☆それは秘密の 乃南アサ 新潮社(2014/08)★ | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。



男女の恋心をくすぐる9つの短編集。



「それは秘密の」― 台風の影響で土砂崩れに合い遭難した、見知らぬ男女が一夜を過ごした物語がぼくは好き!




ぞくぞくしたりドキドキするくらいに心理描写がうまいな!




十分に楽しませてくれましたよ。





 <目次>


ハズバンズ 60


ピンポン 6167


僕が受験に成功したわけ 69107


内緒 109114


アンバランス 115154


早朝の散歩 155161


キープ 163194


三年目 195200


それは秘密の 
201249






◎1960年、東京生まれ。

早稲田大学中退後、広告代理店勤務などを経て作家活動を開始。

88年、『幸福な朝食』が日本推理サスペンス大賞優秀作に選ばれる。

96年、『凍える牙』で直木賞受賞。

2011年、『地のはてから』で中央公論文芸賞受賞




14P

彼女は二歳上だから、もう四十三になっているはずだった。これまでもメールや電話では時折やり取りをしてきたが、こうして久しぶりに会ってみると、まず、今の女房との違いを一番に感じた。まったく、真逆なタイプなのだ。そして今、女房のお蔭で得られている安らぎは、この女からは絶対に得られなかったのだということも、今になってみればよく理解出来る。つまり、別れて正解だったということだ。あのときはあんなに落ち込んだが。






181P

どうして私が、こんな目に遭わなければならないのだ。こんな、理不尽な。

ほんの少しだけポジションが高くなることを密かに喜んでいた頃が、今となっては恨めしい。こんなことなら、平社員に毛の生えた程度で結構だった。誰からも大して期待されない代わりに、妙な責任を押しつけられることも、変な人間関係に巻き込まれることもなかった方が、ずっと快適だった。