日記「今日見た映画 2019」20『象は静かに座っている』 | やりすぎ限界映画入門

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ダイナマイト・ボンバー・ギャル @ パスタ功次郎

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■『象は静かに座っている』
やりすぎ限界映画:☆☆☆☆★★★[95]

2018年/中国映画/234分
監督:フー・ボー
出演:ポン・ユーチャン/ワン・ユーウェン/チャン・ユー/リー・ツォンシー

■2019年 劇場公開作品 20本目

「予備知識皆無」で見たら「4時間」あって「ショック」「衝撃」で「大きい方垂れ流し」。

見終わって調べ「第68回ベルリン映画祭」 「フォーラム部門」「第1回最優秀新人監督賞スペシャルメンション」「国際批評家連盟賞」と、「第55回金馬奨」「作品賞」「脚色賞」「観客賞」受賞を思い知った。その「全世界大絶賛」の背景「フー・ボー監督の “自殺” 」について「震撼」「驚愕」「圧倒」「絶句」しかなかった。

日本人の僕が「中国」のことなど「何一つ殆ど砂粒ほども知らなかった」と言う方が「正直」。今まで見た「チャン・イーモウ監督」とか「ジャジャンク-監督」とかニュースとかで知った「程度」の知識しか、実際は「何一つ殆ど砂粒ほども知らなかった」しかない。実際に住んだことがある訳じゃないから、中国の本当の「苦しさ」「辛さ」など解かるはずがない。

「現代」「2018年」中国の「苦しさ」「辛さ」を『象は静かに座っている』は見せたのだと思う。

「「総尺が4時間、長回しの多い映画は、新人監督にとってリスクが高い。2時間ほどの尺に再編集してください」というもの。自身の作家性を貫きたいフー・ボー監督は、ワン・シャオシュアイと激しい論争を繰り広げました。「この争いが、最終的に“自殺”へとつながったのではないか?」と言われています」と言うように、中国国内での上映が「難しい」「厳しい」状況にいて「それでも撮った」という「現実」に、「他人事」とは思えない、僕自身考えさせられるものがあった。ここまで自分の「信念」「価値観」「倫理観」を貫いて生きることって殆どの人間が真似できない。

「4時間」の長尺の理由は「群像劇映画」。「ブー」「ポン・ユーチャン」と「チェン」「チャン・ユー」と「ジン」「リー・ツォンシー」と、「極限の美」恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「リン」「ワン・ユーウェン」の「4人」「4つ」の「苦しさ」「辛さ」の話が交錯する。

「4時間」と聞いただけで「超長い」「偏見」「先入観」「思い込み」に感じてしまいがちだが、実際「前編」「後編」で「2時間」の映画を「2本」見せる作品も多いし、「1人1時間の話」の「4本の短編映画」だと冷静に考えれば、「4時間」を「超長い」と感じる「偏見」「先入観」「思い込み」は消える。

「現代」「2018年」中国でそれぞれ「苦しさ」「辛さ」を抱え葛藤する「ブー」と「チェン」と「ジン」と「リン」が、「満州里の動物園に 一頭の像がいる 象は一日中 座ってる フォークで突かれたからか 座ってるのが好きなのか 理由は不明だ」を見に行く。

びっくりするのは、犯罪を犯した後の「日本とは大違い」な登場人物達の「反応」。もはや社会主義圏の文化について「勝手な想像」「しか」できないが、「自殺」する者もいるくらい「逮捕」「程度」じゃ済まないのだろう。「それを撮った」「フー・ボー監督」の「覚悟」を想像すると、「怖さ」にビビって震え上がり「震撼」「驚愕」「圧倒」「尊敬」「絶句」+「敬意」「賞賛」「崇拝」で大きい方を漏らしたあげく「出るもの全部出て何も出るものがなくなった」。

「苦しさ」「辛さ」の状況で生きる人間達の姿が、「かなり」「厳しい」映像に見えた。日本人である僕自身の「今」と「比較」する以外なす術はない。

だが「かなり」「厳しい」映像に見えた『象は静かに座っている』で、「極限の美」恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「リン」「ワン・ユーウェン」の恐るべき「極限の美」に心奪われた。「苦しさ」「辛さ」の状況で生きる「極限の美」恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「リン」「ワン・ユーウェン」の姿には「時間が止まった」。




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画像 2023年 4月