それにしても

あらためて基本の基本ですが

五輪開会式の演出というのは

本当に難しいと思います。

 

そりゃ例の『オリンピッグ』に

比べたら何をやっても許される、

という達観が2021年以降

多くの日本人の心の中に

確立されましたけれども。

 

 

 

 

たとえば今回登場した

ラッパーのRim'sKさんとか、

彼が全力で表現しようとしたのは

『クールでカッコイイ俺』

だと思うんですが、それは

パフォーマーとして絶対に

間違っていないと思うんですが、

声もいいし見た目もいいし

たぶん歌詞の

フランス語がわかれば

その世界に私も

入れたと思うんですけど

・・・関係者は何故あそこで

字幕を用意しなかったのか。

 

『フランスの歴史を

作った女性10人』の像の

紹介の際は多言語で

説明を入れたじゃないですか!

 

節回し、メロディって

大事なんだなって・・・

 

勿論そういうものなしで

気後れすることなく最大限に

己のクールさを表現した

ラッパーも見事だとは

思うんですけど、

私の心の中に住む

皮肉屋のパリっ子が

「これは外しましたね」って

遠い目をしてしまって・・・

 

ともあれ!

 

ここから今回の開会式で

ある意味一番力の入っていた

『橋の上での

ファッションショー』。

 

始まった当初はその

メッセージ性の強さに思わず

眉を顰めるというか

「こういうの、最近

食傷気味なんですよ」な

気持ちになりかけたところ、

この企画の担当者はそこらへん

計算ずくだなと思ったのは

最初に結構な

プラスサイズの女性が登場し

「ああ、昨今流行の

『太っていることは恥じゃない』

精神ね、それはいい、でも

健康に支障が出るほど

太ってしまった人を

『それでよし』というのが

許されるなら不健康なほどに

痩せた人のことも

許容せんと駄目でしょ」と

こちらが思ったところに

昨今滅多にキャットウォークでは

お目にかからない程

細身のモデルをカメラ前に登場させ

・・・私は思わず姿勢を正しました。

 

あ、演出家は勝負する気だ、と。

 

で、ここでいったん

選手団にカメラが戻り

オランダ選手団のチームカラーが

オレンジじゃないことに驚いたり

トンガ選手団の旗手が

変わったことにがっかりしたりして

さてまたパフォーマンス、

今度は『ユーロ万歳』の時間です!

 

このダンス!

 

これ、よかったですね!

 

途中で青塗りの

デュオニソス(?)が

登場した時は関係者の

正気を疑いましたが

(あれ、何だったんでしょう、

私が幻覚を

見たんじゃないですよね?)、

そこからまたダンスに戻り、

この振り付けがなんというか

もう「現代の日本の夏に

こんな踊り方を屋外で絶対に

してはいけません!」みたいな

心肺機能と持久力の限界に挑戦!

といった趣の激しさで、

隣で観ていたわが夫(英国人)は

「この人たちの関節は

どうなっているんですか?」

「これ、怪我をしないんですか?」

「関節が無事だとしても

こんな踊り方で隣の人に

万一ぶつかったら大怪我

必至じゃありませんか!」

 

圧巻。

 

たぶん日本にもこれくらい

レベルの高い踊りを踊れる

ダンサーはいる、

観客の心拍数さえ上げる

怒涛の振り付けをつけられる

振付師もいる、でもきっと

日本の『五輪開会式』で

これだけ冒険的な尖った

パフォーマンスはたぶん

生み出せない気がする・・・

 

「ダメダメ、観客がひいちゃうよ、

もっとわかりやすく、そう、

皆が手をつないで輪になって

ニコニコするような感じで!」

 

私はフランスの開会式

関係者上層部の

懐の深さに感心しましたね。

 

さて、で、ここで『イマジン』。

 

これは今大会から

そういう『縛り』らしいですよ。

 

五輪関係者のセンスって謎。

 

どうでもいいけど

ピアノを燃やすな。

 

そしてここから

展開は一気に冗長に。

 

まずは『女性騎手』が

セーヌ川を疾走、しかし

時間がかかる、かかりすぎる、

ともあれそこから五輪旗掲揚。

 

