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東京国立博物館『法然と極楽浄土』

6月1日、東京国立博物館の『法然と極楽浄土』を鑑賞いたしました。
一応、家が浄土宗なので見ておこうかと。あまり信心深いとは
言えませんけど。
 
テーマがやや地味なせいか今年2月に見た『中尊寺~』に比べると入場口の行列もなく、ロッカー利用も楽々。
それでも目玉の『法然上人絵伝』のコーナーには人が沢山。
法然の父と少年時代の法然が夜襲を受ける場面の迫力に驚きました。
鎧を首にひっかけたままの状態で戦っている人、垣根を越えて逃げようとする女性…。
下記の東博のXで写真は見られます。

 

 

ロッカー前で上映されていた紹介映像によれば、法然の父は討ち死にする直前、「敵を恨んではいけない、出家して私の菩提を弔うように」と言ったとのこと。乱世から息子を守るにはこの道しかないと思ったのでしょうね。
今、世界中にこの時の法然のような立場の子供がたくさんいます。
彼らのために何ができるのでしょうか。
 
他に絵巻で印象にのこったのはクジャクや鳳凰の描き方が繊細な『往生要集絵巻巻第五』。それから鎌倉の光明寺蔵の『浄土五祖絵伝』。人物たちの表情がリアルで話声が聞こえてきそうでした。 この絵伝がポストカードに
なっていればほしかったけどありませんでした。鎌倉のお寺にあるなら
また見られる日も来るかもしれません。
 
合掌して立膝の姿が珍しいという来迎寺の善導大師座像。今ならお行儀が
悪いといわれそうですが、確かにの態勢で、時々立てる脚を変えていれれば
しびれずに長く座っていられそうです。
 
仏像で見られてよかったのは第2章『阿弥陀仏の世界』の『阿弥陀如来及び両脇侍立像(善光寺式)』。善光寺の秘仏を模したものとのことで、両脇侍が
手をいわゆる合掌ではなく、肘をあげて上下に組み合わせているのが
特徴。何か可愛い感じがします。ダンスのポーズのようです。
 
感激したのが『第3章法然の弟子たちと法脈』で展示されていた足利義輝筆の『一枚起請文』室町幕府の十三代将軍で謙信や信玄などいわゆる戦国武将とも関わりが深く、このあたりの本を読んでいるとよく名前が出てきます。戦国関係の催しではないので思わぬところで会いたかった?人に会えたような気がしました。これも東博のXに出ています。剣術にすぐれていて、三好三人衆に襲撃された時も勇敢に戦ったといわれる義輝ですが、この筆跡は優美で
繊細…に私には見えます。

 

 

 
第4章『江戸時代の浄土宗』コーナーの徳川家康座像は大きすぎてリアルすぎてちょっと怖い感じ。
 
同じく怖いというか凄みを感じたのは晩年の徳川家康が滅罪を願って念仏を
書き続けたものと伝わる『日課念仏』。唱えるだけだと何回唱えたかわからなくなるから細い細い筆で書いて書いて書いて…罪の報いが少しでも軽くなるように祈る…脳内に真田幸村が現れて「ずいぶん悪いことしたからね」とつぶやきました。
 
最後の香川県の法然寺の仏涅槃群像だけは写真OKでした。
巨大な金色のお釈迦様は目をぱっちり見開いていてあまり亡くなってなさそうなのですが、足元とその前で嘆いている人の表情としぐさはリアル。
 
この嘆きのあまり?自分も倒れてしまった人の顔はわりとリラックス?しているみたいで見ていると気持ちが安らぐ?もしかして看病疲れ?で寝ている?
ちなみにこの像の下半身の衣の彩色が赤や緑できれいでした。法然寺の写真を見るとこの部分は平素は他の像と重なっていて見えないようです。
八部衆に
 
動物たち
獅子と龍?
猿、ちょっと笑ってるみたいだけど。
こうもり。
 
大きいけどかわいいカタツムリ
こんな耳たぶのあるのが実在するのかどうかわからないけど亀らしい。
 
きれいにとぐろを巻いていて来年の年賀状に使えそうな?蛇。
 
それから猫。
ちなみにお寺の住職の娘だった祖母は猫は天からお釈迦様へ贈られた薬が樹に引っかかったのを取りに行こうとしたネズミを食べてしまったため、
涅槃絵にはふつう入れないものだと言っていました。ところがその頃
管理していた寺の涅槃の掛け図には猫が描かれていて珍しいとも。
 
この法然寺の涅槃群像にも猫がいますね。涅槃と猫についてそのうち
何か本を探してみたいと思います。
 
 
 

南夕子のタチアオイ?美川隊員のガクアジサイ?

