とりあえず、できるといってみよう! -3ページ目

グリーンカード申請に見る給料、最終回

とくに反響もなく、ひっそりと続いてきたこのシリーズ、今回で最終回です。

前回まで日本人の給料を調べましたが、 Excelを作る手順が確立されたため、他の国も簡単じゃん、と思うに至りました。

さて、どこにするか。なんとなくで中国です。とはいえ、中国人のPERM申請数は(インドに大きく水を開けられているとはいえ)世界2位、日本人の申請数の数倍です。一部手順に手動が入っているため、あんまり多いと面倒。と、いうことで、2015年にPERMが通った分に限りました。

よって、今回の比較は、「カルフォルニア州の日本人申請情報(2014 1月-2015 3月)」と、「カルフォルニア州の中国人申請情報(2015年 1月-3月)」との比較になります。

本題に進む前に、今回データを眺めていて、PERMに出している給料レンジがやけに広く、さらに複数人が同じ額になっている会社がいくつかあるのに気が付きました。具体的にはGoogleやCiscoなどで、例えばCiscoは数十人がFrom 98927ドル To 135000ドルで登録しています。PERMのプロセスにおいてはできるだけ低くするのが原則なのですが、おそらくこれらの会社は、あまりにも多いのでそのグレードのレンジ、という形で申請してるのだと思います。なんにせよ、前回までの整合性のため(と、簡便性のため)にここではToの値を使います。これによってやや高めに出ている可能せはあります。

データ元は、前回同様DOLです。


まず、ヒストグラムを比較してみよう。



ヒストグラム

カルフォルニア州の日本人と大きく違うのがわかるでしょうか。日本人の山は左に、中国人の山は120-140Kに。

日本人の平均が9万8千ドル、中央値が8万8千ドルに対し、中国人は平均12万2千ドル、中央値が12万4千ドルとなっています。

これは前回触れたように南カルフォルニアに日本人が沢山いて、IT以外の職に付いているから、といえます。でもなんとなくそれだけでは説明しきれない気が。

まずは最終学歴を見てみましょう。


中国人学歴 日本人学歴

あ、Ph. D.って書くべきなのか、とか細かいツッコミはしないでください。適当に書いてしまいました。

中国人、高学歴。(中国人にLawyerが2人いてOtherに入ってたので、なんとなく博士に入れちゃいました。)


そして、前回イマイチだった最終学歴をとった年から調べた職歴の分布。


職歴分布比較


もうね、中国人みんな若い。アメリカか中国の大学をでて、アメリカで修士号をとって、アメリカで就職して数年で永住権申請(でもずっと待たないといけない)、というのがよくあるパターンなんだと思います。
(ちゃんと数えてないけど、7-8割は最終学歴がアメリカの大学でした。ざっと見た感じ、日本は6割以上は日本の大学かな?)

ほとんど新卒なので、まだ給料にもあまり差がついておらず、ベースのサラリーはほどほどに収まっている、と。(優秀な人には一時金や株が来る。)

日本人の最終学歴取得からの平均年数13.2年に対して、中国人は5.4年でした。

まとめると、若くて、高学歴で、お金持ちなのが中国人、という感じでしょうか。日本人は地域によるけど、シリコンバレーに関しては、日本でキャリアを積んだ人が第二の挑戦をする場所、という感じかと。

おしまい、ちゃんちゃん。


アメリカにいる日本人のお給料のお話

前回の続きです。

HTMLパーサーを書くのが楽しくなってしまったから、という理由でしか無いのですが、グリーンカード申請プロセスを用いた実際の給料を眺める遊びです。

2014年から2015年3月末までの間にPERM(グリーンカード申請プロセスの一つで、申請者と同じ条件のアメリカ人(もしくは永住者)がいないかを、新聞広告で募る、というもの)で公開されるデータを眺めます。

DOLのページからよいしょよいしょと引っ張ってきまして、ビッグデータ分析!というほどの量もないので当然エクセルです。カルフォルニア州272人、ワシントン州31人でした。

