一般的には、ASD傾向の人は不倫をしない人が多い(できない人が多い)、
と言われていますが、私個人的にはそんなことないなと思っています。
もちろんそれは、こういう仕事(夫婦問題を扱う仕事)をしているからそういう相談が多く集まる、という理由もあると思いますが。
それはさておき、ASD傾向のある人でも一定数不倫をする人はいるわけです。
ASD傾向にある人の不倫においては、同じ不倫でも、定型の人の不倫にはない特有のものがあると感じています。
言い換えると、カサンドラ特有のつらさがある、ということです。
いろいろありますが、7つピックアップしました(今後追記の可能性あり)。
①隠し方が雑過ぎる
スマホをお風呂やトイレにまで持ち込むようになったり、画面を下に向けて見えないように置いたり、外出が多くなったり(電話したりするため)、しかもそれらを突然あからさまにやり出します(ASD傾向にない人ももちろんやりますが、ここまで突然にそしてあからさまにはしないです)。
カードやらレシートやら不倫の詳細のヒントがわかるようなものを隠す気もない人も多く、隠すにしてもかなり雑です。
相手視点が乏しいので「自分が見えないなら相手も見えないだろう」となってしまいます。
「見えなければないことになる」みたいな幼児がやるような隠し方の人もいます。
また、「不倫を疑われたら相手はきっとここを見るだろうな」という想像がとても甘いです。
自分があらゆることにおいて鈍感で気付きにくい、という自覚がない人は、自分を基準に考えるので「他の人ならここも見るだろうな」という考えに至らないのです。
しかも不倫脳もプラスしてさらにひどくなる(雑になる)ことが多いです。
サレた側からすると、「こんな雑でもバレないだろうと思われているのか」と考えるので、バカにされているように思えて屈辱ですよね。
②嘘が雑過ぎる
その場しのぎの嘘であり、先を見据えていない嘘なので、簡単に辻褄が合わなくなっていきます。
しかも、自分のついた嘘を記憶しておけず忘れてしまうことも多く、より一層辻褄が合わなくなっていきます。
ある程度記憶力が良くてマルチタスク的なことが得意でないとどうしても嘘が雑になります。
しかも不倫脳もプラスしてさらにひどくなる(雑になる)ことが多いです。
①と同様に、サレた側からすると、「こんな雑でもバレないだろうと思われているのか」と考えるので、バカにされているように思えて屈辱ですよね。
①と②から、サレた側からすると、「わからないようにやってくれれば良かったのに!」と言いたくなりますよね。
もちろん不倫しないことがベストですけどね。
③「謝罪した=許された」「白状した=許された」と思ってしまう
以前のブログ(「謝罪した=許された」としてしまう人)にも書きましたが、謝罪した瞬間に勝手に許されたとしてしまう人が多いです。
許すかどうかを決めるのはサレた側なのですが、どういうわけかシタ側が決めてしまうのです。
しかも、「謝ったのになんで許してくれないんだ!」「いつまで過去の事をグダグダ言っているんだ!」等と逆ギレする人もいます(本人は逆ギレだと思っていません…)。
そんなことを言ったら、余計に許されなくなることもわかりません。
サレた側は当然気持ちの整理をするのに時間がかかるわけですが、それがわかっていません。
不倫した理由を述べたり謝罪したりすれば、いつかは許される、と甘く見ている人もいます。
また、「(不倫をしたことを)白状したのだからもう良いだろう!」と言う人もいます。
まったくもって意味不明の考えです。
相手に気持ちがあるということがわからない、と言われても仕方ないですよね。
「〇〇さえすればOK」ということですから、不倫を肯定しているようなものですよね。
④聞いてもいないのに不倫相手とのあらゆることの詳細を語り出す
③の延長ですが、「詳細を言えば言うほど許される」という謎の思考をもっている人もいます。
「詳細を言った方が良いと思っている」ということです。
だいたいの人は不倫相手とのことは聞きたくないものではないでしょうか。
特に生々しい話なんて聞きたくないですよね。
言う必要のないこととそうでないことの区別がつかないようです。
一度聞いてしまったらなかなか忘れられませんから、サレた側は長きにわたってつらい状態が続きますよね。
⑤「パートナーを傷つけてしまう」が不倫をやめる動機にならない
相手の気持ちがわかりにくいため、不倫をやめる動機になりません。
不倫の抑止力にもなりません。
不倫をやめるにしても、「不倫をすることが自分にとって良くない方向にいきそうだから」という理由であることが多いです。
結局自分しかなく、相手が不在です。
そのため、仮に不倫が終わったとしても、サレた側からすると「自分を否定された感じ」「自分は相手にとって存在していない感じ」という感覚は残ってしまいます。
⑥「いつも怒られてつらい時に(不倫相手が)わかってくれたから」という理由で不倫する
