朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -131ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

深い教養がなければ海外の要人とは渡り合えないことがわかりました。

佐藤優さんの「教養」の定義に圧倒され目から鱗が落ちました。

ぼくは、いろいろなモノの意味を知っていることや、何かを判断するときに必要な知識があればそれが教養なのだという程度でしか考えていませんでした。

彼は、かつて外交官としてロシアなどの海外の要人と懇意となり同等の立場で修羅場を渡り合ってきました。

そのときには、仕事はもちろんのこと、自国や他国の歴史や古典、文化、宗教、哲学、芸術に関する書物を読んで、付け焼刃ではない根本的な素養を実際に身につけてきたのが役立ったのです。

 

3P

「教養とは、措定以外の出来事に適切に対処する力である」

それまで経験したことのない状況や出来事に対して、どう判断しどう行動するか。単に知識の断片があるだけでは対応できない。情報力、洞察力、想像力、分析力、判断力など、その人の全人格、能力が試され、「総合知」が不可欠になる。それがすなわち教養だと私は考える。

 

 <目次>

まえがき

第1章 作家をつくる本の読み方

第2章 外交官をつくる本の読み方

第3章 人間をつくる本の読み方

第4章 教育者をつくる本の読み方

第5章 教養人をつくる本の読み方

第6章 キリスト教者をつくる本の読み方

 

1960年東京都生まれ。作家、元外務省主任分析官。85年、同志社大学大学院神学研究科修了。外務省に入省し、在ロシア連邦日本国大使館に勤務。その後、本省国際情報局分析第一課で、主任分析官として対ロシア外交の最前線で活躍。2002年、背任と偽計業務妨害容疑で逮捕、起訴され、09年6月有罪確定。『国家の罠』(新潮社)で第59回毎日出版文化賞特別賞受賞。『自壊する帝国』(新潮社)で新潮ドキュメント賞、大宅壮一ノンフィクション賞受賞。他の著書に「自壊する帝国」「人に強くなる極意」など。

こんまりさんの著書『人生がときめく片づけの魔法』の服や家を片づけると人生がときめく!という考えと同様に、ワークスペースについても片づけると仕事がときめく、うまくいくということです。

 

デスク上やPCのデスクトップ、書類、書棚などが煩雑で散らかっているならば、ときめく必要なモノを残して整理・整頓したらよいのです。

こうすれば、モノの選択に迷わず時間の節約ができ仕事の効率や気持ちよく働きやすいのではないかと思います。

 

ときめく働き方の実現に近づけるように、この「残すべき3つのモノの基準」を参考にして、まずは机の上から片づけをしていきたいものです。

 

60-62P 残すモノの選び方

片つけで大事なのは、残すモノを選別するときに、あなたの幸せにつながるモノを選ぶこと。そして残したモノに対して、前向きになれる考え方を身につけることです。

(中略)

「まっすぐときめき」(それ自体にときめきを感じるモノ、お気に入りのペンやデザインが好きなメモ帳など持っているだけで気分がハッピーになる、ときめきに直結するモノ)

「機能的ときめき」(機能の面で役に立つモノ。ホチキクの芯や業務用ガムテープなど日々の業務であなたをサポートし「これがあるおかげで安心して仕事ができる」と思えるモノ)

「未来のときめき」(あなたのときめく未来につながっているモノ。あまり気が進まないプロジェクトに関連する書類なども、その仕事をやりとげることでキャリアアップにつながったり、信頼感が得られたりするという未来が描けるモノ)

のこの三つを、ワークスペースの片づけにおいて残すべきモノの基準として覚えましょう。

(中略)

要するに、あなたが仕事をする上で、ポジティブな役割を果たしてくれているモノかどうか。片づけをするのは、たんにモノを捨ててデスクをスッキリさせるためだけではなく、あなたのときめくワークスタイルの実現のためにするのだということを、いつでも忘れないようにしてください。

 

 <目次>

はじめに 

読者のみなさんへ

第1章 どうして、片づけが必要なのか?

