日記「今日見た映画 2019」19『岬の兄妹』 | やりすぎ限界映画入門

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■『岬の兄妹』
やりすぎ限界映画:☆☆☆☆★★★[95]

2018年/日本映画/89分
監督:片山慎三
出演:松浦祐也/和田光沙/北山雅康/中村祐太郎/岩谷健司/時任亜弓/ナガセケイ/松澤匠/芹澤興人/荒木次元/杉本安生/萱裕輔/中園さくら/風祭ゆき

■2019年 劇場公開作品 19本目

「兄」「良夫」「松浦祐也」と「妹」「真理子」「和田光沙」は二人共障害者なので、もらおうと思えば本当は国の障害者給付金を受給できるはず。「買春」しなくても最低限の生活はできるはずに見える。

だが実際に、障害者給付金をもらえるのに手続きをしないで生きてる人達の話を聞いたことがある。どんな理由かは「勝手な想像」しかできないが、手続きをする能力がない場合もあるが、障害者であることを認めたくなくて、意地で普通の人間と同じように生きようとすため、あえて給付を受けないという話も聞いたことがある。障害の種類は『岬の兄妹』のような「身体障害」「自閉症」だけじゃない。障害者給付金の受給については一括りで「勝手な決めつけ」はできない。

「片山慎三監督」も「「累犯障害者」というノンフィクションを読み「真理子のような人は沢山いる。売春をして捕まって刑務所に入ることを繰り返しており、罪悪感がない。自分の承認欲求を売春によって満たしている」という事実があることを知った」と話すように、この兄妹のような人間達が恐るべき極限のくそリアリズムで「実在」することは想像できた。「絶対いない」とは言い切れない。

全ての人間が「頭のいい人間」じゃない。「頭のいい人間」に「なれない人間」の方が実際「星の数」ほどいると思う。僕自身もその一人。この状況で「買春」しか思いつけない人も大勢いることが恐るべき極限のくそリアリズムに見えた。

だからといってこの「兄」の全てが「悪」なのかと問えばそうじゃない。「善」の部分の方が実際多い。両親がいない状況で今日まで妹を育ててきた。

「良いとこ」「悪いとこ」があって人間だと「これでもか」と思い知らされる。「買春」と「真逆」、「極限の美」に輝く「花火」を見て「泣かし」に追い込まれた。

また恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「真理子」「和田光沙」の自閉症の芝居が「芝居に見えない」。

自閉症の人間の「意思」「信念」「価値観」「倫理観」。「中村祐太郎」を「好き」になった感情。「失恋」の「心の痛み」「苦しみ」「哀しみ」が「他人事」じゃなかった。“本物” の「本当にそう見える」恐るべき極限のくそリアリズムに「震撼」「驚愕」「圧倒」「尊敬」「絶句」+「敬意」「賞賛」「崇拝」でビビって「怖さ」に震えあがり大きい方を漏らしたあげく「出るもの全部出て何も出るものがなくなった」。

『岬の兄妹』を見て「絶対自殺しちゃいけない」こと、「これでもか」と思い知らされた。




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画像 2023年 3月