なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑤-記憶について- | 共依存克服・夫婦問題カウンセラー大村祐輔 takeheartのブログ

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発達障害の方(診断されていないが疑いのある方も含む)の中には、記憶について偏りがある方が多いです(もちろん決してすべての方に見られるものではありません)。

決して「問題がある」と言っているわけではなく、「偏りがある」と言っているだけですので読み違えないようにお願いいたします。

 

特定のことはよく記憶しているが、それ以外はすっぽり記憶が抜け落ちる、

というように記憶にバラつきが生じます。

ここでは、後者の「記憶が抜け落ちる点」に焦点を当てます。

 

これまで『なぜカサンドラ症候群はつらいのか①~④』では主にASDについてメインに書いてきましたが、記憶の偏り(記憶が抜け落ちるいう点)はどちらかというとADHDの方にあるのかなと思います。

<参考ブログ>

なぜカサンドラ症候群はつらいのか①

なぜカサンドラ症候群はつらいのか②

なぜカサンドラ症候群はつらいのか③

なぜカサンドラ症候群はつらいのか④

 

ASDとADHDが比率は違っても両方ある方が多いですし何か参考になればと思います。

 

 

さて本題です。

 

夫婦問題にもいろいろな種類の問題があるわけですが、夫婦間での記憶量の差による問題がよくあります。

そして、その記憶量の差が温度差につながります。

温度差というのは離婚や修復(再構築)への熱量の差です。

 

この熱量の差というのは、大抵の場合、

発達障害の方は「離婚したくなく修復(再構築)したい」と強く望んでいて、

カサンドラ側の方は「修復(再構築)はもう諦めていて今すぐにでも離婚したい」と強く望んでいる、

という構図が多いです。

 

なぜこの構図になりやすいのか、

ということですが、

 

仮に、一年間に積みあがる記憶の量を、

カサンドラ側は10として、

発達障害の方は3だとすると、

一年間の記憶量に7の差がつきます。

(数値で表せるものではないものをわかりやすくするために無理矢理数値で表していることはご理解ください。ちなみにASDの方は目に見えないものを数値化すると理解してもらえることが多いです)

 

この場合、もし仮にこのまま10年が経過すると、

カサンドラ側は100、

発達障害の方は30、

となり、70の差になります(もちろんこんな単純にいくものではありませんが)。

時間が経過すればする程、記憶量に差が出てくるということです。

 

これでおわかりかと思いますが、70も差があっては会話が成り立つはずがありませんし、温度差が生じるのも無理がないですよね。

 

これでは発達障害の方がカサンドラ側に対して「離婚を迫られるほどのことをしたかなぁ」と思っても仕方ないと思います。

覚えていないのですからね。

 

カサンドラ側は覚えていない人相手に修復(再構築)しようと思えるはずがないですよね。

これまでの①~④までに記載したようなカサンドラ側の苦労を含めて考えれば当たり前の気持ちだと思います。

 

しかも、発達障害の方の記憶はぶつ切りであることが多いです。

AというエピソードとAと同種のBというエピソードがあったとして、定型の方なら当たり前に関連付けるだろうAとBのエピソードを、関連していない別個のエピソードとして記憶してしまいます。

つまり、定型の方ならAを思い出せばBも紐づいて思い出せるのに対し、発達障害の方は紐づいていないので思い出すことが大変なのです。

 

夫婦間には歴史があります。

0から始まった夫婦生活には流れがあるわけです。

その流れがあっての現在であって、それが前提で話し合いをするわけですが、

発達障害の方は、記憶量が少ない上に、数あるエピソードを別個のエピソードとして記憶していて思い出すことに苦労している状態であれば、会話が成り立つはずがありません。

わかりやすく言うと、発達障害の方は点で記憶し、定型の方は線で記憶する、ということになります。

 

まずこういった現状であることをお互いが知っておかないと、お互いに改善するための工夫ができないかと思います。

 

また、中には、話し合いをした内容を忘れるだけでなく、話し合いをしたこと自体を忘れてしまう方もいます。

それではカサンドラ側が怒るのは当然です。

「人の時間や労力をなんだと思っているのか」と感じるからです。

 

「言った言わない」の話になってしまうと思います。

本題に入れませんね。

 

「自分は忘れやすい」ということを自覚してもらわないと無理です。

「その記憶力でよく強気でカサンドラ側にものを言えますね」というようなことをたびたび感じます。

忘れているという自覚がないから強気になれるのかと思います。

自分の覚えていることがすべてだと思っていないでしょうか(これはすべての人が心に留めておいて欲しいことです)。

忘れてしまうのは仕方ないですが、それを認めることはできるはずです。

 

自覚して認めてさえくれればカサンドラ側も修復(再構築)のために「もう少し頑張るか」と思えるものですが、自覚がなく認めない人相手に頑張れるはずがないのです。

こうして温度差が広がっていくのです。

 

どうしたって自覚が必要です。

そして認めることです。

それで初めて修復(再構築)できるスタート地点に立てるかと思います。

 

たくさんの方を見ていると、忘れやすい人に限ってメモをとるというような忘れないための工夫をしない方が多いです。謎です。

メモしてもメモしたこと自体を忘れたり、メモするだけで確認しない人もいます(メモした意味がない)。

 

少なくとも努力する姿勢を見せて欲しいですよね。

それすらないのでは修復(再構築)も何もないですよね。

修復(再構築)以前の、人としての問題ですね。

 

 

最後に一つ注意点をお伝えします。

発達障害と診断を受けていないパートナーに対して、発達障害だと決めつけることによって夫婦問題が悪化するというケースもあります。

決めつけた側がパートナーに対して非現実的な要求をしてしまい、それがどんどん過度になっていっていることに気付けなくなる、

ということが起きます。

「それって定型の人でも察するのは無理だよ」ということも「相手が発達障害だからわからないのだ」と判断してしまう、ということです。

こういう視点がないとモラハラの加害者になってしまう危険が出てきます。

こうならないためにも、第三者の目は必要に思います。

 

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<参考ページ>

共依存・アダルトチルドレンチェックリスト

アスペルガー症候群とカサンドラ症候群

 

<参考ブログ>

なぜ共依存から抜け出せないのか-サンクコスト効果-

カサンドラ症候群克服にはACの克服が最善策か

なぜ過去の同じ話を何度もされてしまうのか

なぜカサンドラ症候群はつらいのか①-自己完結について-

なぜカサンドラ症候群はつらいのか②-説明の困難さについて-

なぜカサンドラ症候群はつらいのか③-例え話について-

なぜカサンドラ症候群はつらいのか④-応用が難しい-

なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑥-カサンドラの怒りについて-

なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑦-受動型ASDについて-

なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑧-話の一部を切り取って話す-
なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑨-見たものだけで判断する-

なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑩-「自分はそうは思わない」-

なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑪-「普通」について-

なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑫-知識がつくことによるつらさ-

 

 

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