2008年夏の抗癌剤治療は大して効いていない様に見えて、実は相当なメリットがあった。

強度としては標準量の90%程度を入れるのがやっと、という有様だったが、
・投与後1週間で、痛みが激減し「緊急状態」から脱する事ができた。
・腸骨にあった1cm程度の転移相は1コースで石灰化し、そのまま「治った」。
・肺の再発部位も再度寛解に達し、重粒子治療の可能性を切り開いた。

仙骨部も腫瘍径はあまり変わっていないが、パンパンに腫れ上がった患部が緩和し、
組織内部も正常化方向に転じている。その結果として重粒子奏効の土台にもなっている。

最も重要な点は、私はシスジェムの効き具合を体感し「知っている」という事にある。

今回「単剤では全く効かない」とされるジェム単剤に決めた動機は2つ、
・ジェムを入れた時の「うずき具合」で骨盤患部の再燃の有無を確かめること、と、
・ジェム単剤でどれ程効果があるか確認すること。にある。

前回はday8のジェム単剤の日にも「激痛」が走り、ギンギンに効いた。
今回、幾らかでも効いてくれれば、3ヶ月から半年くらいは時間が稼げるかも知れない。

がんセンターの「元の」主治医はその経過を良く知っているし、在任中に話しあって、
「まあ、じゃ、次はジェム単剤で様子を見ますか、、」という話になっていた。

が、新担当者になってからはこういった「目の前にあるデータの理解」から積み上げ直す
必要がある。自覚症状に関する私の訴えの「正確性と重み」も認識して貰わねばならない。
かなり難航したが、辛うじて治療を開始する事ができた。

私の癌は「数百例の経験」が通用しない速度を持っている。
反面、抗癌剤に対して、あり得ない程の奏効も示す。しかもそれを2度繰り返した。

紙一重のワンプレーで試合の流れが決まり、コールド勝ちもあれば完封負けもあり得る。
与えられたデータと戦力に甘え、目の前の現実に対応できないWBC原監督程度の力量では、
厳しい試合には到底耐えられない。まずはバントと足で「揺さぶり」から始める事にする。