『ウルトラマンA』ファンの皆様、今、上野公園の桜並木に行かれると白いドレスの南夕子に会えたような気持ち?になれるかもしれません。繊細な純白のタチアオイが咲いているのです。

「歴史と文化の散歩道」の案内版の前に咲いているのがまたよい風情ですね。これは5月29日

 

これは6月1日、より華やかに咲いています。

 

ちなみにこれは昨年もアップしました清水観音堂前のピンクのタチアオイ。

高く伸びている上のタチアオイの後に白い縁取りのある花を咲かせているのも見つけました。

タチアオイがてっぺんまで咲くと梅雨が明けると言われていますが、

本格的な梅雨入りはこれからなのに今が見頃です。

 

白いタチアオイの斜め向かい?のあたりで咲いているガクアジサイは

冴えた青紫が美しさと知性を感じさせます。美川のり子隊員のガクアジサイ?ですね。

ちなみに昭和通り沿いのホテルの前に昨年まで血のような

真っ赤な花を咲かせるタチアオイがあったのですが、

抜かれてしまったようで今年は見当たりません。

きれいだけど謎めいた女ヤプールのタチアオイと勝手に

呼んでいたのですが…宿泊客から怖いと言われたのかも

しれません。

 

6月から7月、満開時のアジサイももちろんきれいですが、5月末から今頃の

咲きかけの観察も面白いものです。

 

これは5月31日の勤め先近くのマンション前のアジサイですが、緑とピンクに白に水色とカラフルですね。

 

昨年、ピンク系ではいちばんきれいだと思った上野公園のアジサイの株に

5月29日こんな不思議な咲き方をしているものも見つけました。ピンクの花が

真ん中に大きく…初めて見ます。

怪獣とか超獣とにならないといいんですけど(笑)

 

以上、むりやりのウルトラの花物語でした。

 

 

 

横浜トリエンナーレ2024その2 考えさせられた展示

今回のトリエンナーレは見ごたえがあるというか、友人と「ああ、お腹いっぱいだ」といいながら2時半ごろから6時の閉館間際まで見てしまいました。

 

台湾の台南で活動するグループ、ユア・ブラザーズ・フィルムメイキング・グループ(你哥影視社)の展示。2018年に台湾で100人以上のベトナム人女性労働者が待遇改善を訴えたストライキに取材したインスタレーション。彼女たちが立てこ

もった二段ベッドが並ぶ寮の空間を再現。

 

 

こういうところで寝起きし、働くのは大変だろうなと思います。

一方でこの作品の色彩の多さ、明るさにどんな時も楽しみつつ生き抜こうつする女性たちの強さも感じます。

 

香港のXper.Xrの『火炎瓶』

 

説明はこちら

左側の一升瓶に突っ込まれているのはヴィンテージTシャツとのことですが、

この形…私はなぜだかマントを被った聖母マリア像を思い出さすのです。

意識して作った形なのでしょうか。

Xperの説明はこちら

鄭野夫の『水害』

この説明を読むと魯迅が版画を広めようとした理由が文字が読めない人々への啓発を促すためだったことがわかります。

小野忠重の『三代の死』も字のない小説

 

趙文量の文革中に禁書を読む紅衛兵の絵。

 

男性の女性への向き合い方の問題を鋭く描いたアメリカのピッパ・ガーナ―の作品。

包装紙などありあわせの素材を用いることで生活がいつ崩れさるかわからない不安を訴えるコソボのハイルラウの絵

 

 

 

「縄文と新たな日本の夢」コーナーにあった岡本太郎撮影の縄文土器

題不詳だけど明らかに巨大化した縄文土器の勅使河原蒼風の作品。

心はお腹いっぱいだけど、胃腸は空っぽになったので、美術館を出てすぐのビルにあった中華料理の梅園へ入りました。写真撮り忘れたけど

やきそばが香ばしくておいしかった!

