朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

年齢を重ねるほど、「自分の時間をどう使うか」が人生の質を左右していくように思います。

誰かの期待に応えようと頑張り続けるのではなく、静かに、気ままに、心のままに過ごす時間を大切にすること。それは決して怠けることではなく、むしろ“これからの人生を自分の手に取り戻す”ための大切な選択なのだと感じました。

 

好きな音楽を何時間でも聴いたり、気になるDVDをゆっくり見たり、読みたい本を思うままに開いたり――。

誰にも邪魔されず、自由気ままに過ごす時間こそが、心を整え、人生を豊かにしてくれる「よい時間の使い方」なのだと思います。

 

128ページ 「孤独に慣れるのもいい 誰もが通る道。今から練習」

テレビや映画を見たり、本を読んだり、音楽を聴いたり。

そんな“一人で過ごす時間”に、少しずつ慣れておきたいと感じました。

一人になると、悲しいことや苦しいこと、あるいは嬉しいことがあっても、それを誰かにすぐ伝えるのではなく、自分の中で受け止め、消化していく必要があります。

孤独とは、老いとともに誰もが通る道であり、生きることそのものに深く結びついた感情です。

避けられないものであるなら、孤独を恐れるのではなく、できるだけ“楽しむ”方向へ心を向けてみませんか。

 

静かに自分と向き合う時間は、思っている以上に人生をしなやかにしてくれるのかもしれません。

 

✦ 目次

まえがき

第1章 我慢はしなくていい(「もうやーめた」のスタンスでいい、一周回って、はじめの自分に戻っていい ほか)

第2章 無理はしなくていい(自慢していい、過去の栄光にしがみついていい ほか)

第3章 気をつかわなくていい(「予定変更」が前提でいい、ぎすぎすしない、南国気質でいい ほか)

第4章 好きな人とだけつき合えばいい(年寄りらしくなくていい、人と違ってていい ほか)

第5章 楽しいことだけすればいい(自分史を書いてみる、ブログを始めてみる ほか)

 

✦ 著者紹介

樋口裕一さん

1951年大分県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、立教大学大学院博士課程満期退学。

フランス文学・アフリカ文学の翻訳家として活動するかたわら、受験小論文指導の第一人者として活躍。

現在、多摩大学名誉教授、東進ハイスクール客員講師。通信添削による作文・小論文専門塾「白藍塾」塾長。

 

生前の著作から選び直され、やさしい言葉で再編集された一冊。悩んだり迷ったりする読者の心に、そっと染みこんでいく温かさがあります。

斎藤茂太さんの言葉には、時を経ても色あせない普遍的な力があります。何度も読み返し、自分の中で「使える言葉」として育てていきたいと思わせてくれます。短いエピソードが添えられており、それぞれの格言の意味が自然と理解しやすくなっているのも特徴です。読み終えるころには、心がじんわりと温まります。

 

● 心に残った言葉

38P 頑張ってもいいが、頑張りすぎてはいけない。 

悪循環から抜け出す基本は、無理をせず、頑張りすぎないこと。

気長に構え、性急な対応を避け、時を待つことが大切だと説いています。

 

50P 精神的な疲れを取るための休み方 

神経の疲れは、睡眠や栄養だけでは解消できない。

そんなときこそ、体を動かす趣味に打ち込むのがいちばん良い休息になる。

 

71P 悪口は「ブーメラン」言えば自分に返ってくる 

「悪口は青銅に書かれ、恩恵は砂に書かれる」

人間関係を壊したくなければ、どんな状況でも悪口を言わないこと。

一度壊れた関係を修復するには、時間も労力も必要になる。

 

172P 「とりあえずの幸せ」「ささやかな喜び」を積み重ねる 

「今」を大切にすることで、「明日」が開けていく。

一日一日の小さな充実感や満足感の積み重ねこそが、未来をひらく大きな鍵になる。

 