旗が上下

さかさまだったのはご愛敬。

 

そして

『偉い人たちのスピーチ』。

 

世界中で多くの人がここで

トイレに立ったり

お茶を入れ直したり

したことでしょう。

 

で、聖火が登場するんですが・・・

 

せっかくの聖火を

どうしてここ

(トロカデロ広場)から

ルーブル美術館

(直線距離で2キロ

ちょっとはある)まで

移動させないといけないのか。

 

聖火を一度五輪旗の前に

持って行くべき、みたいな

規則があったんでしたっけ?

 

それこそあの

『覆面の怪人』に

瞬間移動とか

させればよかったのに!

 

ともかくそれで

トロカデロ広場から聖火は

舟でルーブル方面に

運ばれるわけですが

ここが本当にダラダラ

ダラダラダッラダラ

時間がかかってですね。

 

あのボートに乗っていた

セレブ4人(ナダル、

カール・ルイス、コマネチ、

セレーナ・ウィリアムズ)の

視聴者間好感度は間違いなく

下がったと思います。

 

あの4人のせいでは

まったくないんですが!

 

そもそも開会式は

『全体で3時間』って

話だったのに

この時点でもう結構

『おして』いましたからね?

 

私は全世界の中継テレビ局

チャンネル統括責任者の

悲鳴が聞こえましたよ・・・

 

で、ボートが着岸して、

走者が聖火をつないで、

その間トロカデロ広場では

ダンサーが踊りを披露し

その背後でエッフェル塔が

レーザー光線を夜空に

放射していたんですが

・・・正直、あそこは

尺が長すぎたし

ダンスもその・・・

全体のセンスがあまり

よろしくないと感じました。

 

2020東京五輪開会式的

「夜空にレーザー光線を走らせて

ダンサーに躍らせとけば

『ここが盛り上がるところ』って

馬鹿にも理解しやすいだろ」みたいな

観客に対する侮りを感じる・・・

 

私の心のパリジャンは

世界に謝罪をしていましたよ。

 

しかしそれら

すべてを吹き飛ばしたのは

聖火台のあの斬新なデザイン。

 

パリの天気は悪いという話なのに

あんなの2週間大丈夫なのか。

 

でもこれはきれいだ・・・

 

冒険的なデザインだ・・・

 

本当に変なところで

この開会式は尖っているな・・・

 

と、そこに流れて来た

『愛の賛歌』イントロ。

 

あーあ、開会式関係者ったら

やっちゃった、最後の最後で

『わりやすいフランス』感を

出しすぎちゃった、

ハイこれ失敗、センスが東京並み、

よーしパリ市民と東京都民は

今後はお互いの感性を

仲良く相哀れみながら

生きて行こうな、と

勝手に親近感を抱いていたら

・・・なんなんだ

セリーヌ・ディオン!

 

あんな歌を披露されたら

ひれ伏すしかないじゃないか!

 

まさに怒涛の終幕。

 

五輪開会式愛好家として

感想を述べさせていただきますと

「安易な発想・尖り過ぎた演目に

走り過ぎた面もあるにはあったが

それぞれの道で『鍛え抜かれた

芸術家』がその妙技を

披露することで

無理矢理に観客を

ねじ伏せにかかった」式典で

あったかと思われます。

 

いやしかし尖っていましたね。

 

一部から批判が出て

組織委員会が

謝罪をしたという話ですが

私はこういう反応は

関係者は織り込み済み

だったと思います。

 

織り込んだうえでの

あえての挑戦・挑発、

これが現代美術展覧会で

発表されたならまだしも

・・・五輪開会式での披露。

 

パリの度胸

観させてもらった心境です。

 

 

一部地域・国ではばっちり

放送禁止コードに

引っ掛かる場面が

多々あったかと思うんですが

・・・まあそこらへんの

地域・国のテレビ局は

レディ・ガガの脚が

画面に登場した時点で

中継を切り替えたかな、と

 

演出家は明らかに一部の人に

不快感を抱かせることを

恐れていなかったと思います

 

「どこが不快だった?

