若干早いが放医研で定期検診を受け、重粒子を照射した骨盤のMRIを撮った。
患部が小さくなっているので判りにくいが、画像上も縮小が進んでいる。
大きさ的には正常組織に近づいてきている。が、骨の復活はまだまだという感じ。
(重粒子照射前の画像はこちら、、)
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-mz1090319

下図は骨盤内に進展した部位のスライス断面。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-mz2090319

自覚症状的にも痛みは全くない。痺れも殆ど感じなくなった。
照射部分については引き続き経過観察を継続。
2009年2月のジェムザール単剤+ゾメタの副作用についてまとめる。
採血の結果は前回記事を参照。投与スケジュールは以下の通り。

・Day0:ゾメタ 4mg注
・Day1:ジェムザール 900mg/m^2注(2009年2月10日火曜)
・Day8:ジェムザール 900mg/m^2注
・Day15:休薬
・Day22:ジェムザール 900mg/m^2注
・Day29:ジェムザール投与予定日だが中止。
    ゾメタ 4mg注 実施(2009年3月10日火曜)
・Day57:ゾメタ 4mg注 実施(2009年4月7日火曜)


ジェム単剤の副作用としては主に発熱、貧血と食欲減退。
・ジェムザール投与当日の夜はほぼ40度近い発熱(3日後のCRP上昇の原因)
 翌朝には殆ど平熱に戻り、昨年のシスプラチン+ジェムの時よりは楽。
・吐き気はジェム投与中から起き始め、3~4日は食欲は50%に低下。
 プリンペランを投与日と翌日、適宜飲んで過ごす。
・貧血は採血のデータなり。そう酷くは無い。

ゾメタの副作用は特になし。骨痛の原因については不明。
・初回投与後の発熱を見極める為、わざわざ初回はジェムとずらしたが、
 Day0では発熱は一切無し、他感覚的には何も違和感は無し。
・但し、Day2とDay23に関節と骨?の痛みを感じた。寝返りも打てない程。
 が、翌日にはすっかり治った。


ジェムによる発熱は恐らく私の個体としての性質によるものと考える。殆どの患者さんで
これ程の発熱は起こらない。脾臓かも知れないし他の何かかも知れない。

骨痛はゾメタの副作用リストにはあるが、ゾメタ単独では起こらない感じがする。
ジェムが(まだ見えていない)骨転移に作用しているのかも知れないし、
あるいは単に発熱による関節痛かもしれない。

痛い場所は、左腰、頸椎左側、左肩甲骨、右腕、右肘、右手首、右膝など。
去年の秋以降時々痛む事のある場所でもある。現状は観測にかかっていないが、
いずれ骨転移が出てくる次期候補地かも知れない。
2008年10月の仙骨への重粒子照射後の採血結果をまとめる。
グラフは9月20日から4月3日までの約200日間。初回治療からの通算日数で730日までのデータ。

2008年8月末投与のシスジェムの影響が残っていたが、重粒子照射中から回復に向かっている。
去年12月セキが出た時期に白血球が若干上昇。が、全体として順調。2月にGEM単剤を試行した。

今回は削るのが目的では無い。ジェムザールは単剤ではあるが900mg/m^2程度に抑えた。
が、白血球の落ち込みが予想よりも少し悪い。また、投与当日に40度の発熱、3日後に
CRPの上昇が明らかに認められた。(3回目の投与後3日目はたまたま採血をしていないだけ)
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-b1090403

「骨髄へのダメージが蓄積しているのかな?」という程度のレベルである。が、私の判断では
もう少し「何かある?」感じがする。3月末の定期検診まで自重する事にし、3回でGEM中断。
最も大きな根拠は下記採血のデータ。ビリルビン、LDH、クレアチニンの推移である。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-b2090403

私の場合、初回治療以前からビリルビン高値はあり、このくらいは特に気にしていない。
イリノテカンが使えないデメリットはあるが、これまでの治療に支障は無かった。
ちなみに直接vs間接の比率も1:1程度で推移。いわゆる体質性黄疸という状態。
(もう少し高くなると治験などで蹴られる場合もあり、この程度は維持したいが、、)

が、LDHも含め、若干増加分が大きい気がする。溶血性貧血には違い無いが、
その程度がやや大きい。GEMの性質かも知れないが、特にLDH高値が気になった。

・腎不全はまだ大丈夫そう、、。
・その他肝機能は全て正常。画像上も問題ない。

と、なると次に怪しいのは脾臓か?。3月末定期検診のCTと去年11月の画像
を比較したのが下記図。(1月のCTは食事直後だった為、胃が膨らみ比較不能、、)
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-h090403

直ちに脾腫と断定出来るほど明瞭では無いが、若干肥大している様にも見える。
この2年で強い骨髄抑制を11回繰り返しており「何か」があってもおかしくはない。
また、抗癌剤治療でお世話になるG-CSFの「グラン」の副作用でも脾腫はあり得る?