 

 

横浜トリエンナーレ2024 家にほしくなった絵

またまた話はさかのぼりますが5月4日、横浜美術館で

『横浜トリエンナーレ2024』を鑑賞いたしました。

巨大バッタの出た2001年には行きましたが、その後は行っていませんでした。今回は中国の作家魯迅の作品、思想がモチーフと聞いたので

見たいと思ったのです。

 

今回の展示の中で「家にほしい」と思ったのはリタ・ジークフリートの作品。

居心地のよさそうな室内から見た雪景色。でも大きな葉のついた枝がちょっと不思議。観葉植物? 題はツィマーリンデ。地名?

 

これは『突破口』という題。一緒に行った友人も眼をみはっていました。

 

今回見た中で一番好きなのはこの『隣の家』。ジークフリートはスイスの人。

ただなんとなくこの庭の踏み石の並び、家の作りなど日本の家みたいな

気がするのですが…スイスにもこういう庭はあるのでしょうか?

『隣の家』とはこの手前の犬が座っている家なのか? 木立の向こうに見える

窓の家なのか…私はなぜだかわからないけど、子供のころ、こんな光景を

見たような気がします。

 

 

他に家にあってもいいなと思うのが児島善三郎の『薔薇』

 

川西英の『画家の庭』も好きです。

『画家の庭』の説明はこちら

 

一緒に行った友人が熱心に見ていたのがオズギュル・カーの『ヴァイオリンを弾く死人』動画です。

家にほしくないけど(笑)迫力の作品です。

 

これも家にほしいというものではないけれど、見ていて心地よかったのが

フランスのエリーズ・キャロン&ファニー・ドゥヴォーのシーツを中心に布を使った作品。

 

魯迅がモチーフとあって中国の版画の展示が充実していました。

 

日中の版画交流のキーパーソン、李平凡の『華僑小学生』

ガラス越しだからよく撮れてないけど魯迅が中国に紹介したドイツの版画家

ケーテ・コルビッツの作品。

写真撮影禁止だったのですが、魯迅に影響を受けた日本の画家

富山妙子の作品展もすてきでした。この画家については

いずれ本を探して読んでみようと思います。

 

グレース・ド・モナコ、グエン・ロビンズ共著 『モナコ公国グレース公妃の花の本』

木幡和枝訳 1982年4月中央公論社
表紙の写真はこちら
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%A2%E3%83%8A%E3%82%B3%E5%85%AC%E5%9B%BD%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B9%E5%85%AC%E5%A6%83%E3%81%AE%E8%8A%B1%E3%81%AE%E6%9C%AC-1982%E5%B9%B4-%E3%82%B0%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%93%E3%83%B3%E3%82%BA/dp/B000J7PQQW/ref=cm_cr_arp_d_product_top?ie=UTF8
 
この本が出た年の9月、主著者モナコのグレース公妃は交通事故で亡くなりました。よりによって運転中に脳の病気が起きるなんて、前半生にハリウッドでアカデミー賞に輝き、高貴な身分の人と結ばれて~妃と呼ばれる位につくどちらか一つでも大変なのを一人で両方という栄華を極めた反動?で悲運に見舞われたのかなと思いました。この本を買ったのはその訃報の前か後か、記憶が定かではありません。4,800円とまだ社会人ではなかった私には高価で公妃のファンでもなかったのになぜこの本を入手したのか?それも不思議です(笑)。父が女優時代の公妃をわりと好きだったらしいので、ああいう女性になることを期待して買ってくれたのかもしれません

なぜこの本を久しぶりにひっぱりだしたかと申しますと先月のブログでも書きましたがこの春は例年よりもスズランの花を見る機会にめぐまれたからです。このブログの写真は4月25日に用事があって行った神田へ行った時、書店街に近いあるマンションの植え込みで咲いていたものです。数年前、
神田で働いていたころに見つけていたスズラン、あれからオリンピックやら
いろいろありましたが、今も同じ場所で咲き続けてくれていてラッキー。

グレース公妃もスズランを愛し、この本の第16章にレーニエ大公との結婚式のブーケにドイツスズランを選んだと書き、その時の写真も載っています。
ドイツスズランですから上記の写真のものより花も草丈も大きいようですが、
写真でみるとバラなど他の花も入れず、スズランだけなので細かな花が点々としている感じでウェディングブーケにしてはやや寂しい感じもします。
スズランはてっぺんまで咲いてしまうと最初に開いた下の花はしぼみかけて
しまうものですから、もしかすると生花ではなく造花なのかなという気もするのですが、モノクロの写真なので定かにはわかりません。
第1章の初めに上質のコットンのように見える白いレース風の生地に可憐な花柄を散らしたドレスの公妃の写真と共にある言葉。
 
