている「音楽」は、明治時代に輸入された西洋の語彙Music に対応する言葉として選ばれた可能性もあります。普段何気なく使っている「音楽」の由来をもっと深掘りしていったら面白いかもしれません。
24Jun
- またひとつ京平さんの名曲を知る
  先日、「みのミュージック」で教えてもらった Sweet Pain のようにまだ私の知らない筒美京平さんの楽曲を探して YouTube をブラウンジングしていたら、素敵なアニメ主題歌があることを知りました。しかもこの「スプーンおばさん」の歌詞は松本隆さんなのです。Wikipedia によれば、「スプーンおばさん」は、1983年4月4日から1984年3月9日まで、NHK総合で放映されたテレビアニメで、原作はノルウェーの児童文学作家アルフ・プリョイセンによる童話シリーズTeskjekjerringa（「ティースプーンおばあさん」の意）とのことです。私はまったく記憶がないのですが、おそらく始まったのが長男の生まれた頃でそれも1年で終了していることから、子どもと一緒にテレビを見る時期から外れていたためなのだと思います。京平さんが手掛けたテレビアニメの主題歌といえば「サザエさん」が有名ですが、他にも「怪物くん」「パーマン」「重戦機エルガイム」「トランスフォーマー」など私も知っているアニメのテーマソングも彼の手によるものでした。「サザエさん」ではオープニングとエンディングでは違う曲が流れていますが、「スプーンおばさん」でもエンディングには「リンゴの森の子猫たち」という別の曲が使われていたようです。こちらも "筒美京平×松本隆" コンビによる楽曲です。唄っているのは飯島真理さんというシンガーソングライターですが、伸びやかで透明感のある声がとても印象的です。
18Jun
- ゴリウォーグのケークウォーク
  新しいピアノの先生に代わってひと月半ほどが経ちました。"Lullabyof Birdland" がひと通り譜面通りに弾けるようなったところで新たにクラシック曲にチャレンジすることにしました。ドビュッシーの「ゴリウォーグのケークウォーク」です。3歳になる彼の娘のために書き下ろしたという組曲『子供の領分』のなかの一曲です。「動」と「静」のメリハリが利いた、ときにユーモラスさも感じさせる楽しい曲だと思います。全部で128小節の小品ですが、途中で♭が6つの調に変わります。実は、以前弾いた彼の「亜麻色の髪の乙女」と同じスケールなのですが相変わらず譜読みには苦労させられます。ところで、61小節目からのメロディーにはリヒャルト・ワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』を連想させる一節が登場します。「トリスタン和音」として知られる不協和音が独特な雰囲気を醸し出したとたんに「子供の領分」の世界に連れ戻される、そんなことが繰り返されます。こんな風にワーグナーを使ってしまうドビュッシーの凄さを感じる場面です。トリスタン和音については、以下のYouTubeのChapter1がとても参考になりました。紹介されている構成音からすると、今風にいえばコード Fm7♭5をオープン展開した形のように思えます。「亜麻色の髪の乙女」「パスピエ」に続いて私がチャレンジするドビュッシーの「ゴリウォーグのケークウォーク」は、来春の発表会で弾けるようになることを目標に気長に練習しようと思います。
14Jun
- 和音遺産
  『シン・ゴジラ』や『エヴァンゲリオン』の音楽を手掛けたことでも知られる鷺巣詩郎さんは幅広いジャンルで活躍されている作編曲家・プロデューサーです。そして音楽のみならず言葉で語ることにも多くの時間を注がれている方のようです。鷺巣詩郎音楽と世界執筆録其の2Amazon（アマゾン）2004年から2008年にかけて鷺巣さんが「月刊bmr」という音楽専門誌に寄稿した文章を集めたこの「執筆録」では、音楽に対する彼の愛情と造詣の深さが随所に感じられました。そのなかにあった「和音遺産」という言葉を自分用のメモとしてここに記録しておこうと思います。いわゆる世界遺産のように末永く後世に残したい、また残すべき音楽的遺産というのはクラシックやジャズだけではなく、黒人音楽を含むポップス分野にも、確かに存在する。