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2026年の初買い、その他秋冬に買った品々

初買いなどというおめでたいものではございませんが、2026年初めての記録しておきたい
買い物はシュレッダー。11月頃から電源が入らなくなっていました。10年以上前、
父が買ったものですから寿命なのでしょう。オフィスにあってもいいような大きさで最近では父の机のサイドテーブル代わりとなっていました。私は家にはシュレッダーばさみが2つあるからもう買わなくていいのでは、電動にしても卓上用の小さなもので十分と思っておりましたが、父は今までのものと同じくらいの大きさがあった方がいいと言いはります。小さいとすぐくずを捨てなくてはならないので面倒だというのです。とうとう根負けして正月3日に家電量販店に行き、今までのものと同じメーカーの同じ形の一回り?小さいものを買いました。歩行困難な父は店に行けないので「前のと同じ大きさのはなかった」と
いうことにしました。実際に私が行った家に最も近い量販店に陳列されているものでは
これで2番目の大きさなのです。

母が着ていたウールジャケットの袖をカットして縫い、シュレッダーのほこり除けカバーを
作りました。父に母がそばにいるような気分になってほしいです。


それから年末に届けてもらったのが新しい固定電話。

家計が厳しいので固定電話は解約しようかと私は思うのですが、弟は「何かあった時のためにあった方がいい」というのです。また父がガラケーを持っているのですが、それを使うのがだんだん難しくなってきています。使い方を忘れる…どころかケータイをいじって
「テレビが消えなくなった」「電灯のスイッチが切れない」とか言います。
父の友人たちも「携帯の番号を教えたはず」だけど固定電話にかけてくる…80~90代の
方が多いので新しいことをおぼえるのが大変なようで、しかたないので父が家に
いるうちは固定電話を持ち続けることにしました。

留守電機能以外は、なるべくシンプルな機種を選びました。価格は18000円ほど
メーカーは弟が好きなパナソニック。今までのものはファックス兼用でわりと場所を
とっていました。2018年に亡くなった母は遠方の友人と時々ファクスでやりとりを
していたようですが、母の死後ファックスはほとんど使っていませんでした。だから
かなり前からシンプルなものへの買い替えを提案していたのですが、これも父と弟が
何か買ったり、イベントの申し込みなどにファックスもあった方がいいと言い、論争?の末
昨年暮れにファックス廃止が決まりました。

父が入浴の時、脱衣所が寒いというので、『アーバンホットスリム』なるパネルヒーターを買いました。

 

ただ父はこれを使っても満足しません。脱衣所兼洗面所にずっと置くのはじゃまなので、通常は私の部屋に置いて使っています。
ちなみに父の入浴スタイルは服をぬぐとまず湯舟に使って体を温めてからシャワーで体を洗い、その後また湯舟で温まる…というもの。髪、背中、足先を自分で洗うのが困難になってきているので私が手伝うのですが、最近それを嫌がるのです。
「洗うとまた入らなきゃならないから」湯舟に一度使っただけで出ようとするのです。
つまり2回湯舟から出入りするのが90歳にとっては大変なのですね。というわけで入浴もあるデイサービスに行ってもらい、家のお風呂は本人が望むようにあったまるだけに
する方向で考えています。


これは昨年11月に買ったのですが、ブラックフォーマルのバッグのセット。

不祝儀の時に使うつもりでいた祖母の形見の黒いがま口バッグの裏地が剥げてきているのに気づきましたので。近日中使う予定はなさそうなのですが、祝儀より不祝儀が多くなるであろう今後の人生への備えと申しましょうか。こうした備えをちゃんとしておくと案外こういうことは起こらないかも?という淡い期待もあります。

靴も合皮の黒いパンプスはありますけれど、布の黒パンプスも買おうか…などという気が起きてきて困っております。失業しているのに…あるいはそういうストレスがかかっている状態だからこそなのか、今、私は何かを買いたくなりやすい心理状態のようです。

