県庁職員として長年勤務してきた著者が、教員免許も教育現場の経験もないまま、突然県立商業高校の校長に就任することになった二年間の奮闘を綴った日記である。
学校現場をまったく知らない立場からの“外部者の視点”は新鮮で、生徒・先生・PTAなど、誰を優先するかによって行動が変わっていく学校運営の難しさが率直に描かれている。
校長は人事権や予算権を持ち、強いリーダーシップを発揮すれば学校を大きく動かすことができる一方で、
先生や生徒、保護者との間で調整に葛藤する重い役職でもある。
その仕事の複雑さと孤独が、日記形式の文章からひしひしと伝わってきた。
また、この“異世界生活”のような二年間の経験が、著者がその後、社会福祉士となり、障害を抱えた青年の保佐人として歩む方向へとつながっていくことが、終章で静かに語られていた。
目次
まえがき 県庁職員の「異世界転生」物語
第1章 ある日突然、校長に
(教員免許、持ってません/人事異動/初訪問:学校が私を拒んでいる!? ほか)
第2章 甲子園に出れば学校が変わる!?
(根性なしの就職活動:県庁で働く/慎ましやかな要望:学校運営会議の話し合い ほか)
第3章 学校経営はつらいよ
(定員割れ:受験シーズン到来/学級減:教育振興課からの突然の通告 ほか)
第4章 職員室、保護者に言えない話
(いじめ事案:「いじめ」と「いじり」の境界線/抵抗勢力:部活動の再編 ほか)
あとがき 一炊の夢
著者紹介
川田公長さん
1965年生まれ。大学卒業後、地方公務員として某県庁に入庁。
30年以上にわたり行政職として各課に勤務。
55歳のとき、教員免許もないまま突如、県立高校の校長への異動を命じられる。
本書は、その任期2年間における悪戦苦闘のドキュメントである。
【No2006】素人校長ばたばた日記 県庁職員教員免許なし、いきなり異動命じられました 川田公長 フォレスト出版(2025/12)
