川越胃腸病院 経営品質賞受賞PART Ⅱ
今年度の日本経営品質賞を受賞された川越胃腸病院
その秘訣を考えてみます。
特筆すべきことは、
望月院長による徹底した価値観の共有でしょう。
年2回の職員との面接は、20年間、ずっと続けています。
これは、
経営の想いを伝え続け、理念・価値観を共有するためです。
採用面接においても、価値観が合う人かどうか、何度も面接し、
徹底して価値観の合う人を採用します。
人が足りないという理由で、合わない人を採用すると、
採用する側、される側、お互いにとって悲劇です。
多くの企業では、
伝えるべき理念・価値観が明確ではありません。
その理念・価値観を伝え続けていません。
従業員の話をよく聞いて、価値観を共有することをしていません。
社長のなかには、
「自分の想いや考えは、当然社員にわかっているはずだ」
と、思い込んでいる人もいます。
しかし、検証していなければ、それが事実かどうかわかりません。
川越胃腸病院は、内部の調査だけでなく、
外部評価によるチェックを徹底して行っています。
病院機能評価の認定を始め、患者満足・職員満足の外部比較、日本版医療MB賞であるJHQCクオリティクラス認証、埼玉県経営品質賞、日本経営品質賞と、さまざまな評価を受けています。
理念・価値観を共有し、高い職員満足があり、患者様が満足されていることを、データで確認しているわけです。
これは非常に大切なことです。
経営品質は、目標を立て、その達成状況や把握し、改善につなげるという活動を、非常に重視します。
その改善プロセスをしっかり廻しているのは、
川越胃腸病院の大きな強みでしょう。
医療法人財団献心会 川越胃腸病院
http://www.kib.or.jp/
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川越胃腸病院 日本経営品質賞受賞
牛タンのねぎしとともに、今年度の日本経営品質賞
中小規模部門を受賞されたのが、川越胃腸病院です。
埼玉県川越市にある消化器科の専門病院。
外来は年間延べ約8万人の患者様の来院、
胃癌と大腸癌の手術実績は毎年200~300例を数え、
内視鏡検査数も日本有数の実績を維持しています。
当病院は、『医療は究極のサービス業』と位置づけ、
職員の満足無くして患者様に高いサービスを与えることはできないと考え、実践されています。
川越胃腸病院は小さな単科病院ですが、
職員満足は全国トップレベルにあり、
それが高い患者様満足を実現し、
患者様の声が職員のやりがいを高め、職員の感性をさらに磨き、
サービスは満足を超えた感動レベルにまで向上していく
という「人満足の好循環スパイラル」が見られます。
このような経営を理想とされている方はたくさんいても、
実現しているところは少ないのではないでしょうか。
川越胃腸病院に行かれると、その雰囲気が、一般的な病院と
あまりに違うことに驚かれることでしょう。
私は、父が入院したときに何度か病院に行きましたが、
行く度に元気を吸い取られるような気がしました。
気功でいう「気場」がよくないのです。
「ここに入院したら俺は一週間で絶対体調を崩す」
と思ったものです。
川越胃腸病院は、入った瞬間の受付の笑顔から違っています。
病院関係者はもちろん、他の業界の方も、
多くのことを学ぶことができると思います。
医療法人財団献心会 川越胃腸病院
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牛タンの「ねぎし」 経営品質賞受賞 2
昨日に続き、日本経営品質賞を受賞された、
「ねぎしフードサービス」さんのご紹介です。
「ねぎしフードサービス」の表彰理由に、
幅広い視点からの人財共育と、他社が真似できない独自の組織風土づくりが、従業員満足の総合満足度向上とアルバイト離職率の低水準維持に結びついている
とあります。
人や組織風土が良くなければ、よい企業ができるわけがありません。
特に飲食業は、アルバイトが多く、入れ替わりも激しく、どこも社員教育には頭を悩ませているのではないでしょうか。