0.前提

PERMで公開される(募集される)給与レンジというのは、基本的にはFromがベースサラリー、Toがその人が目標を100%達成した場合の額と考えてよいです。エンジニア職の場合はだいたい100%のため、今回はToの値を使っています。(営業職だと100%行かないこともよくある。) 

これがその人の年収か?といわれるとそうでもないです。ストック・オプション、RSU(株ボーナスの一種)によって、評価の高い人はいっぱいもらえます。普通の人だと年収の0 - 30%くらいの間でボーナスとして追加されると思います。IPO前後の会社や、そうでなくてもイケイケの会社はもっともらっててもおかしくありません。

(4/10/2015追記)

Quora みてたら、Googleで130Kもらうとして、転職時点でRSU 140K/4年もらうって書いてあって、毎年もらうとすると5年目以降は軽く3000万円ね、と納得。やっぱもらってるところはもらってるのねー。

(追記終わり)

PERMのデータは、名前以外は全部公開、みたいな感じで個人情報感があふれているため、このブログを書くにあたってはだいぶぼかしました。人によっては簡単に特定可能なレベルなので。


1. CAとWAの比較

ITといえばシリコンバレー。給料が高いのもシリコンバレー。それに対して、雨が多くてちょっと地味だけど、最近はクラウドの中心地として盛り上がるワシントン州(シアトルなど)。比べてみましょう。

まず、日本人の数が全く違います。それに比例する形で、永住権申請数も違います。


こちらがカルフォルニア
ca histogram



こっちがワシントン州
wa histogram

カルフォルニア州は左の方に山ができてますが、これは実はシリコンバレーとは関係ありません。ロス近郊にはたくさんの日本人が住んでいるので、そちらの人たちがメインですね。そもそも、日本円にして800万円くらいはないとソフトウェアエンジニアではH1B取れないはずでしし。右の方は、日本円で1500万円から2500万円以上まで、広く分布してる感じ。

ワシントン州の上位二人はお医者さんだったので、エンジニアは160Kくらいが上限、と言った感じです。だいたいが100K-140K(1200万円~1600万円)に収まる。


統計とかよくわかんないんでministatの結果をどうぞ(うまくフォーマットできない。。)

$ ministat ca_wage.txt wa_wage.txt
x ca_wage.txt
+ wa_wage.txt
+------------------------------------------------------------------------------+
| x x xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx*xxx+xx x x x x |
| x xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx*xxx+xx xx xxx x x |
|xx xxxxxxxxx*xxxxxxxxx*xx*xxx+xxx*xxxxxx xxxxx x x xx |
|*x+x*xxxx*xx*xxx*x*xxx****x*x*****xx**xx*xxx*xxxxxxxx xx xx * xx|
| |_____|_____M__A__A__________|_| |
+------------------------------------------------------------------------------+
N Min Max Median Avg Stddev
x 271 25834 282000 88067 98208.838 48353.978
+ 31 24877 230004 110000 109531.9 42436.708
No difference proven at 95.0% confidence

平均、中央値ともに、ワシントン州のほうが高くなるのが面白いですね。調べてないけど、年齢も高めのきがする。




2. 大企業にはいい大学の人が集まる

前回のエントリでグーグルの6のうち3人東大、2人海外、1人通信制、と書きましたが、CAの他の有名ドコロも加えてみました。Cisco, Intel, Google, Apple, Twitter, Yahoo!, あと、図に書き忘れたけどFacebook 。