長い間働いた疲れがどっと出ている上に父の認知症状、これからの不安などで
ややうつ状態かなと思っています。気持ちが不安定ですからうつがひょんなことから
一時的躁になり、ものを買い過ぎたりしそうで怖いです。先週、心療内科へ行って
以前服用していた薬などを少量処方してもらったせいか、
少し気持ちが落ち着きつつある感じがします。

 

『ぜんぶ、北斎のしわざでした』展完結編 『東都勝景一覧』『日新除魔図』耕書堂店頭の図等

『北斎のしわざでした』展の完結編です
 

展覧会サイト

 

 

 
北斎の絵は墨摺(白黒)でも物語を感じさせて見入ってしまいますが、家に飾るなら?やはり彩色されているものがいいですね。

 


『東都勝景一覧』隅田川…ガラスケースの中で斜めからの写真しか撮れませんでした。風になびく着物と帯が美しいですね


 

色刷り版本についての説明

同じく『東都勝景一覧』の雪景色


同じく『東都勝景一覧』の深川八幡祭礼

同じく『東都勝景一覧』右側後の花魁の帯が素敵…『べらぼう』大河ドラマ館の花魁マネキンもこれを参考にした着物を着せてほしかったかも

 

その大河ドラマ『べらぼう』の舞台耕書堂の図

 

1802年発行の絵なのでドラマの主人公蔦屋重三郎(1750年 - 1797年)は既に亡くなっています。そのせいか少し狭くごちゃごちゃした店ですけど

楽しそう。『画本東都遊』という本に入っていますから、多くの人が行ってみたいと思う店だったのでしょう。

 

『東海道五三驛』鞠子の図。疲れきった旅人たち…

『北斎画譜』の花の絵。朝顔とアジサイの水色がきれいだと思いますが、

もしかすると元はもっと濃い青か紫で年月で淡くなったのかしら


 

『富嶽百景』の『月下の不二』 柳からのぞく満月と富士の風情がいいけれど

月に吠えている犬がもっとかわいければ家にほしいです(笑)

 

『富嶽百景』の説明はこちら

 

鍬を抱えた妻と子供と薪を背負う夫…家族の温かさが感じられる『滝越の不二』

 

『窓中の不二』窓に向けた机の上で書き物か読み物に疲れてストレッチ?

をする男…傍らに火鉢…こんなふうに窓から絶景が見られるところに

住めたらいいな…気にいった絵なのですが、この頃にはひどく疲れていて

ボケた写真しか撮れず残念(笑)。調べてみたらこの絵には彩色された

バージョンが存在するようなので、それを探してみます

 

北斎が83歳から84歳にかけて「日新たに魔を除く」ことを願い、ほぼ毎朝、獅子や獅子にゆかりのある人物などを日課として描いた『日新除魔図』。

この展覧会の目玉とのこと。これは7月9日、子供を肩車しての獅子舞?

 

『日新除魔図』について詳しくはこちら

 

 

 

踊る獅子?

獅子の張りぼて?を作る人

7月29日、読書する獅子?

 

着物を着こんで提灯を持って刀も差して人間に化けたけど正体が

ばれてしまった獅子…ゴジラにも見えますし、こういう宇宙人どこかで

見た気もします。

 

アニメやマンガにつながる絵画表現がすべて「北斎のしわざ」と言えるのか

どうかわかりませんが、見て楽しい展覧会でした。

ブログを書いていて図録、アマゾンで買えるから買っとこうかな

という気が起きて困っています…これ以上ものを増やさないように

しなきゃ。

『ぜんぶ、北斎のしわざでした』展 その4 『北斎漫画』 ホウキに乗る人?

『北斎のしわざでした』展の続きです。(まだ書くの?)
 

展覧会サイト

 

 

現代のアニメやマンガにつながる『北斎漫画』のギャグについての説明です。


説明の中でふれられている妲己と孫悟空。妲己は殷の王妃、孫悟空は唐の太宗の時代に生きた玄奘の弟子ということになっているので時空を越えてます。

でもこの絵あまり対決しているようには見えません。孫悟空は分身を飛ばしてますが、妲己は優雅な?面持ち、しっぽがあるけど美人です。

切腹中の塩谷判官のそばにガマが待機?しているのはガマの油で止血するため? 少し考えないとわからないギャグ?