アーティスト自身の功績がそうである場合も、アルバムや楽曲単位がそうである場合もあるが、今回僕が遺産として取り上げたいのは、もっと細かい「曲中の一部分」である。ある曲のある部分で提示された画期的な「和音手法＝コード・アプローチ」が、それ以後のポップスを大きく変えてしまう、さらには、著しく進化させることがある …　（同書 p.145）と「和音遺産」の概要を述べたうえで、最も重要な3例を挙げてそれぞれ解説を加えていきます。それは次の3曲の中に存在すると彼は言います。❶ Beatles： The Long And Winding Road❷ Stevie Wonder： You Are The Sunshine Of My Life❸ EW&F： Can't Hide Love和音遺産の一つ目は、❶ でポールの唄い出しを受けて鳴るオーケストラの「ジャ、ジャー、ジャ、ジャー」という部分で使われている「分数和音」です。分数和音とは、A♭/Ｂ♭ のようにＢ♭という分母の上にA♭という別コードが分子として乗っかる形の和音をいいます。ジャズの世界ではビートルズよりも前から使われていた分数和音ですが、鷺巣さんは、従来「経過」和音にすぎなかったのものを「打楽器的」に連打した点が画期的だというのです。アレンジャーのフィル・スペクターが華麗なストリングスを被せたこのバージョンではその効果が際立っています。同じ個所で sus4コードが使われている Naked Version の演奏もシンプルで素敵ですがその違いは歴然としています。❷ を初めて聴いたのはかなり昔のことですがイントロの衝撃は今も覚えています。鷺巣さんは、この曲について次のように記しています。スティーヴィの《You Are The Sunshine Of My Life》が奇跡的にすごいのは、この曲の中にポップスにおける画期的なコード・アプローチが、なんと「2箇所」も含まれていることだ。まずイントロの B add9・13 のあとを受けて3，4小節目に鳴る F#aug5 という和音。（同書 p.146）aug5 は「5度をオギュメントする（半音上げる）」コードのことですが、難しい理論はともかくとして、結果として生まれる「全音階（隣接する音が全て全音間隔となっている音階）」というスケールが実に印象的で効果的です。そしてこの曲におけるもうひとつの和音遺産を鷺巣さんは次のように記します。さて、大胆なイントロのあと、唄い出しから数えて4小節目に "You are the sunshine of my life ～" という歌詞を受けて、スティーヴィがローズで鳴らす G#7（♭9・13) という和音がこの曲の2箇所目の大いなる和音遺産である。（同書 p.149）構成音からいえば、F / G#7 という分数和音でも表記できるサウンドです。正式には"Upper Structured Triad（上部に積み上げられた三和音）" と呼ばれますが、特徴的なのは、分子コード F の各音が分母コードG#7 のルート（根音）から数えて、それぞれ 3度（ド）、♭9度（ラ）、13度（ファ）を構成していることです。とりわけ後者の2音は G#7に対して「緊張感あふれる音（テンション）」になっていることから独特な雰囲気が生まれるのです。この手法もジャズでは60年代以降には当たり前のように使われていたものですが、スティーヴィがこの曲でこのように弾いたからこそ、その後のR&Bやソウルミュージックにも大きな影響を与えることになった、というのが鷺巣さんの見立てです。❸ について鷺巣さんは、「《Can't Hide Love》は（❶の）《The Long And Winding Road》が示した「和音遺産」を最も美しく進化させた究極形と言えるかもしれない（同書 p.153）」と述べています。この曲の冒頭は印象的な16分音符ウラ打ちの連打「（ン）ジャッ、ジャッ、ジャッ、　ジャッ」で始まります。❶と同じ分数和音ではあるものの、その分数和音を大胆かつトリッキーに16分音符のウラ打ちで「平行移動させた」こと、つまり、分数和音そのものではなく、この印象的な分数和音の「動き」を鷺巣さんは3番目の和音遺産に認定しています。ＥW&Fは私もかなり聴き込んだグループでしたが、このように分析的に捉えたことはほとんどありません。鷺巣さんによれば、彼らは「平行移動する分数和音」をさらに発展させ、遺作 "Spirit" ではまったく新しい和音を生み出したといいます。たとえば、「《Biyo》という曲などは、その新しい和音 Gmaj7・9 / A の平行移動だけでできている（笑）曲だ」と書いています。今回「和音遺産」をキーワードにそれぞれの曲を聴き直してみましたが、その当時は言葉にはできなかったものの、何かしら自分のなかに刻まれたものがあったことを改めて感じました。