また、社員が全社戦略の策定に参画したり、改革改善プロジェクトチームにより、店長が中心となって組織横断的な経営革新に取り組むという、社員の経営参画が実現されています。
これも、素晴らしい仕組みですね。
ただし、こういう仕組みは、形だけ真似しても、なかなか上手くいきません。
経営者と社員との価値観の共有がなされ、社員の自発的・積極的な意識がなければ、機能しないでしょう。
株式会社ねぎしフードサービス ホームページ
http://www.negishi.co.jp/index.html
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牛タンの「ねぎし」 経営品質賞受賞
先日、日本経営品質賞報告会があり、受賞企業の表彰や報告がありました。
2011年度受賞されたのは、
・シスコシステムズ合同会社
エンタープライズ&パブリックセクター事業
・医療法人財団献心会 川越胃腸病院
・株式会社ねぎしフードサービス
「ねぎし」は、東京ではお馴染み、牛タンで有名なお店です。
「ねぎしフードサービス」の表彰理由には、
「ねぎしの5大商品」の品質レベルの継続的向上による卓越した業績の実現】
とあります。
「ねぎしの5大商品」は、「クオリティ」「サービス」「クレンリネス」
「ホスピタリティ」「アトモスフィア」。
例えば、クオリティでは、「手切り」「焼き」「塩分濃度」などの個人の技術を組織的に指導し、定量的にレベルを把握するなど技術力の向上がなされています。
商品提供時間や商品開発など、組織的な強化も見られます。
サービス、ホスピタリティでは、「社員が自主的にホスピタリティを発揮」するレベルの高い接客が見られます。
クレンリネス、アトモスフィアでは、店舗間でクレンリネス状態を競うコンテストを行ったり、女性も入りやすい雰囲気の店舗開発を行っています。
外食産業は、価格破壊も激しく、厳しい経営状態のところが多いのですが、「ねぎし」さんは、高い顧客満足で、安売りに走らず、高品質の商品提供をなされている。
素晴らしいですね。
ちなみに私は、「ねぎし」の、「とろろ」 と「テールスープ」が好きです。
「とろろ」は、千葉県の農家から直接仕入れている大和芋。
美味いですよ。
株式会社ねぎしフードサービス ホームページ
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経営改善のコツは真似ること
合気道の稽古中に壊したヒザと、のどの炎症でクタクタ
寒さが身と心にしみる今日このごろです。
さて、今回は経営改善について書こうと思います。
経営を改善するとても効果的な方法は、最高の経営をしている組織を真似ることです。
例えば、リッツカールトンホテルやディズニーランドなどは、素晴らしい経営をしています。
「日本経営品質賞」の受賞企業も、素晴らしい経営をしているところがたくさんあります。
これらの企業には、真似るべきところがたくさんあります。
しかし、ただ思いつきで真似するのは逆効果です。
例えば、リッツカールトンホテルは、現場に大きな裁量権を与えていますが、同じことをして上手くいく企業もあれば、ガタガタになる企業もあります。
成果主義を導入して業績が上がる会社もあれば、下がる会社もあります。
会社にとって必要な活動は、その会社の持つ文化や風土、組織レベルによって異なってくるからです。
ですから、上手く真似するには、経営全体を見て自社に有効な活動を導入することが必要になります。
そのためには、まず自分の会社の課題を明確にすることが必要です。
そして、その課題を解決している会社を見つけて、その活動を取り入れるようにします。
全体的な流れとしては、次のような感じになります。
自社の課題を明確にする。
↓
その課題を上手く行っている会社や組織を見つける。
↓
上手くいっている活動を徹底的に調査する。
↓
自社に、どのような形で取り入れると、もっとも効果的なのか検討する。
↓
新しい活動を取り入れてやってみる。
↓
やってみた結果を検証して修正する
課題が解決された姿(目標)を明確にして、
優れた企業を積極的に真似していきましょう。
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そろそろ第2期の講座を開始しようと思います。