major companies

知ってる大学、多い。



3.学歴による比較。

学士、修士、博士、それ以外、で分けてみました。


$ ministat na.txt bs.txt ms.txt dct.txt
x その他
+ 学士
* 修士
% 博士
+--------------------------------------------------------------------------------------------------------------+
| x + *++x*++ ++ + +++++++ x +++ * + +%* + |
|xx ++*+***+* +++* +*+**+**++*+ +@* **+ +%* * +* + + +++ + |
|xx *+*+*******O@OO+O***+O****+*O@* **OOO*O%*+O**@*+**** ++* +*++ @+*+ %++x %%+ * + % +*|
| |________|_M_|__A__|____M____A___AM___M_A________|___|_______| |
+--------------------------------------------------------------------------------------------------------------+
N Min Max Median Avg Stddev
x 44 25834 200000 55245 69252.295 38558.683
+ 148 34070 278840 86674 98057.25 47352.099
* 56 34070 282000 110000 108099.43 46421.27
% 23 61200 227000 120000 124648.09 48701.852

はやりそれなりに学歴で差がつく結果となりました。ただ、母集団がグリーンカード申請であってすべての日本人ではないので、あくまで参考として。

ちなみに、今回の統計に含まれていない永住権取得者として、主に2通りあります。1つは結婚による永住権申請。もう一つは、EB1というカテゴリの申請です。EB1は、一流研究者などが申請できるもので、この人達の収入はかなり高いと思われます。


4.年齢は公開されていないので

最終学歴の取得年数、というのが公開されているので、それと年収の関係をグラフにしようと思いましたが、微妙な結果となったので載せるだけにしておきます。みんなが大学卒業してからどのくらいで永住権にたどり着いているか、の参考にはなるか、と。

社会人歴

5. 機械学習?

そういえば、そもそもの発端となった機械学習ですが、そのものずばりのMachine Learning Engineerが一人だけいました。130,000ドル (1500万円)。その人はGoogleではなかったですけどね。

6.その他

エンジニアの給料を調べるにあたって日本人に限定する必要は特になくて、中国人かインド人か韓国人あたりを比較対象にするとおもしろかったのですが、それらの国は日本の数倍から数十倍の申請者のため、日本人に搾りました。全体の統計情報は色んな所に載ってるしね。


じゃ、実際のところは給料なんぼなのよ。(悪趣味エントリ)

ということで、twitterで耳寄りな情報を得たので、ついつい調べられずにはいられずに。。

グリーンカードプロセスには、PERMというものがあります。これは、こういう人にグリーンカードをあげたいんだけど、もし同じ給料でアメリカ人で希望者がいたら、そっちをとりますよ、というプロセスのことです。で、そのPERMの情報は個人名を伏せてすべて公開されて、ご丁寧に会社ごとに検索するサイトまであるという。。

せっかくなので簡単なHTMLパーサーを書いて、ビッグデータ分析ならぬ、スモールデータ分析をしてみました。

対象:Google, Microsoft, Appleで2014 ~ 2015年(as of 3/31/2015)にPERMを申請し、申請が通った日本人。

いってみれば、米国に渡っただけでなく、ある程度馴染んで、当地での評価が決まった日本人、ということですね。

別に給料を調べるのに国籍は関係ないんですが、この人達は基本的には日本からアメリカにわたって永住権申請に辿り着いた人なので、一番みんなが知りたいところかな、と。(あと、母集団が多すぎるとコピペが面倒)


さて、いってみましょー。

と、その前に。


From, Toというのは求人の際の給与レンジです。当然低いほうが応募が少なくて面倒が起きないため、
Fromの値がその人のその時点のベースサラリーと考えてよいです。Toのほうは、そのランクでの給料の上限か、その人の目標達成時ボーナスを含めた年収の場合と主に2通りあって、会社によると思います。



Google

From 136900 To -
From 85554 To -
From 113000 To 169600
From 110000 To -
From 158600 To -
From 156000 To -
From 205000 To -


Microsoft

From 105109 To 125109
From 79796 To 99796
From 101899 To 121899
From 89752 To 109752
From 116272 To 136272
From 109823 To 129823
From 101000 To 121000
From 112943 To 132943
From 125000 To 145000
From 105000 To 125000

Apple

From 165000 To 183500
From 133500 To 138500
From 106000 To 111000
From 128295 To 133000