それより『江戸のくらし』コーナーにある幽霊を見て驚いている人…



グースカ眠っている人とか



ほうきにまたがっている(魔女の修行?)人がいるこちらの絵がギャグっぽいです。

 

ちなみに『江戸の暮らし』コーナーの説明はこちら

このコーナーにあった酔いつぶれている人らの絵

大名行列の面々

働く人々

桶、籠、織機などの暮らしの道具の絵(静物画?)

 

建物の絵

建物、道具についての説明


続いて北斎漫画中の神仏についての説明


アメノウズメノミコトと猿田彦太神


鐘馗

 

2ページ縦構図、迫力の正八幡大菩薩

 

『北斎漫画』の怪奇のコーナーにあった「玉手箱のまちがい」の図

玉手箱のまちがいでやさ男の青年からむくつけき中年になった浦島太郎?


北斎漫画中の怪奇についての説明

舟幽霊と海坊主

いろいろな妖怪たち…でものんびり手を後ろに組んでる人もいて、どこかとぼけてる…


酒呑童子…確かにかわいくて金太郎にしか見えませんね



『北斎漫画』の中では神様でも妖怪でもどこかにおかしみ?をひそめているような…悲劇のヒーローでさえ、おちょくられているような…
 

『日中演劇交流展―欧陽予倩・田漢と日本』(早稲田大学演劇博物館)

早稲田大学演劇博物館 2025年度秋季企画展
日中演劇交流展―欧陽予倩・田漢と日本
展覧会サイト
https://enpaku.w.waseda.jp/ex/20108/


地理的にちょっと遠い博物館なので少し迷いましたが、父とデイサービスのことでもめたりして気持ちが落ち込んだので少し遠くへ出かけようと思い、
鑑賞しました。

20世紀前半に日本に留学し、中国の演劇界で活躍した欧陽予倩(おうようよせん1889-1962、留学期間1904-1910、劇作家、俳優、映画監督)、田漢(でんかん1898-1968、留学期間1916-1922、劇作家、作詞家、詩人)を中心に日中の演劇人の交流をたどる展覧会。

展覧会の序章『江戸時代に伝来した中国演劇』から興味深く見ました。日本で初めてコーヒーを試飲した人物とも言われる太田南畝は公務で長崎に行った時、中国演劇を観たことを書いているとのこと。直接観劇できたのはごく限られた人のみでしたが、新井白石、荻生徂徠、曲亭馬琴らの中国の戯曲名が見られる著作が展示されていました。日本の戯曲を中国の戯曲に倣って翻訳、翻案した『四鳴蝉』(都賀庭鐘撰)については初めて知りました。
読めたら面白そうですね。

 

これは2F廊下に設けられた記念写真コーナー。

展覧会の説明によると「欧陽予倩の留学時代と田漢のそれとの間に大きな時間のへだたりはないものの、その間に中国と日本の情勢は大きく変わっていた」とのこと。中国では清朝が滅亡して中華民国の時代になり、日本は明治が終わって大正デモクラシーが盛り上がり、新劇が全盛期になっていました。この時期の人物で個人的におなじみ?なのが島村抱月と松井須磨子。田漢も須磨子による新劇の上演に夢中になったとのこと。ことに松井須磨子が自殺した1919年1月の芸術座公演『肉店/カルメン』のプログラムの現物はじっと見てしまいした。「田漢にも強烈な印象を与えたと推測される」と説明にありました。

プッチーニのオペラで知られる『トスカ』の原作はもともとサルドゥという作の戯曲、日本で翻案された時の題は『熱血』あるいは『熱涙』、日本で上演した時、俳優でもある欧陽予倩はヒロインを演じたそうです。

欧陽予倩、田漢が日本語から中国語に翻訳、刊行したもののリストを見ていると、読んでみたいと思う作品がたくさんありました。菊池寛『海の勇者』、『温泉場小景』、谷崎潤一郎の『麒麟』『前科者』、山本有三『嬰児殺し』、秋田雨雀『棺を囲む人々』等など。逆に欧陽予倩作の『忠王李秀成』、田漢作の『午饭之前』(昼飯の前)『名优之死』(名優の死)『咖啡店之一夜』(カフェの一夜)などが日本語訳されているので図書館で探してみようと思います。