 花と、生活の一部となって融け込んできた花の楽しさについて書いてみました。専門家による専門家のための本ではなく、むしろ、この本を通して花が与えてくれる歓びと満足をみなさまにお届けできれば。というのが私の願いです。
 
花の伝説、美術、文学、バレエや音楽、アートフラワーや貝細工の花、織物刺繍、陶器などさまざまな分野に登場する花について豊富な図版と共に解説しています。ポプリと香料、食べ物と飲み物まで…思えば、ローズマリーという植物を初めて知ったのはこの本の「薬草」の章です。ローズマリーの現物を見たのはそれよりずいぶん後だったように思います。この章によれば「頭から悪魔を追い出すには一本のマリーゴールドがあればよい」「マリーゴールドの花弁を煎じた液ですすぐのも、髪を清潔につややかにします」とのこと。マリーゴールドが庭にいっぱい生えているという方は試してもいいのではないでしょうか。
 
とくに眼の不自由な人びとのために設計された「香りの庭園」についての
章にはスイセン、ジャスミン、ライラック、ジンチョウゲ、ユリ、タイサンボクなどが紹介されています。
 
「バラ」の章はシートン卿夫人がグレース公妃の庭を訪ねて来た時の
「あら、私の庭には妃殿下がいらっしゃるのにこちらの庭には私がおりませんわ」という言葉で始まります。つまり公妃の名をつけたピンクのバラ「グレース・ド・モナコ」がシートン卿夫人の庭にあるのに、「レディー・シートン」という名のバラがモナコの宮殿にないということ。セレブの方々の間でのみ成立する会話ですね。このグレース・ド・モナコの写真は第1章に載っています。私は後年鎌倉文学館のバラ園でこの現物も見ました。 ちなみに上の写真はやはり神田のビルの前に咲いていた短く仕立てられたバラですがグレース・ド・モナコではありません。念のため(笑)。
 
もしかするとハリウッドの映画より情熱を注いだではないかと思われる公妃の
押し花画やその制作中の写真も掲載されています。公妃は押し花の良い材料が見つかることを期待して、いつも小さな折りたたみの持って出かけたのだとか。
 
今回、拾い再読?をして気づいたのですが、「詩」の章に日本でマンガの
題になったエミリー・ディキンソンの詩もシェークスピアやワーズワースと共に紹介されています。この本によればシェークスピアにはスミレが18回、マリーゴールドが5回登場するとか。どちらも日本でもよく見かける花ですがそう聞くとなんだかありがたいような…。公妃は「学校に行っている頃からシェークスピアのソネットが大好きで、旅行に行くときには必ず1冊持つように心がけています」とのこと。また「ポプリと香料」の章の最後では「これまでに出会ったなかで顔の色艶が一番美しいと思った女性は、もう80歳もかなり越された
ベイトマン卿夫人です」とあります。毎年冬をモンテカルロで過ごすベイトマン
卿夫人の秘訣は毎日顔の手入れにバラ水を使うこと。バラ水っていわゆる
ローズウォーターとして売られているものでいいのでしょうか? 赤いバラの花びらが手に入るなら自宅で作るレシピも書かれていますが、ともあれ
スキンケアはシンプルなのがいいってことですね。
 
「私の好きな庭」の章ではモナコの観光名所として知られる異国風庭園(サボテン公園)を紹介。人の背丈よりも大きいにょきにょきしたサボテンが林立する中を楽し気に散策したり、日本の100円ショップにもありそうな小さなサボテンがずらりと並んでいるのを身をかがめて眺める公妃の写真があります。
夫君の曽祖父アルベール1世がサボテンをコレクションし始めたとのこと。
 
日本の文化と日本人に好感を持ち、日本の読者のために特別に前文を
書き加えてくださったグレース公妃。もしももう少し長く生きられたら
日本の70年代にサボテンが巨大化して暴れるお話が作られたことを
この本の改訂版に書いてくださったでしょうか?(『ウルトラマンA』第12話)
 
巻末に索引もありますから、花のブログを書く時などに引用
しても面白いかもしれません。
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

東京藝術大学大学美術館『大吉原展』ついでに上野駅中央改札前の桜?

