公務員が原稿料をもらって執筆するときはどうする? というタイトルで、下記のような媒体で記事を書かせていただいた実体験を元に、私が有償で原稿を執筆した経験についてお伝えするこのブログ記事。前編・後編の2部構成の後編です。
公務員試験受験ジャーナル(連載)
前編はこちら
前回は前編として、イントロダクションから
執筆の打診を受ける(前編)
上司や人事当局に事前相談をする(前編)
までをお伝えしました。
今回は、後編として
応諾し、正式に依頼を受ける
人事当局に申請し、許可を受ける
原稿を書く
の部分をお伝えしたいと思います。
応諾し、正式に依頼を受ける
前回の記事(前編)でお伝えした上司や人事当局への事前相談で、無事に内々で執筆の依頼をお受けしても良さそうだという方針が示されたら、編集さんからの依頼を正式に受け取ります。
上司や人事当局から依頼内容などに対して指摘や助言を受けていたら、それも含めて編集さんに回答することになります。依頼文に記載する必要がある追加事項があれば、その記載などもお願いします。
記載事項で時々友人などから聴くのは、誰宛の依頼文を出してもらうか、ということ。
私は原則、個人宛(島田正樹宛)の依頼文をいただくことにしています。
時々、首長宛であったり所属長宛の依頼文を受け取っているというケースも聴きますが、私の考えでは、首長や所属長宛の依頼文で自分が何かを書くとすれば、それは業務として書くことを意味します。だって、首長や所属長が、私が個人的な時間に個人として何かを書くことを“命令”することはできませんよね。
38条許可の趣旨からしても、依頼を受けたのが私個人だから、私個人が許可申請をすることになると理解しています。
また、これは中身があやふやな依頼なので、私は微妙だと思うのですが、“貴所属の職員による執筆にご配慮賜りたく……”といった依頼文のパターン。
これも私はあまり乗り気になれません。
所属の職員(=私)が執筆するために職場や上司の配慮が必要ということは、裏を返せば個人的な執筆活動が業務に影響を及ぼしてしまうということ。こういった事態はそもそも避けた方がいいと私は考えています。
でも、このあたりは感覚的なものもあるかもしれませんし、上司も人事当局も本人も含めて、関係者の納得度を優先して必要な手続きをとるという考え方はアリだと思います!
人事当局に申請し、許可を受ける
さて、いよいよ地方公務員法38条の許可をいただく申請をします。
とは言っても、事前相談などで調整したことをそのまま書類に落として提出するだけなので、ここで悩むことはあまり無いかもしれません。
一つ私が注意しているのは、許可をもらえるまでの期間と、依頼を受けて執筆する締め切りまでの期間について。
許可をもらえるまでどのくらいの日数を要するかは、それぞれの組織の事情があると思いますが、私の感覚では2週間から1ヶ月間くらい。その後に晴れて執筆することができるのですが、その時点で原稿の締め切りまで3日間しかない! となると辛いですよね
そういう意味で、最初に打診をいただいてから、事前相談はできるだけ速やかに進めること、加えて、事前相談の段階で原稿の締め切りと許可が下りそうな見込みの期間とを確認しておくといいかもしれません。
原稿を書く
晴れて許可が下りたら、いよいよ原稿を書きます。
原稿をどう書くか、についてはこの記事では書きません。思いのたけを(?)締め切りまでに書き上げるだけです。
でも、一つだけ、こんなことがあるよっていうことをご紹介しておきます。
それは“組織や上司による原稿の事前確認”です。以前、職員が個人として書いた原稿を組織(例えば人事当局)がチェックする慣行があるという話を聴いたことがあります。
私は上司にも人事当局にも原稿を事前に確認してもらうことなく編集さんに提出しています。
これも色々な考え方があるのかもしれません。
ただ、繰り返しになりますが、業務ではなく、個人的に書いている記事について、業務上の上司や所属する組織が確認することが果たして必要なのかというと・・・・・・ちょっと首を傾げたくなる行為です。
このあたりは必要の無いことでも、組織内での関係性の問題として確認してもらった方が穏便に済み、今後の活動もしやすいというような事情もあれば、そういったことも含めて総合的に判断するケースなのだろうと思いますが、私は個人は個人として、業務は業務として、キチンと区別するのが気持ちよく執筆できる環境なのではないかなと考えています。
●むすびとして