それは何故?逆にじゃあ何故

他の場面は受け入れられたの?」と

視聴者に己の内面を探らせる

ある種のモダン・アート精神

 

「すべての人に賞賛される

表現は芸術ではない」という

攻撃的とも言えるほどの

「嫌なら見るな」の姿勢

 

パリはこれをやるのか、

振り返ればロンドンは

そこらへんの匙加減が

本当に上手だったんだな、と・・・

 

「女王陛下をヘリコプターから

パラシュート降下させるなんて

不敬の極み!」とそしりたくとも

陛下自らがノリノリで撮影に

ご協力なさっている時点で

バリバリの王室派さえも

アレを受け入れなくてはならない、

英国人って本当に妙なところが

お上手だから怖いですよね

 

 

 

五輪開会式という舞台で

エンタテイメントはどこまで

『攻める』ことを許されるのか、

関係者の勇気を感じる

セレモニーでございました

 

パリの戦闘精神に

魅了されたアナタも

いや、あれは到底

受け入れられませんよ、と

首を横に振るあなたも

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パリ五輪開会式、中盤。

 

序盤の話はこちらにて

 

 

 

 

マーチングバンドに

対面する形での

アヤ・ナカムラの歌唱。

 

ナカムラ嬢は五輪起用が

取りざたされると同時に

仏国国内右翼の一部から

出演反対論が出ていたとの

話だったので、このたびの

無事の檜舞台、何よりです。

 

(『もっと伝統的な

仏国色を!』というなら

レディ・ガガのほうが

フランスとの縁は薄いかと)

 

楽曲的にはこれ、

私にはピンとこない系の

音だったんですけど、

こういうのは個々人の

趣味の範囲の問題ですから。

 

場面は変わって

今度はピアノ演奏。

 

・・・何故ピアノの周囲に

小テントなどを

設置してあげないのか、

弦楽器に雨は大敵ですぞ!

 

 

 

 

今回の五輪開会式は

個人的にピアノへの扱いが

ひどかったと思います。

 

雨ざらしだし、なんなら

演出で火をつけられるし。

 

パリの音楽院では

「楽器は大事に

扱いましょう」とか

教えないんですかね。

 

また場面は移って

今度は『アニメ』映像、

『星の王子様』はいいとして

・・・『猿の惑星』?

 

『ミニオンズ』?

 

 

 

 

開会式関係者の

皆様に申し上げたい、

『ミニオンズ』の

開会式登場を

喜ぶに違いない、と

皆様が信じていたであろう

世間のちびっ子たちは

先ほどの『血まみれギロチン

オマージュ貴婦人』の場面で

絶対に視聴を

停止していると思いますぞ。

 

今回の開会式、なんだか

こういう細かい点の

詰めが甘い印象で・・・

 

あの、『モナリザ』とか

汚水、もとい、セーヌ川に

浮かべていいものなんですか?

 

フランスにはいわゆる

『ネット右翼』とか

存在しないんですかね?

 

日本で国宝級の絵画を

水に流したり汚したり、

箏や和太鼓を燃したりを

国際大会の開会式で

『パフォーマンス』として

披露したら、割と深刻な

キャンセルカルチャーさえ

招くような気がするんですが。

 

ここが我々日本人の

エンタテイメント性の

追求の限界なのか・・・?

 

しかし私のそんな暗い思念を

一気に吹き飛ばしたのが

グラン・パレよりの国歌斉唱。

 

こ、これは・・・!

 

序盤の舞踊でも思いましたが

こうやって問答無用に

観客をねじ伏せる

『芸術の力』の降臨って

観ていて本当に

気持ちがいいというか、

芸術鑑賞の基本ってこれですよね。

 

芸術論とか技術論とかは

よくわからんが

とにかくすごいものを私は今

目撃している!みたいな。

 

それに続いて

『歴史を作ったフランスの女性』

10人の像が登場

・・・1体登場しなかったか

登場のタイミングが

おかしかった気もしましたが

さあここでいよいよ

日本選手団の紹介です!

