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■『リトル・フォレスト 夏/秋』
やりすぎ限界映画:☆☆☆☆★★★[95]
2014年/日本映画/112分
監督:森淳一
出演:橋本愛/三浦貴大/松岡茉優/岩手太郎/北上奈緒/佐藤さち子/千葉登喜代/南中将志/山形吉信/小島康志/篠川桃音/照井麻友/温水洋一/桐島かれん
2014年 第30回 やりすぎ限界映画祭
■2014年 ベスト10 第1位:『リトル・フォレスト 夏/秋』
■やりすぎ限界パルムドール/やりすぎ限界女優賞/やりすぎ限界監督賞/やりすぎ限界脚本賞:『リトル・フォレスト 夏/秋』
[ネタバレ注意!]※見終わった人が読んで下さい。
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■やりすぎ限界女優賞:橋本愛
■第2稿 2020年 10月20日 版
[『リトル・フォレスト』「4部作」「自給自足」]
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「何で学校に行くのか?」「何で就職するのか?」 「自立」するため。「自立」とは「一人で生きれる」こと。「一人で生きれる」とは「経済的」だけでなく「精神的」にも、「他人の力に頼らず自分一人の力で生活できる」ことだと思う。
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「自分一人の力で食っていく」ことができれば、「学校」も「就職」も「全く関係ない」。僕は『リトル・フォレスト 夏/秋』『リトル・フォレスト 冬/春』「4部作」に、義務教育は必要でも、「高校」「大学」、社会的な「地位」「名誉」などムダにさえ見える、「学歴社会」「人間関係」に囚われない、「自給自足」という生き方の「魅力」「教え」を思い知らされた。
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僕自身「バイト生活」だが、「世界大不況」「格差社会」の現実の中、いつ職を失うか解からない「不安」「恐怖」に追い込まれてる。格差だけが拡がり、生活が良くなる見込みがない今、「もし職を失ったら」、僕はこの先の生き方を考えねばならない。「自殺」するぐらいなら、死ぬ気で何か始めるべきだろう。『リトル・フォレスト』「4部作」を見て自分の人生を見つめた。「他人事」に見えなかった。
[生きる「楽しみ」「喜び」]
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岩手県衣川村での実体験を基にした「五十嵐大介」の「原作マンガ」を「知らなかった」のは「反省」「懺悔」「償い」しかない。いつものごとく全く読んでないので映画しか知らないが、「自給自足」という生き方の「信念」「価値観」「倫理観」を見せる『リトル・フォレスト』「4部作」が、実はいち子(橋本愛)が「自分の居場所」を見つける話なのだと強く感じた。
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いち子は幼い頃からずっと母福子(桐島かれん)と「母娘」二人暮らし。父親がいない。また福子の「農業」「料理」の「知識」「技術」が、わずか数年やれば身につくレベルにはとても見えない。「小森」が、福子の故郷に見える。
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幼い娘を実家に連れて帰らねばならない目に遭ったのだろう。『リトル・フォレスト 春』で「ばっけ味噌」を作ったまま、成人した娘を置いて失踪した福子は、「人間関係」を築くのが苦手だったのかもしれない。娘に送った「母の手紙」から感じた。
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「彼とダメになって」小森に「私は逃げてきた」と言ういち子も、母親に似てる部分があるのかもしれない。「農業」「料理」の母の「教え」、「知識」「技術」で一人「自給自足」生活を始めた。だが小森に戻ったいち子の、「自給自足」の「5年間」が「辛さ」「苦しみ」には見えなかった。むしろ充実した、生きる「楽しみ」「喜び」を見出したように見えた。「興味を持つこと」に没頭できたのかもしれない。
[『リトル・フォレスト 夏』「dishベスト3」]
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■「冷蔵庫で冷たく冷やしておく
蒸し風呂のような
草刈り作業の後に
ああ-
はあー もう1杯」
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■「根元の赤い部分を
包丁で叩いて粘り気を
出したのが “ミズとろろ”
味噌か三杯酢で味を付け
熱いご飯にかけて食べる」
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■「うわー」
「よし」
「いただきまーす」
「できたー」
「うわっ」