04Jun
- 【MTRX 28】（組織における）働き方の４タイプ
  「組織のネコ」という働き方「組織のイヌ」に違和感がある人のための、成果を出し続けるヒントAmazon（アマゾン）「組織のネコ」という初めて聞く言葉に惹かれて手に取った本のなかで、興味深いマトリックスに出逢いました。それは組織における働き方を以下の４タイプに分類するものです。筆者は、組織にいながら自由でかつパフォーマンスが高い「トラ」タイプの働き方を理想としながらも、現実的にそれが難しい場合は「ネコ」タイプでもいいじゃないかというスタンスです。それが本書のタイトルに込められているようです。このマトリックスは、組織の中央を目指して働く左側の「ライオン」と「イヌ」、組織にいながら自由に動きたがる右側の「トラ」と「ネコ」に分けられます。しばしば耳にする「組織のイヌ」という表現にはネガティブなイメージがあります。それは、自分を殺しても組織に忠実であろうとする姿を連想するからでしょう。筆者は、横軸に取られた「自由」は要注意ワードであるとして以下のように説明します。　まず自由の対義語を調べると、拘束、束縛、統制、強制といった言葉が出てきます。どれも「わがまま放題な人を縛りつける」ニュアンスの言葉だから、あんまり発想が膨らみません。そこで次に、自由を訓読みしてみましょう。「自らに由（よ）る」とか「自分に理由がある」と読めます。自分が「やりたい」とか「意味がある」と思いながら動くのは、好き勝手とは違うし、必ずしも自己犠牲を伴うものでもない。自由を「自分に理由がある」と定義するのはしっくりきます。　とすれば、対義語は「他由（たゆう）」となります（造語です）。他人がやれと言うからやる。他人に理由があって動いている状態です。なお、他人からやれと言われてスタートしたことでも、自分で意味づけして「自分がやりたい」「意味がある」と思えれば、それは自由と呼べるでしょう。（同書 p.4 ～ p.5 より）このように考えると、組織の指示があったとき、上記の意味での "自由" に転換できなくても甘んじて受け入れて職務を遂行するのが「イヌ」派。どう考えても "他由" な仕事だと思ったら、しれっとスルーしたり、やらなくても済む方法を工夫したりするなどして「自分に忠実であろうとする」のが「ネコ」派ということになります。したがって、筆者にとってこのマトリックスは、働き方の特性を分析するためのもので、それぞれの優劣を論じるためのものではありません。ただ、本書を通して筆者が「トラ・ネコ」の働き方を推奨していることは間違いなく、それはこの30年以上も成長が止まっている日本経済の再生には、企業であれ役所であれ「自律型組織」が必須であり、それを担うのが外ならぬ「トラ・ネコ」人材であるという強い確信があるからだと思います。本書に登場する、これまで筆者が出会ったそうした数多くの人材とエピソードがその確信の正しさを物語っています。私のサラリーマン時代を思い返すと、自分はネコ、それもトラには絶対になれないネコだったと思います。それでも「うつ」にもならず最後まで勤め上げることができたのは、恵まれた職場（会社）にいたからだ、と今さらながら気付かされました。
02Jun
- 可愛い女