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この講座は、一方的に情報を流すだけでなく、
皆さまからのご意見やご質問を聞き、
それを反映させながら進めています。
内容は、会社や職場において、やる気を高めたり、
行動を引き出すための仕組みや方法が中心です。
脳科学的な観点、心理学的な観点、コンサルタント的な観点
コミュニケーション論の観点など、いろいろです。
さらに、仏教的な観点も入れてみようと思っています。
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組織のレベルを示す 経営品質の成熟度 その4
今回は、成熟度の解説 4回目です。
組織のレベルを示す 経営品質賞の成熟度 1
組織のレベルを示す 経営品質賞の成熟度 2
組織のレベルを示す 経営品質賞の成熟度 3
経営品質賞では、
AAA+、AAA-、AA+、AA-、A+、A-、B+、B-、C+、C-、D
の11段階で評価します。
「成熟度」を見るポイントとして、3つの観点があります。
1.合目的性と体系化
2.展開度と統合の状態
3.改善・革新への取り組みの程度
3.改善・革新への取り組みの程度
経営品質プログラムでは、改善・革新能力を、とても重視します。
改善・革新がなければ、組織はレベルアップしないからです。
改善・革新レベルの低い組織では、問題が発生してから、
その問題に場当たり的に対処します。
例えば、
「歩道を自転車が走り事故が起こる」という問題に対して
「自転車に車道を走らせる」という対処をした場合、
歩道の事故という問題は解決できますが、
車道での事故が増えるという問題が発生するでしょう。
このような対処を場当たり的といいます。
少しレベルが上がると、問題の根本原因を追究して、
問題が発生するプロセスを改善するようになります。
こうなってくると「Bレベル」くらいになります。
もっとレベルが上がると、問題解決への独自の方法を創造し、
再発防止の仕組みを構築するようになります。
さらにレベルの高い組織では、未来への洞察が深まり、
問題発生を未然防止するような仕組みが構築されていきます。
そのような企業や組織は、ほとんどお目にかかりませんが、
存在しないわけではないので、夢物語ではありません。
多くの企業では、「問題への場当たり的な対応」から、
「根本原因の追究とプロセスの改善」へと変革していくことが、
当面の課題になるでしょう。
それだけでも大きな進歩です。
人と組織を活性化するマネジメント・コーチング
組織のレベルを示す 経営品質の成熟度 その3
こんにちは、心のソムリエ 橋本文隆です。
前回は、今年度の日本経営品質賞 受賞組織をご紹介しました。
日本でトップレベルの経営をしている企業や組織ということです。
勘違いしないでいただきたいのは、経営品質賞は、業績の
良し悪しを評価しているのではないということです。
業績評価も入っていますが、中心に見ているのは、
経営マネジメントのレベルになります。
継続的に高い成果を生み出すためには、
高い経営マネジメントの仕組みが必要だからです。
日本経営品質賞では、経営マネジメントのレベルを
成熟度という形で評価しています。
今回は、成熟度の解説 3回目です。
組織のレベルを示す 経営品質賞の成熟度 1
組織のレベルを示す 経営品質賞の成熟度 2
経営品質賞では、
AAA+、AAA-、AA+、AA-、A+、A-、B+、B-、C+、C-、D
の11段階で評価します。
「成熟度」を評価見るポイントとして、3つの観点があります。
1.合目的性と体系化
2.展開度と統合の状態
3.改善・革新への取り組みの程
2.展開度と統合の状態
組織の目的を実現するための方法(合目的性のある方法)が、
組織全体に展開され、うまく連携されているかを見ます。
組織が大きくなると、「部分最適」に陥って、「全体最適」を
忘れる傾向にあります。
省庁が、自分の省庁の利益だけを考えて、日本国全体の
利益を考えないようなものが「部分最適」です。