セリフの中文訳例もいくつか出ていました。菊池寛の『父帰る』の「仕立物を届けに行った」というセリフは中国語で「送衣服去了」。谷崎潤一郎『無明と愛染』の中文題は『空与色』。翻訳は興味深いですね。

1Fの六世中村歌右衛門記念特別展示室の『北大路欣也』展も見てしまいました。ここは等身大パネルとソフトバンクのCMに出てきた『しゃべるお父さん犬』のみ写真撮影がゆるされていました。

『北大路欣也』展サイト
https://enpaku.w.waseda.jp/ex/20130/

 

常設展示の3Fも一回り。展示室に向かって廊下の左端の階段を昇ったところにドレスを来た女性の記念撮影用パネルがありました。

こんなふうにバルコニー風のところに立っているからジュリエットかなと思ったのですが…マリー・アントワネットでした。セリフの吹き出しも用意されています。

 

アントワネットも演劇と縁の深い人物ではありますが、エリザベス朝の劇場を模して造られた坪内逍遥記念の博物館なのですから、ジュリエットかオフィーリアかマクベス夫人にしてほしかったかも。

 

ちなみに廊下の右側の端には坪内逍遥の記念撮影用パネルがありました。

 

演劇博物館のすぐ隣にできた早稲田大学 国際文学館(村上春樹ライブラリー)で開催されていた『黒人女性の文学とジャズ展―ブラック・フェミニズムをたどる』も見学しました。


同館サイト
https://www.waseda.jp/culture/wihl/other/11095

『北大路欣也』展のチラシを持ち帰って父に見せたら「字が細かいな」と
いいながらも若干喜んでくれたのがこの日の収穫でした。




 

『北斎のしわざでした。展』その3 『北斎漫画』…夢見る関羽? 仏御前がのっぺらぼう?

2025年11月鑑賞の『北斎のしわざでした。展』の続きです。
展覧会サイト
https://hokusai2025.jp/

この展覧会には『北斎漫画』が多く出ていました。何と64年にわたって刊行されてきたロングセラーとのことです。

雷様がケガして…

仰天する面々

 

文化13年の北斎漫画3編…西行、山部赤人に葵の上、時代も実在かどうかもバラバラな人の集まり?

 

2編の扉絵は鳳凰

3編の扉絵は二人の子供

6編の扉絵

 

3編の植物部分

北斎漫画12編奥付

 

扉絵(表紙)、奥付についての説明

 

5編の奥付は関羽…夢見る乙女みたいに手を組んでいるのは

中華時代劇などでもよくみる相手に敬意を表すポーズ

説明によれば完結予定だった10編の巻末には本の広告がびっしり。

 

15編奥付は桃太郎…明治になって出たものらしく奥付の感じがちがいます

北斎の名前の前に「東京府故人」とあります

頻繁に改名したことで知られる北斎ですが、奥付をまとめてみていると

それが実感できて面白いですね。

 

平家物語のサイドストーリー、右ページの旅姿の美女は清盛に愛された

仏御前。左ページの上に見える二つの笠は仏御前に清盛の寵愛を奪われて

隠棲した祇王と祇女かな?物語世界に引き込まれます。

 

『北斎漫画』がロングセラーであることと重版を繰り返したことの説明。

 

そして9編の重版…仏御前がのっぺらぼうに!

