私が自己愛性パーソナリティ障害(以下NPD)やASDのことをよく書いているということもあって、
パートナーがNPDやASDである、またはそれに近い傾向にある、
というお客様が多いです。
そのようなパートナー(NPDやASD)をもつお客様からのお話を聞いていると、
「話をねじ曲げられて解釈されてしまう」
という言葉が共通して頻繁に出てきます。
私も経験があるのでよくわかります。
そのようなパートナー(NPDやASD)の中には、自己啓発系や心理学系の本を読んだり、セミナーに参加したりする人がいます。
そして彼らはそこで学んだことを自分の都合の良いようにねじ曲げて解釈してしまうのです。
自分に都合の良いところだけ切り取ってしまうということもあります。
また、両者(NPDやASD)には「権威に弱い」という共通点もあることから、有名な肩書きのある人や、人の前に立つ人等(実際にすごい人だけでなくすごそうに見える人も含む)から見聞きしたものを無条件に信じ込みます。
このような特徴により、お客様が振り回されたり傷つけられたりしてしまうのです。
NPD傾向にある人やASD傾向にある人には、このように自己啓発系や心理学系の本やセミナーによって見聞きしたものを、意図的にあるいは無自覚に自分の都合の良いようにねじ曲げて解釈し、パートナーや身近な人を振り回し、傷つけてしまう、という共通点があるのです。
本の著者も、セミナー講師も、
「周りの人を振り回して良い」
「身近な人を傷つけて良い」
「家族をないがしろにして良い」
という前提で発信しているわけでは当然ありません。
この前提(暗黙の了解)がわからない状態で本を読んだりセミナーに参加したりしているということです。
この「前提(暗黙の了解)がわからない」というのは、どちらかというとASD傾向にある人です。
他に、文字通りの意味でしか解釈できない、という特徴もあります。
それらによって、ASD傾向にある人は無自覚にねじ曲げて解釈してしまうのです。
一方、NPD傾向にある人は、こういった前提(暗黙の了解)をわかっていながら悪用する傾向にあります。
意図してねじ曲げるのです。
ただし、私のこれまでの経験上、NPD傾向にある人は、意図している部分と無自覚な部分の両方が混在しているように思います。
次に、具体的にどんなことがあるか例を3つ挙げます。
①「自由になろう」「自分の好きなことをしよう」
このような言葉を目にすることがありますが、これらの根底にある「周りを振り回さない」「やるべきことはちゃんとやる」等の暗黙の了解がわからなかったり(ASD)、言葉を文字通り受け取ったり(ASD)、悪用したりします(NPD)。
②「今が大事」「今を生きよう」
このような言葉を目にすることがありますが、独特な時間感覚※により現在にしか焦点が当たりにくい(ASD・ADHD)、あるいは過去や未来を考えたくない、目をそらしたい(NPD)、ことの正当化に使う人もいます。
しっかり過去も未来も考えたり向き合えることができる上で「今が大事」「今を生きよう」と言っている人とは次元が違うのです。
※独特な時間感覚についてはいつか違う記事で書こうと思います
③「空気や人の心を(あえて)読まなくて良い」
このような話を目にすることがありますが、「空気や人の心を読めないことを正当化しましょう」と言っているわけでは決してなく、「空気や人の心を読めるけど、それが過ぎると生きづらいから、あえて読まなくて良い時もあるよね」と言っているのであり、そこを取り違えてしまうなら(ASD)、悪用するなら(NPD)、こんな話は害にしかなりません。
もちろんこのような言葉・話自体が悪いわけではなく、それを自分の都合の良いように受け取る側に問題があります。
被害に遭われている方の中には、このような経緯で被害を受けているが故に、自己啓発系や心理学系の本やセミナーに対してマイナスなイメージを持ってしまう方がいらっしゃいますが、本やセミナー自体には罪はないことを、著者や講師に代わってここで伝えておきたいです(もちろん「えっ…」と思うような本やセミナーもありますが…)。
以上と同様に、カウンセリングでもこのようなことが起きます。
ASD傾向の方がカウンセリングを受けると、こちら側(カサンドラ側、カウンセラー側)からすると何も変わっていないと思えるのに、本人は「変わった」と言って、「今までありがとうございました!」等と意気揚々としてカウンセリングを勝手に終えることがあります。
「カウンセリングを受けた=自分は変わった」と無条件に結びつけてしまう方も多いです。
もちろん勝手にやめるのは自由なのですが、「もう自分は大丈夫だ、変わった」と勘違いしてやめられるのは困ります。
ただし、カウンセリングを闇雲に続けることで、どんどん良くない方向にいくよりは良いのかもしれないと思うこともあります。
このあたりの判断は難しいですね。
カサンドラ側の方が、
「大村さんはそんな意味で言っているわけじゃないよ」
「自分の都合の良い言葉だけ抜き取って解釈しているよ」
等と注意しても、一度(無自覚で)自分の都合の良いように解釈したものを変えるのは容易ではありません。
このように、何も変わっていないのに変な自信だけがついてしまい、カサンドラ側のパートナーがさらに苦しむだけになってしまうことがあるのです。
私もこれまでに、このような経験をしたことがあり、かなり悔やみましたし、カサンドラ側の方に申し訳なく思ったことがあります。
そしてこのような話を他(同業の方)からもよく聞きます。
逆に、カウンセリングを受けても「やっぱり無理なんだな」「自分と話している時と同じことがカウンセリングでも起きるんだな」と感じ、離婚の後押しになった、という方もいます。
何でも都合の良いように言葉を解釈するのでどんなに慎重に言葉を選んでも難しいものは難しいです。
カサンドラ側の方がASD傾向のパートナーにもカウンセリングを受けて欲しいという気持ちはわかりますが、以上のようなことが起きる可能性があるということは理解しておいた方が良いです。
ちなみに、ASD傾向にある人のみ話してきましたが、NPD傾向にある方はカウンセリングを受けることはほぼないのであえて書きませんでした。
以上、何かのヒントになればと思います。
共依存やアダルトチルドレンの特徴をもつ、自信のないような方は、以上の知識を持っておくことで、「自分の言い方が悪いわけではなかったんだ」「こちらがやれることにも限界があるよね」等と思うことができると思います。
NPDやASD傾向にある方のパートナー様からお話いただいたことを元に、このような記事を書くことができました。
ありがとうございます。
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〈参考ページ〉
〈参考ブログ〉
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自己愛性パーソナリティ障害(人格障害)の特徴①
なぜカサンドラ症候群はつらいのか⑧
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『ミステリと言う勿れ』の整くんに惚れました。
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