各部門や各活動の目標が、組織全体の目標と一貫性があり、
部門間、活動プロセス間の協力関係が構築され、組織全体の
目的実現に向けた活動が成されていれば、
この分野に関して「Aレベル」と評価できるでしょう。
人と組織を活性化するマネジメント・コーチング
組織のレベルを示す 経営品質の成熟度 その2
こんにちは 心のソムリエ 橋本文隆です。
マネジメントのレベル(状態)を示す経営品質の
「成熟度」 その2回目です。
組織のレベルを示す 経営品質賞の成熟度 1
経営品質賞では、
AAA+、AAA-、AA+、AA-、A+、A-、B+、B-、C+、C-、D
の11段階で評価します。
「成熟度」を評価見るポイントとして、3つの観点があります。
1.合目的性と体系化
2.展開度と統合の状態
3.改善・革新への取り組みの程度
1.合目的性と体系化
・目的を具体的、明確に定めているか、
・その目的を実現するために相応しい方法を導入しているか
・その方法を評価する目標や指標を設定しているか
というのがポイントです。
目的が不明確なまま、仕事をしている人がよくいます。
言われたからやっているというのでは、目的意識がありません。
例えば、「なぜTPP に参加するのですか?」と聞くと、
輸出力をつけ、韓国に負けないため
自由貿易を目指すのが正しいため
米国と協調関係を築くため
自由主義圏連合で中国を押さえるため
など、いろいろな答えが返ってきます。
こういう状態は、目的が明確でありません。
マスコミは、目的が明確でない状態で、メリット・デメリットの
話ばかりしているので、議論が混乱しています。
目的が明確でなければ、戦略も立てられないし、
適切な方策も設定できません。
戦略も方策も不明な状態でメリットやデメリットが
明確になるはずがありません。
これでは、マネジメントレベルが低いと言わざるを得ません。
残念ながら、このようなレベルの企業も数多くあります。
目的を明確に定め、目的と一貫性のある戦略や方策が
立案され、具体的な目標と達成度を測る指標を設定し、
各方策の成果を把握している
このような企業であれば、合目的性に関しては、
Aレベルになるでしょう。(AAAには、ほど遠いですが)
人と組織を活性化するマネジメント・コーチング
組織のレベルを示す 経営品質の成熟度 その1
経営品質賞には、「成熟度」という考え方があります。
これは企業にとって、とても重要な考え方になりますので
解説をしていきます。
経営品質賞でいう「成熟度」とは、簡単に言えば、
組織のマネジメントのレベルを段階的に表したものになります。
成熟度の高い組織とは、極めて高度なマネジメントが
実現されている組織であり、成熟度の低い組織とは、
マネジメントの体を成していない組織になります。
経営品質賞では、このマネジメントレベル(成熟度)を
AAA から D までの 11段階で判断します。
AAA+、AAA-、AA+、AA-、A+、A-、B+、B-、C+、C-、D
と分かれています。
賞を取るには、このレベルが一定以上である必要があります。
経営品質のフィードバックでは、この成熟度を上げる提言が
中心になります。
「ここは強みなので、もっと伸ばせばワンランク上がりますよ」
「この部分を改善すると、マネジメントが良くなりますよ」
という風に、B-ならB+へ、B+ならA-になれるような
ポイントを見つけ、フィードバックします。
初めて経営品質に取り組んだ企業のなかには、
自社の評価を見て、愕然とされるところも多くあります。
一般的な企業であれば、Cレベルというのは普通です。
自分達ではかなり出来ていると思っていても、経営品質の
アセスメントをしてみたらBレベルというのもよくあることです。
顧客満足活動で、全国レベルの結果を出している企業で、
いきなりAレベルということもありますが、ごく少数です。
しかし、Cレベルであっても、Bレベルであっても、
伸ばすところ、改善するところを見つけ、継続的に
取り組む企業は、着実にレベルを上げていきます。
大切なのは、継続して取り組むことです。
次回からは、成熟度について詳しく見ていきたいと思います。
人と組織を活性化するマネジメント・コーチング