  日本思想史と現在 (筑摩選書)Amazon（アマゾン）本書はそのタイトルから "お堅い" 印象を受けますが、「日本思想史」の「日本」に力点が置かれたテーマと、これまで出版社の宣材やPR誌、書評などに筆者が発表した「小文」が中心であることから、とても読みやすく新たな知見を得ることの多い本でした。なかでも、第1章「その通念に異議を唱える」に収められた「「可愛い女」の起源」には大いに刺激を受けました。日本は女性が、とりわけ政治・経済の分野で活躍できない社会であることは、世界経済フォーラムが毎年発表しているジェンダ－ギャップ指数が先進国の中では最低、全体でもかなりの低位にある（2023年度は145国中125位）ことからもよく知られています。この問題について、上記の小論は冒頭「現代日本の多くの少女は、十代のあいだに、ある重大な選択をしているらしい」という一文で切り込んでいきます。そして三つの引用をひいたうえで（中略）立場の大きく異なる女性たちが、異口同音に、日本社会に生きる少女たちは、いわば「出来る女」になるか、「愛される女」になるかの二者択一を迫られているのである。多分、事実なのであろう。　しかし、この二種の女性像は、そもそもどちらかを選択しなければならないものなのだろうか。高い能力や業績と愛されることは、当然に相反するのだろうか。　そうではあるまい。優秀で有能な人は魅力的ではないか。高い能力と業績の故に好意を寄せられる方が、むしろ自然ではないか。　では、何故、日本では違うのか。（同書 p.23－p.24）と問題提起します。以降、傍証となる幾つかの引用を重ねて、日本では、女性については「愛されること」と「可愛いこと」とがほぼ同意義であることを確認したうえで、思春期を迎えた多くの少女が、「可愛く」あろうと努めるのも当然なのだろうと、冒頭の一文における「重大な選択」の意味を明らかにします。そうなると、もう一方の「出来る女」像の扱いが気になりますが、それは現在放映中の朝ドラ『虎に翼』の主人公・猪爪寅子が闘い続けた「女の子は、勉強はそこそこで、可愛くて愛嬌があればいい」という通念が蔓延る昭和10年代と現代はさして違いはないようです。筆者も、最優秀の女子生徒が東大を受験しない理由など幾つかの傍証を挙げながら女性についての「可愛さ」理想（それは、男性理想と対をなしている）が蔓延する下での、女性の意識的・無意識的な自己抑制と、男性による意識的・無意識的な方向付けや抑圧があるのではないだろうか（「抜擢したくても適当な女性がいないんですよ」とぼやいているあなた自身が、そのような状況を創り出し、今日も維持しているのではありませんか）。（同書 p.29－p.30）と述べています。残念ながら、そうした「可愛い女」像が日本でそれほどまでに強力である原因についてこの小論では深掘りされていません。ただ、歴史的な説明も可能である、として筆者の別の書籍を紹介しています。明治革命・性・文明: 政治思想史の冒険Amazon（アマゾン）どうやら、ここに所収されている三論文（第五章「夫婦別姓」と「夫婦相和シ」）、第六章「どんな「男」になるべきか ― 江戸と明治の「男性」理想像」、第七章「どんな「女」になれっていうの ― 江戸と明治の「女性」理想像」）にこの問題への筆者の解答があるようです。少なくとも、かなり根深いものであることだけは分かります。ところで、この小論を読んでひとつ思ったことがあります。それは成瀬あかりは新たな日本の女性像として描かれていたのではないか、ということです。成績優秀で二作目では京大に現役合格する彼女は間違いなく「出来る女」です。そして予測不能で突飛な行動の数々に初めは戸惑う周りの人々もやがて彼女に惹かれていきます。そう、彼女は「愛される」女、「可愛い」女でもあるのです。そんな「成瀬あかり」が本屋大賞を受賞した今年は、ひょっとしたら日本の変わり目なのかもしれません。
31May
- LOL
  塾で私が担当している中2の生徒が使っている学校の教科書（NEW TREASURE）に見慣れない表現がありました。メールでのやり取りの中に出てきた "LOL" です。ASAP のような短縮形（As Soon As Possible）だとは思いましたが私は初めて見る表現です。生徒に何のことか聞いてみると、その授業があった日に学校を休んだので分からないといいます。そこで英辞郎をスマホでチェックしてみると "(I'm) laughing out loud"を意味するインターネット用語とあります。それを生徒に伝えると「（笑笑）っていうことなんですね」と笑っていました。最近では学校の教科書もかなり実用的なものになっていることに驚きました。ともあれ、今日の授業で今週も終わりです。TGIF！（Thank God, it's Friday!"：やっと金曜日だ！）
23May
- 夏夕焼け
