FUNERAL PROCESSION(DEMO VER)/David
1. FUNERAL PROCESSION(DEMO VER)
Davidによる会場限定デモテープ。
ジャケット等はなく、同封された生写真がジャケット替わりといったところでしょうか。
収録されたのは、「FUNERAL PROCESSION」のデモバージョン。
導入こそ、シンセの音に靴音が重なるという、凝った感じでスタートするのですが、それ以降は、本当にデモなのだな、という内容ですね。
バックのサウンドは打ち込みでのリズムとストリングスのみ。
前半と後半の切り替わりでの演出はあるものの、ほとんどはリピートさせるだけの単調なアレンジであり、実質的にメロディと歌詞だけわかれば良いという資料的なものになっています。
テンポとしてはゆったりとしているのですが、ワンコーラスだけで終わるため、尺としては3分半。
どうしても、食い足りなさは出てしまうかな。
ただし、歌い回しはSUIさんらしい耽美さがあって、それだけでDavidの楽曲だとわかるのはさすがですよ。
エコーをかけるなど、歌の部分についてはしっかり演出を意識しており、ヴォーカリストのソロプロジェクトとしてのエゴが垣間見えるのも興味深かったり。
当然ながら、もっと完成形に近いものを聴きたかったな、と。
フルバージョンになると、どんなドラマティックな展開になるのか。
ハードに生まれ変わるのか、しっとりしたバラードになるのか。
まさか、この状態でほぼ完成品だったりしないよな、と想像するのも楽しいと言えば楽しいのですが。
厳しいのは、やはり価格。
現代においてデモテープの制作には、かえってコストがかかるのかもしれませんが、これで1,500円というのは、さすがに以前所属していたレーベルの基準に毒されすぎではないだろうか。
泣いても笑っても、7月31日のイベントにて活動休止が発表されているDavid。
正式音源化されない以上、これも聴いておきたいファン心理もあるわけで、もう少し寄り添っても良いのでは、と思ってしまいます。
なお、「創生録Ⅱ~Fearless Scenario~」の初回限定盤に付属されるエムカードにて、本作のダウンロードも可能なようで。
特典であれば、アレンジを詰めていく前のデモ音源を聴くことができるなんて貴重な体験、と受け入れやすいはず。
個人的にも、コストに見合う見合わないを気にしない形で、この楽曲に出会いたかったです。
<過去のDavidに関するレビュー>