 

・・・紹介の瞬間、

選手団の皆様が

公式カメラの設置されて

いないほうの岸に

元気に手を振っていたのは

残念でした!

 

あれは景観設定デザイナーの

見込み違いというか、

選手団の船の右側に

客席があって沿道ならぬ

沿岸の人々が手を振り

左側で『アーバンスポーツ』の

演技が披露されていたんですよ。

 

そりゃ選手たちは

「あ、ちょっとアクロバット

見物したいな」と思っても

五輪選手の正しい姿として

観客に手を振るじゃないですか。

 

・・・カメラは左岸に

設置されていたんですよ・・・

 

カメラ位置が

反対側であることに

気が付いた選手団も

存在したのですが

(コソボとか

マダガスカルとか)、

まああれは難しいですよね。

 

ところで五輪開会式において

各国代表団は旗手を

一人に絞るべき、という声を

私は強く上げたい所存です。

 

男女一人ずつのペアで、

みたいなことをすると

「旗の奪い合い」みたいに

見えてしまう場面があり、

そういう時に損をするのは

体の大きな男性選手のほうで

「女性から旗を奪っている」

ような絵面になってしまう。

 

かといって騎士道精神を発揮して

女性のサポートに回ると

「このご時世に女性選手を

一人前扱いしない時代遅れ男」な

印象を与えてしまう、逃げ場なし。

 

ところで選手入場って

選手以外の大会関係者も

『選手』扱いなんでしたっけ?

 

ナウルの船が登場した時

「参加選手はひとり」と

説明された(と思う)のに

実際にはさらに3人が

同じ船に乗っていて・・・

 

コーチとか役員も

入場資格があるんでしたっけ?

 

今回は船の大きさの関係か

各国割と入場人数を

絞っていた気もするのですが・・・

 

あとニジェール選手団が

敬礼をしたのは

あれが伝統的に

国の挨拶の仕草なんでしょうか、

それともクーデターを起こした

軍事政権の配慮なんでしょうか?

 

・・・長くなりすぎたので

さらに明日に続きます。

 

 

全体として演出は

リベラル方向で

まとめられていて、

むしろリベラル賛美が

強すぎるくらいで

・・・ああ、だから

この間の選挙で右派が

人気になったのかな、とか

考えちゃった私の心は

五輪精神にそぐわない

ねじくれ方をしております

 

だってガザでは

五輪開催後も学校

攻撃されて子供たちが

殺されているんですぜ

 

何が五輪精神だ、

『五輪休戦』とか

口先だけでしょ、と

そりゃ私も

ねじくれるわけです

 

画面にピアノがうつるたび

眉間にしわが

寄ってしまったアナタも

ピアノ・・・?

着眼点って

人それぞれですね・・・と

首をかしげてしまったあなたも

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全国の

五輪開会式愛好家の

皆様こんにちは。

 

というわけでパリ五輪です。

 

思い返せば

前回2020年東京五輪、

開会式のわが内容評価基準は

『オリンピッグ』よりマシか」。

 

私は今年前半、とある

フランス人淑女に定期的に

パリ五輪の悪口を聞いていて

開会式についても彼女は

「ダンスの振り付けが

発表されたんですけど

それがもう酷いのなんの!」

とか言っていたので、

東京五輪開会式を超える

衝撃のパフォーマンスが

披露される可能性アリかと

ドキドキワクワクしていたのですが

・・・やっぱり2020東京は

別格でありましたね!

 

でも私は自分がパリ市民・

フランス国民じゃないから

肯定的に様々な演出を

捉えることが出来ましたが

・・・『身内』感覚からすると

「何故、それを今」みたいな

演目もあったよな、と。

 

というわけで以下、

パリ五輪開会式の感想です。

 

 

 

 

まず冒頭の『スタジアムに

観客がいない』の小芝居。

 

・・・私がパリっ子だったら

「よくもまあこんな

低レベルなおふざけで

開会式を始めやがったな」と

たぶん怒っていましたね。

 

でもほら私は部外者だから!

 

ああ、パリ五輪開会式関係者の

考える『ユーモア』って

こんな感じなんですね!

