⛩【菊と稲荷】古事記の行間『導きの神』1:なぜ笑わない。 | 神仏広告代理店

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【菊と稲荷】

とにかく古事記は説明不足。

 

ならばその行間を妄想で埋めましょう。

 

 

 

 

そんな菊田の古事記の行間。

 

 

第一弾の『スサノオ神楽』は解読アリで未完でありますが💧

 

今回のお話は、頭に現れた純粋な物語としての行間です。今のところ。

 

 

 

 

という事で、書く書くと言っていました

 

猿田彦大神と天鈿女命の物語。

 

 

 

 

射手座満月の夜に始まり始まり

 

 

 

 
 
***
 
 
 
 

 

女神が上空でその胸をはだけた時、

 

大地に立ち見上げていた男神は、

 

大きな目を見開き、すぐさま視線を外した。

 

 

 

 

 

空に道はないが、大地には道があり

 

その道は枝分かれしていた。

 

 

 

 

 

天孫降臨の一場面。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

「…………」

 

 

 

 

 

 

少し離れた天高い場所から、その様子を数多の神々が息を飲んでうかがっている。

 

 

 


国譲りのあと、中津国の統治のために

 

天照大御神の命を受け、孫の邇邇芸命(ニニギノミコト)が天降る事になった。

 

 

 

高天原から大地に降りるその途中、行先に光りを大きく放つ何者かがいた。

 

 

 

天岩戸開きの際にきっかけとなる踊りを見せた女神に、高天原はこう言った。

 

 

 

お前は気後れせずに立ち向かう事ができる者。

 

様子を見にいってくれまいか。と。

 

 

 

女神の名は、天鈿女命(アメノウズメノミコト)

 

天孫降臨の一団を天に置き、身一つで光放つ何者かの前に現れたのだった。

 

 

 

光放つ何者かは、背の高い男神であった。

 

 

 

天から降りる女神・天鈿女命を黙って見ていた……と思ったら、

 

急に現れた女神が衣を掴み、その体を露わにした。

 

 

 

男神は突然の事に驚き、赤面して目線を外したのだった。

 

 

 

 

天鈿女命は青い空のその途中。

 

 

まだ地に着いていない女神の髪と衣を、風が大胆に踊らせる。

 

 

 

 

 

「ふ……」

 

 

 

気丈に目の前の男神を見たまま、天鈿女命の唇が動いた。

 

 

 

「ふはははははは!!」

 

 

 

シンとした空に天鈿女命の不敵な笑い声が響いた。

 

 

 

 

 

「……何を笑っている……?」

 

顔を赤らめ戸惑いながら、男神はそう問うた。

 

 

 

「お前こそ、なぜ笑わない?」

 

天鈿女命もまた、頬を染めつつそう放った。

 

 

その顔は今さっき高らかに笑った声とは裏腹に、眉間にしわが寄っていた。

 

 

 

 

「……とにかくその衣を戻してくれ。話はその後だ」

 

 

 

困惑したようなその男神の言葉に、

 

天鈿女命は黙って握っていた衣の襟をきちんと合わせ、

 

裾を引っ張り全体の形を整えた。

 

 

 

 

フンッと鼻息を鳴らし、赤面の男神を見下ろしたまま天鈿女命は話し出した。

 

 

 

 

「天津神の御子がここに降りられる。

 

その通り道に光を強く放つお前がいて、気になって進めないでいる。

 

道を進む事は構わないか」

 

 

 

「我が名は猿田彦。国津神である。

 

天津神の御子が天降りされると聞き、ここにこうして立っている」

 

 

 

 

天鈿女命の肌が隠れた事に安堵した男神は「猿田彦」と己の名を告げた。

 

 

 

 

「猿田彦神か。そこに立っているのは何故だ?

 

我らは戦いをしに来たのではない。道を通してくれぬか」

 

 

 

 

天鈿女命は強く言葉を告げる。

 

 

 

 

天照大御神が隠れ、闇に包まれていたあの時。

 

肌を晒した自分を見て、皆が笑い盛り上がった。

 

 

だからそれが正しいのだと思い、踊り続けた。

 

 

 

 

でも今度は違う。

 

同じようにしたのに……

 

 

 

 

目の前の猿田彦という神は笑わなかった。

 

 

 

……どころか、目を背けた。

 

 

 

 

 

天鈿女命にはもう、強気に言う以外に自分の中に何もなかった。

 

 

 

 

 

猿田彦神は改めて目を凝らし見た天鈿女命に瞬きをし、何かに気がついたような顔をした。

 

そしてすぐにはっきりと伝えた。

 

 

 

 

「そなたの先ほどの姿を見れば、戦う準備のない事はすぐに分かる。

 

そもそも私は戦いに来たのではない。

 

天降りされる旨を聞き、先導をしようとここに来た。

 

……だから安心しろ」

 

 

 

 

まっすぐに見上げ話す猿田彦神の目を見て、天鈿女命は少し肩の力が抜けた。

 

 

 

 

 

「しばし待たれよ」

 

 

 

 

 

天鈿女命はそう伝えると身をひるがえし、

 

後ろに控える天孫降臨の一団の待つ場所に戻った。

 

 

 

 

 

その後ろ姿を見ながら、

 

猿田彦は肩を動かして大きなため息をついた。

 

 

 
 

《続く》

 

 

 

この『⛩【菊と稲荷】古事記の行間・導きの神』は、日本神話をベースに降りてきたシーンを

菊田フィルターで書いています。

 

古事記に限らない日本神話全般がベースなのですが……なんとなく響きが気に入って。

 

 
 
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