東岡崎駅にて。特急用の2200系電車です。
今回より3回にわたり、愛知県三河地方の豊橋から東海道沿いに北西へと進み、中京圏最大の都市である名古屋市を経て岐阜県の県庁所在地・岐阜市にある名鉄岐阜駅へ至る名鉄の大黒柱的路線、
名鉄名古屋本線を紹介していきます。
1回目は、東三河地区の中心都市である豊橋市にある豊橋駅から東海道沿いに山間部を進み、西三河地区の中心都市である岡崎市を経由して三河平野を走り、三河線とのジャンクションである知立駅へ至る豊橋~知立です。
名鉄名古屋本線を紹介していきます。
1回目は、東三河地区の中心都市である豊橋市にある豊橋駅から東海道沿いに山間部を進み、西三河地区の中心都市である岡崎市を経由して三河平野を走り、三河線とのジャンクションである知立駅へ至る豊橋~知立です。
(Yahoo!地図を使用)
路線名 | 区間・営業キロ | 備考 |
名古屋鉄道:名古屋本線 | 豊橋~名鉄岐阜(99.8km) | 直流1,500V電化。軌間1,067mm |
区間 | 営業キロ | 備考 |
豊橋~知立 | 43.1km | (※1)全区間複線 |
踏破達成時 | 1999年8月 |
撮影時 | 2011年5月ほか |
起点の豊橋駅はJRの駅を間借りしている形態で、名鉄には単式ホーム1面1線の3番線しか割り当てられていません。
改札内でJR在来線と乗換可能ですが、『 manaca 』などICカードでの乗換にはホームにあるカードリーダーにタッチする必要があります。
改札内でJR在来線と乗換可能ですが、『 manaca 』などICカードでの乗換にはホームにあるカードリーダーにタッチする必要があります。
豊橋を発車すると、右手に車両基地の豊橋運輸区を見ながら住宅地の中を東海道新幹線、東海道本線と並走し、飯田線の一部列車のみが停車する船町駅、豊川を渡って同じく飯田線の一部列車のみが停車する下地駅を続けて通過します。その後は上り線と離れて豊川放水路を渡り愛知県・豊橋市から豊川市へと変わります。
そして右へ左へカーブして豊橋駅から線路を共用してきた飯田線と分かれます(平井信号場)。尚、豊橋~平井信号場の間は下り線をJR東海が、上り線を名鉄が所有していますが、運行管理はJR東海が行っていて、名鉄の運行本数が毎時6本に、最高速度が飯田線クラスの85km/hに制限されて名鉄電車にとっては東海道本線と競合する上で大きな障害となっています。
平井信号場を通過後は上り線と合流し、続けて小坂井支線跡が右側から寄り添います。その後は住宅地の中を北西へ走り、伊奈に着きます。
伊奈駅にて。駅構内に留置線があります。
前述の豊橋駅乗り入れ本数制限の影響で、当駅を始発・終着とする列車が普通列車を中心に多数設定されています。
前述の豊橋駅乗り入れ本数制限の影響で、当駅を始発・終着とする列車が普通列車を中心に多数設定されています。
伊奈を発車後は畑も残る住宅地の中を一直線に走り、佐奈川を渡ると小田渕に着きます。
(小田渕駅付近にて)小田渕を発車後は田園の混在した住宅地の中を北西へ進み、国道1号線(東海道)をアンダーパスした後に右側に豊川線が合流すると国府(こう)に到着します。
国府を発車すると県道5号線(姫街道)をアンダーパスして、住宅地の中を北西へ走ると右側から山並みが接近し、旧東海道の宿場町だった御油に着きます。御油を発車後は田園風景の中、左右に山並みを見ながら走り、やがて左へカーブすると同じく旧東海道の宿場町だった名電赤坂に着きます。
名電赤坂を発車後は東名高速道路の音羽蒲郡ICなどを見てローカル風景の中を走り、名電長沢に着きます。
