「成瀬あかり」が面白い!

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「成瀬あかり」は今年(2024年)の 本屋大賞 に輝いた小説『成瀬は天下を取りにいく』の主人公です。

 

 

・ありがとう西武大津店

・膳所(ぜぜ)から来ました

・階段は走らない

・線がつながる

・レッツゴーミシガン

・ときめき江州音頭(こうしゅうおんど)

 

という6つのエピソードがそれぞれ関連し合いながら、滋賀県大津市膳所に住む主人公の周りに巻き起こる、いや主人公が「巻き起こす」さまざまな出来事を通して「成瀬あかり」という類まれなキャラクターを浮き彫りにしていきます。一つ目のエピソードでは中学2年生だった彼女は最後のエピソードでは大学受験生になっているので彼女やその仲間たちの成長記録ともいえるかもしれません。読み出したら止まらない、とにかく面白い本でした。

 

翔んで埼玉 ~ 琵琶湖より愛をこめて ~ を観て以来、滋賀県に抱くようになった親近感が成瀬あかりの地元愛を通して増幅された気がします。本書には、西武大津店を始め、具体的な名前の学校やマンションや公園、お店やレストラン、ローカル放送などが出てきますが、どこまで本物なんだろうという興味が湧きました。とりわけ、彼女が通ったという「ときめき小学校」はさすがに創作なのではと感じました。

 

そんな折、WEBでみつけた bookbang というサイトで 話題沸騰! 『成瀬は天下を取りにいく』作者・宮島未奈エッセイ 特別ゲストとめぐる「大津ときめき紀行」 という記事を見つけました。タイトルの通り、著者の宮島未奈さんが、成瀬あかりを始めとする登場人物たちと一緒に、小説の舞台である膳所駅周辺を歩くという体の "リアル+バーチャル" のエッセイとなっています。そのなかに「わたしの住む世界では同じ場所に大津市立平野小学校がある」という記述を見つけ、なるほどと思いました。

 

実は、すでに『成瀬は信じた道をいく』という続編も出ていて、こちらも一気読みしてしまいました。大学生になった彼女の活躍の舞台は広がっていますが「成瀬あかり」らしさは健在です。さらなる続編が俟たれます。