第2章 片づけでリバウンドしないために

第3章 仕事場を片づける

第4章 デジタルデータを片づける

第5章 時間を片づける

第6章 決断を片づける

第7章 人脈を片づける

第8章 会議を片づける

第9章 チームを片づける

第10章 片づけの魔法をシェアする

第11章 もっと仕事で“ときめく”ためには

おわりに 

謝辞

訳者あとがき

原注

 

 

 

近藤麻理恵

オンラインコミュニティ「こんまりサロン」主宰。19歳から片づけコンサルティング業務をスタート。大学卒業後は一般企業の営業職としてダブルワークをしながら、オフィススペースと個人宅の片づけコンサルタントとして活動し、独立。著書『人生がときめく片づけの魔法』は世界40ヶ国以上で翻訳され、1,200万部突破のベストセラーに。2015年に米『タイム』誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出。Netflixにて自身の冠番組を持ち、当番組はエミー賞2部門にノミネートされるなど、世界規模での片づけブームを巻き起こしている

 

ソネンシェイン,スコット [Sonenshein,Scott]

ライス大学経営学院教授(ヘンリー・ガーデナー・シモンズ・プロフェッサー)。バージニア大学卒業後、ケンブリッジ大学で修士号を、ミシガン大学で組織行動論の博士号を取得。研究、教育、講演の各分野で数多くの受賞歴がある。創造力を発揮し、既存のリソースを最大限に活用することによって働き甲斐を発見し、成功へと近づく方法を、多くの人に示してきた。戦略コンサルタントとして活躍した後、シリコンバレーのマーケティング関連スタートアップ企業に参加

 

古草秀子

翻訳家。青山学院大学文学部英米文学科卒業。ロンドン大学アジア・アフリカ研究院(SOAS)を経て、ロンドン大学経済学院(LSE)大学院にて国際政治学を専攻

 

Joy at Work 片づけでときめく働き方を手に入れる 近藤麻理恵 スコット・ソネンシェイン 古草秀子訳 河出書房新社(2020/09

「事故物件怪談 恐い間取り」が、KAT-TUNの亀梨和也さん主演で映画化に。

初顔合わせのときに、亀梨さんから事故物件住みます芸人の松原タニシさんにこのような質問がありました。

 

315P

「事故物件に住むにあたり、周りの大切な人達を巻き込むことになるかもしれないことに対してどういう気持ちでいましたか?」

 

「事故物件に住んでいるから災いが伝播すると考えるより、もしそうだとしても事故物件を悪者にするんじゃなくて、当たり前に付き合っていくしかないのかなと思っています」

と松原さんから亀梨さんへの返答がありました。

 

当たり前としてなかなか付き合えないのが普通の感覚だと思います。

経験したことがないことや目に見えないものは、背中がゾクゾクとするように気持ちが悪いものです。

読書をするようにして経験したことがなくわからないことを知りたいという気持ちがあります。

 

「転ばぬ先の杖」になるのか。

例えば、アパートの家賃が近所と比較して極端に安いのは、なにかしら理由があるかもしれない。

知らない、わからないからと無条件に住んでみて、とんでもない事が起こったらどうするのか!

そうならないように、本からの知識や自分の第六感を大切にしてきたならば

単なる興味本位でも関わりたくないし、軽い気持ちでも近づきたくないのが本音だと気づきました。

 

3-4P

(事故物件 恐い間取り)

何故、興味を持つのか。

それは関わりたくないから。

何故、関わりたくないのか。

できるだけ避けたいから。

でも避けているだけで実態がわからない。

わからないから余計に怖い。

怖いからこそ、知りたい。

知りたいけどもちろん自分は住みたくない。

 

松原さんが住んでいた前作の5軒から10軒に増えていました。

前作の5軒をさらに再調査のうえ、これまで生活してきた事故物件からの恐ろしい体験や実際に事故物件に住んでいる人を取材した不思議な話などを踏まえそれらの間取りつきで淡々と紹介しています。

 

 <目次>

はじめに 

第1章 僕と事故物件(事故物件六軒目、事故物件七軒目、西成の長屋 ほか)