チケットが2000円しますから迷ったのですが、東京藝術大学大学美術館の
 『大吉原展』に行ってしまいました。

 

通信制大学の卒論が吉原を舞台にした歌舞伎だったのです。だから遊廓や遊女についてはずいぶん本を読みました。

ちなみに次の3枚の写真は春に上野駅中央改札前に飾られていた桜と動物たち。この展覧会も3月下旬から開催されていたのですから、3月には桜が植えられた吉原にちなんで花見のついでに観た方が気分があがったのかもしれません。

SNS上で話題になったこともあって混雑しておりました。展示番号にとらわれず展示物の前に人がいないところ、少ないところから見ていく感じ。絵草紙など小さいものはあまりに人だかりがしているから断念したものもあります。

https://daiyoshiwara2024.jp/

最初の方で「家にほしい?」と思ったのは鍬形蕙斎画大田南畝賛の掛け軸『遊女と侍図』。遊女の着物に描かれた藤の花、全体にほっこりした感じがすてきです。写真撮影は最後のコーナーの遊廓模型以外は禁止でした。この作品を所蔵しているところに一部だけ画像が出ています。そのうち鍬形蕙斎(北尾政美)や大田南畝についての本で探してみましょう。
https://tekisuiken-collection.com/event/%e6%b2%a1%e5%be%8c200%e5%b9%b4-%e6%b1%9f%e6%88%b8%e3%81%ae%e7%9f%a5%e3%81%ae%e5%b7%a8%e6%98%9f%e3%83%bb%e5%a4%aa%e7%94%b0%e5%8d%97%e7%95%9d%e3%81%ae%e4%b8%96%e7%95%8c/

 

浮世絵などは今まで他の展覧会で見たことがあるものもありました。
喜多川歌麿の『青楼十二時』シリーズも書籍などでゆっくり見たいです。

着物の柄の描き方が繊細で見入ってしまったのが菱川師胤筆 『中村竹三郎・三浦屋小紫図』。

来年の大河ドラマの主人公だからか蔦屋重三郎の『吉原細見』などの出版関係の展示が充実していました。

正月の遊女の装いを描いた菊川英山の『花魁図』。打掛の柄は朝日に烏(カラス)。黒くて嫌われ者?のカラスを着物の柄、それも縁起のよい柄としていたなんて初めて知りました。

 

千葉市美術館サイト
https://www.ccma-net.jp/collection/works/3585/

第3会場の花魁の教養のコーナーの渓斎英泉『見立よしはら五十三つゐ佐野松屋内桂木』は
たくさんの書物に囲まれた遊女。しかも机の上に広げられているのは漢文の本。紫式部並みの博学? 下記サイトでごらんになれます。
https://ld.cultural.jp/snorql/?describe=https://jpsearch.go.jp/data/arc_nishikie-RV_360_4553

浮世絵や歌舞伎の展覧会などでは見られない下級の遊女がいた切見世、旧幕時代制度が廃止された後の吉原の近代、自分たちの立場に異を唱えた遊女白縫などの展示はとても有意義と思います。

 

吉原はまちがいなく江戸時代までの日本の文化の魅力の泉。ですが表面は華やかできらきらしていても吉原に生きた女性たちが幸せでなかったことは確か。利用者?だった男性もお金で得られる幸せの限界を感じることもあったでしょう。歌舞伎で遊女にふりまわされる意休や佐野次郎左衛門のように。

吉原の女性たちの苦しみは今も過去のものではないと思います。自分に関していえば…ずっと独身でいるのは何かの主義とか信念とかではありません。人並みに誰かを好きにもなりました…が相手は同じ思いにならず、数は多くはありませんが関心を示してくれた男性もいましたがこちらが関心がもてなかったり、相手の親から攻撃されたりという歳月の積み重ねに過ぎません。

「なぜ結婚しないの?」と尋ねる人に上記の答えを言うと人によっては
「それならどうしてそれを何とかしようとしなかったの?」と責めます。
大枚をはたいて紹介組織に登録するとか…おしゃれに関心が低いのが原因だろうから「ファッション雑誌を読んでかわいいと言われている女性を徹底してまねしなさい」と言われたこともあります。

そういう人に出会う度に昔の遊女が楼主ややり手に「お茶ひいてないで客を取れ」といわれた時はこんな気分だったのかなと思うのです。誤解がないように書いておきますが男女ともに婚活されている方々を悪くいうつもりはなく、
ただ男女ともに気が進まないことはしなくても生きていけるようであってほしいだけです。
 

現代もある吉原?問題は女性だけに起きるわけではないことは最近注目された大手芸能事務所の騒動でもわかります。

話を展覧会に戻しますと最後の模型と人形は写真撮影OKだったので

裏側の人気のないところまで撮ってしまいました。これから時代物の

小説の本レビューを書く時に使えそうです。

 

 





 

上野東照宮ぼたん祭り2024 スズランを立てればボタンがたたず?