クスクス!ってなもんですよ。

 

聖火を受け取ったジダンが

『パリの街を駆け抜ける』場面も

エールフランスの

機内ビデオっぽいというか

「世間の皆さんの考えるパリって

こんな感じでございましょ?」で、

ああ、関係者の皆様の

考えた今回の開会式は

こういう流れなんですか?

ウフフ!みたいな話で、でも

本当に私がフランス国民だったら

「センスが20年古い」って

呟いていたと思いますね。

 

そして止まる地下鉄。

 

これ、世の陰謀論者の

皆様は

大喜びなのでは。

 

聖火がジダンから子供たちに渡り

子どもたちは地下の水路に出て

そこで怪人に出会い・・・

ちょっと流れが冗漫ですね、

これ本当に大丈夫?・・・からの

さあ選手団が船に乗って登場です!

 

ここからはテンポが

良くなりましたよね。

 

開会式ではどうしても

選手団の入場で

時間が取られてしまうのが

船でどんどん移動が進むので

これは手段の勝利と思いました。

 

ここから選手団入場の

合間合間にパフォーマンスが

挟まれることになり

最初がレディ・ガガだったのですが

・・・正直、あれはガガ嬢の

出色のステージでは

なかったと思いません?

 

これは私がレディ・ガガに

過剰な期待を

抱いていたからかも

しれないんですけど。

 

そして続く

フレンチ・カンカン。

 

・・・私の中のパリジャンが

「フランスならカンカン、

とかいう安易な発想は

もう勘弁してくれ」って

涙を流していたんですけど

視聴者層を考えると

これくらいわかりやすいほうが

実は正解なんですかね?

 

いやあ、でもこれが

この後ずっと続くのか、

東京五輪で流れた

『次回パリ五輪』の予告映像は

なかなかよかったのに、

でもそれを言えば東京だって

リオ五輪で流した

『次回東京五輪』映像は

世界を興奮させたんだよ、

問題は何故あのクオリティを

本番まで維持できなかったか、

なんだよ、クックック、これは

パリも東京と同じ轍を踏むか?

 

・・・しかしここでパリ五輪

開会式関係者は

ギアを入れ直しましたね。

 

ルイ・ヴィトン工場場面からの

一連のシークエンス、

あの集団舞踊には

フランスの芸術大国としての

意地を感じました。

 

あの群舞の動きの見事さ。

 

そこにオペラ座の

エトワールまで出されたら

もう文句は言えない。

 

これはバレエの力だよなあ、

でも日本にだってたくさん

優れたバレリーナは

いるはずなのになあ、と

思っているうち舞台は

コンシェルジュリーに移動。

 

・・・安全管理上

仕方のないことかとは

思うんですが、

メタルバンドの人が

きっちり安全ベルトをつけて

演奏しているのって

音や態度とミスマッチで

可愛らしくていいですね。

 

メタル音楽ファンって

根は真面目な人が多いと聞くし

こういうのが逆に

『イイ』んだろうな、と

油断していたところからの・・・

 

あの・・・

 

あのマリー・

アントワネット・・・

というか首無し貴婦人と

血しぶき演出はあれ、

世界に堂々と披露して

よかったんですか・・・?

 

英国人が時々雑談の際に

「我々に比べてフランス人は

暴力的で残酷、革命の際に

ギロチンで殺された人の数が

それを証明している」とか

口にすることがあるんですけど

・・・この21世紀に

暴力革命賛美を胸を張って

『平和の祭典』に

花として添える、

これは独特の感性ですよね。

 

そのあと歌われた『カルメン』も

割と物語は暴力的な結末を迎えるし、

というかあの、そりゃ作曲家は

フランス人ですけど

『カルメン』といったら

『スペイン』だと思うんですが

パリの皆様はそこらへん

気にしないんですかね。

 

不穏な空気のまま場面は転換し

・・・なんか今度は

串刺しにされた人間が

宙を舞っとる、ええのかこれは!