第2章 誰かの事故物件(花火大会、濡れる部屋、安い部屋 ほか)

第3章 事故物件の旅(新潮社クラブ、板張りの部屋、御神木ツリーハウス ほか)

あとがき

 

 

1982年4月28日、兵庫県神戸市生まれ。松竹芸能所属のピン芸人

現在は「事故物件住みます芸人」として活動。

2012年よりテレビ番組「北野誠のおまえら行くな。」(エンタメ~テレ)の企画により大阪で事故物件に住みはじめ、これまで大阪、千葉、東京、沖縄など10軒の事故物件に住む。

国内・国外500以上の心霊スポットを巡り、インターネット配信も不定期に実施。

事故物件で起きる不思議な話を中心に怪談イベントや怪談企画の番組など多数出演する。

ラジオ関西「松原タニシの生きる」、CBCラジオ「北野誠のズバリ」、YouTube・ニコニコ生放送「おちゅーんLIVE!」などレギュラー出演中。

現代版「君たちはどう生きるか」だ。

カバー絵は「漫画 君たちはどう生きるか」の羽賀翔一氏。

 

おもに三人が関わる物語で文章が綴られている。

まずは、弟のメッシくん。将来の夢はJリーガー。毎日沿道を走るのが日課にしており、静かにコツコツと努力を重ね真面目で正義感が強い子だ。サッカーのクラブチームのジュニアユースに所属している中学二年生。

次に、兄のゴッホくん。将来の夢は、画家か漫画家。マイペースでおしゃべり好きで友達が多いが、暇さえあれば絵を描いている。美術部とバドミントン部を掛け持ちしている高校二年生。

最後に、二人の近所の古本屋「人生堂」の店主、サイトウさん。眼鏡をかけヨレヨレであるが清潔感がある白いワイシャツにチノパンを履いている年齢不詳のおじさん。本が大好きで本の素晴らしさ、面白さ、良さなどを伝えられる仕事をしたいと思っていてその夢を実現した。

 

サイトウさんは、メッシくんたちと話をしたり手紙を書いたりしながら、コンプレックス、いじめ、進学、恋愛、身近な人の死など彼らのさまざまな悩み相談に対応している。

 

また、問題の解決に向けて、ニーチェ、ゴッホ、デカルト、レオナル・ド・ダビンチ、ヘレン・ケラー、黒柳徹子、宮沢賢治、宮崎駿、中村哲、森鴎外、棟方志功、夏目漱石、志賀直哉、福沢諭吉などの著名人や偉人たち言葉を引用しながら、さりげなくアドバイスしていくのだ。

 

メッシくんやゴッホくんが、何か不思議なご縁に導かれて、多感な思春期にサイトウさんと出会い交流できたことは大切な意味のあることだった。

彼らが成長していくうえで可能性が広がる道具を手に入れられる岐路に立ったと思うからだ。

 

名言、格言が至るところに散りばめられており、青少年はもちろんぼくが読んでもハートが熱くなってきて、日々生きていくうえでのヒントが見つけることができる良書だった。

 

 <目次>

プロローグ

1 ポジションはベンチ―自己実現と友情

2 どこに向かうべきか―夢と進路

3 世の中はしょせんお金?―貧困と教育

4 受験勉強は時間の無駄?―芸術と哲学

5 いじめはなくなるのか―多様性と共存

6 好きな女の子ができた!―あこがれと恋

7 地球で暮らすということ―環境と人間

8 ひいおばあちゃんの死―生きること、死ぬこと

あとがき

 

 

明治大学教授。1960年、静岡生まれ。東京大学法学部卒業。東京大学大学院教育学研究科博士課程等を経て現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。『声に出して読みたい日本語』『身体感覚を取り戻す』(新潮学芸賞受賞)など著書多数。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導

歴史とは、なぜ靴なのか!