いずれにせよ、単純に「骨髄が疲れた」以上の「何か」が起き始めていると考えた方が
良さそうである。次回治療は簡単に抗癌剤とは決められない印象である。
「癌になって良かった」という表現がある。が、私にとって癌になって良かった事など1つも無い。
末期癌患者を2年以上続け、それなりに悟りも開いたつもりであるが未だにさっぱり判らない。

強いて挙げれば病気療養の為に2007年と2008年のマスターズ中継を生で見れた事だけである。
2年連続、痛みで一睡もできず、結果的に早朝からリアルタイムで見れた。確かに良かった?

今年は熟睡出来るため、3年ぶりに録画して見る事になりそうである。
何と言っても注目は最終組の石川遼と最終組前のタイガーウッズ。

優勝予想はタイガーウッズ。風も弱そうなのでトータル18アンダー。
石川は初日1アンダー、36位タイ。しかし2日目の13番か16番で9打くらい叩き、
トータル11オーバーで予選落ち。という感じだろうか。

とにかく初日1番のティーショットが当たればそれだけで充分である。
セカンドを打って歩き出したタイガーに打ち込むくらい振って欲しいものである。

2005年マスターズ16番タイガーウッズのアプローチは「奇跡的」だった。
以前にも記事で書いた事があるが、再アップしておく。


ちなみに私の場合、仙骨が復活したら飛距離は戻りそうな気がするが、
抗癌剤の副作用で手のしびれがあるのでパットの感覚はイマイチである。
オーガスタだとマジで下りのロングパットで池ポチャになりそうな感じがする。
家でテレビを見ていたら夕方からテレビ東京系で「毎日かあさん」が放映されていた。
「「毎日」なのにテレビ東京?」などと見始めたが、「お父さん」の話もあった。

夫だった鴨志田さんはフリーのカメラマンとして戦場を渡り歩いていたとの事であるが、
腎臓ガンで亡くなった。42歳。その様子は漫画「毎日かあさん」の4巻で紹介されている。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-m090401

以前、癌患者に推奨される本としてランス・アームストロングの「ただマイヨジョーヌの為でなく」
を紹介した。
が、もしも「患者家族・遺族に推奨したい本」を1冊だけ選ぶならこの4巻だろう。

「家族が癌になった」という現実を極めて正確に表現している、と思う。

通常私は病状や治療に関する情報が乏しい本や番組を一切評価しない。が、
この本では小難しい病気の解説や治療の説明は必要ないと思う。充分に経過は判る。

また、病室の背景から見て、治療を行ったのは癌研有明病院(個室?)だと思われる。
癌研が良いか悪いか一概には言えないが、通常このケースでは絶対受け入れて貰えない。

さいばらさんがどれ程の努力を費やしたか、その1コマを見れば充分に想像できる。
その一方で、家族のどんな努力も功を奏さない事の「自責の念」や「後悔」も包み隠していない。

何より卓越しているのは最期まで鴨志田さんを「100%鴨志田さん」として接している点だろう。
殆どの人は、身近な人が治らない癌と診断されるとその瞬間から「もうすぐ死ぬ人」に置き換え
を行う。20%くらいは鴨志田さんではあるが、残りの80%は「末期癌患者」に変換してしまう。

結果、「仕事は止めろ」「外出は控えろ」「栄養のあるモノを食べろ」「イヤ菜食玄米だ」、
「ネットで買った水を飲め」「○○病院はやめろ」「好きな事をしろ」「子供と過ごせ」、、。

病気の本質と治療のポイントを完全に外しているにも関わらず、ドラマや映画、ネットで
蓄積した「想像上の癌患者像」を押しつけ始める。患者が従わないと「病気でおかしくなった」
とか、「死が近いのでムリもない」などと、精神疾患まで自由気ままに追加したりする。