というアクロバットからの

『図書館』での映像。

 

私はこの図書館の・・・

あれは『ダンス』じゃ

ないですよね、

カテゴリーとしては

『パントマイム』でしょうか、

あの一連の流れ、

トチ狂っていて好きでした。

 

服装とかメイクとか

攻めすぎていて

ほとんど悪趣味だし、

内容もおよそオリンピックとは

関わりのねえ話でござんす、

みたいな開き直りと

場違い感さえあるし、

万人受けするかと訊ねられたら

絶対にしないと

自信をもって答えられる、

でもこういう観客を

置いてけぼりにする

勇気を持った挑戦的な演目、

私はこういうの!

 

好きなんです!

 

東京五輪開会式では

それがなかった!

 

昭和後期のテレビ関係者が

言っていたとされる

「視聴者は馬鹿なんだから

馬鹿にもわかる内容を

こちらが提供してあげないと」

みたいな嫌な親切感が

悪いほうに作用していた。

 

そういうわけで

長くなったので

続きは明日と相成ります。

 

 

開会式、要所要所で

使われる火薬の量を見て

わが夫(英国人)は

「高速鉄道への放火なぞ

この火力に比べれば

屁でもない、みたいな

五輪関係者の

胆力を感じますね」

 

・・・そういう話か?

 

五輪開会式が

お好きなあなたも

五輪は競技を楽しむ

ものです、なアナタも

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時々頭の中で

同じ楽曲ばかりが

繰り返し流れてしまう現象、

これたぶん心理学的に

何か名称がついているとは

思うんですが、

我が家の雌鶏

(通称『青たまご夫人』)の

抱卵の雲行きが

怪しくなってから

孵化失敗という

最終結果が出るまで

私の脳内ではひたすら

『大地讃頌』が

演奏され続けました・・・

 

まあ日数にしたら

2、3日くらいの

ことなんですが。

 

 

 

 

なお『大地讃頌』、私は

中学で歌わなかった世代です。

 

で、『大地讃頌』の

リピート演奏が

自分の内部で始まる前、

つまり今月前半、

私は鼻歌的に何を頭の中で

聞いていたかな、と思い返したら

それはヴェンガボーイズの

『We like to Party』でした。

 

 

 

 

何故か月初めから

『We lile, we like to party』が

ずっと耳の奥で

鳴り響いていたんですよ。

 

私も意外と・・・

 

単純な性格をしているようで・・・

 

(キシリアさんの口調で)

 

たぶん「月の終わりには

ヒヨコパーティー」みたいな

甘い見通し

あったんだと思います。

 

それでパーティーの計画が

流れて、私は自分の

安直さを恥じて、

反動として

『大地讃頌』が来た、と。

 

ちなみにさらにその後、

というか昨日、私は

前庭で好色雄鶏ルイ陛下が

これまで子育てに

集中していた

雌鶏『公爵夫人』の

背中に乗ることに

成功したのを目撃し、

以来何故か

脳内の『大地讃頌』の

背後にファンファーレが

鳴り響くようになっちゃって・・・

 

♪たたえよ 大地を アー

(パラパッパッパッパッパ)♪

 

・・・控えろラッパ隊、

佐藤眞先生に失礼だぞ、と

方向を修正しようと

頑張っていたのですが。

 

傷心の青たまご夫人が

無事に食欲を取り戻し

朝食の席で堂々の

序列一位雌鶏の座に

返り咲いたのを見たら

今度は歌詞の『大地』が

『ゴハン』に

代わってしまって・・・

 

(♪ゴハンを誉めよ 

称えよメシを♪)

 

だから

大木惇夫先生にも

失礼だぞ、と!

 

・・・でも私もですね!

 

今回の抱卵失敗は

悲しかったんです!