靴は、実用品だから。

靴を履くことは、みんな当たり前だから。

靴が傷つかないように足を守ってくれるから。

靴を履いた方が道を裸足よりも歩きやすいから。

靴を履いた方がかけっこしやすいから等々……。

 

各自にこういう風に考えさせる授業を受けた高校生たちは、さぞかし幸せだったのではないか。

多感な青春時代に、これからの人生を歩む指針というべきものを示してくれる授業だった。

歴史は単純に記憶するのではなく、生きて行く上でとても役に立つ学問だということが、磯田先生の丁寧でわかりやすい説明から生徒たちに伝わったと思うからだ。

 

42P 歴史とは靴である

人間にはそれ(過去や歴史の体験から考えると未来の危険の予測がつくこと等)ができます。

ですから歴史とは、世間を歩く際に、足を保護してくれる靴といえます。

なにごとも歴史的な考え方は大切になります。常日ごろから、時間と空間を飛び越えて、似たようなことはないかなと考えながら暮らすと成功パターンも知れ、危険が避けられ、成功しやすいのです。

 

史実があれば、勝者だけでなく敗者などの他者の目線で客観視して、ものごとを総合的に俯瞰することによって偏りが少ない正確な判断ができるようになる。

このやり方は、歴史だけでなくそれ以外の生活していくなかでも結構活用ができる。

 

47P 矛盾が大事

問題なのは、史実はひとつですが、どこを見るかで、ずいぶん違った話になります。ここに重要な点があります。

自分に都合のいい史実だけを見ようとすると、見えるものが、とても少なくなってしまう点です。双方の利害、複数の視点で物事を見なくてはなりません。勉強でも学問ですここが急所です。そしてここから先がほんとうに大事です。自分にとって有利な情報も、有利でない情報も、両方しっかり見なくてはいけません。

(中略)

歴史とは、けっきょく、他者理解です。なるべく自分から離れて異時空を生きた人びとの了見をも理解しようとしたほうが、情報量が多くなり、客観性が増し、歴史認識が深まります。

 

 <目次>

歴史と人間(植木鉢の破片じゃなくて、空間や時間を飛び越せる動物、記号、シンボル、抽象化、針とビーズ ほか)

休憩中の会話(「これが好きだ」というものを、真剣に追いつづけられたら幸せです)

歴史の「現場」(ニセモノはなぜ生まれるか、一次史料と二次史料、「いまだから言える」ということ、すべてが史料になりうる ほか)

図版出典一覧

 

 

1970年、岡山県生まれ。歴史家。国際日本文化研究センター准教授。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。『武士の家計簿』(新潮新書)で新潮ドキュメント賞、『天災から日本史を読みなおす』(中公新書)で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。ほか著書多数。該博な知識と親しみやすい語り口で、テレビでも多くの視聴者に歴史の意味と愉しさを伝えている。

十三年前の夏、小学四年生だった吉井百合は、当時警察官だった男に誘拐された。

地獄のような5年の歳月、その男の自宅に監禁されて弄ばれた。

現在は、歌舞伎町の男装クラブ「クロスの薔薇」で働いている。

あの悪夢がよみがえる。悪意がまた忍び寄る。不幸な者をさらに不幸に追いやるために。

必死に自活する彼女の身辺では、犯人の谷藤の仮釈放と同時期に奇怪な出来事が続いていた。

無言電話や姿なき足音、首を切られたテディベア。

ルームメイトの芦川真優と舘林累の二人が次々と失踪してしまった……。

 

初期からよく顔を出していて、関係者の近くに当たり前のようにいて主人公と親しくしているような人物がじつは犯人だったのか。

よくあるミステリーだが、気持ちが悪くなるくらいにサイコ的な展開だった。

真犯人が彼だったのは、最後まで読まなければわけがわからなかった。

傷ついた人に対してさらに塩を塗りもみ込み続けるように、痛みがあればさらに拡張させて、人の弱みに付け込んで弄んで快楽を感じるような悪魔のような生き物がいた。

最近起きている犯罪から推測すると、フィクションの世界だけでなく、ノンフィクションの世の中にいてもおかしくないのではないかと感じた。

 