 

隠遁した白拍子たちを訪ねるのっぺらぼう…怪談? そんな創作もできそうですね(笑)

『ぜんぶ、北斎のしわざでした。展』 その2

2025年11月鑑賞の『北斎のしわざでした。展』の続きです。

武者絵本の説明と『和漢絵本魁』の怪鳥のシーン。『帰って来たウルトラマン』に出てくるテロチルスの先祖?でしょうか。「イツマデ、イツマデ」と鳴く怪物、

現代にも現れそう。



 

同じく『和漢絵本魁』から歌舞伎にもなっている和藤内の虎退治。

 

同じく『和漢絵本魁』から土蜘蛛退治のシーン


 

これはストーリーを知らないのですが、『小栗外伝』の勇ましい武闘シーン

 

『新編水滸画伝』の火攻め場面。

 

『椿説弓張月拾遺』の一場面、何だか宇宙空間で格闘しているみたい。

 

備後三郎高徳(後醍醐天皇に忠誠を尽くした人とのこと)の絵と北斎の有名な別名「画狂老人」の名のある『和漢絵本魁』の巻末。



書道の楷書、行書、草書の三体を絵画になぞらえた『三体画譜』の説明。

 

『三体画譜』の象、馬、ウサギ




『三体画譜』のうち、家にほしいのはこの駒鳥と雀の図
小鳥の愛らしさがあふれています。

小鳥を飼いたい気分になります。今は自分が食べるだけで精いっぱいですから無理ですが。

HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展(2025年の残務?)

新しい年を迎えましたが、ブログの方はまだ昨年の残務が終わりません(笑)。

見てよかった展覧会ではあるのですが、あまりに展示が盛り沢山でどうまとめたらよいかがわからず、今までブログに書けなかったのが『HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展』昨年11月12日に鑑賞いたしました。

 

特別、北斎ファンでもないし、アニメやまんがにも特に詳しくない私ですが、

気になって見てしまいました。楽しかったのですが、展示物があまりに多く、途中で体力が限界を迎えそうになりました(笑)。

展覧会サイト
https://hokusai2025.jp/

写真撮影がゆるされていたのですが、撮った写真を見返すのも一苦労。
なので何回かに分けて書くことになると思います

「集中線」「ギャグ描写」「アニメ原画」など、現代のマンガやアニメにも通じる表現に着目した新しい展示演出で、200年前の「北斎のしわざ」を展覧する

…というテーマを掲示するパネル。

 

展覧会チラシやHPにも出ている曲亭馬琴作・葛飾北斎画の読本『椿説弓張月』の一場面。「集中線」の例…ヒーロー物の漫画やアニメによくありますよね。こんなシーン。

 

浮世絵や江戸時代の本の展覧会は展示物が小さくてわかりにくいことがありますが、この展覧会は本を展示したケースの上に拡大掲示が出るので

わかりやすくてありがたいです。

 

『椿説弓張月』の説明はこちら

『椿説弓張月前編』のヒーロー源為朝のページ

『椿説弓張月拾遺』より

 

『新編水滸画伝』の冊子。小さくてわかりにくいのですが

上の大きな掲示で建物が倒壊している迫力が伝わってきます

 

『新編水滸画伝』の説明はこちら

『新編水滸画伝』の扇になっているページ

『新編水滸画伝』、有名な武松の虎退治シーン

 

同じく大きな掲示のあった『釈迦御一代記図絵』

同じ場面の冊子の展示

『釈迦御一代記図絵』の説明はこちら」

縦にページを使った釈迦誕生の場面と怪物?出現

効果線の説明

 

効果線の例『唐詩選画本』

 

同じく効果線が迫力の『由利稚野居鷹』

同じく左上からの効果線が出ている『新編水滸画伝』『』

 

『由利稚野居鷹』についてはこちら

 

ちなみに上記説明に出てくる不気味ながらも愛らしい?河童の絵

 

本日のところはこの辺で、また整理ができたところからアップします。

 

歌舞伎座幕見『丸橋忠弥』

新しい年を迎えましたが、ブログの方はまだ昨年の残務が終わりません(笑)。

話はさかのぼりますが、昨年12月24日、歌舞伎座の幕見で『丸橋忠也』を鑑賞いたしました。

公園サイト
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/940

12月は歌舞伎のチラシもクリスマス風…筋書きの表紙は田舎の雪景色。


河竹黙阿弥作で由井正雪の乱を描いた『樟紀流花見幕張』(くすのきりゅう はなみの まくはり、通称「慶安太平記」)よりということで興味をひかれたのです。通信制大学で歌舞伎の卒論を書いた時、黙阿弥にはとてもお世話になりました?ので。