  我が家はマンションの低層階なので空が狭いです。でもベランダから見た今日の夕焼けは格別でした。マンションが縁取る街の夏夕焼け　　　　　　　鉄土陽
22May
- ネイティブの見る英文の基本構造
  私が塾で担当している中2生は学校の英語の授業でもうすぐ5文型を習います。そこで私自身のブラッシュアップがてら5文型に関する参考書を図書館で探していたところこんな本を見つけました。英文の基本構造 (ネイティブ英文法 4)Amazon（アマゾン）本書のユニークさは、タイトルにある「ネイティブ英文法」という表現からも察せられるように「ネイティブ」発想で英文法を見直している点にあります。第1章～第3章の「基本文の構造」で詳細に論じられる英語の5文型の解説からは多くの気付きが得られました。なかでも印象的だったのは、ネイティブは英文をまずは大きく「リンキング動詞を含む」文と「含まない」文に二分する、という指摘です。ここでいう「リンキング動詞（linking verb）」とは第2文型を形成する動詞群に相当します。その典型である「be動詞」のように、主語（S）= 補語（C）の関係を形成する「つなぐ」働きが「リンキング動詞」の特徴です。本書によれば、英文をまず「第2文型 vs それ以外の文型」に分けるのがネイティブ発想である、ということです。それ以降のステップは、「目的語の有無」によって「第1文型 vs 第3～5文型」が、さらに「目的語の数」によって「第1文型vs 第3文型 & 第5文型vs 第4文型」が分かれ、最後に「第3文型 vs 第5文型」という分岐が生じるという流れになっています。これを私流のフローチャートにしたものが以下の図です。be動詞と一般動詞は、否定文や疑問文の作り方の違いから系統の異なる動詞群であることは実感していましたが、その根幹には発想の違いがあるというのは大きな気付きでした。もっとも、第2文型を形成する動詞には be動詞以外のbecome, get, look, smell, taste, remain, keep といった一般動詞も多く含まれていますが、これらは be動詞から派生していったニュアンスの違い（～である → ～になる・～のままである、五感）と考えれば、まずは be動詞と一般動詞の違いが十分に腹落ちすることが英語学習における最重要ポイントであることを再認識しました。以前大西泰斗さんの5文型に関する雑誌記事では次のような解説がありました。❶ 第３文型（他動型） I got a fantastic present.❷ 第１文型（自動型） I got there at 3 o'clock.❸ 第２文型（説明型） The problem is what we should do if the plan fails.❹ 第４文型（授与型） My parents bought me an iPad.❺ 第５文型（目的語説明型） We call him Jimmy.両者の解説に共通するのは、5文型を「動詞の型」として捉えている点です。たしかに英文の構造を支配する「動詞」の働き方に習熟することが英文の理解向上につながることは十分に予想できます。たがが5文型、されど5文型。中2の生徒にとっても5文型が腹落ちするような説明を考えてみたいと思います。
19May
- elevenses
  週末に軽井沢へ行ってきました。埼玉に比べると気温が10℃ほど低い爽やかな時間を満喫してきました。スコーンが美味しいらしいということで立ち寄ったのが elevenses というお店でしたが、そういう英単語があることを始めて知りました。OED には"A eleven-o'-clock meal, luncheon" とありました。つまり、文字通り "11時に" 食べる食事ということのようです。luncheon の方は "Originally, a slight repast taken between two of the ordinary meal-times, esp. between breakfast and mid-day dinner." とあるので、英国における「10時（3時）のおやつ」的軽食といったニュアンスなのかもしれません。入店したのは13時半頃で、遅い昼食にするつもりで頼んだフィッシュアンドチップスもかなり "軽め" でしたが、とても美味しかったです。