朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -178ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。




人との出会いがこんなに人を成長させてくれるのか。




熱くてまじめで真っすぐな「柿田亮」巡査の成長を見ながら感動することができてうれしい!




警察官の中にこんな正義感あふれる人が、ぜひともいてほしいと思います。





33P

「良心に恥じない……」

柿田は、ただ川上(教官)の言葉を繰り返すしかできなかった。

「誰かに対して恥ずかしいと思うこと……、いや、それ以上に、自分自身に対して恥ずかしいと思うことは、正義に反している。自分を磨け。そうすれば、おのずとおまえ自身の正義が見つかる。そうしたら、その正義を信じて、それを全うしろ。それが、警察官だ」






世の中を生きていると、社会にあまり見えてこない影の世界があることがわかります。





「SAT」スペシャル・アサルト・チーム・警備部の特殊急襲部隊。



ハイジャックやテロを想定して緊急事態に出動する部隊。





289P

「訓練は実戦のように、、実戦は訓練のように」





277P

「俺たちが呼ばれるのは、最終的な局面だ。だから、失敗は許されない。敗北も許されない。俺たちは、最後の砦だ。それはつまり、日本の最後の砦であることを意味しているんだ」





日本の最後の砦!




当たり前に平和な街で過ごすことができるのも、抑止力となっている彼らのおかげ。




覚えていなければならない。



いざとなったら体をはって僕らを守ってくれる人がいるからこそ、安心して暮らせることができるんだと。




これからも彼らが活躍する機会がない世の中を望みたい。




◎1955年、北海道生まれ。


上智大学在学中の78年に「怪物が街にやってくる」で第4回「問題小説」新人賞を受賞。


レコード会社勤務を経て、作家業に専念する。


2006年に『隠蔽捜査』で第27回吉川英治文学新人賞、08年に『果断―隠蔽捜査2』で第21回山本周五郎賞、第61回日本推理作家協会賞を受賞







241P

「倒れるまで走れるなんて、俺にしてみればすごいことだよ」

「だからさ、みんな自分にブレーキをかけているんだよ」

「ブレーキをかけている?」

「そう。マイナスイメージで、自分自身の限界を狭めているんだ。そこで、俺のアドバイスだ。訓練のことをなるべく考えない。だって、考えたって、訓練担当たちは、なんとかその予想を覆そうとするわけだよ。俺たちに精神的な負荷をかけるためにな。だったら、最初から考えないほうがいい。そして、できるだけ、こんなの、どうってことない、って考えることだ。まだまだ行けると心の中でつぶやくんだ」





256P

市ノ瀬が、さらに言った。

「昔、沖縄の有名な空手の先生が、こう言ったそうだ。『長年修行して体得した空手の技が、生涯を通して無駄になれば、空手道修行の目的が達せられたと心得よ』と……」









小川晋平さんから熱いパワーを感じています。



まるで芸能人のような煌びやかなオーラがあります。





この本には、含蓄がある言葉が多くありました。



例えば、文章をくまなく読まなくても、それぞれの項目を押さえて読んでいくのもいい。



言葉の意味を肌で感じればいい。



感じたことを深く心に刻んでいくとよいと思うのです。







219P「人生は思い通りには行かない。しかし、いつからだって変えることができる」という当たり前のことを当たり前に実現していただくために書いた本です。





太く濃い人生を経験してきた人であり、それらの意味を丹田で理解している人が書いた本です。










この本からの大切な気づきを取り入れていきたい!




自分なりに意味を咀嚼して、世の中のために役立ていきたい!





御縁のあった本をぼくの仲間たちに紹介していきたい!





 <目次>


はじめに


第1章 一流と二流を分ける「朝の習慣」


第2章 仕事が最速で動く「昼の習慣」


第3章 人脈と可能性を拡げる「夜の習慣」


第4章 脳と体のキレを上げる「毎日の習慣」


第5章 成長を加速させる「毎週・毎月の習慣」


第6章 視座を高める「毎年の習慣」


第7章 志を貫く「一生の習慣」


おわりに




◎小川晋平:コンサルタント。起業家、起業志望者と成果が出る習慣を学ぶ「チーム100」を主催している。



◎俣野成敏:事業経営や投資活動の傍ら、私塾「プロ研」を創設しプロフェッショナルサラリーマンの育成にも力を注いでいる。





21P「やりたくないけど、成果が出ることを習慣化する」


これを早く見つけたい!