とくにソートすらせずにそのまま載せましたが、なんとなくわかるかな、と。

ちなみに、ここにはRSU(株ボーナス)やストックオプション(別の種類の株ボーナス)は含まれないので、これより貰える場合が多いです。人によりますけど年収の20-100%くらい??(そんなにもらったことないから知らない)

あと、Microsoftはほとんどがワシントン州なので、そもそもの給料レンジが違うことをおわすれなく。

グリーンカードきたる


緑紙こと、永住権カードがとうとう届きました。先日ウェルカムレターが来て、今か今かと待ち受けていました。プロセスを始めて約1年半。途中PERMのとこで謎の停滞があったものの(僕は移民弁護士が忘れてたんだと思ってる)、全体的に見れば順調に進みました。EB2の職歴証明に必要な推薦状を書いてくれた元ボスのMさん、Eさん、その節はありがとうございます(ブログ見てないだろうから個別にお礼するけど。)

永住権へのチャレンジは渡米後半年、今から3年前から始まりました。その時のEB3(学士対象)の待ち時間が7年と長く、中国インドの国別制限撤廃が検討されていたこともあり、EB2(修士相当)を目指すことに。その際、わりとコンサバな親会社&移民弁護士から出された条件が、グレードを二つ上げることでした。幸い、粛々と仕事をしていたら昇進、ルーキー賞、MVP、昇進ととんとん拍子に進み、条件を満たすことができました。

さらに遡れば、2011年に同僚に背中を押されて当時のトップに雇ってくれとお願いしたこと。さらにx2遡れば、2010年に3ヶ月滞在した時に、ケリーパークを歩いていて、「ここなら住んでもいいかも」と思ったのがスタートか。さらにx3遡れば、このブログがスタートしたときに、「開発やる?」と聞かれて即答したこと。2008年夏に本社インターンとして働いて、「こっちではたらかない?」と聞かれて冗談だと思ってスルーしてしまったこと(これだけは一歩後退)。2005年の秋にSun時代の先輩に誘われて、二つ返事で世界の社員数200人以下の会社に参加したこと。振り返れば尽きませんが、色々なことが、今日という日につながりました。

コードも書けない英語も下手な(未だにこっちで自分より下手な日本人に会ってない)人間が、「とりあえずできると言ってみる」と、持ち前の「仕事できそうな雰囲気」だけでここまできました。

さてさてこの先どこに行くのか。最大の課題は、「社歴を無視して1エンジニアとしてみたとき、僕はエンジニアたりえるのか」、別の言い方をすれば、「自分は転職できるのか」

まあ、それはとりあえずおいておいて、今日は一番搾りで乾杯です。

ヌバヌバのエンジニアのレベルってどのくらいだろう

大昔の記事で、こんなことを書いたことがあります。

http://ameblo.jp/takkainseattle/entry-10464995451.html



ここで、アメリカで(たぶん)一般的な、開発者のキャリアパスを紹介しましょう。

アメリカの開発者は大卒新人で入ることはあり得ないので、他社からの転職がほとんどですが、前職までの経歴などなど加味して、デベロッパー1~3までのランクで入社し、1で入った人は2になるのを、2の人は3になるのを目指します。3というといわゆる開発の中心人物で、部署に1-2人しかいません。

私の感覚で言うと、1が「凄腕」 2が「超人」 3が「神」です。

そのあと、功績が認められると、ヌバヌバの場合はStaff Engineerになります。会社によってはDistinguished Engineerとか、Principal Engineerとか、いろんな呼び方があると思います。

3とStaffの違いはぶっちゃけ良くわかりません。経験、功績を伴うものなので、一概にプログラミング能力だけを問うものではないようです。

究極的にはCTO(Chief Technology Officer)となるのが開発者のキャリアパスです。ま、CTOはちょっと開発から離れるので、点線でつながってる、くらいですかね。


