Requiemage -Another Edition- / David | 安眠妨害水族館

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Requiemage -Another Edition-/David

 

Main DISC

1. Mage

2. Final Act

 

Bonus DISC

1. 麗しき棺

 

1stシングル「Requiemage」を即日完売させたDavid。

本作は、それを受けて緊急リリースされた別バージョンとなります。

 

当初は、ライブ会場や通販での販売でしたが、後に流通も開始。

トールサイズで、未発表曲が収録されたBonus DISCが封入されていました。

無印の「Requiemage」とは、ジャケット以外にも、リードトラックとなる「Mage」を除いた収録曲が異なる仕様。

持っていても欲しくなる、という意味では、商売上手な1枚ですね。

 
「Mage」は、ミステリアスなミディアムナンバー。
荘厳なコーラスワークを駆使しつつ、タイトなサウンドワークで、必要以上にファンタジックになることのない、現実的な世界観を構築しているのが特徴でしょう。
大まかな方向性としては、 Megaromaniaや凛で培ってきたお耽美コテコテ系の延長線上にある一方で、随分とシリアスでスリリングな路線を狙ってきたのだな、と驚きましたよ。
 
カップリングとなる「Final Act」は、どちらかと言えば、"待ってました"の音楽性なのかな。
ハードさも意識して疾走しながら、麗しい様式美的メロディでリスナーを魅了。
大袈裟にも見える演出に、歌謡+耽美のロマンティックなメロディラインというお約束は、この手のバンドが好きな層にはたまらないはず。
やはり、サウンドはタイトに仕上げており、倒錯した世界線を作り出しているのが興味深いのです。
 
Bonus DISCは、ジャケットに嵌っているわけではなく、簡易な紙ジャケに包まれて封入されているのみ。
よくある2枚組を想像していると、少しイメージと違うものが出てくると思われます。
収録されているのは、「麗しき棺」。
バンドサウンドを排除し、ピアノとストリングスのみを背景に、SUIさんが歌い上げるバラードで、確かに本編には入れにくいかもしれないな。
世界観としては一貫していますが、毛色が異なるのは事実。
ファンであれば、といったところなのかもしれません。
 
「Requiemage」を持っていれば、「Final Act」と「麗しき棺」にどこまで出せるか、になってしまう本作。
Bonus DISCがCDRであることを踏まえれば、内容対比、2,000円という価格設定はやや高めと言わざるを得ないでしょうか。
3曲入りではなく、2曲+ボーナス1曲にしたのは、少なくとも「麗しき棺」については、"配信販売の予定はない"ということを暗示する意図があったりして、なんて深読みしたくなるくらいです。
純粋に「Requiemage」を買えなかったファンへの救済策としては、配信で購入するという手段もあり。
全部現物で揃えたい、という熱心なファンでなければ、この辺りも考慮に入れつつ、検討すると良いのではないかと。

 

<過去のDavidに関するレビュー>

創生録 I ~Birth and Confession~