32P「一流の人は自分の意思でどうにもならないことに悩むことはせず、コントロールできることだけに集中して自分を変えていくチカラを持っています。」


解決するヒントが得られました。






74P「ビジネス交流は趣味だとわきまえる」

ビジネス交流のメリットは、自分より優秀な人や自分の知らない世界の人と接することで刺激を受け、経験値が上がり、視野が広がることです。新たな人脈を築いたり、ビジネスの種を見つけたりするのは結果に過ぎません。


朝活でまさにこれを経験しています。







78P「人脈の基本は相手に役立てることを見つけることである」


名刺交換時や「自己紹介」のときに活用していきたい!






157P「本を読むこと自体に希少価値が生まれる時代になっているわけです」


こう書かれてあることがうれしい!






159P「ビジネス書は良いとこ取り。原書や古典は腰を据えて精読する」


ビジネス書を読みまくって、いきつくところは、「原書」や「古典」!






162P「何より、今の自分の基準では絶対に選ばない本について教えられるはずです。それは自分が大きく進化するチャンスになります」(進歩と進化は違います。)


例えば、読書会の課題本で自分の進化を感じています。







200P「リスクを知らないことが最大のリスク」


行動しないと何も得られない。

リスクを取らないことが最大のリスクだ。




☆一流の人はなぜそこまで、習慣にこだわるのか? 仕事力を常に120%引き出す自己管理 小川晋平、俣野成敏 クロスメディア・パブリッシング (2015/04)☆




「影山博人」女たちを魅了する力を持つ非常に恐ろしい男。




ここでふと流れている底知れない物哀しさや哀愁などがいい。




桜木さんの紡ぎだす言葉たちは、ぼくの肌に無性に合っています。




あの「ホテルローヤル」を読んだときからこう思っていて。




読んでいてなぜか安心するんですよ。





ぼくは、こんな作風が好きだな!






 <目次>


恋人形 32


楽園 3361


6392


ブルース 93120


カメレオン 121150


影のない街 151175


ストレンジャー 177203


いきどまりのMoon 205236





◎1965年北海道釧路市生まれ。

2002年「雪虫」で第82回オール讀物新人賞を受賞。

07年、初の単行本『氷平線』が注目を集める。12年『ラブレス』で第1回「突然愛を伝えたくなる本大賞」、13年同作で第19回島清恋愛文学賞、13年『ホテルローヤル』で第149回直木賞を受賞







◎27P

それまでもつきあったりもしたのだが、みなつまらなかった。この人は、と思い肌を重ねた相手もあったが、そういう男には牧子以外にも女がいた。誠実でも不実でも、男と体を繋げると欠落した部分は埋まる。けれど相手が誰であっても牧子が肌に感じる温もりは博人のものだった。







◎217P

国会議員も博人の前では金の話しかしない。日本のはずれまでやって来て土下座をしている代議士に「なんとかしますよ」と微笑むときの博人は、美しいとしか表現しようのない顔をしていた。慈愛でもない情でもない、おそらくは憎しみですらない。あの微笑みを撮れたら、といつも思う。十代の娘に見えるところで「裏仕事」をしていた父の思惑は、思わぬところで露わになった。


高校時代、写真の道に進むと宣言した際、博人が言った。

「莉菜、お前は悪い女になるといい。足の下にあるものを根こそぎ踏んづけて行け。いい女になんかなるもんじゃない。どうせなるなら、怖いものなんてひとつもない女のほうがいいだろう。男と違って女のワルには、できないことがないからな」

そばで聞いていたまち子が、からから笑った。

「この人のいい女の基準はあたしだからねぇ。莉菜、あんたは顔の作りがいいから性根は悪くていいのかもしれないよ」




「バタフライ効果」か。



無関係な事象・人物でも、知らず知らずのうちに影響を受けているのかな。



世の中はなんとなく繋がっているのかな。



ぼくらの存在が周りによくない影響を与えていなければいいなと。





参考文献に『毒婦。木嶋佳苗100日裁判傍聴記』北原みのり著(講談社文庫)がありました。



あの話題の事件を参考としています!