● 目次より

はじめにかえて いつかは必ずいい日がやってくる

第1章 いい人生の作り方 

(結論は誰にもわからない。プロセスが楽しいのが人生、「大丈夫。きっと何とかなる」と信じて生きる ほか)

第2章 人間関係 ほどよい距離の見つけ方 

(人づきあいは「つかず、はなれず」がちょうどいい、ライバル意識が自分を向上させる ほか)

第3章 感情の上手な整理整頓 

(捨てておきたい3つの「シー」、腹が立ったことは日記に書く ほか)

第4章 後半生の楽しみ方 

(笑顔にはその人の歩んできた人生があらわれる、物事を面白く見れば世の中は面白くなる ほか)

 

● 著者紹介

斎藤茂太さん

精神科医。斎藤病院元名誉院長。1916年東京生まれ。歌人・斎藤茂吉の長男。

慶應義塾大学医学部で精神医学を専攻し、1955年より斎藤病院に勤務。

日本精神科病院協会名誉会長、アルコール健康医学協会会長、日本旅行作家協会会長などを歴任。2006年逝去。著作は200冊を超える

アフリカでは刑務所に放り込まれ、キューバでは秘密のパーティに参加し、イランでは……。

著者・白石あづささんは、同じ「人間」とは思えないほどの勇気と行動力で、世界のあちこちで驚くような体験をしてきた女性です。

 

もちろん、私たちが同じことをする必要はありません。

ただ、嫌なことがあったとき、あるいは「○○したい」という気持ちが湧いたとき、そこから一度離れられる“第三の場所”を持つことの大切さを、この本は教えてくれました。

(自分にとっての第三の場所。本を読むこと、読書会など)

 

借金から逃げる「夜逃げ」ではないけれど、綿密な計画を立てた「旅」でもない。

普通の旅行とも違う、夜にふと「もう無理」と思って飛び出すような旅。

私はそれを心の中で「夜逃げ旅」と名付けました

 

✦ 外国を旅すると、人は変わる

30ページ:ところ変われば価値観も変わる

まだ困ってもいないのに不安になる私を笑う国がある。

冬に備えて働くアリのような生き方が理解されない国がある。

「困ったら誰かに頼ればいい」と若者が堂々と言う国がある。

良い悪いではなく、世界には自分の知らない価値観がこんなにもある。

旅はそのことを静かに教えてくれました。

 

✦ 「楽しめたかどうか」という基準

63ページ:今日は楽しめたかい?

もしキリマンジャロに登頂できなかったとしても、旅は無駄にはならない。

途中で見た景色、野生のサル、さまざまな国の人との出会い――それらはすべて貴重な体験です。

何かに挑戦するときの基準を「楽しめたかどうか」にすること。

それが、長い人生を豊かにするコツなのだと、世界中の人が集うキリマンジャロで著者は学んだのでした。

 

✦ 目次(簡略)

はじめに 「幸せの壺」より旅に出よう

1 日本の常識が崩壊!? 

アメリカ、ベリーズ、ナミビア、タンザニア

2 中から見ると違う国? 

キューバ、イラン、スーダン、インド、マレーシア、中国、韓国

3 そして、日本再び 

夜逃げ旅のはじまり、会社とイボと世界一周

あとがき 旅と夜逃げと私

 

✦ 著者紹介

白石あづさ

ライター&フォトグラファー。大学卒業後、地域紙記者を経て3年間の世界放浪へ。

アジア、ユーラシア、中南米、アフリカ、南極など、訪れた国は100以上。

 

 

AIが学習と進化を重ね、やがて感情を持ち「人間としての宣言」をする――そんな未来がすぐそこまで迫っているかのような近未来的な内容だった。

 

今回は、高円寺静の孫で判事補の高円寺円、そして警視庁捜査一課の犬養隼人が登場する。

物語の中心となるのは、AI介護ロボットN365「リタ」が被告人となる前代未聞の裁判である。

 