私の知る限り、末期癌になっても患者の人格は「全く」変わらない。

「知り合いが癌になった」と聞いて、不必要に萎縮したり、態度、扱いが変わるとすれば、
それはむしろ社会の側が抱えている「病」である。私は家族には、さいばらさんが鴨志田さんに
接した様に対応してもらいたいと思っている。恐らく非常に健全な支援だったろうと想像する。
Appleを創ったスティーブ・ジョブスさんは2004年に膵臓癌が見つかり手術を受けました。
下の動画は彼が2005年にスタンフォード大の卒業式で行った有名なスピーチです。

年度末の卒業・入学シーズンに相応しいかと思いますのでアップしてみます。
真の独創性を持った価値ある人間の深みと意志の強さを教えられます。

動画は2つに分割され、字幕もついています。合計で15分程のスピーチですが、
特に若手の皆様には少々忙しくても1度は視聴されることを推奨します。

有名大学や企業に入る事は、幾つかのメリットはありますが手段でしかありません。
自分が本当にやりたい事を見つけ、努力する事こそが重要と考えます。若い人には、
「受験や仕事が忙しくて何も出来なかった、、」人生は送って欲しくないと期待します。


スピーチの前半部分


スピーチ後半部分
やっとDVDを見たので、まず私の決勝の予想が外れた事について反省しておこうと思う。
・ダルビッシュが最終回に同点にされる所までは概ね想定どおりだった。が、
・追いつかれパニックになり藤川を出すかと思ったが、星野監督よりはマシだった様である。

幸運だったのは遂に最期まで韓国はキム・ガンヒョンを出せなかった事。
それにより辛うじて最終回は同点どまりで済んだ。徐々に腕が振れて来てはいたが、
さすがに怖くて出せなかったと思われる。すると必然的に「1枚足りなくなる」事は明らか。

ここで重要なのは「幸運が必要だった」という信じ難い事実であろう。

勝てばはしゃぎ、負ければ全否定。軽薄な世論の中で埋もれてはいるが、
城島の4番や緊急招集者?のDH。流れも読めず「サインは全てヒットエンドラン」
の事などすっかり忘れ「良い試合だった」ことになっている風潮に危惧を感じる。

優勝ではしゃいでいる人には水を差す様で申し訳ないが、今回は代表監督の選出の段階から
私はすっかり興ざめだった。実績と能力から言えば野村か落合のどちらかの選択である。

しかし頻繁に見られる現象ではあるが、○○さんの弟子、とか□□出身、とかの要素が
優先され、誰の目にも明らかに問題のある人事や戦略が「まともな会議の中で」
決まってしまう事がある。

結果が悪ければまだ幸運で、ヘタに上手く行くと最悪だった人選や戦略も全肯定される。

ガン治療も同じで手術で完治する事もあれば、逆に手術が足を引っ張ることもある。
抗癌剤が奏効する場合もあれば、トドメを刺す結果に終わることも多い。
重要なことは内容や経過を分析し、結果だけを見て一喜一憂しない事であろう。

喩えて言えば、
幾つかの成功例が忘れられず「一発勝負」に賭けたがる原監督は癌治療向きではない。
失敗例が怖くて「登板を控える」韓国の監督は延命は出来ても最期には力負けする。
私の治療も既に延長に入っている。なんとかタイブレークまで持って行くのを目指したい。
昨日は定期検診で放医研に行った。

抗癌剤で貧血があるのと軽い目眩もあり朝から体調はイマイチ。
稲毛駅では小雨も降っており、病院までタクシーで行く事にした。

「放医研病院まで御願いします」と言うと、運ちゃんの返事が無い?
かるく「チッ、、」と舌打ちしたのが聞こえた。(  ゚ ▽ ゚ ;)

、、、体調も悪かったので乗った。マスク姿でぐったり。「病人」モード全開。

5分で到着、料金は710円。前日から体調が悪く小銭を用意するのを怠った。
やむを得ず、5010円出して、「すいません朝から小銭が無くて、、、」と言うと。

「、、釣り銭なんて無いよ、、!、あんたね~~710円に5千円札出してどうすんだよ!!」

遂に気持ち良くキレた!!、渾っ身ヽ(`Д´)ノの力で運転席のヘッドレストを殴りつけ、
「ふっざけんな!!オラ!、今すぐ会社に戻れ!!早よ行けやボケッ!!」と瞬間沸騰。

すると、手のひらを返した様に、「あわわわ、、すいません、すいません今すぐお釣りを、、、」
結局お釣りはあり、へこへこ謝りながら4300円を返してきた。(千円札は上着に隠していた)