ふむ。それから5年近く経ち、買収を経て、ヌバヌバのグレードもややインフレしております。5段階まであって、以前の3が今は4か5,という感じです。私は今、3にあたりますが、凄腕でも超人でもありません。まあ、SDETの場合はやや評価軸が異なるのでなんともいえません。


で、本題です。当時、私はあくまで日本(外側)からみた本社のエンジニアを評していたわけですが、5年経って、さて実際のところ、どうだろうか、と。これは実はヌバヌバだけではなくて、彼らはG社やA社に転職して似たような役職についてますので、実はアメリカのエンジニア全体として、実際のところどうなんだろうか、というところにもつながります。


まず、グレード1であっても、しょぼいプログラマはいません。若者もCSできっちり勉強してきているので優秀です。その上については、たしかにみんなすごいんですが、今になってみると、日本の開発者もこのくらいできるんだろうな、と思います。今のヌバヌバで個人的に一番イケテルと思ってる人は多分5ですが、その人はFreeBSDのスケジューラ書いた人でした。つまり、そのレベルは、ツイッターでみる、がちゃぴん先生とかと同じようなレベルということか。有名コミッターとか、未踏の人とかっていうのはUSでも多分トップレベルに来れる人たち。その下のその他大勢の人達も、USの開発にまざったらみんな2から3におさまるんじゃないかなーと。


ちなみに、ヌバヌバはアカデミアから縁遠いところからスタートしたため、あまりアカデミアアカデミアしてる人を見つけることは多くありません。あくまで必要な物を作って、売れる製品を作ったのは僕好み。やっぱり会社によってはアカデミアに寄ってる人を好む会社もあって、そういう人が目立つ会社も多いのですが、実際の実力、評価にはあんまり関係ないかもなー、というのが実感です。いや、知らないですけどね。


というわけで何が言いたいかというと、日本で有名な人はUSでも多分神レベル。日本で普通に設計してコーディングしてる人はUSでもたぶん普通。ということでした。ちゃんちゃん。



きたーーー

申請受付から2ヶ月と3週間、ようやく渡航許可証と労働許可証が届きました。大人用は、コンボカードという免許証みたいなのが届き、子供は渡航許可証の紙切れが届きます。

これまで3年以上、「明日くびになったら、すぐに荷物まとめて帰って日本の職安にいかないと」という生活だ続いていたので、若干のストレスからの開放。

近年は実際にクビになる可能性は限りに無く0に近かったとはいえ(人手不足、会社好調、評価よし)、かなり嬉しい通過点です。

実際の緑紙は、さらに数カ月後に届くらしい。

さて、テクニカルには今すぐにでも転職できるらしいですが、さすがにそこまで豪気でもないので当分は今の会社で頑張ることになります。

今、ふと自分のブログを見て、いつも一番上に表示されている

「外資系IT企業に勤める一介のプリセールスSEが、本社の開発陣にまぎれこみ、 プロのソフトウェア開発者になることをめざす。そんなブログ。」


というのをみて、そうだ、僕は普通のプリセールスSEだった、と思いました。今はなんちゃってテストエンジニアのフリをしてますけど。

日本のできるテストエンジニアのブログとかみてて、テストエンジニアとはなんぞや、みたいなのみるとなんだかすごくて怖いんですけど、感覚的には、プリセールスSEをやってた時と何も変わったことはありません。検証して、悪いとこをレポートして、直ったかを確かめる。それと、顧客にとってこうあるべきというのを製品に反映させるようにアピールする。

たぶん、サポートをしている人とかも同じで、障害対応窓口としての仕事の中でも、コードを調べて、実機で検証して、こうあるべきというのを考えて、とやっている人は、そのまま開発側にきても働けます。実際、OSSの世界だと、そのへんの境ははっきりしてないですしね。

逆に、元開発者でもプリセールス側でバリバリやってる人もいるし、サポート側に行く人もいるし、良い製品を作ってユーザーに提供する、という軸さえブレなければ、職種ってそんなにカチッとしたものじゃないな、と最近は思います。