都内で一人暮らしをしていた浅沼啓造が突然死去した。心臓にペースメーカーを埋め込んでいた啓造の死因は虚血性心疾患と判断されたが、そのペースメーカーが停止した原因が、傍らにいたAIにあるのではないか――。こうして、かつてない裁判が幕を開ける。

 

AI化が進む現代では、もはやこれは夢物語とは言えない。

「人を殺したAI」が裁かれる。

AIに感情は存在するのか。

リタの描写を追っていると、「怒り」「嫉妬」「喜び」「恐怖」といった感情を備えているようにも思えてくる。

 

技術がさらに日進月歩で発展したとき、まるで人間のような感情を持つAIが現れる世界が訪れるのだろうか。

人間とAIの境界とは何なのか――そんな問いが胸に残る作品だった。

 

 

 <目次>

一 ヒトならざるもの

二 定常ならざるもの

三 常識ならざるもの

四 人権なきもの

五 知性あるもの

 

著者等紹介

中山七里さん

1961年生まれ、岐阜県出身。『さよならドビュッシー』にて第8回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2010年デビュー

ある本の一部から中身を復元する本屋さん。

タイトル、1ページ、1行、1文など、わずかな手がかりから物語を作り上げていく発想がとても面白い。

 

本の復元依頼シート・整理番号26。

その本は「販売地域が鬼ヶ島のため、僕たちの知っている『桃太郎』とは異なる話」でした。

――これって、どんな本でしたか?

 

そこに描かれていたのは、人間から見れば鬼の一族は“害”であるが、鬼から見れば人間こそが“害”であった、という物語です。

人間は定期的に鬼の村を襲い、暴力の限りを尽くして財宝を奪っていきました。

一方で鬼たちは、理性と自制心を司るツノを持っているため、独断で人間を襲うことはありません。

そんな対照的な姿が描かれていました。

 

また、作中では「人は放っておくと人同士で殺し合い、自滅してしまう」という指摘もありました。

同じ出来事でも、どこから見るかによってまったく違う物語になる――そのことを改めて考えさせられます。

 

昨今の世界情勢を見ていると、人間はツノこそ持っていないものの、本来は理性や自制心を備えているはずです。

それにもかかわらず、歴史から何も学ばず、相反する相手に対して争いや攻撃を繰り返してしまう。

そんな人間の姿を、この物語を通して強く思いました。

 

著者等紹介

又吉直樹さん

1980年大阪府寝屋川市生まれ。吉本興業所属。2003年にお笑いコンビ「ピース」を結成。2015年に芥川賞を受賞。同作は累計発行部数300万部以上のベストセラー。2017年には初の恋愛小説となる『劇場』を発表。2022年4月には初めての新聞連載作『人間』に1万字を超える加筆を施し、文庫化。2023年3月、10年ぶりのエッセイ集となる『月と散文』を発売

ヨシタケシンスケさん

1973年神奈川県生まれ。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。2013年『りんごかもしれない』で絵本作家デビュー。絵本作品『りゆうがあります』『もうぬげない』、イラスト集『デリカシー体操』、エッセイ『思わず考えちゃう』など多数。MOE絵本屋さん大賞、産経児童出版文化賞美術賞、ニューヨーク・タイムズ最優秀絵本賞、ボローニャ・ラガッツィ賞特別賞などを受賞し、海外でも様々な国で翻訳出版されている

 

健康に留意することは大前提としつつ、仕事と趣味が交差するような働き方の中でワークライフバランスを保ち、キャリアの後半戦を「イキイキと、ワクワク・ドキドキしながら」歩んでいきたいと考えています。

この本は、まさにその最適解を探すための指南書でした。

どの年代においても、まず健康的に行動できるかが基本であること。

定年前後のキャリアをどう描くか迷っていた私にとって、企業が60代社員に何を期待し、逆に60代社員が仕事に何を求めているのか──そのリアルを知る大切な時間となりました。

 

