![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/s-limited-express/36/a6/j/o0550041214425548169.jpg?caw=800)
宇品線の廃線跡(広島~宇品)について簡単にレポートします。
尚、宇品線の路線名称は路面電車の広島電鉄にも存在しますが、今回の国鉄廃線跡をは関係がありません。
宇品線は元々、日清戦争の人員や物資を輸送する目的で建設され、1894年に全線が開業しました。戦前は軍用線としての輸送がメインでしたが、一般旅客営業を行っていた時期もありました。戦時中は一般旅客営業が中止され、原爆投下により甚大な被害を受けましたが、被害の軽微な南段原~宇品から営業を再開しています。
戦後は軍用線ではなくなり、通勤・通学輸送や貨物輸送がメインとなりましたが、市街地の復興が進むとともに沿線にあった仮設を含む公共施設が市の中心部へと転出し、さらに広島電鉄やバスとの利便性の差が大きくなり利用客が減少し、大赤字路線になってしまいました。そして1966年に旅客営業を廃止(定期券旅客輸送は一部区間で継続)、1972年には定期券旅客輸送と貨物輸送が廃止されました。この時点で国鉄宇品線は幕を閉じましたが、その後は「宇品四者協定線」として、貨物駅である東広島駅(現・広島貨物ターミナル駅)~宇品駅の間を国鉄側線扱いとして貨物列車が走っていました。しかし、1986年には完全に廃止されました。
廃線後、廃線跡は主に道路転用されましたが、一部区間では路盤が残っている箇所もあります。
今回は広島~宇品の順で紹介していきます。
尚、今回の区間はサラッと辿っただけなので調査が不十分なことをお詫び申し上げます。
さらに、探訪時期が2008年で、現在は状況が変化していると思われますが、ご了承願います。
さらに、探訪時期が2008年で、現在は状況が変化していると思われますが、ご了承願います。
![イメージ 18](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/s-limited-express/20/ee/j/o0550076814425548183.jpg?caw=800)
路線名 | 区間 | 営業キロ | 廃止時 |
日本国有鉄道:宇品線 | 広島~宇品 | 5.9km | (※1)1972年4月1日廃止 |
(※)全線単線・非電化。軌間1,067mm。
探訪・撮影時 | 2008年12月 |
![イメージ 2](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/s-limited-express/f8/ba/j/o0550041214425548205.jpg?caw=800)
宇品線の旅客営業廃止時に0番線が廃止となり、跡地は駐車場・駐輪場となりその遺構が長らく残存していましたが、
現在はどうなっているのでしょうか?
![イメージ 3](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/s-limited-express/51/84/j/o0550041214425548222.jpg?caw=800)
宇品線のレールがどの場所を通っていたかは不明ですが、
少なくとも踏切の先辺りからは宇品線専用の線路があったと思われます。
![イメージ 4](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/s-limited-express/ce/4a/j/o0550041214425548241.jpg?caw=800)
写真右側の建物の形状からカーブの具合がわかります。
この辺りの廃線跡は広島駅と正面に見えるマツダスタジアムを結ぶ道路になっています。
![イメージ 5](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/s-limited-express/f2/06/j/o0550041214425548269.jpg?caw=800)
右カーブが終わると、山陽本線神戸方からの短絡線跡と合流します。
マツダスタジアムの場所には貨物駅がありましたが、現在は移転しています。
その貨物駅を取り囲むように宇品線・山陽本線・短絡線でデルタ線が形成されていました。
![イメージ 6](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/s-limited-express/b9/67/j/o0550041214425548291.jpg?caw=800)
廃線跡には新しい道路橋が架けられています。
![イメージ 7](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/s-limited-express/4d/83/j/o0550041214425548312.jpg?caw=800)
猿猴川の先は区画整理が行われ、現在は痕跡がなくなっています。
![イメージ 8](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/s-limited-express/a8/54/j/o0550041214425548336.jpg?caw=800)
駅跡の一部は小さな公園になっていて、駅名標のモニュンメントがあり車輪・レールが保存されています。
![イメージ 9](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/s-limited-express/13/f0/j/o0550041214425548362.jpg?caw=800)
痕跡は残っていません。
![イメージ 10](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/s-limited-express/15/59/j/o0550041214425548390.jpg?caw=800)
宇品線はガードレールの辺りを通っていたと思われますが、廃線後に道路が拡幅されたようで痕跡はありません。
![イメージ 11](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/s-limited-express/8c/e8/j/o0550041214425548415.jpg?caw=800)
駅跡の一部は「ポッポ広場」という公園になっています。
![イメージ 12](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/s-limited-express/9b/3f/j/o0550041214425548441.jpg?caw=800)
![イメージ 13](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/s-limited-express/cc/78/j/o0550041214425548463.jpg?caw=800)
この辺りは家庭菜園化されています。
宇品線跡の東側には宇品線の完全廃止前より幅の広い道路(海岸通り)が通っています。
![イメージ 14](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/s-limited-express/7b/e0/j/o0550041214425548484.jpg?caw=800)
写真の橋梁跡を見ると、一部は廃線後に盛土がされた可能性もあります。
![イメージ 15](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/s-limited-express/38/7f/j/o0550041214425548503.jpg?caw=800)
廃線跡は草ぼうぼうになっており、歩けない上に路盤の様子が分かりませんでした。
![イメージ 16](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/s-limited-express/af/db/j/o0550041214425548516.jpg?caw=800)
この先の廃線跡は広島高速の用地に取り込まれてしまい、痕跡が失われました。
![イメージ 17](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/s-limited-express/d2/59/j/o0550041214425548544.jpg?caw=800)
単式ホームと貨物側線を有していて、ホームは563mと相当長かったようです。
現在、宇品駅跡は撤去されて広島高速道路になっていますが、
一角には宇品駅ホームに面して存在していた「広島陸軍糧秣支廠倉庫」のレンガ壁面の一部がモニュメントとして保存されています。
(おしまい)
私が宇品線の廃線跡を探訪したのは2008年の一度きりですが、広島駅周辺については新幹線の車窓から何度も見ています。
尚、廃線跡は道路転用された箇所も多いですが、遺構も幾らか残っていました。
尚、廃線跡は道路転用された箇所も多いですが、遺構も幾らか残っていました。
廃線跡の距離は約6kmで、徒歩ではやや長いかもしれません。徒歩ですと片道で2時間少々見ておけば大丈夫でしょう。自転車ですと2時間くらいで往復探訪が可能です。また、廃線跡の約1km西を広島電鉄宇品線が走っていて、片道は広電を利用できます。さらに、廃線跡と広電の間にはバス通りがあり、路線バスも利用可能です(時刻は要確認)。
食料・飲料についてですが、沿線にはコンビニが点在していて困りません。但し、宇品方にコンビニは少ないですが…。一方、飲食店はほとんどなく、広島駅周辺に集中している感じです。事前に準備しなくても大丈夫でしょう。尚、自動販売機は至る所にあります。
広島へご旅行の際はぜひ一度探訪されてみて下さい!
接続駅 | 接続路線 |
広島駅 | JR西日本:山陽新幹線(新大阪方面、博多方面) |
広島駅 | JR西日本:山陽本線(三原方面、岩国方面)、芸備線、(呉線列車)、(可部線列車) |
広島駅 | 広島電鉄(広島駅電停):本線<1号線、2号線、6号線>、(皆実線【比治山線】<5号線> ) |
宇品駅跡 | 広島電鉄(海岸通電停まで徒歩5分):宇品線 |
(参考:Googleマップ、地理院地図、Wikipedia)