と、いうことで、このブログを始めてから5年経って、渡米して3年経って、プロの開発者になれたか、というと、「別にみんな金もらって製品をよくしてるんだから、どこにいてもなにをしていてもプロの開発者だし、逆に開発部門にいてもちゃんとはたらいてないやつはニセ開発者だ」という結論に落ち着くかもです。



久々に、嬉しいメール

元同僚からこんなメールが。

You're one of the most talented SDET engineers I've worked with, and I'd love it if you <略

いやー、このメールだけであと数ヶ月頑張れますな。早い話がお誘いです。多分行かない(というか、タイミング的に行けない)けど。

こちらに来てからの目標その1は緑の紙、その2は、いつか元同僚に誘われるようになること、だったので、このエンジニアは相当できるやつということもあり、こう言ってもらえるのは嬉しいです。こいつと働いてた時はとにかくガムシャラにバグ登録しまくってたときだなー。もっと頑張らないと。

未だに英語もわからないしプログラミングも素人なので、普通に転職活動しても転職できる気がしないのですが、こういうつながりを大事にしてれば生き延びていけるのかもしれない、と少し今後に希望が持てました。

早いもので

2011年10月頭にシアトルに渡ってから、3年が経とうと思います。さらに10月1日で結婚8年。こちらも驚きです。この一年は、三男誕生(特に妊娠から出産まで)がほぼ全てを占めましたが、12月には日本にも行きました。日本素晴らしい。日本人が旅行に行くなら日本以上の場所はありません。子育ては、しにくいけれど。

渡米当初から一つの目標にしてきたグリーンカードはもう一息。うまくいけば今年中には仮の労働許可証くらいもらえるかも??

仕事は、どうだったんでしょうねー。この間初めて国内出張をさせてもらえました。これはなかなか良かった。日々の仕事に占める、周りの「これどうすればいいでしょうか」に答える割合が増えてきて、手を動かさずに口を動かすって、おい、そっちの方向じゃないよ、と思ったり思わなかったり。自身の成長を感じるという意味では微妙なところです。自分は技術力では雑魚キャラにもかかわらず、FSの会社のFS部門の(自分で言うのも変ですが、)トップテスターになって、ある意味このルートでは行き止まりというわけで、次の一年、さらにグリーンカードを取れた後について真剣に考えないとズルズル年を取ってしまう。そんな4年目のスタートです。

まあ、全体的に見れば、クビにならずに給料もらえてるだけで大成功なんだけどね。

スタートアップのストックオプションで一攫千金!

この話はまえに資料にまとめてslideshareにも載せたんだけど、少し追記も兼ねて。

スタートアップにいくのはXXXのためだからお金は関係ないというあなた、今月号は見なくていいので
スルーしましょう。

あなたはスタートアップに誘われました。上場前のストックを100万株くれるといっています。すごい!お金持ち!もし一株100ドルになったら、100億円だ!

はい、ちょっとたんま。

その会社は、今まで何枚株を刷っているのでしょうか?1000万株ですか?1兆株(普通そんなのはないけど)ですか?

ストックオプションがいくらになるかは、その会社の価値がいくらになるのかによってきます。
会社の価値 x 自分の株数 / 総株数 = 一攫千金 です。

その会社の価値は、IPOによるExitの場合は時価総額、会社売却によるExitの場合は売却価格です。

Webサービス系の場合、IPOによるExitはあまり考えられないこのご時世です。1ユーザーあたり 10ドルから100ドル、なんていう記事を目にしました。そのサービスがユーザーの生活に必須であるほど、単価は高くなります。たぶん。その会社はMaxで何ユーザー獲得可能でしょうか?10万人ですか?1千万人ですか?1億人ですか?

