ベンチャー企業はスピードが命

 

 

投資家は何で投資しているのでしょう?

 

エンジェル投資家は、個人的な趣味や「彼はとてもいいやつだ」といった、とてもエモーショナルな投資をするので、必ずしも強い結果を求めているわけではありません。

 

しかし、ベンチャーキャピタルやベンチャーに投資する人は、次の2つの理由があります。

     高い投資リターンを求めている(ハイリスク、ハイリターン)

     投資の回収(換金)を求めている

 

ベンチャーキャピタルの場合、100のうち3つくらいは失敗すると言われていていますが、それだけリスクのある投資となります。でも、新しいものなので成功したときにはものすごく大きな会社になるため、高い投資リターンがあります。

ハイリスクな投資なので、ハイリスクなリターンを求めるということです。

 

また、ベンチャーキャピタルは他の方々から預かったお金を代表して投資しているため、換金、投資の回収が必要になります。

中小企業では、株で配当を求められるかというと、実際には配当はしません。しかし、ベンチャー企業として投資した場合は投資家はお金を回収することを目的としています。

投資家がお金を回収するには2つの方法しかありません。
IPOするかM&A、あるいはIPOする前に大きな会社に株を売ってしまうか、です。

ベンチャー企業はIPOM&Aなどのスピード感を持つことが、投資家の回収を求めるスピードでもあり、結局「スピード感」が必要ということになります。

 

 

エクイティ・ストーリーとは

 

エクイティ・ストーリーとは企業の成長戦略です。

将来企業がどうやって成長していくか、成長すると株式の価値はどう増加するかを説明します。

 

事業計画はどういった会社でも作ると思います。
「どういった市場で、何を、どういったお客さんをターゲットに、どのようなものを売りますか」「そのビジネスは競争相手がいますか」「なんで勝てるんですか」「それができるリソースは手元にありますか」というようなことを説明します。
これに一方で、資本側の話も必要になってきて、「実行計画に必要な資本はどのくらいですか」「誰に何株持ってもらいますか」「EXIT(回収)までどのくらいかかりますか」といった、株式の価値に関する資本計画がないと、ベンチャーキャピタルや株主への説明になりません。

 

 

ベンチャーから中小企業になるのは難しい

 

路線を変更することができるかというと、ベンチャー企業から中小企業へ戻ることはなかなか難しいと思われます。

投資家のEXITという話がありますが、入れたお金を戻せなくなってはいけません。

でも、中小企業が、自分の持っている新しいアイデアや商品がとてもよいものだとわかったときに、スピードをあげていこうという発想になることがあります。つまり、中小企業からベンチャー企業に移行することはありうると思います。
ただ、その中ですでにできてしまった組織や働いている人たちが、ゆったりとした仕事をしてきたなかで、スピード感ある大きな戦略で働くことができるかとか、「成長だ、成長だ」という舵をとったときに皆の賛同を得られるかという点は難しいかもしれません。