☆アイネクライネナハトムジーク 伊坂幸太郎 幻冬舎(2014/9)☆ | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。




アイネクライネナハトムジーク=ある小さな夜の曲


モーツァルトの曲の中にありますね。


彼の楽曲の中でも非常に有名な曲の一つ。



短編集で、ひとつひとつが優しいお話。



それぞれの話におもしろみがあります。



読み進めていくと、登場人物が繋がりはじめます。



これはわりと軽く読める本です。



 <目次>


アイネクライネ 44


ライトヘビー 4585


ドクメンタ 87121


ルックスライク 123165


メイクアップ 167210


ナハトムジーク 211282




◎1971年千葉県生まれ。「オーデュボンの祈り」で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。「ゴールデンスランバー」で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞を受賞





110P


一度目の偶然は許されるが、二度目の偶然は許されない。藤間は以前、古い本を読んでいた際、推理小説家がそう述べているのを読んだことがあった。現実には、偶然が重ねることなどいくらでもあるように感じられたが、推理小説の作法としては誤りなのだろう。


今回は、と藤間は出勤前に玄関のカレンダーを眺めて、思った。今回は。偶然に期待するのではなくて意図的に、あの女性と再会してみようか、と。





179P


よろしくお願いいたします。とお互いが穏やかに挨拶をし合うのは、平和な瞬間に感じられた。果たして、この会社がプレゼンで、仕事を得るのかどうか分からないのだから、どこか申し訳ない気持ちになる部分はあった。二股をかけ、どっちつかずの対応をしているような、もちろんそういった経験はないものの、罪の意識を覚えた。


「そのこと」に気づいたのは、名刺交換の終わりかけだった。息が止まるほどの驚きを感じたにもかかわらず、声を上げるのをこらえ、挙動不審になることもなかったのは、自分を褒めてあげたいほどだった。頭の中が空っぽになるというよりは、脳の中で、目に見えぬ何かが炸裂し、言葉という言葉が散り散りになったのを必死に掻き集め、どうにかこうにか平静を装い、挨拶をした。