製品を売るタイプの場合、低マージンの業種高マージンの業種色々あるので一概に言えませんが、ざっくり、利益の10倍から50倍が会社の価値と考えてみましょう。1千万円の未来のクルマを売る会社なら、利益率10%として、年間100万台の車を売ると、1兆円の利益。会社の価値は10兆円~50兆円。って、それは大きすぎる。100万円のルーターを10万台売ったらかなりの大手ですが、利益率50%で500億円。5000億円~2兆5千億円の会社。もしかしたら、どう考えても100億円くらいにしかならないかもしれません。

さてさて、会社の価値 x 自分の株数 / 総株数 なので、将来の会社の価値がベストケースでどれだけか、そして既に刷っている株数(これからも増資するかもしれないけど)がどれだけか、がどんな夢を見られるかを決めます。

総株数は、聞けば教えてくれるかもしれませんが、ざっくり、予想するなら、初期メンバーやエグゼクティブであれば1%、それ以外であれば0..01% ~ 0.1%程度が提示されるような気がします。すくなくとも社員数が1000人いて0.1%提示されることはないですから、1/(社員数 x 10) くらいの割合と考えると、当たらずとも遠からず、かも。かもかもかも。知らないです。

さてさて、希望に満ちてきました?

釣り記事に反応しそびれる、の巻

エリート情報系の諸君.今すぐ内定を蹴ってシリコンバレーに来なさい.http://anond.hatelabo.jp/20140709171128

ちなみに、私が書いたのではない。

シアトルに来なさい、を書こうと思ったのに、さすがに自分の収入をぶっちゃけるわけにはいかない。言ってることは概ね同意。でも、給料は盛りすぎだし、上っ面のいい点しか書いてないので嘘くさい。でも、それでもシリコンバレーに来ればいいのに、と思う人達は確かにいる。

と、いうわけで今回はその話はせずに、RSUとストックと自社株買いの話。


ストックオプション

ストックオプション。日本語で略すとストック?英語だとオプション?ここではオプションと略そう。上場前や株価が期待値より大幅に低くて今後大幅上昇を目指す時に、ある金額で株を買う権利を与える。例えば、5ドルで1000株のオプションをもらって、10ドルになった時に行使して売ると、5000ドルの儲けになる。普通は行使額はその時の株価になる。美味しいのはやはり公開前。なぜなら、その時点での株価は0みたいなものなので、行使額はほぼ0。5ドルで行使できるオプションを持ってて10ドルになるのと、0ドルで行使できるオプションで5ドルになるのは、意味合いが微妙に違う。話が長くなるので割愛。IPO後、会社が成熟してそれほど株価上昇が見込めなくなると、美味しくなくなる。


RSU:

ある額、例えば100万円分の株を上げます、というもの。株価が上がれば得するのは一緒だけど、現株なので、紙くずリスクは低い。事実上のボーナス。

オプションとRSUは、何年働いたら、という条件と抱き合わせであることがほとんど。4年とか5年とかいると満額で、それまでは1年ごとに25%行使可能になる、とかそういう感じ。RSUの面白いのは、年一万円ずつ5年分、というのを受け取って、次の年も、その次の年ももらえたりすると、実質5万円の給料になること。まあ、オプションも同じか。


自社株買い:

日本と同じですね。前の二つと違って期間の条件がない場合がほとんどだと思う。15%とか補助が出て、買った瞬間に売ると、お小遣いになる。前職で会社が潰れて懲りたので僕はやってないけど。

その他ボーナス:

MBO:
エンジニアはちゃんと仕事してれば100%もらえる、よく存在意義がわからないボーナス。

表彰系:
何か認められることをしたら3千円、とか。MVPとったら副賞に1500円、とか。

ターゲットボーナス:
このバージョンを期限内にリリースすると1万円、とか。

全体として、評価、役割によって額が大きく異なる。僕はあるリリースでターゲットボーナスをもらって、次のリリースで額が3倍になってびっくりした。その後のリリースではもらえてない。。(涙)

ちなみに、ボーナスを当てにして生活するともらえない時に苦しいのは日本と同じ。ご利用は計画的に。