結末の後味が悪くて、読んだ後にイヤな気分になりました。




まさに、イヤミスの女王の毒婦物語。





 <目次>


エピソード1 淳子


エピソード2 絢子


エピソード3 諄子


エピソード4 順子


エピソード5 純子


エピソード0 



◎宮崎県生まれ。1964年生まれ。『孤虫症』で第32回メフィスト賞を受賞、デビュー。

『殺人鬼フジコの衝動』がベストセラーに。

『ふたり狂い』『みんな邪魔』『深く深く、砂に埋めて』『二〇一四号室』など。





93P

「佐竹純子に、完全に支配されていたようなんです。篠田淳子さんは」


「支配?」


「はい。たぶん、今回の連続不審死事件と、根っこは同じだと思われます」


「つまり?」


「つまり、二人だけの世界を築いて、そして、ターゲットを逃げ場のない状況に追い込むんです。他者を徹底的に排除して、自分だけが味方だと、ターゲットに思い込ませるんです。そして―」





青春時代の甘酸っぱい思い出が蘇ります。



学生時代には見えてこなかった箇所や理解することができなかった男女の機微、意味が分からなかった三四郎や美禰子の行動などが、読み返すとなんとなく腹に落ちてくるようになりました。



 


だんだんと年齢を重ねてすこしずつ経験を積み重ねていくと、いわゆる行間を読めるようになってきました



書かれていない出来事や心理、また文字情報が少ないところは、頭のなかで風景がちゃんと色がついてはっきりと見えてくるように想像で補えるようなってきました。






 


14P「あなたは余っ程度胸のない方ですね」



94P~ 三四郎には三つの世界が出来たこと。母のいる九州の「故郷」。野々宮や広田のいる「学問」の世界。そして「華美」な世界。



138P~ 菊人形を広田、野々宮らと見物に出かけるが、途中で美禰子と三四郎がエスケープしてしまうところ。

「責任を逃れたがる人だから、丁度好いでしょう」




337P「迷える子・ストレイシープ」


 




読み応えがあった部分や印象に残った文章がいくつもありましたし。

三四郎がどういう人物だったか、また、美禰子がどういう人物だったのか、そしてこの二人の関係はどういうものだったのか。



語るのはなかなか難しいのですが、これらからこの本を読み解くヒントがあるものと思います。





 



それぞれの人の思いで感想を語ればいいのです!






 


古典本は、過去から現代にちゃんと受け継がれています。



それらは、いいものだからこそずっと受け継がれるんですね!




◎1867‐1916。江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)に生れる。

帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学した。

留学中は極度の神経症に悩まされという。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。

1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表し大評判となる。

翌年には『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。

’07年、東大を辞し、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。




気持ち悪いけれども、艶めかしくてとてもエロティック!



番町皿屋敷、牡丹燈篭、四谷怪談、源氏物語などの古典的な怪談物語集!



女性の深く暗い情念がありありと伝わってきます。




ぼくには、なかなか経験できない恐ろしい世界観です。




 <目次>


朱夏は濡れゆく 牡丹燈篭 747


蠱惑する指 番町皿屋敷 4982


陶酔の舌 蛇性の婬 83117


漆黒の闇は報いる 怪猫伝 119149


夢魔の甘き唇 ろくろ首 151168


無垢なる陰獣 四谷怪談 169210


真白き乳房 山姥 211241


白鷺は夜に狂う 六条御息所 243268




◎1955年石川県金沢市生れ。十年間の銀行勤務を経て、84年『海色の午後』でコバルト・ノベル大賞を受賞し、作家デビュー。


恋愛小説やエッセイで多くの読者の共感を集めている。


02年『肩ごしの恋人』(集英社文庫、04年)で第126回直木賞受賞





35―36P


それから毎夜、子の刻に露が訪れるようになった。

夜が深まっても、粘っこい暑さが引くことはない。汗と体液にまみれながら、ふたりの交わりは夜が明けるまで続いた。精を発した次の瞬間にはもう、玉茎は再び熱くたぎっている。露との交合は久遠とも思えた。身体を重ねれば重ねるほど、欲情は増してゆくばかりだ。


新三郎は自分の身体に底知れぬ力が漲ってゆくのを感じていた。食べずとも飲まずとも、疲れなど微塵もない。怠惰な暮らしの中では得られなかった生きていることの実感、それを今、噛み締めている。


夜明け前に露が去ると、新三郎は死んだように眠りに落ちる。陽が昇ってから目を覚まし、その時にはもう、子の刻が待ち遠しくてならない。

傾きはじめた日差しを感じながら新三郎は思う。朝など来なければいい。日など昇らなければいい。そうすれば、露とずっと共に過ごせる。


露、露、早く会いたい。

そなたを抱きたい。



こういう女子はいるよね!っていう女子を取り上げてくれています。



だから共感ができるんですよ。



結婚に関する女性心理を深く突き詰めて教えてくれています。



男的には、結婚をする際に参考になると思いますよ。





また、女子だけの心理だけじゃなく、男子の普通の考えや行動もよくわかっているなって、なるほどと頷くような箇所が多いんですよ。



(よく取材されていますね。経験なのでしょうか!?)





