Gothculture/David
1. Gothculture -序章- (Gothic Unplugged Ver)
2. Gothculture -Nightimage-
3. Gothculture -断章-
4. Gothculture -Reunion-
5. Gothculture -Claustrophobia-
6. Gothculture -Decadent Art-
7. Gothculture -dawn-
2020年に1年がかりで表現してきたコンセプト、「Gothculture」の集大成となるDavidのコレクションアルバム。
6部作として発表されてきたシングルの表題曲を網羅。
更に、プロジェクトに先行して発表されていたデジタルシングル「Gothculture -序章-」を、このシリーズではお約束であった"Gothic Unplugged Ver"として追加収録しています。
もともとは王道的な耽美ロックでしたが、アルバムのスタートにふさわしい幻想的な雰囲気にリメイク。
文字通り"序章"として機能しており、「Gothculture -Nightimage-」からのスタートダッシュを、より効果的に演出していました。
本編については、あらかじめストーリーを意識して順番が決められていたため、時系列で並べるだけでも十分にアルバムとしてまとまります。
ダークな世界観と、メタリックな音像で激しさを強調した序盤。
タイプの異なる歌モノで濃厚な世界観を表現する中盤。
そして、クローズに向けて耽美に、ドラマティックに、物語を動かしていく終盤と、コンセプト作品としてバランスがとれた構成に仕上がっていますよ。
シングル曲については、全曲リマスタリングが施されて、音の統制がとられているほか、繋ぎを意識した語りが挿入されている楽曲もあって、これによって完全盤になったといったところ。
ブックレットには、歌詞を補完する散文詩も掲載されており、これ1枚あれば「Gothculture」の大筋は理解できる内容になっているのかと。
表題曲+既存曲のアンプラグドアレンジ+既存曲のインストヴァージョンという構成だったシングル6部作を購入していたリスナーにとっては、正直、思うところはあるでしょう。
長くシーンを見ていれば、なんとなくベスト盤的なものが出る予感はありましたが、追加収録されたのもアレンジ違いとはいえ既存曲となれば、無理に手を出す作品ではないのかもしれません。
一方で、これまでの作品に手を出しあぐねていた層が、手っ取り早く濃厚な世界観に触れるには、寄せ集めのベスト盤が出る以上に効果的な作品になったのは間違いないはず。
"布教用"のCDがあるのは、アーティストにとって案外重要だったりするのですよね。
<過去のDavidに関するレビュー>