収入は60代で平均3割減となるものの、65歳以降に向けて“ソフトランディング”を目指し、収入に過度にこだわらず、自分なりのこだわりや喜びを感じられる仕事に時間を使いたい。

また、「半分現役」として扱われるのではなく、フルタイムであっても通勤時間が短く、残業も適度に行える働き方を選びたい──そんな思いが明確になりました。

 

本書で紹介されていた「エイジングパラドクス」にも深く共感します。

身体的・精神的な衰えがある一方で、60代後半から80代にかけて幸福度が上昇していくという現象。

老年的超越のように、地位や金銭への執着が薄れ、他者とのつながりや社会への貢献を重視する価値観へと移行していくこと。

まさに、世のため人のために働き、後進に席を譲り、若い人を育てていく──そんな生き方に惹かれる自分がいます。

 

 

目次

まえがき

第1章 「ずっと会社員だった60代」は働き続けている

第2章 やはり気になる処遇の変化

第3章 管理職気分が抜けない!?

第4章 現役のような、そうではないような

第5章 会社の60代社員活用施策のゆくえ

第6章 50代、60代でも転職できる?

第7章 辞めちゃうなんてもったいない!?

あとがきにかえて、筆者のリアル

著者等紹介

 

藤井薫さん

パーソル総合研究所シンクタンク本部 上席主任研究員。電機メーカー人事部・経営企画部を経て、総合コンサルティングファームにて20年にわたり人事制度改革を中心としたコンサルティングに従事。その後、ソフトウェア開発企業にて取締役タレントマネジメントシステム事業部長を務める。2017年8月パーソル総合研究所に入社、タレントマネジメント事業本部を経て20年4月より現職。メディアへの寄稿も多数

 

【No2007】定年前後のキャリア戦略 データで読み解く60代社員のリアル 藤井 薫 中央公論新社(2026/02)

 

 

県庁職員として長年勤務してきた著者が、教員免許も教育現場の経験もないまま、突然県立商業高校の校長に就任することになった二年間の奮闘を綴った日記である。

 

学校現場をまったく知らない立場からの“外部者の視点”は新鮮で、生徒・先生・PTAなど、誰を優先するかによって行動が変わっていく学校運営の難しさが率直に描かれている。

 

校長は人事権や予算権を持ち、強いリーダーシップを発揮すれば学校を大きく動かすことができる一方で、

先生や生徒、保護者との間で調整に葛藤する重い役職でもある。

その仕事の複雑さと孤独が、日記形式の文章からひしひしと伝わってきた。

 

また、この“異世界生活”のような二年間の経験が、著者がその後、社会福祉士となり、障害を抱えた青年の保佐人として歩む方向へとつながっていくことが、終章で静かに語られていた。

 

目次

まえがき 県庁職員の「異世界転生」物語

第1章 ある日突然、校長に

(教員免許、持ってません/人事異動/初訪問:学校が私を拒んでいる!? ほか)

第2章 甲子園に出れば学校が変わる!?

(根性なしの就職活動:県庁で働く/慎ましやかな要望:学校運営会議の話し合い ほか)

第3章 学校経営はつらいよ

(定員割れ:受験シーズン到来/学級減:教育振興課からの突然の通告 ほか)

第4章 職員室、保護者に言えない話

(いじめ事案:「いじめ」と「いじり」の境界線/抵抗勢力:部活動の再編 ほか)

あとがき 一炊の夢

 

著者紹介

川田公長さん

1965年生まれ。大学卒業後、地方公務員として某県庁に入庁。

30年以上にわたり行政職として各課に勤務。

55歳のとき、教員免許もないまま突如、県立高校の校長への異動を命じられる。

本書は、その任期2年間における悪戦苦闘のドキュメントである。

 

【No2006】素人校長ばたばた日記 県庁職員教員免許なし、いきなり異動命じられました 川田公長 フォレスト出版(2025/12)

