【No.621】未来の自分に出会える古書店 齋藤 孝 文藝春秋(2020/08) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

現代版「君たちはどう生きるか」だ。

カバー絵は「漫画 君たちはどう生きるか」の羽賀翔一氏。

 

おもに三人が関わる物語で文章が綴られている。

まずは、弟のメッシくん。将来の夢はJリーガー。毎日沿道を走るのが日課にしており、静かにコツコツと努力を重ね真面目で正義感が強い子だ。サッカーのクラブチームのジュニアユースに所属している中学二年生。

次に、兄のゴッホくん。将来の夢は、画家か漫画家。マイペースでおしゃべり好きで友達が多いが、暇さえあれば絵を描いている。美術部とバドミントン部を掛け持ちしている高校二年生。

最後に、二人の近所の古本屋「人生堂」の店主、サイトウさん。眼鏡をかけヨレヨレであるが清潔感がある白いワイシャツにチノパンを履いている年齢不詳のおじさん。本が大好きで本の素晴らしさ、面白さ、良さなどを伝えられる仕事をしたいと思っていてその夢を実現した。

 

サイトウさんは、メッシくんたちと話をしたり手紙を書いたりしながら、コンプレックス、いじめ、進学、恋愛、身近な人の死など彼らのさまざまな悩み相談に対応している。

 

また、問題の解決に向けて、ニーチェ、ゴッホ、デカルト、レオナル・ド・ダビンチ、ヘレン・ケラー、黒柳徹子、宮沢賢治、宮崎駿、中村哲、森鴎外、棟方志功、夏目漱石、志賀直哉、福沢諭吉などの著名人や偉人たち言葉を引用しながら、さりげなくアドバイスしていくのだ。

 

メッシくんやゴッホくんが、何か不思議なご縁に導かれて、多感な思春期にサイトウさんと出会い交流できたことは大切な意味のあることだった。

彼らが成長していくうえで可能性が広がる道具を手に入れられる岐路に立ったと思うからだ。

 

名言、格言が至るところに散りばめられており、青少年はもちろんぼくが読んでもハートが熱くなってきて、日々生きていくうえでのヒントが見つけることができる良書だった。

 

 <目次>

プロローグ

1 ポジションはベンチ―自己実現と友情

2 どこに向かうべきか―夢と進路

3 世の中はしょせんお金?―貧困と教育

4 受験勉強は時間の無駄?―芸術と哲学

5 いじめはなくなるのか―多様性と共存

6 好きな女の子ができた!―あこがれと恋

7 地球で暮らすということ―環境と人間

8 ひいおばあちゃんの死―生きること、死ぬこと

あとがき

 

 

明治大学教授。1960年、静岡生まれ。東京大学法学部卒業。東京大学大学院教育学研究科博士課程等を経て現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。『声に出して読みたい日本語』『身体感覚を取り戻す』(新潮学芸賞受賞)など著書多数。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導