 <目次>

第一章 過去

第二章 仮釈放

第三章 訪問者

第四章 魚眼

第五章 錯誤

第六章 残虐

エピローグ

 

1951年東京都生まれ。一橋大学法学部卒。東京大学大学院(比較文学比較文化専門課程)修了。現在、法政大学国際文化学部教授。専門は比較文学、アメリカ文学。研究者としての論文・訳書多数。2012年、『クリーピー』で第15回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞、作家として本格デビュー

トヨタの「カイゼン」は、徹底的に無駄をなくして、改善事例を積み重ねていくものです。

すべての人が「楽に」「楽しく」生きられるヒントとなります。

カイゼンは、小さなことでもよいから少しでも前にすすめばよく、仕事の現場で時には失敗したり成功したりして行動しながら考えていくものです。

 

物事はいつもの正面ばかりでなく、側面や後方に回って観察すると、これまでと違った視点で見直すことができます。

いままで見えなかったことが露わになってくるからです。

例えば、仏像を見ているとわかります。正面、側面、上部、下部、背面から光を当てて見てみると、その表情や姿が、角度によってやわらかくも厳しくも変化するものなのです。

 

自動車などの製造業はもとよりサービス業も含め、あらゆる職場や学校、家庭、生活において、この「カイゼン」は実践できるものだと思います。

 

 

 

69P 精神論はいらない

大野はこう答えた。

「人に仕事を頼むとする。できなかったやつは必ず、『でも、僕は一生懸命やったんですよ』と言い訳をする。だから、オレは言わない。『できるようにやれ』。そういうだけだ」

自分が言われる立場であれば、「頑張れ」「一生懸命やれ」と怒られるより、「できるようにやれ」と言われた方がはるかにつらい。言い訳ができないからだ。

トヨタ生産方式を体系化して、広めた大野耐一とはそういう男だった。

「自動車を作るスピードはどう考えればいいのですか?」

大野の答えはひとことだった。

「売れる速度で作れ」

 

 

 <目次>

第1章 トヨタ生産方式の「カイゼン」とは何か

第2章 横着者ほどカイゼンがうまい

第3章 常識は敵だ

第4章 ためてはいけない

第5章 それでもたまってしまったら

第6章 大事なのは違和感と嫌悪感

第7章 人間相手の仕事をカイゼンする

第8章 会議を減らす

第9章 管理職をカイゼンする

第10章 日常生活だってカイゼンできる

第11章 危機管理のカイゼン

第12章 カイゼンはクリエイティブワークだ!

あとがき

 

1957年東京生まれ。早稲田大学商学部卒。ノンフィクション作家。著書に「TOKYOオリンピック物語」「イベリコ豚を買いに」「トヨタ物語」など。

約百年前のスペイン・インフルエンザ(スペイン風邪)のパンデミックから、はしか、天然痘などさまざまな日本での感染症の史実がちりばめられています。

京都に住んでいたスペイン風邪に罹ったとある患者側から見る感染症の惨さも知ることができます。

 

マクロとミクロの視点から感染症の恐ろしさや有効な予防策とは、免疫の問題などの教訓を我々に教えてくれた歴史から学べる知恵のある賢者の本でした。

 

磯田さんがまとめてくれた歴史から考えると、新型コロナウイルスの撲滅というよりも、症状が重症化しないようにするために、患者を病院やホテルなどで一旦隔離し治療しながら一般に罹患させないことやワクチンをできるだけ早く安全に開発し人にウイルス抗体をつくれるようにすること。

 

また、経済を活発化しては制限しては止める、緩める、経済活動の緩和と制限、他国での感染者を減らしている事例の活用、タミフルなどの風邪に効くとされる既存の薬を用いて症状を緩和させ患者の体力を回復させる自己免疫能力向上等々。

 

既に日本で対応していることも含めて、様々で十全な方策を並行活用しながら、今はウイルスと共存しながら生きていく道が、歴史から見ても現実的でないかと思いました。

 