恐らくいつもこうやってお釣りをせしめているのだろう。他の運ちゃんに聞いたが、
放医研が癌専門病院で、尚かつ金持ちが多いとタクシー仲間は全員知っているそうである。
「具合の悪い癌患者から小銭をせびり取ろう」としたのである。

ヘッドレストを殴りつけるまでの約0.1秒間に車載カメラが無い事は一応確認したが、
仮にビデオがあり、後半部分だけを証拠採用されたらまるで私は「タクシー強盗」である。

タクシーなら通常の生活で何度も乗る機会がある。が、検察に取り調べられる事は殆どの人には
「生まれて初めて」の経験だと思う。プロが裏技を駆使して容疑者を追い込む。不正があったか
どうかも密室では判らない。やはり取り調べの全面可視化は必須だと思った。
ルールや開催時期、場所、監督の人選など、色々あったが結局日本対韓国で決勝をする事になった。
日韓ともに全9試合中、5試合が日韓戦になるという下らなさ加減であるが、折角なので決勝の
予想を事前に公開してみようと思う。明日の決勝も生では見れないが楽しみが増すかも知れない。

辞退者を除く、出場選手で見た国別の戦力評価を10段階の相対値で示すと、

   投手力  攻撃力  守備力  監督力
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
日本: 10   7    9    1
韓国:  8   7    8    8
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
という感じだと思う。仮に野村監督辺りが采配してれば、そもそも予想すら必要無い。
今大会で私が最も驚いたのは韓国の監督のレベルの高さと韓国の4番のバッティング。

とはいえサッカーと違い、野球で監督にできる事は限られている。興味があるのは
・韓国がどうやって1点を取りに来るか?
・韓国の継投。特に一度コールドを喰らったキム・ガンヒョンの使い方。

予想スコアは、
   1  2  3  4  5  6  7  8  9   合計
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  ーー
日本:1  0  0  0  1  0  0  0  0   2点
韓国:0  0  1  0  0  0  0  0  2   3点
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  ーー
岩隈ー杉内ー涌井。で、終われば日本の勝ち、
しかし、最終回にダルビッシュor藤川を使うとサヨナラ負け。
原監督の頭の弱さが「許容範囲内」かどうかで決まる気がする。

ちなみに明日は小沢代表の秘書が起訴される日でもある。
起訴理由と再逮捕の有無に注目したい。さて明日はどうなる事やら、、。
2008年夏の抗癌剤治療は大して効いていない様に見えて、実は相当なメリットがあった。

強度としては標準量の90%程度を入れるのがやっと、という有様だったが、
・投与後1週間で、痛みが激減し「緊急状態」から脱する事ができた。
・腸骨にあった1cm程度の転移相は1コースで石灰化し、そのまま「治った」。
・肺の再発部位も再度寛解に達し、重粒子治療の可能性を切り開いた。

仙骨部も腫瘍径はあまり変わっていないが、パンパンに腫れ上がった患部が緩和し、
組織内部も正常化方向に転じている。その結果として重粒子奏効の土台にもなっている。

最も重要な点は、私はシスジェムの効き具合を体感し「知っている」という事にある。

今回「単剤では全く効かない」とされるジェム単剤に決めた動機は2つ、
・ジェムを入れた時の「うずき具合」で骨盤患部の再燃の有無を確かめること、と、
・ジェム単剤でどれ程効果があるか確認すること。にある。

前回はday8のジェム単剤の日にも「激痛」が走り、ギンギンに効いた。
今回、幾らかでも効いてくれれば、3ヶ月から半年くらいは時間が稼げるかも知れない。

がんセンターの「元の」主治医はその経過を良く知っているし、在任中に話しあって、
「まあ、じゃ、次はジェム単剤で様子を見ますか、、」という話になっていた。

が、新担当者になってからはこういった「目の前にあるデータの理解」から積み上げ直す
必要がある。自覚症状に関する私の訴えの「正確性と重み」も認識して貰わねばならない。
かなり難航したが、辛うじて治療を開始する事ができた。

私の癌は「数百例の経験」が通用しない速度を持っている。
反面、抗癌剤に対して、あり得ない程の奏効も示す。しかもそれを2度繰り返した。

紙一重のワンプレーで試合の流れが決まり、コールド勝ちもあれば完封負けもあり得る。
与えられたデータと戦力に甘え、目の前の現実に対応できないWBC原監督程度の力量では、
厳しい試合には到底耐えられない。まずはバントと足で「揺さぶり」から始める事にする。