ASD傾向にある人は自分が怒られるようなことをしている自覚がないことが多いので、カサンドラ側のパートナーが勝手に怒っていると思いがちですが、カサンドラ側のパートナーは好きで怒っているわけではありません。
好きで怒っているわけではないのに、そんな理由で不倫されたらたまったもんじゃありません。
(参考:なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑥-カサンドラの怒りについて-)
そもそも不倫して良い理由なんてないのですが、「正当な理由があるから不倫をしても何も問題ないでしょ」というようなテンションで言う人もいます。
⑦罪悪感がない
①~⑥が起きるのも、罪悪感がないから、というのが一つの原因としてあります。
①~⑥の何がいけないのかを説明してもピンとこない人も多いですからね。
①~⑥がピンとこないから罪悪感がない、ということでもあります。
「好きなんだから仕方ないだろう」等と平気で言う人もいます。
婚姻の意味をまったくわかっていません。
以上7つです(また追記の可能性あり)。
その他番外編です。
①受動型タイプの人
カサンドラ症候群の人にお伝えしておきたいのが、
パートナーがASDの受動型タイプだからといって安心というわけではない
ということです。
受動型タイプの人は自分からはアクションを起こさないという点で、一見不倫とは縁がなさそうに感じるかもしれません。
しかし、長所としてとらえると、なんでも受け入れてくれるという面があるので、なんでも受け入れてくれるような人が好きで積極的な人や、悩み事があって聞いて欲しい人や、単純に弱っている人等には好かれやすいでしょう。
そしてそういった人たちに好意を向けられ、断らず(断れず)そのまま不倫関係になっていく、ということがあるのです。
相手に合わせて応じているうちにいつの間にか不倫になっていた、という流れがあるので油断はできません。
②身内より他人を優先する人
結婚した瞬間に(身内になった瞬間に)、パートナー(配偶者)に対しての優先順位が下がり、他人の優先順位が上がるという人もいます。
そして、身近に困っている異性の人がいれば、一番近くにいて困っている妻子を置いてまで駆けつけます。
それによって妻子がもっと困ったり傷ついたりするのに、「いったいどっちを優先してるの」という人がいるのです。
カサンドラの人からのご相談で割と多いパートナーの特徴です。
いろいろと書きましたが、不倫という問題においても、ASD傾向にある人の、
自分視点しかない、
相手の気持ちがわかりにくい、
等の特徴が影響していることがわかります。
カサンドラの人たちは報われないというか、本当につらいですよね。
最後に一つ注意点をお伝えします。
発達障害と診断を受けていないパートナーに対して、発達障害だと決めつけることによって夫婦問題が悪化するというケースもあります。
決めつけた側がパートナーに対して非現実的な要求をしてしまい、それがどんどん過度になっていっていることに気付けなくなる、
ということが起きます。
「それって定型の人でも察するのは無理だよ」ということも「相手が発達障害だからわからないのだ」と判断してしまう、ということです。
こういう視点がないとモラハラの加害者になってしまう危険が出てきます。
こうならないためにも、第三者の目は必要に思います。
また、すべてのASD傾向の人が、以上のような不倫をするわけではもちろんありません。
傾向といっても、程度や出方は当然それぞれ人によって違います。
予めご承知おきください。
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<参考ページ>
<参考ブログ>
なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑥-カサンドラの怒りについて-
なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑧-話の一部を切り取って話す-
なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑨-見たものだけで判断する-
なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑩-「自分はそうは思わない」-
なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑫-知識がつくことによるつらさ-
自己愛性パーソナリティ障害(NPD)とASDの共通点-ねじ曲げて解釈することについて-
自己愛性パーソナリティ障害のパートナーと離れないとどうなるか
「カサンドラ症候群」という言葉が入っていないタイトルの記事も、ASDやカサンドラという言葉を使っていないだけで、関連している記事であることが多いです。
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