「悪夢じゃなかった?」では、朝起きてみると、男性が巨乳でかわいい女性に変化しているというありえない展開があります。



びっくりしますよね。あるものがなかったり、ないものがあったり……。



でも、毎日ただ会社に行って自宅に帰ってくるような当たり前の日常に、ちょっとしたスパイスの刺激があっていいんじゃないかと。





山内マリコさんのことをもっと好きになれるようなリズミカルでコミカルな小説集でした。





山内さんの次の作品も楽しみにしています。






 <目次>



かわいい結婚



悪夢じゃなかった?



お嬢さんたち気をつけて





◎1980年富山県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業後、京都でのライター生活を経て上京。


2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞。


著書に『ここは退屈迎えに来て』、『アズミ・ハルコは行方不明』、『さみしくなったら名前を呼んで』(いずれも幻冬舎)、『パリ行ったことないの』(フィガロブックス)がある。






54-55P

「うん!!!」

こういう瞬間を、何度味わっただろうとひかりは思う。女の子がまぶしいくらいハジけた瞬間。いまにも『ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン』が流れてきて、エンドロールが出てきそうな瞬間。その一瞬は気分最高だけど、それが結局、なに一つ解決していないただの気慰みだってことを、ひかりは知っている。たぶん、たえちゃんも。

「友よ、また会おう!」と言ってひかりは右手を差し出した。

たえちゃんはその手を、固く握り返した。




98P

思わず怖気立った。

裕司には手に取るようにわかるのだ。彼らがあれでも一応、「見ていないフリ」をしているということが。見てはいないけれどたまたま視界に入っているから、そこに意識を集中しているだけで、直視はしてないと思っていることが。そうやって彼らは自分自身を欺きながらおっぱい鑑賞を楽しんでいるんだということが。そして巨乳にノーブラで白Tシャツを着ているような痴女(俺)のことは、自分と同じ人間と思っていないから見てもOK!と判断したってことが。

見世物じゃねえんだよ俺は!




185-186P

「若いうちはつまんない仕事に思えるかもしれないけど、結婚して家庭持ったら、ここのありがたみがわかるから、辞めっちゃダメよ。いまはわかんないかもしれないけどね、この町で年いった女が働ける場所っていうのは、ほんとうに貴重なんだから」




208-209P

あや子は佳彦さんとの交際の不安や不満を吐き出し、ユリは仕事のストレスをまき散らした。飛び出した瞬間に弾けて消えるシャボン玉のような、瞬間的で享受的なお喋りである。男性にしてみれば思考と感情を垂れ流す会話は耳障り極まりないかもしれない。だからこそ、男性の前では決して見せられない腹の底を、はばかることなく開陳して語らうのは、女にとって至福のひとときなのであった。














男女の恋心をくすぐる9つの短編集。



「それは秘密の」― 台風の影響で土砂崩れに合い遭難した、見知らぬ男女が一夜を過ごした物語がぼくは好き!




ぞくぞくしたりドキドキするくらいに心理描写がうまいな!




十分に楽しませてくれましたよ。





 <目次>


ハズバンズ 60


ピンポン 6167


僕が受験に成功したわけ 69107


内緒 109114


アンバランス 115154


早朝の散歩 155161


キープ 163194


三年目 195200


それは秘密の 
201249






◎1960年、東京生まれ。

早稲田大学中退後、広告代理店勤務などを経て作家活動を開始。

88年、『幸福な朝食』が日本推理サスペンス大賞優秀作に選ばれる。

96年、『凍える牙』で直木賞受賞。

2011年、『地のはてから』で中央公論文芸賞受賞




14P

彼女は二歳上だから、もう四十三になっているはずだった。これまでもメールや電話では時折やり取りをしてきたが、こうして久しぶりに会ってみると、まず、今の女房との違いを一番に感じた。まったく、真逆なタイプなのだ。そして今、女房のお蔭で得られている安らぎは、この女からは絶対に得られなかったのだということも、今になってみればよく理解出来る。つまり、別れて正解だったということだ。あのときはあんなに落ち込んだが。






181P

どうして私が、こんな目に遭わなければならないのだ。こんな、理不尽な。

ほんの少しだけポジションが高くなることを密かに喜んでいた頃が、今となっては恨めしい。こんなことなら、平社員に毛の生えた程度で結構だった。誰からも大して期待されない代わりに、妙な責任を押しつけられることも、変な人間関係に巻き込まれることもなかった方が、ずっと快適だった。







