Gothculture -断章-/David
1. Gothculture -断章-
2. 羽化と理想 (Gothic Unplugged Ver)
3. Gothculture -Nightimage- (Intsrumental)
Davidによる "Gothculture" プロジェクトのSecond Actとしてリリースされたシングル。
6部作で構成される "Gothculture"の第二弾のテーマは、「断章」。
シングルの構成は、表題曲に、過去の楽曲のアンプラグドヴァージョン、前作のインストヴァージョンの全3曲であり、前作「Gothculture -Nightimage-」と同様ですね。
新曲としては実質1曲である中で、2,200円という価格設定は、リスナーをふるいにかける側面もあるでしょうか。
とはいえ、アートワークには凝っていて、アーティスト写真も都度、録り直している様子。
制作費用をかけた分、商品単価が上がるのは仕方ないものと割り切るしかないのかな。
ただし、収録された「Gothculture -断章-」への内容のハードルは、自然と高まってしまうのがリスナーの本音。
音楽CDである以上、お値段相応の満足度は、曲の良さにも求めたいわけです。
その意味では、そんな高いハードルを越えてきたのが、本作ではないかと。
耽美でクラシカルな同期やコーラスワークを駆使しつつ、ツタツタしたリズムに、激しさを助長する掛け合い、メロディアスに展開される旋律と、求められているサウンドを的確に捉えて、"Gothculture"の世界線に落とし込んでいるのですよ。
焦燥感とも、切迫感とも言える息が詰まりそうなスリリングさも、美しいサビでのカタルシスを産んでいて、無駄や隙のない展開は見事としか言いようがない。
二面性を示すように、「羽化と理想」はピアノとストリングスをバックにしっとりしたバラードに仕上げており、たった2曲で、壮大なドラマを演じきってしまったような充実感がありました。
ファンアイテムにしておくにはもったいない、Davidの真骨頂とも言える1枚です。
<過去のDavidに関するレビュー>