前編のイントロダクションでもお伝えしましたが、今回書かせていただいたのは主に地方公務員法38条の営利企業等従事制限の許可を得るという話です。
私は38条許可を得て執筆しましたが、講演料や原稿料といった対価は営利企業等従事制限でいうところの「報酬」には該当せず、そもそも許可が不要であるという考え方もあります。
なので、許可の要否については、同じく人事当局に直接ご確認ください。
許可が要らないのであれば、こんな前編・後編で書き分けた記事は、そもそも読む必要がありませんので(大汗)
ちなみに私と、私が務めるさいたま市役所との関係で言えば、許可が不要であるにも関わらず、無理やり許可手続きをさせられているという感覚はありません。
むしろその逆で、許可を出す必要が無いかもしれないけれど、本人(=私)のために許可を出してくれている、という感覚です。
こういうご時勢なので、公務員が公表される媒体に何かを書いていたり、それで対価を得ていたりすれば、色々と指摘をする人はいます。
そのときに、
「こういった執筆は禁止されていないんですよ。許可も要らないんですよ」
と書いている本人も人事当局も説明するよりは、
「この執筆はキチンと手続きをして許可を得ているんですよ」
と説明する方が、負荷も小さいし、説明された方の納得度も高いと思うんですよね。関わってくれる人、指摘をしたくなる市民の方も含めて、みんなの納得度が高いのであれば、手続きをする価値はあるかなと感じています。
日頃は様々な立場の人から注文や苦言を受け取ることが多い部署だと思いますが、この件については人事当局の職員に対する愛情を感じます。
いつもありがとうございます
また、もし許可が必要なケースであったとしても、この記事で書いたことはあくまで私の個人的な経験談としてお伝えするものなので、実際に依頼を受けて執筆することになった場合には、必要に応じて所属する組織の人事当局等としっかり調整されることをおススメします。
どうせ書くのなら、公明正大に、後ろ暗いことなく正々堂々と書く方が、書いているときも気持ちがいいですし(締め切り間際は悶絶しますが・笑)、書いたことを家族や友人、同僚などと共有できますから。
補足として。
ここからは私の持論を少しばかり書かせていただきます。
書くということはれっきとした創作活動です。またそれが販売されている雑誌などに掲載されるのであれば、キチンと原稿料をいただいて責任を持って書くという姿勢も大切だと思います。(業務で書く場合は、もちろんお給料をもらって書いているので、原稿料をいただいている場合と同様ですね)
しかも、世の中には原稿を書いて、その原稿料をもらって生活の糧としている職業ライターがたくさんいるなかで、手続きをすれば得てもいいはずの原稿料を得ることなく、無償で原稿を提供することは、市場全体における“原稿を提供するという行為”に対する価値を不当に下げてしまうおそれがあるのではないかと危惧します。
もちろん掲載される媒体や、その発行主体の事情など総てを単一の価値観でくるむことはできません。
ただ、これからも多くの書き手と発行主体にとって、“原稿というのは対価を払って書いてもらうもの”という価値観は大切なのではないか、そんな風に思います。その対価が貨幣で無くなる可能性は否定しませんが。
いずれにしても、依頼主に対して良かれと思って原稿料を断ることが、依頼主ではない誰かに負担を強いることになる可能性にも思いを馳せていただけたらと思います。
今回書いた記事が、原稿の執筆を依頼される公務員にとって参考になることを祈っています。
(おしまい)
前編はこちら
今年度書かせていただいた雑誌はこちら。
公務員試験受験ジャーナル(連載)
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(4)『問いかける技術』(著:エドガー・H・シャイン)
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※リンクは私がこのブログでそれぞれの本を紹介したときの記事です。
※※『問いかける技術』を追加しました
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※2.で調整する日程は、ご連絡いただいた時点から概ね1ヵ月後になります。また場所については、基本は都内か埼玉ですが、それ以外も可能な限り調整しますのでご相談ください。
詳しくはこちらのブログをご覧ください
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