アメリカにいる日本人のお給料のお話 | とりあえず、できるといってみよう!

アメリカにいる日本人のお給料のお話

前回の続きです。

HTMLパーサーを書くのが楽しくなってしまったから、という理由でしか無いのですが、グリーンカード申請プロセスを用いた実際の給料を眺める遊びです。

2014年から2015年3月末までの間にPERM(グリーンカード申請プロセスの一つで、申請者と同じ条件のアメリカ人(もしくは永住者)がいないかを、新聞広告で募る、というもの)で公開されるデータを眺めます。

DOLのページからよいしょよいしょと引っ張ってきまして、ビッグデータ分析!というほどの量もないので当然エクセルです。カルフォルニア州272人、ワシントン州31人でした。

0.前提

PERMで公開される(募集される)給与レンジというのは、基本的にはFromがベースサラリー、Toがその人が目標を100%達成した場合の額と考えてよいです。エンジニア職の場合はだいたい100%のため、今回はToの値を使っています。(営業職だと100%行かないこともよくある。) 

これがその人の年収か?といわれるとそうでもないです。ストック・オプション、RSU(株ボーナスの一種)によって、評価の高い人はいっぱいもらえます。普通の人だと年収の0 - 30%くらいの間でボーナスとして追加されると思います。IPO前後の会社や、そうでなくてもイケイケの会社はもっともらっててもおかしくありません。

(4/10/2015追記)

Quora みてたら、Googleで130Kもらうとして、転職時点でRSU 140K/4年もらうって書いてあって、毎年もらうとすると5年目以降は軽く3000万円ね、と納得。やっぱもらってるところはもらってるのねー。

(追記終わり)

PERMのデータは、名前以外は全部公開、みたいな感じで個人情報感があふれているため、このブログを書くにあたってはだいぶぼかしました。人によっては簡単に特定可能なレベルなので。


1. CAとWAの比較

ITといえばシリコンバレー。給料が高いのもシリコンバレー。それに対して、雨が多くてちょっと地味だけど、最近はクラウドの中心地として盛り上がるワシントン州(シアトルなど)。比べてみましょう。

まず、日本人の数が全く違います。それに比例する形で、永住権申請数も違います。


こちらがカルフォルニア
ca histogram



こっちがワシントン州
wa histogram

カルフォルニア州は左の方に山ができてますが、これは実はシリコンバレーとは関係ありません。ロス近郊にはたくさんの日本人が住んでいるので、そちらの人たちがメインですね。そもそも、日本円にして800万円くらいはないとソフトウェアエンジニアではH1B取れないはずでしし。右の方は、日本円で1500万円から2500万円以上まで、広く分布してる感じ。

ワシントン州の上位二人はお医者さんだったので、エンジニアは160Kくらいが上限、と言った感じです。だいたいが100K-140K(1200万円~1600万円)に収まる。


統計とかよくわかんないんでministatの結果をどうぞ(うまくフォーマットできない。。)

$ ministat ca_wage.txt wa_wage.txt
x ca_wage.txt
+ wa_wage.txt
+------------------------------------------------------------------------------+
| x x xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx*xxx+xx x x x x |
| x xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx*xxx+xx xx xxx x x |
|xx xxxxxxxxx*xxxxxxxxx*xx*xxx+xxx*xxxxxx xxxxx x x xx |
|*x+x*xxxx*xx*xxx*x*xxx****x*x*****xx**xx*xxx*xxxxxxxx xx xx * xx|
| |_____|_____M__A__A__________|_| |
+------------------------------------------------------------------------------+
N Min Max Median Avg Stddev
x 271 25834 282000 88067 98208.838 48353.978
+ 31 24877 230004 110000 109531.9 42436.708
No difference proven at 95.0% confidence

平均、中央値ともに、ワシントン州のほうが高くなるのが面白いですね。調べてないけど、年齢も高めのきがする。




2. 大企業にはいい大学の人が集まる

前回のエントリでグーグルの6のうち3人東大、2人海外、1人通信制、と書きましたが、CAの他の有名ドコロも加えてみました。Cisco, Intel, Google, Apple, Twitter, Yahoo!, あと、図に書き忘れたけどFacebook 。



major companies

知ってる大学、多い。



3.学歴による比較。

学士、修士、博士、それ以外、で分けてみました。


$ ministat na.txt bs.txt ms.txt dct.txt
x その他
+ 学士
* 修士
% 博士
+--------------------------------------------------------------------------------------------------------------+
| x + *++x*++ ++ + +++++++ x +++ * + +%* + |
|xx ++*+***+* +++* +*+**+**++*+ +@* **+ +%* * +* + + +++ + |
|xx *+*+*******O@OO+O***+O****+*O@* **OOO*O%*+O**@*+**** ++* +*++ @+*+ %++x %%+ * + % +*|
| |________|_M_|__A__|____M____A___AM___M_A________|___|_______| |
+--------------------------------------------------------------------------------------------------------------+
N Min Max Median Avg Stddev
x 44 25834 200000 55245 69252.295 38558.683
+ 148 34070 278840 86674 98057.25 47352.099
* 56 34070 282000 110000 108099.43 46421.27
% 23 61200 227000 120000 124648.09 48701.852

はやりそれなりに学歴で差がつく結果となりました。ただ、母集団がグリーンカード申請であってすべての日本人ではないので、あくまで参考として。

ちなみに、今回の統計に含まれていない永住権取得者として、主に2通りあります。1つは結婚による永住権申請。もう一つは、EB1というカテゴリの申請です。EB1は、一流研究者などが申請できるもので、この人達の収入はかなり高いと思われます。


4.年齢は公開されていないので

最終学歴の取得年数、というのが公開されているので、それと年収の関係をグラフにしようと思いましたが、微妙な結果となったので載せるだけにしておきます。みんなが大学卒業してからどのくらいで永住権にたどり着いているか、の参考にはなるか、と。

社会人歴

5. 機械学習?

そういえば、そもそもの発端となった機械学習ですが、そのものずばりのMachine Learning Engineerが一人だけいました。130,000ドル (1500万円)。その人はGoogleではなかったですけどね。

6.その他

エンジニアの給料を調べるにあたって日本人に限定する必要は特になくて、中国人かインド人か韓国人あたりを比較対象にするとおもしろかったのですが、それらの国は日本の数倍から数十倍の申請者のため、日本人に搾りました。全体の統計情報は色んな所に載ってるしね。