ASD傾向にある人と話していると、こちらは責めているつもりも否定しているつもりもないのに、彼らの中に「責められた」「否定された」という感覚だけが強く残ってしまうことがあります。
例えばこんなやり取りです。
「昨日の件だけど、連絡がなかったから少し困ったよ。次からは一言もらえると助かるよ」
カサンドラ側としては、感情的にならず、具体的な事実と要望を伝えたつもりです。
ところが返ってくるのは、
「そんな言い方されると責められている気がする」
「どうせおれが悪いって言いたいんでしょ」
話の内容ではなく、「責められた」「否定された」という感情だけが前に出てしまいます。
言われたその瞬間に、そう感じてしまうこと自体は、特性やRSD(拒絶過敏性不快感)の影響を考えると、ある程度仕方のない面もあります。
RSDとは、拒絶や否定を非常に強く感じやすくなる特性のことです。
ASDやADHDの傾向がある方に多く、実際に拒絶されたかどうかとは関係なく、
「注意された」
「指摘された」
「改善点を伝えられた」
といった場面で、脳が瞬時に、
「拒絶された」
「全否定された」
と判断してしまいます。
この反応は、理屈で止められるものではなく、ほぼ反射的に起こります。
そのため本人の中では、
「攻撃された」
という感覚が非常にリアルに残ります。
ただし、それ以上に問題なのはその後です。
感情が少し落ち着いた後でも、
「じゃあ、何を直せばよかったのか」
「どこが問題だったのか」
を確認しないまま、話が終わってしまうことが少なくありません。
先ほどの例でいえば、
「次からは一言連絡を入れる」
という具体的なポイントは頭に残らないまま終わります。
しかも確認もしてきません(特に受動型の人はこちらから言わないと聞いてこないことが多いです)。
忘れていることもあります。
その結果、数日後に同じことが起きますが、その際に「また連絡がなかったから困ったよ」と言うと、
「また責められた」
「やっぱり否定してくる」
とまた同じように感じてしまうのです。
自分が原因なのだから指摘されて当たり前なのですが、自分が原因ということはすっ飛ばされ、「また責められた」ということだけが残ってしまうのです。
この流れが繰り返されると、
「指摘された=責められた・否定された」
という体験だけが積み重なっていきます。
つまり、
指摘される → 責められたと感じる → 内容を確認しない →直すべきポイントが頭に残らない→ 改善されない → また指摘される→責められたと感じる…
というループができあがってしまうのです。
あまりにも言い方に正解がないので、カサンドラ側の人は、
「じゃあ、どういう言い方なら責められたとか否定されたと感じないの?」
と尋ねることがあります。
しかし、多くの場合、はっきりした答えは返ってきません。
「そういう問題じゃない」
「とにかく責められている感じがする」
などと言います。
「わからない」という無責任な発言をすることもあります(本当にわからないことが多いです)。
言われた言葉の中身を吟味する前に、RSDによって「責められた」「否定された」という感情が先にスイッチのように入ってしまうからです。
そして最終的に、こんな言葉が出てきます。
「おまえはいつも責めるばかりだ」
ここまで来ると、カサンドラ側は完全に行き場を失います。
改善のために伝えれば「責められた」と非難され、黙っていたらいたで何も変わらずにまた同じ問題が起きる。
どの選択をしても、ちょっとした指摘や要望が受け入れられることがないからです。
これは、カサンドラの方の伝え方や努力が足りないから起きている問題ではありません。
RSDと特性が重なって起きてしまうのです。
多くのカサンドラの方は、
「もっと話し合えば分かり合えたのではないか」
「自分の伝え方が悪かったのではないか」
と、自分を責めがちです。
「これから言うことは責めるつもりで言うわけではないよ」といった前置きのクッション言葉を使ってみたり、おそらくこれまでたくさんの工夫をされてきたでしょう。
それでも難しかったでしょう。
重要なのは、話し合いの量や丁寧さの問題ではありません。
どれだけ言葉を選び、時間をかけても、感情の段階で話が止まってしまうという特性があるため、同じところでつまずいてしまうのです。
だからこそ、
「もっと理解しよう」
「もっと頑張って伝えよう」
と自分だけが消耗し続けるのではなく、距離の取り方や関わり方を見直すという選択肢を考えても良いのですよ。
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いつものように、最後に一つ注意点をお伝えします。
発達障害と診断を受けていないパートナーに対して、発達障害だと決めつけることによって夫婦問題が悪化するというケースもあります。
決めつけた側がパートナーに対して非現実的な要求をしてしまい、それがどんどん過度になっていっていることに気付けなくなる、ということが起きます。
「それって定型の人でも察するのは無理だよ」ということも「相手が発達障害だからわからないのだ」と判断してしまう、ということです。
こういう視点がないとモラハラの加害者になってしまう危険が出てきます。
こうならないためにも、第三者の目は必要に思います。
また、すべてのASD傾向の人に本記事のようなことが起こるわけではもちろんありません。
傾向といっても、程度や出方は当然それぞれ人によって違います。
予めご承知おきください。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
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