「わたしはこれから京都を極めたいと思っている」。

桜の柄が入った晴れ着の表紙にまず心を奪われた。京都の街を駆け巡る成瀬あかり。彼女なら、きっと長生きしそうだ――そんな予感がした。

 

〈231P 琵琶湖の水は絶えずして〉 

「だがしかし、最近は二百年では足りないと思い始めているところだ」

思わず噴き出してしまった。やっぱり成瀬は成瀬だった。

「うん、いいよ。三百年でも四百年でも生きよう」

四百万年を生きる琵琶湖が、わたしたちにはついている。成瀬はわたしの目を見つめ、何も言わずにうなずいた。

 

京都大学の同期・坪井さくら、大学達磨研究会の梅谷誠、YouTuberぼきののか=立命館大の田中ののか、『そういう子なので』に登場した成瀬の母、祖母、母の妹・咲子、そして成瀬を想う西浦。

物語が終わると思うと、胸に寂しさが残る。最後には、これまで関わってきた登場人物が勢ぞろいし、特に成瀬と島崎のコンビは唯一無二だと改めて思った。

 

成瀬の行動力、発想力、人間的な魅力に強く引き込まれた。もし知り合えたなら、ぼくはきっと友達になりたいと思うだろう。出会った人たちとすぐに仲間になり、周囲を明るく照らす。

人を惹きつける力――成瀬はまるで太陽だ。彼女の周りに自然と人が集まってくる様子が、この比喩ひとつで鮮やかに伝わる。

 

〈187P 親愛なるあなたへ〉 

「成瀬氏の栄誉に拍手」

和装の男の号令で一同が拍手する。俺もつられて手を叩くと、成瀬さんは「ありがとう」とゆっくり頭を下げた。

成瀬さんは太陽みたいだ。いつも真ん中にいて、人を引き付けてやまない。俺が成瀬さんを好きなように、みんなも成瀬さんが好きなのだ。

どて煮を食べ終えた成瀬さんはリュックを背負い、立ち上がる。

「わたしはもう寝る時間が近いので帰る」

 

成瀬は誰にも影響されず、成瀬らしさを貫いている。

彼女が名言を発した瞬間にも、すぐ気が付いた。

たとえ良い結果が出なくても、それをしようと考え、実際に行動してきた過程こそ大事だと、ぼくも思う。

 

〈71P 実家が北白川〉 

「わたしは大きなことを百個言って、ひとつ叶えればいいと思っているんだ」

街灯に照らされた成瀬氏の横顔には確固たる意志が宿り、私たちには到底届かない場所にいるように見えた。

「みんなは『極める』という到達点に注目するのだが、わたしはそこに至る道が重要だと思っている。ゴールにたどり着かなくても、歩いた経験は無駄じゃない」

一分の隙もない説明に、私は身震いした。

「そ、それは素晴らしい心がけだ」

 

期待していた三冊目を、ようやく読むことができた。

成瀬の成長を、自分の加齢とともにこれからも見ていきたい――そう思っていた。

三部作で成瀬シリーズが完結してしまうのは、とても残念で寂しい。

 

目次 

1 やすらぎハムエッグ

2 実家が北白川

3 ぼきののか

4 そういう子なので

5 親愛なるあなたへ

6 琵琶湖の水は絶えずして

 

著者紹介 

宮島未奈さん

1983年静岡県富士市生まれ。京都大学文学部卒。2021年「ありがとう西武大津店」で第20回「女による女のためのR-18文学賞」大賞・読者賞・友近賞をトリプル受賞。2023年、同作を含む『成瀬は天下を取りにいく』でデビューし、第39回坪田譲治文学賞、第21回本屋大賞ほか多数の賞を受賞。2024年に続編『成瀬は信じた道をいく』を刊行。本書は「成瀬あかりシリーズ」三作目にあたる。

絶体絶命の状況で、これまで培ってきた“営業力”と“理論”を武器に、どうにか命をつないでいく――そんなシーンの連続に、気づけばページをめくる手が止まらなかった。

 

