本でした | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

ある本の一部から中身を復元する本屋さん。

タイトル、1ページ、1行、1文など、わずかな手がかりから物語を作り上げていく発想がとても面白い。

 

本の復元依頼シート・整理番号26。

その本は「販売地域が鬼ヶ島のため、僕たちの知っている『桃太郎』とは異なる話」でした。

――これって、どんな本でしたか?

 

そこに描かれていたのは、人間から見れば鬼の一族は“害”であるが、鬼から見れば人間こそが“害”であった、という物語です。

人間は定期的に鬼の村を襲い、暴力の限りを尽くして財宝を奪っていきました。

一方で鬼たちは、理性と自制心を司るツノを持っているため、独断で人間を襲うことはありません。

そんな対照的な姿が描かれていました。

 

また、作中では「人は放っておくと人同士で殺し合い、自滅してしまう」という指摘もありました。

同じ出来事でも、どこから見るかによってまったく違う物語になる――そのことを改めて考えさせられます。

 

昨今の世界情勢を見ていると、人間はツノこそ持っていないものの、本来は理性や自制心を備えているはずです。

それにもかかわらず、歴史から何も学ばず、相反する相手に対して争いや攻撃を繰り返してしまう。

そんな人間の姿を、この物語を通して強く思いました。

 

著者等紹介

又吉直樹さん

1980年大阪府寝屋川市生まれ。吉本興業所属。2003年にお笑いコンビ「ピース」を結成。2015年に芥川賞を受賞。同作は累計発行部数300万部以上のベストセラー。2017年には初の恋愛小説となる『劇場』を発表。2022年4月には初めての新聞連載作『人間』に1万字を超える加筆を施し、文庫化。2023年3月、10年ぶりのエッセイ集となる『月と散文』を発売

ヨシタケシンスケさん

1973年神奈川県生まれ。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。2013年『りんごかもしれない』で絵本作家デビュー。絵本作品『りゆうがあります』『もうぬげない』、イラスト集『デリカシー体操』、エッセイ『思わず考えちゃう』など多数。MOE絵本屋さん大賞、産経児童出版文化賞美術賞、ニューヨーク・タイムズ最優秀絵本賞、ボローニャ・ラガッツィ賞特別賞などを受賞し、海外でも様々な国で翻訳出版されている