恐縮ですがまたまた話はさかのぼりますが、4月18日木曜日、自治会の用事で早退するので、ついでに?上野東照宮ぼたん祭りを鑑賞しました。

 

今年一番の収穫?はこのぼたん苑のスズランの盛りを見られたこと。昨年も

一昨年も訪れた時にはもうスズランは終わっていましたので、今年はがんばって会期の早いうちに訪れてみました。

ちなみにここの見学コースの前半?にも一叢のスズランがあるのですが、

そちらはもう花がしぼんでいました。ここもこの日が満開。土曜まで延ばしたらアウトだったかも。まだよくみるとつぼみもあります。

先日書きました上野両大師のものに比べると手入れがいいのか、花が

沢山です。また石垣?の上に植えられていてとても写真がとりやすいので

ぜひスズランの花期に訪れたかったのです。

 

ここのぼたん祭りは端午の節句の飾りもすてき。

 

今年初めて見たボタンの品種で印象的だったのは『深夜の星』。いくらか

黒味?を帯びた深い深い赤。

ピンク系で昨年もたくさん見た『八千代椿』

そして『明日香』

 

これは今年初めて見る『向原』(むこうばら)という品種。少しオレンジ?がかったピンク。この品種を今年は沢山見かけました。

 

大河ドラマコラボでしょうか? 少し小さめの花の『紫の上』

 

続けて紫系ピンクの『紫紅殿』

 

似た名前だけど『紫雲殿』

藤色系かな。『鎌田藤』

 

今年はスズランに的をしぼったせいか、ボタンが今一つ…早咲きと遅咲きの

端境期にあたってしまったようです。花が終わっているのとまだ咲いていない

のが目立ちました。

 

黄色系でよい写真が撮れたのはここでは『金閣』だけでした。少し小さめの

花でフランス品種だそうです。

 

白色系?では白に近いごくごく淡いピンクの『貴夫人』

純白で写真が撮れたのは『連鶴』だけ。しかも下向いてます。

 

ボタン以外で見事だったのは『ネモフィラ』。『瑠璃唐草』という雅やかな

和名なのですね。

モッコウバラもきれいでした。

そしてシャクナゲ

やはり時期が早いのか、4月下旬からが見ごろというシャクヤクが

見られませんでした。GW中に再訪すればいいのでしょうが、そこまでの

元気は出ませんでした(笑)。

 

 

 

 

4月の記録 花祭りの両大師

話はさかのぼりますが4月8日、上野両大師へいきましたらたまたま花祭りでした。一か月以上前?
 

 

ここにしかない御車返しの桜も満開でした。

 

 

幸田露伴旧宅の門をくぐった輪王殿からの眺め。山門前のヤエベニシダレ

はまだちょっと早め?

ヤエベニシダレの花はかんざしにしたい感じ。ただ少し去年よりピンクが淡い気がします?

 

山門脇の垣根際のハナカイドウも花盛りでした。

ちなみにハナカイドウは信州の墓のある寺にもありますが、4月12日に行った時はまだ咲いていませんでした。またこの日にここのスズランを下見したのですが、まだ芽が出たばかりって感じでした。

 

 

南夕子、あるいはナンシーの桜…アマギヨシノ、コマツオトメ

先日、天女アプラサの桜を勝手に考えましたので、南夕子の桜も選びたいと思います。

 

上野の科学博物館の敷地内にある2本のアマギヨシノ、4月4日の写真です。大きな樹で線路沿いの通りに枝をさしかけていますから博物館に入館しなくても楽しめます。


同じ純白の桜でも花が大きく、ソメイヨシノと同じく葉を展開する前に咲くアマギヨシノは家の近所のオオシマザクラよりもより南夕子の桜にふさわしいのではないかと…満開時には遠目にも白いドレスの美女のようです。
 

例年純白の花が黒い幹に映えるのを樹の下でめでていたのですが、今年はどういうものかピンク色の花があります。あるいは咲き始めか、散り際のどちらかがピンク色なのを私が今まで気づかなかっただけなのでしょうか?
 