 

ちょっと脳内の音楽担当班の

センスが狂うのも致し方なし。

 

とりあえず我々は元気です。

 

 

『大地讃頌』、

あらためて聞くと

本当に美しい楽曲なので

今まで真面目に聴く機会が

なかった方は是非お試しを

 

・・・合唱で歌いたかったなあ

 

さて公爵夫人雌鶏は

ルイ陛下雄鶏とご関係を

結び直すのと同時に

ヒヨコへの

過干渉を止めました

 

過干渉というか

過保護というか

 

気が付けば最近

ヒヨコ(というか

元ヒヨコ)は

1羽でトコトコ

そこらへんを歩いています

 

まあ確かに元ヒヨコは

声こそまだヒヨコらしく

弱々しいんですが

身丈はかなり育ちましたからね

 

祝・ひとり立ち、

そりゃ私の脳内で

ファンファーレが

鳴り響くわけです

 

脳内音楽が止まらなくて

時々困るあなたも

脳内で音楽を

演奏したことが

ないアナタも

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雌鶏『青たまご夫人』が

抱卵に励んでいた頃

我が家には某都会育ちの

好青年(日本人)が

滞在していました。

 

その好青年がある日

庭から戻って来ると

暗い顔をして

「ニワトリって・・・

いじめをする

動物なんですね・・・」

 

・・・いじめ・・・というか

ニワトリは集団内に

序列(『つつきの順位』)を

作る生き物ではあるのです、が、

我が家は比較的広い敷地で

彼らを飼育しているために

順位決定の力比べで

相手に怪我をさせるような

ことはほとんどなく

・・・まあでも何事にも

例外はあってこの春

雌鶏が1羽

雄鶏につつき殺されましたが

あれは例外中の例外で・・・

 

その後暴力雄鶏は追放したし

今いる雄鶏は性格温厚だし

雌鶏たちの序列も

すでに確定していて

目に余るような争いは

最近は起きていないと

認識していたものの

・・・でもそれは

飼い主の欲目であったか?

 

これまでの背景を

何も知らない人が見ると

我が家のニワトリ社会は

今も結構殺伐としている?

 

「そんな激しい

つつき方をする

雌鶏がいたかね?」

 

「1羽、茶色い子が

いるでしょう、

ちょっと体の大きい・・・

あの雌鶏が小柄な雌鶏を

執拗に追いかけまわして、

声を出して威嚇して、

最後は蹴り倒して

それで上に乗って

押しつぶしていたんです。

可哀そうに、いじめられたほうの

雌鶏は背中の毛をむしられて

ハゲが出来ていましたよ!

僕、雌鶏があんなに

乱暴だとは知りませんでした」

 

「・・・ちょっと待て、

その大きい雌鶏ってのは

どの雌鶏だね」

 

好青年は庭を眺めると

尾羽の黒々とした

オレンジ色の美男を指さし

「あの雌鶏です!」

 

 

「・・・なるほど、

あれは雄鶏、雄です」

 

考えてみたらそうなんです、

都会育ちの若者って

たぶんあんまりニワトリの

実物を見たことがないし、

そういう人には雄鶏と

雌鶏の見分けって

つくようでつかないんですよ。

 

雄鶏にはトサカがあるって

よく言いますけど

それはトサカが比較的

『大きい』という意味で

雌鶏にもトサカはありますし

体格だけで言ったら

我が家の場合

ウェルサマー種雄鶏と

サセックス雌鶏は

体重的にはたぶん

同じくらいですからね。

 

画像左からサセックス雌鶏、

中央が雄鶏、

右端のウェルサマー嬢の

脱毛ぶりにご注目ください

 

というわけで好青年の目にした

『陰惨ないじめの現場』は

実はニワトリの交尾場面で、

雌鶏(ウェルサマー嬢)の

背中がハゲているっていうのは

その・・・今、彼女は

雄鶏陛下の恩寵があつく・・・

 

 

つまりですね、我が家には

合計4羽の雌鶏がいるんですが

1羽は子育て中で

交尾には意識が向かず、

1羽は抱卵中で

交尾どころではなく、

1羽は男嫌いであるため

結果陛下の希望に添えるのは

最若手雌鶏ウェルサマー嬢しか

いないんです・・・!

 

この場合、飼い主としては

何か手を打つべきなんでしょうか。

 

本人(鳥)はあんまり

気にしていない

様子ではあるのです。

 

 

雄鶏・雌鶏の

見分けに自信のあるあなたも

両者の差異が

わからないアナタも

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