名電長沢を発車後は右側を東名高速道路、左側を国道1号線に挟まれて山間部を進みます。右へカーブすると岡崎市へと変わり、高架区間になると左へカーブして左手に住宅地を見て走ると本宿に到着します。駅名に「宿」が付いていますが、ここには旧東海道五十三次の宿場町はありませんでした。
本宿を発車すると国道473号線をオーバーパスしてから地平区間に戻り、長閑な山里を西北西へ走ると名電山中に着きます。名古屋本線には「名電」を冠する駅が3つありますが、2005年に新名古屋駅・新一宮駅・新岐阜駅の「新」が「名鉄」へと変更された際も「名電」のまま変更されず現在に至っています。尚、元々の駅名は旧社名の愛知電気鉄道にちなんで「愛電」を冠していました。
名電山中を発車後は山あいのローカル風景の中を右へ左へカーブして走ります。
名電山中を発車後は山あいのローカル風景の中を右へ左へカーブして走ります。
そして舞木信号場に差し掛かり、右へ分かれた線路は丘の上にある舞木検査場へと続いています。
その後は国道1号線をアンダーパスして、左手に旧東海道の宿場町を見て走ると藤川に着きます。藤川を発車後は左へ右へカーブして走り、山並みが離れていきます。その後は住宅地の中を北西へ走り、急行停車駅の美合に到着します。
美合を発車すると右手に田園風景を見ながら住宅地の中を北西へ走ります。右へカーブした後に左へカーブすると男川(おとがわ)に着きます。男川を発車後は丘陵上の住宅地の中を走り、やがて市街地へ入ると左へカーブして事実上の岡崎市の中心駅である東岡崎に到着します。旧東海道の宿場町「岡崎宿」への玄関口でもあります。
東岡崎駅にて。郊外にあるJR駅とは違い岡崎市街にあり、実質的に岡崎市の中心駅として機能しています。
当駅は島式ホーム2面4線の構造で、当駅を始発・終着とする列車が普通列車を中心に多数設定されています。
当駅は島式ホーム2面4線の構造で、当駅を始発・終着とする列車が普通列車を中心に多数設定されています。
東岡崎を発車すると築堤高架で市街地の中を西へ走ります。
そして右手に岡崎城を見て乙川を渡ると国道248号をオーバーパスして愛知環状鉄道線との交差地点にある岡崎公園前に着きます(愛環線の駅名は「中岡崎」)。
岡崎公園前を発車後すぐに矢作川を渡り、その後は地平区間へと戻り住宅地の中を走ると矢作橋に着きます。
矢作橋を発車後しばらくすると田園風景の中を走るようになりますが、住宅地へと車窓風景が変わると宇頭に着きます。
宇頭を発車後は広大な田園風景を見ながら走り、安城市へ変わると右側の風景は住宅地に変わりますが、左側の風景は田園のまま推移します。そして左側に西尾線が合流すると市街地へと入り、新安城に到着します。
新安城を発車すると住宅地の中を走りますが、やがて左側車窓は田園風景に変わります。そして知立市へと変わると左側車窓は住宅地へと変わり、猿渡川を渡ってしばらく走ると牛田に着きます。牛田を発車後は衣浦豊田道路(国道419号線)をアンダーパスして、引き続き住宅地を走ると左へカーブしますが、かつてはこの地点(旧知立信号所)から直進して三河線の三河知立駅へ至る貨物列車用の知立連絡線が1984年まで存在していました。廃線跡には今も遺構が見られます。
その後は築堤高架区間になり、右へカーブして三河線をオーバークロスしますが、三河線との交差地点手前には1968年まで東知立駅が存在していました。かつては三河線の三河知立駅と構内が繋がっていて「知立駅」だった時代もありました。
