それは昨日(18日)のことでした・・・

 

朝のラジオニュースを

聞き終えたわが夫(英国人)が

妙に晴れ晴れとした笑顔で

「君、これ、ブログに書きますよね!」

 

「これ・・・ってどれだい?」

 

「嫌だなあ、わかっているのに、

今トップ扱いされていた

日本からのニュースですよ!

まあトップのトップは

アストラゼネカ(コロナ

ワクチン関連)話でしたけど」

 

・・・その日本からの

ニュースというのはほら、

皆様もご存じであろう

東京五輪開・閉会式の

演出統括責任者辞意表明、の・・・

 

私は久しぶりに

ラジオから流れる

ニュースを聞きながら

手に汗を握りましたよ・・・
 

そりゃ侮辱発言の内容を

伝えないことには

何のこっちゃだから

詳細に触れざるを

得なかったんでしょうけど・・・

 

私は・・・私か出来ることなら

せめて『オリンピッグ』という言葉

原稿から外して欲しかった・・・!

 

(話の流れで大会組織委員会の

森前会長の問題発言が

蒸し返されたのは仕方ないと

諦められたんですけど)

 

だってこのセンスのなさは

ただ事じゃありませんよ!

 

こんな救いがたき

ダダ滑り駄洒落

日本発・BBC経由で世界に

発信されてしまったなんて・・・!

 

「・・・開会式本番で突然

この演出が展開されて

大会期間中に世界中から

反発を食らうよりは

マシだったかなあ・・・

しかし『オリンピッグ』って・・・

この昭和中期のセンスは・・・!」

 

頭を抱える私に夫が真面目な顔で

「でも今のニュースは大事な点を

ひとつ伝え損なっていましたね」

 

「え、何だ?」

 

「君は昨日の夜、寝る前に

このニュースを

僕に教えてくれたでしょう?」

 

そうなんです、私が

このニュースを最初に知ったのは

英国時間で17日の夜、

あまりにもあんまりなその内容を

私は英訳して夫に伝え

「どうかこれが国際ニュースに

なりませんように。なるなら

せめて『オリンピッグ』という

恥ずかしいキーワードだけは

伏せられますように」と

祈りながら眠りについたのです。

 

「でも結果的にトップ扱いだし

『オリンピッグ』もそのまま

伝えられちゃったし・・・伝えられて

いない点なんてあったか?」

 

「このミスター佐々木って

電通の偉い人なんでしょう?」

 

「うん。もしかしたらもう

電通は退社しているのかも

しれないけど、一時は

電通のクリエイティブ局の

トップになった人なはず」

 

「そこですよ。電通は

日本最大の広告代理店、

そこのクリエイティブ班の

トップになるような人は

時代の空気を読むのに

長けているはずじゃないですか。

そういう人が2021年の今、

日本という国を代表して

世界を相手にする舞台で

ふくよかな女性を笑いものにして

許されると思ってしまった。

時代の流れを読めない人間が

流れの上流に本来位置すべき

広告を作っているというこの皮肉。

僕はここは伝えるべき

点だと思うんですけどねえ・・・」

 

そうね、本来ならこういう案を

出演者本人が持ってきても

「これは五輪開会式だからさ!

『太った人を豚に見立てる』とか

ネタとして使い古されているしさ!

むしろ今は『すべての体型が

美しい』が先進国のトレンドだし、

だいたいさ、『オリンピッグ』とか

駄洒落としてもレベルが

低すぎるじゃない?もっと

高い次元で勝負すべき!

世界が相手なんだから!

君にはその力がある!」と

言ってあげるのが

統括責任者のお仕事よね・・・

 

というか私はそもそも

五輪開会・閉会式に

『お笑い』の要素は

必要ないと思っているんです。

 

そりゃ前回ロンドン五輪の

『女王陛下と

ジェームス・ボンド』には

大笑いさせてもらいましたけど

あれは英国の底力というもので。

 

 

 

 

人間に向き・不向きがあるように

演出者にも得手・

不得手があるというか・・・

 

我々日本人の多くは

『真面目な場での笑い』を

避ける教育を受けて

大人になってきているわけで・・・

 

学校の入学式・卒業式で

校長先生や来賓が

スピーチにジョークを

入れるかって言ったら

入れないお国柄でございましょう?

 

某長野五輪の閉会式で

笑いを取りたいという欲に負け

開けてはいけない釜のフタ

開けてしまった記憶は

私にはまだ鮮明でございますよ・・・!

 

それにしても東京五輪、

どうなるんでしょうか。

 

「本当に開催するんですか?」は

やはり禁句というか

禁質問事項なんでしょうか。

 

だってほら、コロナ・・・

 

ワクチン接種の遅れ・・・

 

変異株・・・

 

「今回の五輪に関しては

日本はどうもツキがないですね」

とはわが夫の言葉でございます。

 

 

話はちょっと変わってその夫が

先日仕事仲間との

オンライン会議を終えて

「妻ちゃん、なんか最近日本が

ロケットを打ち上げたんですって?」

 

「・・・最近?」

 

「あ、最近ロケットが

帰還したって話かもしれません。

サンプル摂取に成功したとか・・・」

 

「『はやぶさ2』のことかな。

確か去年カプセルが

着地したとか聞いた気がする」

 

「それです。小惑星の土や何かを

持って帰ってきたんでしょう?

僕の同僚が先日そのロケットの

特集番組みたいなものを

テレビで観たらしくて

大興奮していました。

科学番組なのに感動したというか

情緒を揺さぶられたらしいです」

 

「ああ、『はやぶさ』ミッションはな、

どうもそういうファンが多いんだよ」

 

「僕思うんですけど、五輪開会式、

女性の体型を嘲笑するより

こういう日本の科学的偉業に

焦点を当てた

演出にしたらどうですかね?」

 

いい意味での日本らしさを

世界に伝えられますよ!と

夫はこぶしを振るっております

 

・・・しかし本当・・・

 

ここから演出を変えるにしても

誰が責任者になるのかしら・・・

 

個人的には野村萬斎演出を

是非観てみたかったんですけど・・・

 

あるいは競技場で

ゴジラ地鎮の舞を

踊って欲しかった・・・

 

(私が演出統括者なら

指揮者西本智美でBGMに

伊福部『ゴジラ』の

フルオーケストラ演奏も

つけたと思う、かっこいいぞ~)

 

・・・Norizoさんが演出班に

参加していなくて幸いです

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