青春時代の甘酸っぱい思い出が蘇ります。
学生時代には見えてこなかった箇所や理解することができなかった男女の機微、意味が分からなかった三四郎や美禰子の行動などが、読み返すとなんとなく腹に落ちてくるようになりました。
だんだんと年齢を重ねてすこしずつ経験を積み重ねていくと、いわゆる行間を読めるようになってきました。
書かれていない出来事や心理、また文字情報が少ないところは、頭のなかで風景がちゃんと色がついてはっきりと見えてくるように想像で補えるようなってきました。
14P「あなたは余っ程度胸のない方ですね」
94P~ 三四郎には三つの世界が出来たこと。母のいる九州の「故郷」。野々宮や広田のいる「学問」の世界。そして「華美」な世界。
138P~ 菊人形を広田、野々宮らと見物に出かけるが、途中で美禰子と三四郎がエスケープしてしまうところ。
「責任を逃れたがる人だから、丁度好いでしょう」
337P「迷える子・ストレイシープ」
読み応えがあった部分や印象に残った文章がいくつもありましたし。
三四郎がどういう人物だったか、また、美禰子がどういう人物だったのか、そしてこの二人の関係はどういうものだったのか。
語るのはなかなか難しいのですが、これらからこの本を読み解くヒントがあるものと思います。
それぞれの人の思いで感想を語ればいいのです!
古典本は、過去から現代にちゃんと受け継がれています。
それらは、いいものだからこそずっと受け継がれるんですね!
◎1867‐1916。江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)に生れる。
帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学した。
留学中は極度の神経症に悩まされという。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。
1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表し大評判となる。
翌年には『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。
’07年、東大を辞し、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。
