トヨタの「カイゼン」は、徹底的に無駄をなくして、改善事例を積み重ねていくものです。
すべての人が「楽に」「楽しく」生きられるヒントとなります。
カイゼンは、小さなことでもよいから少しでも前にすすめばよく、仕事の現場で時には失敗したり成功したりして行動しながら考えていくものです。
物事はいつもの正面ばかりでなく、側面や後方に回って観察すると、これまでと違った視点で見直すことができます。
いままで見えなかったことが露わになってくるからです。
例えば、仏像を見ているとわかります。正面、側面、上部、下部、背面から光を当てて見てみると、その表情や姿が、角度によってやわらかくも厳しくも変化するものなのです。
自動車などの製造業はもとよりサービス業も含め、あらゆる職場や学校、家庭、生活において、この「カイゼン」は実践できるものだと思います。
69P 精神論はいらない
大野はこう答えた。
「人に仕事を頼むとする。できなかったやつは必ず、『でも、僕は一生懸命やったんですよ』と言い訳をする。だから、オレは言わない。『できるようにやれ』。そういうだけだ」
自分が言われる立場であれば、「頑張れ」「一生懸命やれ」と怒られるより、「できるようにやれ」と言われた方がはるかにつらい。言い訳ができないからだ。
トヨタ生産方式を体系化して、広めた大野耐一とはそういう男だった。
「自動車を作るスピードはどう考えればいいのですか?」
大野の答えはひとことだった。
「売れる速度で作れ」
<目次>
第1章 トヨタ生産方式の「カイゼン」とは何か
第2章 横着者ほどカイゼンがうまい
第3章 常識は敵だ
第4章 ためてはいけない
第5章 それでもたまってしまったら
第6章 大事なのは違和感と嫌悪感
第7章 人間相手の仕事をカイゼンする
第8章 会議を減らす
第9章 管理職をカイゼンする
第10章 日常生活だってカイゼンできる
第11章 危機管理のカイゼン
第12章 カイゼンはクリエイティブワークだ!
あとがき
1957年東京生まれ。早稲田大学商学部卒。ノンフィクション作家。著書に「TOKYOオリンピック物語」「イベリコ豚を買いに」「トヨタ物語」など。