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「全部おいしそう」に見える『リトル・フォレスト 夏』「7つ」の「dish」の中で、「絶対食べたい」「dishベスト3」は「米サワー」「ミズとろろ」「イワナ塩焼き」。特に一番印象に残ったのは「米サワー」。東北の生まれの母と「小森」は共通点があるのか、母の「甘酒」を子供の頃から飲んで育った。母を思い出してしまった。
[『リトル・フォレスト 秋』「dishベスト3」]
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■「すり鉢でよく潰してペースト状に
洗った米に混ぜ合わせる
酒としょうゆで味を付けて炊く
米10に 剥きくるみ2から3
しょうゆ1弱 酒は少々」
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■「小麦粉をまぶす
揚げる
タレに漬ける
1~2時間後から食べられるけど
次の日以降もおいしい」
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■「煮汁のまま2~3ヶ月置くと
しっかり糖がしみ込んでネットリ
私はこのほうが好き
渋皮はまるで
もち菓子みたいな食感だ」
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「全部おいしそう」に見える『リトル・フォレスト 秋』「7つ」の「dish」の中で、「絶対食べたい」「dishベスト3」は「くるみご飯」「イワナ南蛮漬」「栗の渋皮煮」。特に一番印象に残ったのは「栗の渋皮煮」。東北の生まれの母と「小森」は共通点があるのか、母の「栗の渋皮煮」を子供の頃から食べて育った。母を思い出してしまった。
[「最高の幸せ」]
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僕の母親は “本物” の農家の娘だった。子供の頃から農業の話を聞かされて育った。足は田んぼのせいで水虫。爪は巻き爪。鎌で切った稲が爪の中に突き刺さり、爪が剥ける話を子供の頃から聞き、どれほど農業が過酷なものか教えられた。
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だがその母は床屋より「ずっと農業で暮らしたかった」と今でも言う。今も家庭菜園を趣味にしてる。どうせ「自分一人の力で食っていく」なら、「自分で自分が食べたいものを作る」「一番美味しいものを食べる」という、いち子の「楽しみ」「喜び」「生き方」が、母の姿と重なった。「自分で自分が食べたいものを作る」「一番美味しいものを食べる」ことに、「最高の幸せ」を感じる「信念」「価値観」「倫理観」を『リトル・フォレスト』「4部作」に思い知らされた。
[「頭がいい」とは]
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「頭がいい」には種類がある。「記憶力に優れてること」「理解力に優れてること」「想像力に優れてること」「動体視力に優れてること」「人間の知識に優れていること」……………………。たくさん種類があるので、「学校の勉強ができること」だけが「頭がいい」ではない。
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僕はこの世に「頭が悪い」人間は、本当はいないと思ってる。何の分野でもそうだが、人間は「知る努力」をしなければ「知る」ことができない。「何に興味を持ち何の知識を持つ人間か」なのだと思う。
[「橋本愛女優生命限界点」「極限の美」]
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東大生にも知らない「知識」「技術」はある。いち子の「農業に優れてること」「料理に優れてること」の「頭がいい」に「震撼」「驚愕」「圧倒」「尊敬」「絶句」。僕にはとても「真似できない」、今まで全く「知らなかった」、「知識」「技術」を見てビビッて震え上がった。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20201020/10/rocky-balboa-1976/86/43/j/o0400026814837672846.jpg?caw=800)
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いち子の「農業に優れてること」「料理に優れてること」が、「学校の勉強ができること」だけが「頭がいい」ではない「教え」に見えた。『やりすぎ限界映画』とは?[定義⑤]『恋愛映画における女優の私見』において、『リトル・フォレスト 夏/秋』『リトル・フォレスト 冬/春』「4部作」は、「もうこれ以上美しく橋本愛を撮れない限界点に到達してる映画」の2本。「頭がいい」いち子が輝く「極限の美」に「瞬間」「悩殺」、「永遠の下僕」となる以外「選択肢」などなかった。
■『リトル・フォレスト 冬/春』につづく
■『リトル・フォレスト 夏/秋』
■『リトル・フォレスト 冬/春』
画像 2020年 10月