尚、当初の三河線は三河知立駅を出て名古屋本線をくぐると、そのまま直進して重原駅や刈谷駅方面へと向かっていましたが、西側に設置された現・知立駅へ乗り入れるべく、現在のスイッチバック配線へと変更されました。旧線跡に関する簡易版記事はこちら。
そして三河線を跨ぎ終えると市街地へと入って地平区間となり、左側から三河線の『海線』と『山線』が合流して知立に到着します。
知立駅にて。単式ホーム1面、島式ホーム2面の計3面5線の構造で、現在は高架化工事が進行中です。
名古屋本線の割り当ては北側の4~6番線ですが、高架化されると名古屋本線が下層、三河線が上層の重層高架駅となり、名古屋本線部分が島式ホーム2面4線に拡張される予定です。
名古屋本線の割り当ては北側の4~6番線ですが、高架化されると名古屋本線が下層、三河線が上層の重層高架駅となり、名古屋本線部分が島式ホーム2面4線に拡張される予定です。
知立駅の駅舎です。高架化で変化が見られるでしょう。
駅周辺は市街地となっています。
駅周辺は市街地となっています。
(つづく)
名古屋本線の当該区間では快速特急(一部特別車)、特急(一部特別車)、急行、準急、普通の各種別列車が運転されています。尚、現在は豊橋方面と中部国際空港を直通する列車の設定はありません。
データイムは豊橋~名鉄岐阜と豊橋~新鵜沼の快速特急・特急が各毎時2本ずつ運転されています。岐阜系統は下りが特急で上りが快速特急、新鵜沼系統は下りが快速特急で上りが特急と、運転系統が複雑になっているので注意が必要です(快速特急は国府と新安城を通過)。急行は豊橋~名鉄岐阜の全線通し系統と豊川稲荷~名鉄一宮の豊川線系統が毎時2本ずつの運転で(豊川線系統は朝と夕方以降、準急になります)、結果、豊橋駅では特急が毎時4本、急行が毎時2本発着となっています。また、新安城以西では西尾線系統の急行が毎時2往復加わります。
普通列車は豊橋駅発着の設定がなく、全て伊奈駅以西での運転です。伊奈~東岡崎は毎時2本、東岡崎以西は毎時4本運転です。
ラッシュ時は増発され、豊川稲荷始発の特急も運転されます。
普通列車は豊橋駅発着の設定がなく、全て伊奈駅以西での運転です。伊奈~東岡崎は毎時2本、東岡崎以西は毎時4本運転です。
ラッシュ時は増発され、豊川稲荷始発の特急も運転されます。
使用車両は、一部特別車特急・快速特急が1000系-1200系(1030系-1230系)、2200系、1700系-2300系の6連で、朝夕を中心に岐阜方に2連の1800系(1850系)、3100系、3150系が増結されます。急行以下は3扉通勤車が中心で、豊橋への送り込み列車には前述の特急用車両が使用されます。
豊橋からの快速特急での所要時間は、東岡崎19分、知立28分、金山45分、名鉄名古屋50分で、JRの新快速と大差ありません。
この区間では豊橋駅付近での線路共用の不利がありながら名鉄も健闘していると言えるでしょう。
この区間では豊橋駅付近での線路共用の不利がありながら名鉄も健闘していると言えるでしょう。
乗換駅 | 乗換路線 |
豊橋駅 | JR東海:東海道新幹線、東海道本線(浜松方面、蒲郡方面)、飯田線 |
豊橋駅 | 豊橋鉄道:渥美線 (新豊橋駅まで徒歩5分) |
豊橋駅 | 豊橋鉄道:東田本線【軌道線】 (駅前駅まで徒歩4分) |
国府駅 | 名古屋鉄道:豊川線 |
岡崎公園駅 | 愛知環状鉄道:愛知環状鉄道線 (中岡崎駅まで徒歩5分) |
新安城駅 | 名古屋鉄道:西尾線 |
知立駅 | 名古屋鉄道:名古屋本線(名鉄名古屋・名鉄岐阜方面) |
知立駅 | 名古屋鉄道:三河線(猿投方面【山線】、碧南方面【海線】) |
(参考:Wikipedia)