テレビを見ながら、小説を読みながら、物語を楽しむやり方もありなのかなって。



2組の親子がオデッセイに乗っている風景が脳裏に浮かびます。



普段の生活の中に、とても大切なものがあることを教えてくれています。







ここでは、過去の行動が本当に正しかったのかをもう一度経験するのです。



過去の言動は、その時に戻ってやり直しはできません。



でも、あの時こうやっておけばという思いはだれにでもあるはず。





現実では、過去の人生をやり直すことはできません。



過去の人生をやり直して自分の思いを素直に伝えられるという内容は、現実的ではありません。



しかしながら、その時の自分が本当はどう行動すべきであったのかを今は感じることはできます。




過ぎてしまったことは仕方がないとただ後悔するのでなく、

本当の自分はどうすべきであったかを考えて、今後の行動を決めていくことはできるのではないかと僕は思うのです。





◎1963年、岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒。出版社勤務を経て著作活動に入る。

99年、『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞受賞。2001年、『ビタミンF』で、第124回直木賞受賞





99P

橋本さんは、また歩きだした。その場にたたずんだままの僕をうながすように、「たいせつな場所って、ほんとうにたくさんあるんですよね。あとになってから、それに気づくんです」と言った。






175P

あとになってから気づく―あとにならなければわからないことは、たくさんある。僕はもう我が家の結末を知っている。自分がなにをすべきだったのか、なにをすべきでなかったのか、ちゃんとわかっていて、なにもできない。






 

 

221P

僕はいくつもの後悔を背負って、橋下さんと健太くんの車に乗り込んだ、どうやらこのドライブは、手持ちの後悔を思い知らせるだけではないのだろう。新しい後悔が、両肩に載った。他の後悔に比べると、言葉だけのそれはずっと軽く、簡単に払い落すことができそうだったが、僕は赤ん坊をおぶうように背中を少し曲げて、新しい後悔を胸に染み込ませた。






386P

橋本さんのオデッセイは流れ星だったのかもしれない。僕は流れ星に乗ってドライブをしていたのかもしれない。そんなことも、ふと思う。


もし流れ星を見つけたら、なにを祈ろう。つぶやく言葉は決めていても、実際にそのときが訪れたら、あわててしまってなにも言えないような気がする。だいいち、そう簡単に流れ星を見つけられるほど、現実は―僕の住むこの世界は、甘くない。


それでも、昼間の空にもちりばめられている。ただ太陽のまぶしさに紛れて見えないだけだ。晩秋の青空を滑り落ちる流れ星だって、きっとあるだろう。



最後まで読み応えがありました。



読み終わって振り返ると背筋がぞっとするようなミステリー短編集です。



ジャンルが違う6つのお話をこんなに綺麗にまとめられるなんてすごいぞ!と感心しています。



それぞれの物語の視点が面白く、米沢さんは、相当の力量を持っている作家さんだと思います。




米沢さんのこれからに期待しています。




 <目次>


夜警 55


死人宿 5797


柘榴 99138


万灯 139221


関守 223280


満願 281330




◎1978年岐阜県生まれ。2001年、『氷菓』で第5回角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。

2011年、『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞





101P

佐原成海とは大学のゼミで出会った。彼は美男子ではなく、着ているものも上等ではなかった。けれど言葉を交わせば、耳に心地よい声の響きや気を逸らさぬ話しぶりが妙に異性を魅了する。誰もが彼を好きにならずにはいられない。私もまた、彼の言葉の不思議な抑揚にからめ捕られた。

ゼミでは彼を巡って暗闘が繰り返された。噂話と陰口が敵を蹴落とす手段で、誰もが抜け駆けと誘惑を狙っている。敗者は貶められ、神経を病んで大学を去った子さえいた。研究室の雰囲気はぎすぎすして、関係のない男たちには気の毒なぐらいだった。




192P

ジープが止まる。少し待って、言う。

「……すみません、森下さん。確かめてきてもらえませんか」

「えっ」

「手がハンドルから離れないんです。確かに死んだか、見てきてください」

そして私は、隣に座る森下を見た。

彼の顔からは血の気が引いていた。血の気だけでなく、理性も意志も何もかも吹き飛んだ、ひどい顔をしていた。

背中を冷たいものが伝う。

この男は駄目だ。とても信じるに値しない。とんでもない男と大事を共にしてしまった。この刹那の森下の泣き顔は、それほどに幼かったのである。