久しぶりの歌舞伎鑑賞、幕見席が前日からオンラインで予約できるようになっていました。220円システム料がプラスになりますが、鑑賞当日に並ばなくていいのは便利ですね。ただ列をまちがって座ってしまい、劇場スタッフの方に指摘されましたが(笑)

雨の日ですから、看板も濡れています。

入場して歌舞伎座の天井を見上げただけで気持ちが軽くなりました。
第1場は江戸城堀端で老亭主一人が営む茶屋。数人の中間が集まって飲んでいるところへ酔っぱらった主人公忠弥が登場、中間たちに気前よくおごって帰らせ、老亭主が望んだ肴がないというと金を与えて買いに行かせます。そこに妻の父藤四郎が来て飲んだくれと借金について意見しますが聴く耳なしの様子…でも飲んだくれのふりをして…野良犬が現れたのを利用して偵察を始めます。酔った忠弥に近づいてくる着ぐるみの犬がちょっとかわいいです。筋書きによれば犬を追うふりをして堀に石を投げて深さをはかる?というものですが…兵法?の心得があればそれでわかるのかしら? そこへ現れたのは二人の近習を従えた立派な侍…知恵伊豆と呼ばれる松平伊豆守…体制側のエリートとその体制の転覆をはかる男の対峙…酔っ払って乱れた見かけの忠弥とパリッとした裃の伊豆守が並び、互いにただものではなさそうだと思いつつあるのが伝わってきます。


この場の主人公のいでたち…4F通路のポスターです。キセルで堀の深さを計測?しているのだとか

第2場は「槍術師範」と看板のある忠弥の住まい。米屋に支払いを督促される妻のおせつ。米屋の後に来たのはせつの父藤四郎、忠弥の母おさがも迎えます。おさがは病身です。寝ぼけ眼で出てきた忠弥に貸した金を督促し意見する藤四郎に近いうち金が入るあてがあるという忠弥。そこへ二人の人物が訪ねてきます。そのうちの一人が総髪なので「ひょっとして由井正雪?」と思いましたがそうではなく同志の一人。飲んだくれぶりを心配して来た彼らに江戸城破壊計画?を語る忠弥。…帰ったふりをして聞いていた藤四郎は松平伊豆守に知らせることを決め、やはり聞いていた母おさがは自害…息子の大望の足手まといにならないために…

 

おさがはどこかで謀反がうまく行かないことも予感していたのかもしれません。でもやはりやりたいことはやらずにいられない息子であることもわかっていました。主人公の計画を訴え出る藤四郎も悪人ではありません。むしろ娘夫婦を守り、流血沙汰を避けるための行動…謀反の計画をたてても決行前に捕縛されれば、申し開きの仕方によっては命はたすかるかもしれないからでしょうか。

御用提灯を掲げて押し寄せてきた捕方…こんなに早く捕まえに来たのは
藤四郎の密告もあったのでしょうが、あの時の伊豆守がひそかに手筈を整えていたのかしら? 

家の裏手に逃れた忠弥が一人で大勢の捕方を相手に戦う、その立ち回りがこの芝居の最大の見せ場。傷を負い、髪も着物も乱れての奮戦する姿がこのポスター。


井戸にあがり、捕縛されたことを暗示するような見得で幕になります

だらしないアル中風の振る舞いの下に野望を秘めた主人公をめぐる家族らの心理劇、立ち回りは華麗ですが、若い美女や恋愛沙汰は出てこない歌舞伎としては地味?なのであまり頻繁には上演されないような気がして観ておこうと思いました。

『由井正雪の乱』の講釈『慶安太平記』から作られた歌舞伎『樟紀流花見幕張』()ですが、現在は丸橋忠弥が主役のこの部分しか上演されないのだそうです。『慶安太平記』は講談では今も語られているようです。