 <目次>

はじめに

第一章 人類史上最大の脅威

牧畜の開始とコロナウイルス、ペリー艦隊が運んできた感染症、スペイン風邪は波状的に襲ってきた ほか

第二章 日本史のなかの感染症―世界一の「衛生観念」のルーツ

「最初の天皇」と疫病、奈良の大仏は天然痘対策?、疫神を歓待する日本人、江戸の医学者の隔離予防論 ほか

第三章 江戸のパンデミックを読み解く

すでにあった給付金、薬をただで配った大坂の商人たち、上杉鷹山の患者支援策 ほか

第四章 はしかが歴史を動かした

「横綱級」のウイルスに備えるには、都市化とパンデミック、麻疹が海を渡る ほか

第五章 感染の波は何度も襲来する ―スペイン風邪百年目の教訓

高まった致死率、百年前と変わらない自粛文化、「「感染者叩き」は百害あって一利なし ほか

第六章 患者史のすすめ―京都女学生の「感染日記」

日記が伝える「生きた歴史」、ついに学校が休校に ほか

第七章 皇室も宰相も襲われた

原敬、インフルエンザに倒れる、昭和天皇はどこで感染したか?、重篤だった秩父宮 ほか

第八章 文学者たちのスペイン風邪

志賀直哉のインフルエンザ小説、〝宮沢賢治の〝完璧な予防策〟、荷風は二度かかった? ほか

第九章 歴史人口学は「命」の学問 ―わが師・速水融のことども

数字の向こう側に、晩年に取り組んだ感染症研究 ほか

 

1970年岡山県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(史学)。国際日本文化研究センター准教授。著書に「無私の日本人」「天災から日本史を読みなおす」など

人間が決して避けられないのは、「死」です。

死については考えないようにしているのが普通なのかもしれません。

人は、いつか死ぬ存在であることが頭ではわかっています。

死に向かってただ進んでいるのではなく、当たり前に過ごせる毎日に感謝して、働きがい・生きがいなどを感じながらよりよく生きていきたいものです。

 

また免疫機能の低下などにより病気やガンになったり、年齢を重ねることで認知症になったりする可能性も高くなってきます。

例えばガンや認知症と診断される前に、可能性に備えてそれらを知ることができれば、心がまえがある(できている)のでそのときには慌てず、強いショックがあっても少しは気持ちが和らぐのではないかと思うのです。

 

80-81P

認知症の人が「さっきも言ったでしょ」と言われると怒るのか

―「もの忘れ」ではなくて、「記憶のしづらさ」だから。

記憶は、外の情報を脳に「入れる」「持つ」「出す」ということ。

 

5P

ここに書いた話は、私がお会いした数千人の認知症の人から聞いた話、認知症の人と同伴した人のやりとりを聞き考えた話、認知症の人の話から当院のスタッフと日々考えた話で構成されています。

5P

私は、認知症の本当の姿を見ることは、認知症の本人、周りの人たちが前向きに生きる上で大切なことだと思っています。

長寿社会を迎え、いまは誰もが認知症になり得る時代です。

いまは自分の近しい人の心配をしているあなたも、近い将来認知症になるかもしれません。そうなったときに、ご自身の人生を絶望の淵に追いやらず、あきらめずに自分の人生の主体者としていき抜いていただくためのヒントを書きました。

認知症になってもあなたの人生は続くのです。

 

207P 認知症の人にとって暮らしやすい社会とは、誰もが暮らしやすい社会のこと

ふだんわれわれがどう生き、どう暮らすのかのヒントが得られるはずです。

つまり認知症の人のことを考え何かを実践することは、そうではない人にとっても過ごしやすい社会とは何か、を考えることになります。

 

 <目次>

はじめに 

第1章 認知症予防の真実(認知症の人はたくさんいるの?、「○○すれば認知症にならない」は本当ではない、国が「認知症予防を」と言っています、予防がダメならどうする?)

