⛩【菊と稲荷】スサノオ神楽・1:三貴子の誕生。 | 神仏広告代理店

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【菊と稲荷】

闇が深ければ

 

 

 

そこに生まれる光は小さくてもより強い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず

 

第一の光が左目から生まれた。

 
 
 
御名はアマテラス。
 
 
 
 
次に
 
第二の光が右目から生まれた。
 
 
 
御名はツクヨミ。
 
 
 
 
そして
 
最後の光が……
 
 
 
 
御名はスサノオ。
 
 

 

 
闇から戻りすぐに生まれた小さな光たちは、
 
強い強い力を秘めていた。
 
 
 
 
「なんとも貴い子たちが生まれた」
 
 
 
 
イザナギは思った。
 
 
 
イザナミはああ言い放ったが。
 
 
 
 
でも再び出会えたからこそ、
 
この光たちを生むことができたのではと。
 
 
 
 
イザナミへの想いを昇華するように、
 
イザナギは目の前の光たちを『三貴子』とした。
 
 
 
 
「私はもう思い残すことはない」
 
 

 

 
アマテラスは天を照らすことを任された。
 
ツクヨミも天を照らすことを任された。
 
 
 
スサノオは天の下を任された。
 
 
 
 
先に生まれた二柱は天に向かった。
 
スサノオはそのまま地に残った。
 
 
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「……アマテラスの照らす光はきれいだな」
 
 
目の前の大海原をも輝かせる昼の光に
 
スサノオは憧れた。
 
 
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「ツクヨミの夜を照らす光もきれいだな」
 
 
目の前の漆黒の大海原に映る光の道に
 
スサノオは憧れた。
 
 
 
 
「俺もあんな風に光を放つんだろうか」
 
 
 
スサノオは溢れる強い光を放つ
 
己の姿に憧れた。
 
 
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***
 
 
 
ある日、太陽に雲が掛かり、
 
いつもの光は届かなくなかった。
 
 
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「そんな日もあるんだな。
 
じゃあ今日は俺が光を放とう」
 
 
 
そう思ったスサノオは全身の力を込めて光を放とうとしたが、
 
目の前の世界は何も変わらず
 
 
 
 
ただ曇天を映す灰色だけがそこにあった。
 
 
 
 
「…………」
 
 
 
 
ある日、昨日まで細い刀のようになっていた月がとうとうその姿を隠し、
 
星の瞬きはあるもののいつもの明るさがない夜が来た。
 
 
 
「そんな夜もあるんだな。
 
今度こそ俺が光を放とう」
 
 
 
そう思ったスサノオは全身全霊の力を込めて光を放とうとしたが、
 
星の瞬きだけが静かにある闇は変わる事なく
 
 
 
 
漆黒の闇だけが変わらずそこにあった。
 
 
 
***
 
 
 
「なんで俺は光を放てないんだ」
 
スサノオはそう呟いた。
 
 
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スサノオは森に生きていた。
 
小鳥や小鹿は話し相手だった。
 
 
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ある日、スサノオは小鳥に訊いてみた。
 
 
「なあ、なんで俺は光を放てないんだ?」
 
「お母さんに聞いたら教えてくれるよ」
 
小鳥は木の枝から軽やかにそう答えた。
 
 
 
「お母さん?」
 
「だってお母さんは、僕に飛び方を教えてくれたもの!」
 
 
 
「……へー」
 
 
「あ、お母さんだ。お母さーん!」
 
小鳥が遠くに向かってそう呼ぶと、母鳥が近くに飛んできた。
 
 
 
「じゃあね。スサノオノミコト!」
 
小鳥は母鳥の方に飛んで行ってしまった。
 
 
 
 
「………」
 
 
 
 
ある日、小鹿がやってきた。
 
スサノオはまた訊いてみた。
 
 
「なあ、どうして俺は光を放てないんだ」
 
「お母さんに聞いたら教えてくれるよ」
 
小鹿はスサノオを見ながらそう言った。
 
 
 
「……お母さん?」
 
「だってお母さんが僕に、崖の降り方を教えてくれたもの」
 
 
 
「……へー」
 
 
「あ、お母さんだ。お母さーん!」
 
小鹿が森の奥に向かってそう呼ぶと、母鹿がこちらに寄ってきた。
 
 
 
「じゃあね。スサノオノミコト!」
 
小鹿は母鹿の方に駆けて行ってしまった。
 
 
 
 
 
「………」
 
 
 
 
お母さんって、何なんだ?
 
 
 
 
「………」
 
 
 
スサノオは少しの間黙って考えた。
 
 
 
そして小さな声を発してみた。
 
 
「お母さーん」
 
 
 

 

 

 

 
夕暮れになり、辺りは徐々に暗くなってきた。
 
 
 
次は小鳥や小鹿の真似をして、少し大きな声を発してみた。
 
 
 
「お母さーん!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
それでもスサノオを包む世界は静かで美しいままで。
 
 
 
 
 

 

 

 
 

ただポツンと

 

 

今まで通りにスサノオだけがそこにいた。
 
 
 
 

《続く》

 

 

この『⛩【菊と稲荷】スサノオ神楽』は、日本神話をベースに降りてきたシーンを

菊田フィルターで書いています。ベースとなるお話はこちらをお読み下さい。

"国学院大学 古事記学センター"様サイト>

 

『古事記あらすじ』

今日の内容は『須佐男命』の章になります。
 
 
 
 
 

⛩【菊と稲荷】スサノオ神楽:BGMのご紹介

 

 

美しくて切ない感じもありつつ、神話に想い馳せる曲です。

ヘビロテで聴きながら、物語を書いています。

 

なんか古代って感じなんですよねー。カリンバの旋律と、ナオコさんの声が……。

ダイジェスト版ですが雰囲気伝わりますので、ぜひお聴き下さい。

 

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もちろん菊田もお取り寄せ済みです。古代の空気感をお取り寄せ♪

 

 

こちらもBGM。今の自分のテーマ曲です。

この曲に勇気もらって、スサノオ神様を書いています!

歌は上でご紹介の『Tonal Nostalgia』のコヤマナオコさん*

星読みもされるBlogはこちら→『サウンドアルケミスト*コヤマナオコ』

 

 

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