『慶安太平記』あらすじはこちら
https://www.koudankotohajime.com/keiantaiheiki


現実の世相がまずい方向に行っている気がしてならない今、正雪や忠弥のような権力に抵抗しようとした人が気になります。槍を振り回したりはしないまでも…何とかならないのかと。黙阿弥の時代の観客たちも明治の世への不安や疑問を抱えながらこの歌舞伎を観ていたのではないでしょうか。

芝居の後、地下の木挽町広場をひとまわりし、銀座の街のクリスマスオーナメントを楽しみながら帰りました。

北条幻庵 ー横浜・小机城と関東の戦国ー(横浜市歴史博物館)

以前図書館で武田信玄や上杉謙信と同時代を生きた北条氏3代目氏康の伝記を読んだ時、この後世ドラマや小説によく登場するのは信玄、謙信ですが、領民を幸せにしたのは氏康ではないかなと思いました。それ以来、小田原北条氏についてもっと知りたいと思っていたのでこの展覧会を鑑賞しました。

展覧会サイト
https://www.rekihaku.city.yokohama.jp/koudou/see/kikakuten/2025/genanten/

展示会の主役、幻庵は伊勢宗瑞…私が子供の頃人形劇で知った名前では北条早雲の四男、宣伝動画によれば「北条氏五代の隆盛と共に生きた一族の長老」でありながらこれまであまり知られていなかったとのこと。ずいぶん前ですが、小田原北条祭りにいった時、「北条5代を大河ドラマに」という幕が出ていました。早雲とか氏康とか一人に絞るのではなく、5代を通してドラマ化するなら、この幻庵が主人公になるのでしょうか。

プロローグ「伝説の武将」のコーナーに展示されていた短刀にまず見入ってしまいました。とても凝った龍の彫りこみがされているのですが、うっかりオペラグラスを忘れたために拡大して見られず残念。展覧会ポスター、チラシ右に写真が出てます。撮影が許可されているところならスマホで拡大して見られますが、この展覧会は写真撮影禁止でした。

第Ⅰ章 『北条幻庵という人物』コーナーの北条氏康書状にも感激。氏康直筆は初めて見たのです。北条一族は花押がかっこいいですね。

「幻庵の出陣」コーナーの発掘された兜鉢も素のままの戦国の悲惨さを感じました。
以前、小田原城で見た信玄との戦いで亡くなった北条氏信のものと伝わる甲冑にも
再会?できました。これも飾り気のない鉄のつらなりでロマンに彩られない
戦国をしのぶことができます。

この蒲原城主氏信の戦死に関連した第Ⅳ章「西側国境の防衛」のコーナーには
青磁や白磁、それにいわゆる唐三彩?の一部と思われる鮮やかな緑色の器物の破片が
展示されていました。平和な時はすてきな暮らしをしていたのですね。
またこのコーナーの説明によれば大名の地位を失った今川氏真夫妻を
小田原に迎えたのも幻庵、優しい方だったのでしょうか。

第Ⅴ章「北条氏光の活躍」コーナーで氏光は越後に人質として行った
景虎の先妻を娶って小机城主となったと説明されていました。以前読んだ本では北条家から上杉家の養子となり、御館の乱で亡くなった景虎が小机城主だったかどうか確認できないというようなことが書いてありましたが、その辺の研究は進んだのでしょうか。

第Ⅵ部「戦国の終焉」の第Ⅱ章「幻庵の死と小田原合戦」のコーナーに足軽などが被っている陣笠の現物が展示されていました。現代の素材で複製されたものはおもてなし武将隊の方などが被っているのをよく見ますが、この時代に使われていたものは漆を塗りかためてわりと手間をかけて作っていたのですね。


第Ⅲ章「久野北条家」のコーナーに展示の『北条宗哲(幻庵)朱印状』で桔梗の根の納入を命じているのにも興味をひかれます。幻庵は桔梗の薬効を知っていたのですね。下記のふじみ野市の市報の記事に「漢方薬の服用が幻庵の長寿の秘訣」だったかもとあります。

 

https://www.city.fujimino.saitama.jp/material/files/group/3/2022_10gatsu-h4.pdf

 