第2章 認知症の“診断”の真実(なぜ認知症診断は難しいのか、自分が自分でなくなる不安、なぜ、なんども同じ事を言うのか、認知症になれば「本人は幸せ」か)

第3章 認知症という“症状”の真実(なぜ認知症の人が「さっきも言ったでしょ」と言われると怒るのか、暴言・暴力は認知症の「症状」ではない)

第4章 認知症の“治療”の真実(薬の真実、早期発見の大切さ、暴れることの真実、せん妄とは)

第5章 「認知症と生きる」真実(認知症を悪化させないためにどうすればいいのか?、大事なのは本人とのコミュニケーション、自立・自律して生きられる?)

おわりに 

 

1962年兵庫県明石市生まれ。東京大学医学部保健学科卒業、同大学院修士課程修了(疫学教室)、博士課程(保健社会学教室)中退後に山梨医科大学卒業、同大学助手、国立精神・神経センターゲノムプロジェクト(アルツハイマー病、てんかん)非常勤研究員を経て医療法人社団こだま会こだまクリニックを2001年に開院。日本初の認知症専門の訪問診療を始める。2014年三鷹市にのぞみメモリークリニック開院。認知症が気になる人の外来診療を開始した。所属学会は日本認知症学会、日本老年精神医学会、日本認知症ケア学会、日本老年医学会など。NPO法人地域認知症サポートブリッジ代表、JDWG(日本認知症本人ワーキンググループ、認知症当事者の主体的組織)の設立支援、お福の会(立場を超えて認知症を考える会)呼びかけ人、認知症当事者研究勉強会世話人など

 

No.616認知症の人が「さっきも言ったでしょ」と言われて怒る理由 5000人を診てわかったほんとうの話 木之下 徹 講談社(2020/08

俳優のアーノルド・シュワルツェネッガーが主演している映画に「ターミネーター」がある。

このシリーズのうち、ターミネーター(ロボット兵器)がある時、自身の感情や意思など知能を持って、人間たちを自分たちの敵と考えて人間を排除するため、殺戮・抹殺していくのだ。

 

この映画を見ているときに感じていたことを。

ロボットは、人間が人間に役立つために作ったものだ。

彼らが物事を認識し判断し行動する責任は、当然人間側が持つ。

彼らに任せきりにせずに最終的な決定は人が関与しなければならない。

そうでないと「ターミネーター」のような世界が、未来に現実として起こってしまうのではと戦々恐々としたことを。

 

31P シンギュラリティ-技術的特異点

すでに2015年の段階で、人工知能の能力は猫の頭脳を超えたと言われていますが、2030年には人工知能の能力は一人の人間の頭脳を超え、2045年には人工知能の能力は全人類の頭脳を超えるとされています。人工知能が人間を支配するかもしれません。

 

63P 感情は論理的・合理的判断にとって邪魔者

下手に感情をコンピューターが持ってしまうと、怖いSF映画のように人間が支配されてしまうかもしれません。なぜなら、感情とは、論理的で合理的な判断を逸脱させるときに活用されるものだからです。

 

 <目次>

はじめに 

1 AIのこれまで(人工知能とは何か、そもそも知能とは何か、人工知能と産業革命;人工知能の歴史、第一次~第三次ブームまで、人工知能の温故知新)

2 AIのいま(人工知能は感情を持てるのか、AIが得意なこと、苦手なこと、人工知能が抱える問題点、AI社会の中で)

3 AIのこれから(AIは人間を超えるのか、スゴイ人工知能、人工知能のこれからの課題、人工知能とのつきあい方)

用語解説

さくいん

 

 

同志社大学理工学部インテリジェント情報工学科教授、人工知能工学研究センター・センター長。2000年、同志社大学工学部知識工学科卒業。2002年、同志社大学大学院工学研究科博士前期課程修了。三洋電機株式会社(のちにパナソニック傘下)研究開発本部に勤務後、2007年、同大学院博士後期課程修了。徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部助教、同志社大学理工学部インテリジェント情報工学科准教授を経て、2017年より現職。主な研究テーマは知識・概念処理、常識・感情判断、意味解釈。

 

No.615】はじめてのAI やさしく知りたい先端科学シリーズ6 土屋誠司 創元社(2020/08