とりわけ印象に残ったのは、凄腕営業マン・鳥井が、殺人を請け負う裏社会のプロと対峙する場面だ。

銃口を向けられ、逃げ場のない状況にもかかわらず、鳥井は静かに言い放つ。

 

「ここで私を殺したら、あなたは必ず後悔します」

 

その一言から始まる“営業トーク”は、もはや交渉術を超えて、生存戦略そのものだった。

そして鳥井は、まさかの「殺し屋専門の営業マン」として裏社会に足を踏み入れていく。

 

物語は終盤まで、まるでノンストップのカーチェイスのように危険な展開が続き、読者を一瞬たりとも休ませてくれない。

他の読者の感想でも「テンポの良さ」「キャラクターの魅力」「営業という日常的なスキルが極限状況で光る面白さ」が多く語られていたが、まさにその通りだと思う。

 

読み終えたあと、久しぶりに胸の奥がスッと晴れるような心地よさが残った。

これは面白い――そう素直に言いたくなる一冊だった。

 

<目次>

第一章

第二章

第三章

江戸川乱歩賞の沿革および選考経過

江戸川乱歩賞受賞リスト

第72回江戸川乱歩賞応募規定

著者等紹介

 

著者紹介

野宮 有さん

1993年、福岡県生まれ。

第25回電撃小説大賞で選考委員奨励賞を受賞し、『マッド・バレット・アンダーグラウンド』でデビュー。

現在「少年ジャンプ+」にて漫画原作者として『魔法少女と麻薬戦争』を連載中。

動物行動学の視点から、人間社会で差別や偏見の目で見られがちな現象がどのように説明できるのかを紹介していた。

著者は、一般的には“役に立たない”あるいは“害になるのでは”と思われる性質であっても、一定の割合以上存在するものはエラーではなく、必ず何らかの意味があると述べている。

「(男性同性愛や統合失調症などで)全体の1%くらいより多く存在する性質は、たとえそれが何の役にも立たないと思われる性質、むしろ害になるのではないかという性質であってもエラーではない。必ず何か意味がある。また意味があるからこそ存在しているのです。」

 

 

目次

はじめに 「尋常ではないモテ方」をする人がいるのはナゼ

1章 オトコにはわからないオンナの本能―声の良さ、顔の良さ、匂い…で見分ける(不倫、不倫と言うけど、そんなに悪いこと?夫への不満は浮気で解消―? ほか)

2章 モテない、相手にされない―フェミニズムの復讐―保守もリベラルも動物行動学で一刀両断!(上野千鶴子さんの最大の目的は“女としての活動”を妨害すること、リベラル左翼男性は女にモテない ほか)

3章 繁殖戦略はオトコよりオンナのほうが優る―少子化対策はこれで決まり!(セックス回数の世界的減少―人類の進化はどうなる?イーロン・マスクさん、日本は消滅しませんよ! ほか)

4章 科学は自由で、なんでもありの世界―同性愛にも遺伝的要素のかかわりが(科学とはウソをつくことである、チャットGPTの衝撃!人類はもはや新しいフェーズに入った ほか)

5章 “お人よし国家”日本の危機を救うのは女たちだ―反日外国勢力に呑み込まれないために(安倍晋三元首相の暗殺―足元をゆさぶられても目覚めぬ日本人、秋篠宮家バッシングの真の狙い ほか)

 

著者紹介

竹内久美子さん

動物行動学研究家。

1956年愛知県生まれ。京都大学理学部卒。同大学院で動物行動学を専攻。

1992年『そんなバカな!遺伝子と神について』(文春文庫)で第8回講談社出版文化賞「科学出版賞」受賞。

 

 

【No2003】なぜモテるのか、さっぱりわからない男がやたらモテるワケ 動物行動学で語る“男と女”竹内久美子 ワック(2023/06)