こういう女子はいるよね!っていう女子を取り上げてくれています。
だから共感ができるんですよ。
結婚に関する女性心理を深く突き詰めて教えてくれています。
男的には、結婚をする際に参考になると思いますよ。
また、女子だけの心理だけじゃなく、男子の普通の考えや行動もよくわかっているなって、なるほどと頷くような箇所が多いんですよ。
(よく取材されていますね。経験なのでしょうか!?)
「悪夢じゃなかった?」では、朝起きてみると、男性が巨乳でかわいい女性に変化しているというありえない展開があります。
びっくりしますよね。あるものがなかったり、ないものがあったり……。
でも、毎日ただ会社に行って自宅に帰ってくるような当たり前の日常に、ちょっとしたスパイスの刺激があっていいんじゃないかと。
山内マリコさんのことをもっと好きになれるようなリズミカルでコミカルな小説集でした。
山内さんの次の作品も楽しみにしています。
<目次>
かわいい結婚
悪夢じゃなかった?
お嬢さんたち気をつけて
◎1980年富山県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業後、京都でのライター生活を経て上京。
2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞。
著書に『ここは退屈迎えに来て』、『アズミ・ハルコは行方不明』、『さみしくなったら名前を呼んで』(いずれも幻冬舎)、『パリ行ったことないの』(フィガロブックス)がある。
54-55P
「うん!!!」
こういう瞬間を、何度味わっただろうとひかりは思う。女の子がまぶしいくらいハジけた瞬間。いまにも『ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン』が流れてきて、エンドロールが出てきそうな瞬間。その一瞬は気分最高だけど、それが結局、なに一つ解決していないただの気慰みだってことを、ひかりは知っている。たぶん、たえちゃんも。
「友よ、また会おう!」と言ってひかりは右手を差し出した。
たえちゃんはその手を、固く握り返した。
98P
思わず怖気立った。
裕司には手に取るようにわかるのだ。彼らがあれでも一応、「見ていないフリ」をしているということが。見てはいないけれどたまたま視界に入っているから、そこに意識を集中しているだけで、直視はしてないと思っていることが。そうやって彼らは自分自身を欺きながらおっぱい鑑賞を楽しんでいるんだということが。そして巨乳にノーブラで白Tシャツを着ているような痴女(俺)のことは、自分と同じ人間と思っていないから見てもOK!と判断したってことが。
見世物じゃねえんだよ俺は!
185-186P
「若いうちはつまんない仕事に思えるかもしれないけど、結婚して家庭持ったら、ここのありがたみがわかるから、辞めっちゃダメよ。いまはわかんないかもしれないけどね、この町で年いった女が働ける場所っていうのは、ほんとうに貴重なんだから」
208-209P
あや子は佳彦さんとの交際の不安や不満を吐き出し、ユリは仕事のストレスをまき散らした。飛び出した瞬間に弾けて消えるシャボン玉のような、瞬間的で享受的なお喋りである。男性にしてみれば思考と感情を垂れ流す会話は耳障り極まりないかもしれない。だからこそ、男性の前では決して見せられない腹の底を、はばかることなく開陳して語らうのは、女にとって至福のひとときなのであった。