ちなみに同じ日の写真ですが、つぼみばまだたくさんあるのに同じ枝で散ってしまっているものがあるのも気温が寒くなったり急に暖かくなったりした

せいでしょうか?

ちなみに南夕子の中国語読み,ピンインは nan xi zi 
カタカナで読みをメモしたりすると「カタカナで発音をおぼえちゃいけません」と叱られるのは中国語も英語も同じですが、あえてカタカナにしますと

南(ナン)夕(シー)子(ツ)となります。北斗星司のピンインはbei dou xing si,北(ペイ)斗(ドウ)星(シン)司(ス)です。星のよみは鼻にかかります。

もしも英語圏で『ウルトラマンA』がリメイクされると南夕子の英語名は
ナンシーになるのでしょうか。

 

他に…上野公園大噴水脇のコマツオトメも天女アプラサの桜でもいいかもしれません(笑)。4月3日の写真です。

コマツオトメもつぼみと同じかたまりに散りかけというか傷んでいる花が

ありますね。

 

ちなみにこれは同じ日、近くにあるソメイヨシノ。比べていただくと

コマツオトメの方がつぼみと花びらの縁のピンクが濃いのをわかって

いただけるかと思います。

コマツオトメは花が長く続くようで同時に咲き始めていた隣の吉野の山桜が
すっかり散った後も遠目にはピンク色でした。

 

5月の末には美川典子隊員のようにクールで凛とした美しさのアジサイが咲きはじめますね。

きれいだけどいくらかどぎつさもあるタチアオイは女ヤプール、秋に咲くダリアは水瓶座第3星人かしら(むりやり?)

4月の記録―本物?のうぐいすの声、上田城址公園の桜、赤松小三郎記念館

友人の車で墓地のある寺へ。この周辺でもクマが出没しているらしいので、

無理を言って付き添ってもらいました。除草剤をまいているおかげで

草はあまり生えていなかったけど杉落ち葉がたくさん。

 

でもおがんでいる時、うぐいすの声が…ほんもののホーホケキョ、

それもかなり歌唱力?のあるオス、この季節に来て本当によかったと

思いました。

 

その後、友人の案内で坂城町名物のねずみ大根のおしぼりうどんの昼食。

写真撮り忘れたけど美味でした。

 

おしぼりうどんについてはこちら

 

 

 

桜祭りが延長された上田城址公園へ。

堀に映える桜。

例年大手門のあたりで満足して帰ってしまうのですが、上田に住んでいたこともある友人の案内で奥まで歩きました。

この日はとても気温が高く、金魚すくいや風船釣りの店も出ていて

まるで夏祭り、浴衣を着たいくらいでした。

何よりの収穫は『朝敵と呼ばれようとも』という本を読んで以来、興味を持っていた赤松小三郎の記念館を見られたこと。

上田の偉人は真田親子だけではありません。もっと知られていい人物です。

 

赤松小三郎についてはこちら。

 


幕末に活躍した信州の知識人として知られる佐久間象山とも交流があった

とのこと。

何の因果か?象山も小三郎も京都で暗殺されています。信州人が

京都に行くと危ない?…私は知識人でも先覚者でもないから暗殺される心配はないかな。

 

赤松記念館近くで咲いていたのがおそらくは関東ではとっくに葉桜に

なっている河津桜。関東では順次に咲いていく梅や桜がいっせいに

咲くのは寒い土地ならでは。

 

 

友人お勧めの立礼カフェ百余亭へ。

薄茶と上生菓子のセット、税込み800円

お菓子もとてもおいしくて…近年にないみやびやかな時間でした。

 

 

友人と上田駅で別れ、みすず飴の飯島商店で友人たちにキンカン、三宝柑、

かりんのジャムなどを発送手配。自宅用にかりんジャムも買って帰りの

新幹線に乗りました。

 

車内での早めの夕食も三つのおやきでした。

 

今回の旅は赤松小三郎でお腹がいっぱい?(頭?)になったので

真田関連はお休み?駅で甲冑の写真だけ撮りました。