リアリティさの内容と非現実的であってほしい内容との矛盾を孕んだ小説です。
繋がっているからこそ、前著の「原発ホワイトアウト」を読んでからこれを読んだほうが断然面白い。
東日本大震災の教訓を活かしているのか!と、再度、彼から警笛を鳴らしています。
同じ悲劇を繰り返してはいけない!
「愚者は経験に学び、賢者は歴史から学ぶ」
この大切さを彼が強く訴えているように感じてなりません。
<目次>
プロローグ
第1章 避難計画の罠
第2章 洗脳作業
第3章 電力迎賓館
第4章 発送電分離の闇
第5章 天皇と首相夫人と原発と
第6章 再稼働に隠された裏取引
第7章 メルトダウン再び
第8章 五〇人の決死隊
第9章 黒い雪
第10章 政治家と官僚のエクソダス
第11章 無法平野
第12章 裏切りの国政選挙
終 章 東京ブラックアウト
◎東京大学法学部卒業。国家公務員Ⅰ種試験合格。霞が関の省庁に勤務。著書に「原発ホワイトアウト」がある。
「過去に目を閉ざす者は、現在に対しても盲目となる(リヒャルト・フォン・ワイツゼッカー)」
9P
「このあと数時間で、東京の都市機能は失われるっ。いいか、これは命令だ……いや、土下座して頼むっ、おまえと芳樹だけは、何とか生き残ってほしいんだ。原発再稼働が殺すのは、実は大都市の住民なんだ!」
248P
官邸のオペレーションルームでは、爆発が起きた原発災害を指揮するよりも、むしろ首都圏のパニック鎮圧の方策に、力点が移っていた。
戦争、内乱、恐慌、大規模な自然災害など、平時の統治機構をもって対処することが困難な非常事態には、国家の存立を維持するために、国家権力が憲法秩序を一時停止して、非常措置をとることが必要だ。この非常措置をとる権限が、国家緊急権として、諸外国の一部では憲法に明記されている。
しかし日本の場合、国家緊急権は、現行日本国憲法のもとでは規定されていない。(中略)
しかしパニックの現実を前にしては、このような個別の規定は、まったく無力なものであった。平常時の想像力では予期できない出来事、それが次々起こるのが、まさに国家存亡の危機なのである。