同じく第Ⅲ章の「幻庵をめぐる文化」のコーナーに幻庵作と伝わる「一節切」の縦笛は墨?で横縞模様がついていました。この時代のリコーダー? 同じところに展示されていた書物『東国紀行』もいつか読んでみたいと思います。

文書や図面の展示が多く、あまり予備知識がない上にオペラグラスなしですから、わりと疲れましたが、見学してよかったと思います。

アンケートに答えてかわいいイラストの幻庵ポストカードを頂きました。
北条氏が隆盛に向かうところから滅亡直前までを生きた幻庵、生涯を

終える時、どんな思いだったのでしょうか。

 

12月11日の続き―英国アンティーク博物館 BAM 鎌倉

八幡宮の鳥居を出てすぐ右の通り沿いにある『英国アンティーク博物館 BAM 鎌倉』を見学。

同館サイト
https://www.bam-kamakura.com/about



入口でシャーロック・ホームズがお出迎え
 

 

スマホで館長様自らが案内する動画を視ながら鑑賞します。
階段の壁にかかる絵から懇切丁寧なご案内。ターナーやコンスタブルの影響を受けた風景画ばかりとのこと。HPからもごらんになれます。
https://www.bam-kamakura.com/floor


2階はジョージアン・ルーム。銀の燭台やポットやビスケットウォーマーなどがずらりでまぶしいですね
 

 

 

すてきな装飾のある金のハープ。向こうの棚に並んでいるのは靴の木型。

 

3Fはシャーロック・ホームズの部屋。暖炉の前のテーブルにはあのホームズの鳥打帽。暖炉の上にはあのナポレオンの像もあります。1991年に英国一人旅で訪れたロンドンのシャーロック・ホームズ博物館を思い出しました。いかにも英国風老紳士が出てきて「このテーブルに座ってホームズの帽子を被れますよ」と説明してくれました。ただここは立ち入り禁止。ロンドンの方も現在はどうなっているかわかりません。
 

リビングの右脇が書斎。化学実験道具にジェレミー・ブレットに似せたマネキン。

ホームズシリーズの初版本や著者コナン・ドイル直筆の手紙の

展示コーナーもありました。

 

ホームズの寝室 棚のわきの蓋のある椅子のようなものはトイレ

 

4F、ヴィクトリアンルームの座って写真撮影できる椅子。これ以外は椅子が

あっても展示品なので座れませんでした。

燭台のついたピアノ

ピアノの上のドールハウス。豪華ですが背景の絵は服を着ている絵の

方が私はいいですね(笑)。

 

ドールハウスはもう一つ、こちらの方が家にほしいです

ランプのコレクション。家にほしいのは緑のガラスのかな?

 

4Fの隅に設けられた立礼用の茶室。壁に用いられているのはこの建物の

下で発掘された昔の邸宅の木材。細長い窓から鶴岡八幡宮の鳥居と

その背後の山が掛け軸の絵のように見せる、借景がポイント。

昔の同僚に自称若干霊感を持つ人がいました。会社のあるビルの一室に

「戦災で亡くなった誰かがいる」と言っていた…その人なら「邸宅の木材に憑いた鎌倉時代の武士の霊とヴィクトリアン時代の鏡に憑いた貴婦人の霊がいる」といいそうです。夜、同じ場所に現れても言葉が通じなくて大変かな。

 

国宝館で仏像や仏画を見たばかりだからどうしようかな?と思ったのですが、
「当日券あります」の表示にひかれて入館。平日ですから空いていてラッキ―でした。


1Fのショップスタッフの方に「週末は予約しないと入れないのですか?」と
たずねましたが、そうと決まってはいないそうです。ただあまり大きくないフロアに所狭しとアンティークの品々が並んでいますから、混雑気味の時は息がつまりそうになるかもしれません。鎌倉は寺が多いせいか、法事や墓参りの後の観光と思われる老若男女揃った4人以上の家族連れもよく見かけます。そういうお客2組以上と同じフロアだと私はつらいかな。

袈裟をかけたジェレミー・ブレットがパイプを持って経行している夢を見そうな
気分で家路につきました(笑)